「ビタミンについて/カラダのキモチ」
大航海時代、18世紀の船乗りたちの間では“壊血病”という病が蔓延していたといいます。
血を吐き、死に至るというこの病の原因は、ビタミンC 不足でした。
他にも、ビタミンB1 不足で、心不全や末梢神経障害を起こす“脚気”が蔓延した時代もありました。
ビタミンが発見され、知識が増えることで、これらの病気は少なくなりましたが、近い将来に、別の懸念が。
何と、野菜に含まれるビタミンの量が減少していく傾向があるらしいのです。
ホウレン草に含まれるビタミンC は、ここ50年で、1/4 以下に減少しているという話も。
また、ストレスにさらされている人や、ダイエットをしている人は、ビタミン不足に陥っている可能性があるのだとか。
ということは、知らない間に、ビタミン不足になっているかもしれない?
4月4日放送の「カラダのキモチ」では、「エー(A)!と驚くビタミンの正体。美(B)と健康にイー(E)らシー(C)」と題して、毒にも薬にもなるビタミンについて、いろいろと紹介してくれていました。
そこでは、ビタミンを使った、新たなガン治療についての情報も。
□ ビタミンを発見したのは、誰?
ビタミンは、1910年に、鈴木梅太郎が発見したという説が有力。その当時は、“オリザニン”と言われていました。
ビタミンの語源は、生命を意味する“vita”と、化学物質の“amine”を合わせて、“vitamine”と名付けられたそうです。
□ ビタミンは13種類
現在、ビタミンの種類は13あります。
ビタミンA 、B1、B2、B6、B12、ナイアシン、パントテン酸、葉酸、ビオチン、C 、D 、E 、K 。
ビタミンは人間のカラダの中では作ることができないので、食事から摂取する必要があります。
だから、単調な食事を続けていると、知らず知らずの内に、必要量が摂れていない場合も。
特に、野菜が少ない場合は注意。
更には、決まった野菜しか食べていない場合、ひょっとしたら、欠けている栄養素があるかも。
また、自分では食べているつもりでも、そんなに多くない場合もあるので、一度チェックした方がいいかもしれません。
必要な栄養素は、ここ↓でチェックできます。
栄養素の計算は、以下を参考にどうぞ。
→ 『簡単!栄養andカロリー計算』
→ 『すぐわかる栄養成分ナビゲーター』
→ 『サプリメントチェック:ネイチャーメイド|大塚製薬』
□ ビタミンの弱点
ビタミンC は、長時間加熱すると、壊れてしまうのだそう。
調理方法によって、ビタミンの量は変わってしまうんですね。
因みに、電子レンジで調理した場合、ビタミンC の残留量は、多くなるらしいです。
ブロッコリー(80g)だと、
生-----143mg
ゆで---- 82mg
電子レンジ-119mg
ホウレン草(80g)だと、
生-----90mg
ゆで----40mg
電子レンジ-54mg
□ ビタミンC でガン治療?
ビタミンC を使ったガン治療があるそうです。
“ビタミンC 超高濃度点滴”といって、1日の所要量(100mg)の3年分の量を、週に2回点滴するのだとか。
ビタミンC を多量に摂ると、カラダの中で過酸化水素が発生。この過酸化水素が、ガン細胞を攻撃してくれるのだそうです。また、正常細胞は、過酸化水素水を分解するため、副作用が少ないと。
番組では、試験管レベルの実験では、かなりの効果を上げていると紹介してくれていました。
ただし、これはあくまで補完医療であり、抗がん剤との併用を勧めているのだとか。
なお、経口摂取では、ビタミンC の血液濃度は一定以上 上昇しないそうです。だから、点滴で補給するんですね。
□ ビタミンの主な働き
A:目や粘膜の健康に保つ
B群:酵素の働きを助ける
C:美肌、風邪予防
D・K:骨の形成
E:老化防止
更に、ビタミンは、脂溶性と水溶性に別れます。
水に溶けるビタミン、水溶性のものは、B群とC 。
油に溶ける性質、脂溶性のものは、A 、D 、E 、K 。
水溶性のものは水に溶けるので、余分に摂っても、基本的に、体外に排出されます。
でも、脂溶性のものは、水に溶けないので、脂肪や肝臓に残ってしまうそうです。(ただし、加熱調理による損失は少ない)
実はフラミンゴが赤色をしているのも、エサに含まれる“アスタキサンチン”という色素がカラダの中に溜まっているからなのだそうです。
ミカンを食べ過ぎて手が黄色くなるのもこのためで、ミカンに含まれる“βクリプトキサンチン”という色素が、体内に溜まって手の色を変えるのだそう。
このβクリプトキサンチンや、βカロテン、リコピンやルテイン、アスタキサンチンなどは、体内でビタミンA に変わります。
これらを野菜や果物で摂取した場合、体内で必要な分だけビタミンA に変わるため、問題ないらしいです。
ただ、サプリメントなどでビタミンA を長期にわたり大量に摂ると、過剰障害になる危険性も。
ビタミンなどのサプリメントは、服用量や方法をしっかり守って摂ることが大切なようです。
□ タイプ別の、オススメのビタミン。
喫煙者には、ビタミンC 。
タバコを吸うと、体内の中のビタミンC が壊れてしまい、不足気味になるそうです。
お酒を飲んだ後は、ナイアシンを摂ると、アルコールの分解を助けてくれるのだそう。
なお、ナイアシンは、玄米や牛レバーに含まれます。
高齢者の骨粗しょう症対策には、骨を丈夫にするビタミンD とKを。
これはマグロやキノコ類、ホウレン草に含まれるそう。
アルツハイマー予防には、脳の活性化を促す葉酸がいいそうです。
葉酸は、キャベツや春菊に含まれます。
□
不足しても、摂りすぎても困る、ビタミン。
どのくらい摂れているかは目に見えないので、たまにはチェックした方がいいかも。
外食やコンビニ食が多い人は、意外に摂れていないかもしれません。
また、家で食事をしている人も、メニューが単調だと、抜けがあるかもしれません。
あと、サプリメントを服用している場合、過剰に摂りすぎていないか、気をつけたほうがいいかもしれませんね。
こういうのは目には見えないので、一度数値化するのも、よさそうです。
→ 「カラダのキモチ 最終回と目次」
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