【胃酸の逆流】 危険度チェック 春間賢/ガッテン


3名の胃人から分かったこと。


 ・ 穴が開いて、胃の中と体の外がつながってしまった人。

 ・ 自らピロリ菌を飲んだ、研究者。

 ・ 胃酸が出やすくなっていることを発見した、日本人医師。



<胃酸の逆流 危険度チェック>

肥満、猫背、過食、飲酒、ストレスに注意。



<生活のコツ>

 ・ バランスのよい食事を、腹八分目で。

 ・ 食べ過ぎたら、枕を高くする。

 ・ 食後 30分は横にならない。



解説 : 川崎医科大学 総合医療センター 春間賢 特任教授。



2018年6月13日放送の「ガッテン」より、「せきが止まらない! 歯が溶ける! 犯人はまさかの“胃”!?」からのメモ書き。

その後編です。




ためしてガッテン 胃酸逆流 危険度チェック




胃人から分かったこと


ササミ
最新情報!

研究で今、日本人の胃が、さらに逆流しやすい状況になっていることが、分かってきたらしい。



その前にまず、胃の200年にわたる研究を、見ていきましょう。

登場するのは、3人の「偉人」ならぬ「胃人」。

胃の研究に貢献した人たちだ。




[1]


まずは、カナダ人のこの方。

アレクシス・サンマルタン(1802~1880)。


実は、このサンマルタンさん、ある大きな事故で、胃と体の外とが つながってしまったのです。

(散弾銃が暴発して、腹部に直撃。奇跡的に命は取り留めたが、胃壁の穴が完全には塞がらなかった)

治療したのは、ウィリアム・ボーモントさんという医師。

この医師は、サンマルタンさんに謝礼を払い、胃に関する実験を行ったのだそうな。

穴から、糸で吊るした食べ物の欠片を入れて、取り出しては観察する。

すると、こんなことが分かりました。


 食べ物の違いや その時の気分で、胃液の出方が変わる。


胃に穴が開いてしまった、サンマルタンさん。

その後、78歳まで生きて、たくさんの子宝に恵まれたのだとか。




[2]


お次は、オーストラリアの方。

バリー・ジェームズ・マーシャル(1951~)。


マーシャルさんは、ピロリ菌に関して、素晴らしい貢献をした人。

胃潰瘍の原因がピロリ菌(ヘリコバクター・ピロリ)にあることを、発見しました。


なんと、この方、自らピロリ菌を飲み、ピロリ菌の影響で胃炎が起きたことを確認したんです。

というのも、当時、胃の中は強い酸で満たされているため、菌が生きていられるはずがないと、されていたんですね。

そこでマーシャルさん、自分を実験台にしたのだ。

体を張って、証明したというわけ。


その後、2005年には、(ロビン・ウォレンと共に)ノーベル生理学・医学賞を受賞しています。




[3]


3人目は、日本人。

この方こそ、日本人の胃が さらに逆流しやすい状況になっていることを、突き止めた人です。


岡山県にある、川崎医科大学付属病院。

川崎医科大学 総合医療センターの 春間賢 特任教授が、その人なのだ。

胃がんや胃潰瘍など、診察した患者さんの数は、10万人にも上ります。


春間先生は、ニコニコしながら言いました。

「胃酸、それから、胃の粘膜ですね」

「見てると、楽しい、楽しい、時間を忘れる」

「愛らしいですね、胃の組織ってのは」


先生は、コレクターなんです。

何に対してかというと、「胃の細胞」を集めている。


見せてくれたのは、「胃酸を出す細胞の標本」。

患者さんの検査や治療のため、数ミリの細胞を、一つ一つ採取してきました。

炎症が起きているかとか、粘膜の状態を、見るためだそうです。

その数、40年で 数千人分というから、驚きですね。



春間先生が医師になりたての頃、胃炎や胃潰瘍は重症化しやすく、亡くなる人もいる深刻な病気でした。

苦しむ患者さんのために原因を究明しようと、こうした細胞を活用してきたのだ。


多くの胃の細胞を見続ける中、先生は、ある異変に気づきました。


 胃酸を分泌する細胞が増えている。


同じ面積の中にある細胞の数が、年々増加。

現代の日本人は、40年前と比べると、1.35倍にもなっていたのだとか。


先生によれば、「それで日本人の胃液が増えている」というのだ。

細胞が増えると共に、日本人の胃酸を出す力も上がっているというのです。


(他にも複数の研究が行われ、日本人の胃液増加が確認されているとのこと)



でも、そもそも、なぜ細胞が増えているのでしょうか?




春間先生の解説


ここでスタジオに、専門家の先生が登場。

川崎医科大学 総合医療センターの 春間賢 特任教授です。




そんなにたくさん食べているわけではないのに、胃酸がたくさん出てしまう。

多くの調査から、胃酸逆流が増える背景に、胃酸の増加があることが分かってきました。


逆流性食道炎の人の割合





<どうして、胃酸を出す細胞が増えてしまったの?>


春間先生によれば、そこには生活習慣の変化があるのだという。

特に、食べるものが変わってきた。

昔は、魚とか炭水化物が主でした。

しかし、戦後、肉を食べる量が増えたことで、消化のために多くの胃液が必要になったらしいのだ。


ちなみに、日本人の1日の胃液の量は、推定で 2~3リットル。




私たちの胃の細胞は、肉などの たんぱく質を食べると、特にたくさんの胃酸を出します。

戦後 70年で、日本人が肉を食べる量は、3倍に。

そのため、胃酸を出す細胞が、頑張らねばならない状況になってしまったんです。

結果、細胞が増えていったと、考えられます。



そしてさらに、もう一つ、日本人の胃酸増加に関係するものが。

それは、「ピロリ菌(ヘリコバクター・ピロリ)」


ピロリ菌に感染している胃は、炎症が起きて、胃酸が出にくくなるんです。

かつての日本人の多くが、胃にピロリ菌を持っていたといわれています。

つまり、胃酸が少なかったんですね。

しかし、衛生環境の改善や治療の結果、今では激減。


出生年ごとのピロリ菌感染率


現代では、胃壁はきれいになり、胃酸がたくさん出るようになったというわけ。


ピロリ菌の除去は、胃潰瘍や胃がんのリスクを大きく下げるので、重要です。

しかし、一方で、胃酸が出やすくなることがあるんですね。





<胃酸を出す細胞が増えた影響>


春間先生によると、患者さんが若くなっているらしい。

例えば、20代や30代の、逆流性食道炎の患者さんもいるらしい。

さらに、アメリカやヨーロッパでは、小児の逆流性食道炎も多いのだとか。




肥満も関係するという。

太ると胃が圧迫され、胃酸が逆流しやすくなるのだ。




胃酸の逆流 危険度チェック


ササミ
次の質問で、いくつ当てはまります?




<胃酸逆流 危険度チェック>


 ・ ちょっと肥満が気になる。

 ・ 猫背だと言われる。

 ・ たくさん食べてしまいがち。

 ・ ストレスを感じることが多い。

 ・ お酒をよく飲む。

 ・ 食べてすぐ横になることが多い。



春間先生によると、1つでも当てはまる人は 胃酸にちょっと注意を とのこと。



なぜ、猫背だと、逆流しやすいのか?

それは、肥満と同じで、胃に圧力がかかりやすいから。

ちょっと背中を曲げると、お腹に圧力を感じませんか?



食べてすぐ横になることも、よくありません。


食べてすぐ横になると


食後、すぐに横になると、逆流しやすい。

まだ胃の上部に食べ物がある状態で横になると、すぐそばに食道からの入り口「噴門」がくる格好に。




胃酸で困らない生活のコツ


ササミ
胃に違和感があったら、まず頼りたくなるのが「胃腸薬」ですよね。



<市販の胃腸薬には、どんな種類があるの?>


春間先生によると、薬局に行くと400種類ぐらいあるのだそう。


今回、それを 2つのグループに分けました。


[胃酸を抑える]

1つは、胃液を抑える薬。

あるいは、胃液を中和する薬。

これは、胸やけにいいのではないかと。


[総合薬]

もう1つは、いろんな成分が入った、いわゆる総合薬です。

胃の粘膜を保護したり、胃腸の動きをよくしたりします。



あと、胃が収縮すると痛みを感じるのですが、それを和らげる薬もある。


中には、胃酸を出やすくする薬もあるのだとか。



春間先生のお話。

「非常にたくさんの、いろんな作用のお薬が出てますけども、やはり、一時的な応急処置 という風に考えていただいて」

「これをずっと飲み続けるものでは、ないと思います」

「飲まれても 1週間、あるいは、2週間たっても症状が取れない時は、やはり、医療機関を受診して、きっちりまず検査を受けていただきたいと思います」

「重篤な病気が隠れていることがありますので、そこを忘れないでほしいと思います」


長期にわたって症状が取れない場合や、ひどい症状が出た場合は、医療機関で検査を!





<生活の中で、胃酸を抑える対策は?>


一番は、食事内容。

肉は大切なエネルギー源で、特に高齢者には意識して摂ってほしいもの。

ただ、量が問題になります。


食べ過ぎず、バランスのよい食事を心がける。

それが、胃酸を抑える第一歩。

腹八分目 が大切です。


先生によると、胃の粘膜はだいたい、1か月で入れ替わるのだそう。

つまり、食生活を変えた効果は、1か月程度で表れ始めるということ。




また、こんな方法も。


<食べ過ぎた時の逆流対処法>


 ・ 枕を高くする。

 ・ 食後 30分は横にならない。




まずは、寝る姿勢から。

これは、「日本消化器病学会」の「患者さんと家族のための胃食道逆流症ガイドブック」でも勧められているもの。上半身を上げた寝方です。


上半身が少し起き上がる枕を使うという、方法も。

なければ、枕の下に、たたんだ毛布をひいて角度を作っても、OK 。

先生のおススメは、だいたい10度以上の傾斜です。

目安は、厚手の毛布なら、3~4枚重ねくらい。


逆流対処法




前述のとおり、食べてすぐ横になるのも、NG です。

胃液が逆流しやすくなります。

先生が言うには、「できれば 2時間」とのこと。

「本当は、3時間起きていると一番いい」とも。




春間賢先生のお話。

「次にやっぱり、(胃酸で困る状況を)子どもさんたちに引き継がないように」

「まだ日本人は、海外の人に比べると、胃酸は少ないわけですから」

「ここでなんとか抑えることができれば…」


これからの研究にも、期待大ですね。





ササミ
日本人は、胃酸が逆流しやすくなっている。

しかし、食生活の改善で、胃は変えられます。

エノキ
ガッテン! ガッテン!




胃酸の逆流に気づくには?


ササミ
最後は、これ。

胃酸の逆流で体調不良かも?

そんな人のための、簡単チェック法です。



症状で多いのが「胸やけ」ですが、「胃もたれ」と感じる人もいます。

よく知られているのが、「ノドや口に 酸っぱいものが頻繁にこみあげる」や「ゲップが多い」というもの。

特に、「食後1~2時間によく症状が出る人」は、胃酸の逆流の疑いあり。


まず、腹八分目などの「食生活の改善」を心がけてください。





NHKガッテン! “医者いらず



「胃もたれ・胸やけ」は治せる 機能性ディスペプシア・胃食道逆流症・慢性胃炎 (別冊NHKきょうの健康)


 



来週は、お休みになります。

ガッテンの代わりに、美と若さの新常識「発見! “痩せる脂肪”の極意」が放送される。


次回は、6月27日の放送。

ワカメなのに、でろんでろん。

さらに、どろどろ。

でも、おいしい。

「魅惑の食材! わかめ 未知との遭遇」。





 前編 → 【新型胸やけ】 胃酸で 歯が溶ける?




[関係する記事]

 → 「胃の老化とピロリ菌 呼気検査で見つける」

 → 【胃痛の原因】 胃の上が熱い 胸やけ

 → 【胃の病気】症状別の対策 唾液を増やすおサルさん体操




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【新型胸やけ】 胃酸で 歯が溶ける?/ガッテン


逆流性食道炎の不思議な症状。


 ・咳が止まらない。

 ・歯が溶けてボロボロに。

 ・中耳炎に。


胃酸が逆流するメカニズムを紹介。



名古屋大学医学部 曾根三千彦 教授。

島根大学 医学部 角昇平。



2018年6月13日放送の「ガッテン」より、「せきが止まらない! 歯が溶ける! 犯人はまさかの“胃”!?」からのメモ書き。

その前編です。




ためしてガッテン 新型胸やけ




新型胸やけ


エノキ
さあ、今回のテーマは何でしょうか?

ササミ
「胃酸」です。





時代と共に変化してきた、日本人の身体。

平均身長は、60年で、およそ 11.2cm アップしているのだとか。

顔の形だって、変わってるんですよ。

下の画像は、約30人の顔を合成した写真です。


平均顔の変化


今の人は、アゴが細くなっていますね。

これは、あまり噛まなくなった影響ではないかと言われています。



そして、ここからが本題。

なんと、身体の中でも、変化が。

とある細胞が、増殖しているらしいのだ。

しかも、それが、様々な病気に関わっているのだという。




今回のテーマは、「胃酸」。

実は今、胃酸によって起きる「胸やけ」など、「逆流性食道炎」の人が、急増しているんです。


逆流性食道炎の人の割合


40年で、9倍になっていますね。



さらに、こんな情報も。

なんと、「新型胸やけ」なるものが登場したというのだ。




まずは、基本から学んでいきましょうか。



<胸やけって、どうやって起きるの?>


人工の胃液に、肉をつけてみました。

すると、2時間後、こうなった。


胃液の実験


消化が進んで、ホロホロに。



たくさん食べると、胃液がたくさん出ます。

食べ物に反応して、胃液は出てくる。

上の実験のように、胃酸のおかげで、食べ物が消化しやすくなるってわけ。


ただ、やっぱり、食べ過ぎはよくないようです。

胃の入り口にある「噴門(ふんもん)」という部分。

普段、噴門は閉まっているんですが、ここを胃液が通り抜けて、漏れ出てしまうことがあるのだという。


 胸やけ=胃液が噴門を抜けて上がってしまう状態。




こんな実験があります。

まず、被験者に、バリウムを飲んでもらう。

逆流が起きやすい寝転んだ状態になって、ゲップをしてもらいます。

その時のエックス線写真が、これ。


逆流性食道炎


胃の中身が 噴門を抜けて、食道に上がっています。



もともと、胃の内側は、胃酸によるダメージを受けないようになっています。

理由は、粘膜で コーティングされているから。

でも、食道は違うんですね。

胃酸にさらされ続けると、食道は傷つけられてしまう。


荒れた食道


これが、「逆流性食道炎」です。



この逆流性食道炎、胸やけが症状として現れることが多いのだとか。



食べたものを消化するのに必要な、胃酸。

でも、あり過ぎると問題に。

番組ではこれを、「負の胃酸」と表現しました。



そして、多すぎる胃酸の影響は、胸やけだけではないことが、分かってきています。

いったい、どんな症状が引き起こされてしまうのでしょう?




歯が溶ける?


ササミ
実際に経験した人が、3名います。



[ケース(1)]


43歳の男性、Aさん。

健康には自信があったといいます。

それが 4年前、ある症状に襲われました。


咳(せき)が止まらない。

一度始まると、お手上げです。

コホン コホンという、空咳(からぜき)というか、むせるような咳だったという。

咳止め薬を使っても、なかなか治りませんでした。


特にひどくなったのが、人と話している時や、食事の後。

そして、夜寝ている時。

そのうち、ノドに異物感まで出るようになったという。

まるで、ノドに何か潜んでいるかのような、違和感があった。


原因が分からないまま、何軒も病院を回った、Aさん。

そして最後に、原因は「胃酸の逆流」だと診断されたのでした。


でも、Aさんは、胸やけは感じなかったといいます。

これはなぜ?





[ケース(2)]


埼玉県にお住いの男性、Bさん(51歳)。

6年前、大変なことになってしまいました。

なんと、胃酸が原因で、上側の前歯を すべて失ってしまったのだ。


もともと、歯にはそれほど問題がなかったらしい。

それが 6年前、食事中に、ある違和感が…。

歯の噛み合わせが、おかしい。

その後、症状はさらに悪化。

前歯が 3本、一気に痛くなりました。

歯の裏側が、触って分かるほど、ザラザラしていたという。

さらに、どんどん薄くなるのが分かった。


耐えられなくなって歯医者さんに行くと、衝撃の発言が。

「歯が溶けて、ボロボロになってますね」

そう言われてしまったのだ。



下の画像は、Bさんと同じ症状の患者さんの歯です。


胃酸で溶けた歯


胃酸によって、歯の裏側が変色してますね。


重症だった Bさんは結局、上側の前歯を、全部入れ歯にしなければならなくなってしまったのです。





[ケース(3)]


胃酸は医師にとっても、驚くような症状を引き起こすことがあるのだとか。


専門家に、話を聞いてみましょう。

名古屋大学医学部の 曾根三千彦 教授です。

専門は、耳鼻科。


曾根先生は、ある患者さんを診察しました。

高齢の女性で、耳が詰まったとの訴えだった。


診察すると、鼓膜の中に、液が溜まっているのが分かりました。

液を取り除くと症状はよくなったのですが、しばらくすると、またぶり返したという。

これを繰り返す、難治性の中耳炎でした。


不思議に思って液体の成分を分析した、曾根先生。

すると、高濃度の「ペプシノーゲン」が見つかりました。

ペプシノーゲンとは、胃液の代表的な成分。

つまり、なぜか耳の中に、胃液が入っていたのです。





3つの不思議な症状。

どうして、胃酸で、こうしたことが起きてしまったのでしょう?



胃液が逆流して、胃酸が上がり、ノドにトラブルを起こしたり、歯を溶かしたり。

また、稀に、耳にまで症状が出るそうです。


そう、胸やけだけではない、胃酸が起こす様々な症状が、注目されている のだ。


さらに、胃酸の逆流が起きていても 気がつかない場合もある のだとか。




川崎医科大学の実験。


安全な濃度の「人工の胃液」を使用します。

それを少量、人間の食道に入れてみました。


すると、こんなことが分かった。

ある人は、ノドに詰まるような感じがした。

でも、別の人は、特に何も感じないという。

そう、食道の感覚には個人差がある のだ。

つまり、胸やけがないまま 他の症状が出る人もいる、ということ。




<胃酸が引き起こす 様々な症状>


 ・ 胸やけ。

 ・ 胃もたれ。

 ・ 胃痛。


 ・ 吐き気。

 ・ 咳。

 ・ ノドの違和感。


 ・ 胸痛。

 ・ 歯のダメージ。

 ・ 中耳炎。





胃酸の逆流


ササミ
人間は 度々胃酸が逆流すると 症状が出やすい仕組みを、もともと持っているらしい。


島根大学 医学部の 角昇平 先生。

研究チームは、胃の働きを、様々な方法で探っています。


例えば、こんな実験。

使うのは、「縦軸 8チャンネル pH センサーカテーテル」だ。

センサーが、8個ついています。

これによって、食後に産生される胃酸が、どのように分布しているかを見るんですね。


鼻から入れて、食道から胃の真ん中にかけて、8個のセンサーが入りました。


胃液の分布 実験


赤い部分が、酸の強いところです。

青や緑は、弱いところ。


緑色の食べ物の部分の上に、赤い胃酸の層ができています。

これが、逆流するようですね。


実は、胃酸を出す細胞は、胃の上の方にだけ、分布しているんです。

すると当然、食べ物が入ってくると、上から胃酸が出てくるので、食べ物の上に胃酸がたまりやすくなる。

そのため、食後すぐに逆流が起きると、濃い胃酸で、大きな被害が出てしまうのでした。





NHKガッテン! 2018年 夏号



胃腸の不調がなくなる本 (TJMOOK ふくろうBOOKS)


 



後半に続きます。




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【人とのつながりチェックシート】 飯島勝矢/ガッテン


イギリスで誕生した、「孤独担当大臣」。

BBCでは、人とのつながりの大切さを伝えるキャンペーンまである。


ロンドン大学の研究では、つながりが少ない人ほど死亡率が高いことが判明している。

運動や禁煙、アルコール摂取より、影響が大きという報告も。


対策は、「みんなでワイワイ」。

週に1回、同居の家族以外の人と、外で会うとよい。



解説:東京大学 高齢社会総合研究機構 飯島勝矢 教授。



2018年6月6日放送の「ガッテン」より、「筋肉&血管を強くする! 世界が証明した究極の寝たきり予防法」からのメモ書き。

その後編です。




ためしてガッテン 人とのつながりチェックシート




健康長寿 最強の条件


ササミ
さて、今度は、日本の研究になります。


「寝たきりの危険度」を表したグラフ。


寝たきりの危険度


2つの条件が無い場合、寝たきりの危険度は一番高く、「16.4」あります。

一方だけの場合は、グンと下がってますね。

両方ある場合が、一番低い。


この2つの項目、いったい、何なのでしょう?


ちなみに、上のグラフは、千葉県柏市の高齢者5万人の調査で明らかになった危険度なのだそうです。





都内にお住いの Aさんご夫婦。

旦那さんは87歳で、奥さんは83歳。

仲良しのお二人ですが、生活は対照的です。


旦那さんは、身体を動かすことが大好き。

毎日、1万歩のウォーキングを欠かしません。

こりゃ、すごい。


奥さんの方は、大好きなピアノを弾いたり、英語の詩を読むのが趣味だという。

運動は得意じゃないので、あまり好きではないとのこと。


でも、去年、Aさん夫婦に、意外な事実が判明したらしいぞ。


きっかけは、全国で行われている、お年寄りを対象とした健康チェックでした。

握力や片足立ち上がりなどを測定して、将来、どれくらい寝たきりになりやすいかを判定します。


自信満々の旦那さんでしたが、結果は、予想外のものでした。

なんと、旦那さんの方が、将来 寝たきりになってしまうリスクが高いと、判定されたのです。

あんなに運動しているのに。



上で紹介した「寝たきりの危険度」のグラフ。

2つの条件のうち、1つは「運動」です。

確かに、効果がある。

でも、もう一方の条件の方が、効果は大きいようですね。


では、もう一つの条件とは、何なのでしょう?

運動以上に、効きそうだぞ。






ピアノが趣味の、奥さん。

定期的に、演奏仲間のお友達と、集まっています。

奥さんがピアノで、お友達が 笛、バイオリン、ボーカルを担当している。

といっても、この集まり、演奏がメインというわけではなく、おしゃべりが中心なのだとか。


実は奥さん、他にも、詩の朗読サークルに参加するなど、グループ活動に大忙しなのだ。

運動はしないけど、人間関係は活動的なんですね。



一方、旦那さんの方は、どうでしょう。

テニス仲間がいたのですが、ケガをしてからは ご無沙汰らしい。

毎日のウォーキングも、おひとりで黙々と。



というわけで、もう一つの条件とは、「人とのつながり」でした。


人とのつながりと寝たきり危険度





実は今、「人とのつながり」は、世界的な大問題になっているんです。


イギリスでは、「孤独担当大臣」が誕生したほど。

そう、人とのつながりの改善に、政府が乗り出したんです。


孤独担当大臣 トレーシー・クラウチさんのお話。

「お年寄りの孤独の深刻さについては、既に多くの研究があります」

「しかし、実は、お年寄りだけでなく、孤独は全世代にわたる深刻な問題です」



政府が乗り出すほどのきっかけの一つになったのが、ロンドン大学の研究だという。

50歳以上の男女、6500人の「人とのつながり」を調べ、7年間 追跡しました。

すると、こんなことが分かったのだ。


 つながりが少ない人ほど、死亡率が高い。


ロンドン大学(英国加齢研究) アンドリュー・ステップトー教授のお話。

「私たちのこれまでの研究では、人とのつながりが少ないと、身体に起きる炎症が強くなってしまうことが分かってきました」

「それは、心臓、血圧、ホルモンなど、体中に悪影響が及ぶため、死亡する可能性すら高まってしまうのです」



イギリスBBC では、人とのつながりの大切さを伝える一大キャンペーンが進行中だといいます。


「 Is loneliness affecting your health? 」

「孤独は健康に悪いの?」



そこには、このようなメッセージが。

「孤独は、心臓病や脳卒中の危険性を、およそ 3倍高めます」

「長生きしないという研究結果もあります」



人とのつながりキャンペーン





そして、日本でも、「人とのつながり」を調べることで 寝たきり予防につなげようという、取り組みが始まっています。

例えば、神奈川県は茅ケ崎市。

みんなで、質問票に記入してるぞ。


例)

「Q)個人的なこともでも、気兼ねなく話すことができる友人は、何人いますか?」

「Q)次にあげる組織の活動に、参加していますか? 老人会・老人クラブ、学習・教養のサークル・団体、町内会・自治会…」


友人関係に関する質問や、参加しているサークルなどの数まで、チェックする項目は様々。

これで、「人とのつながり」をチェックできるってわけだ。



<人とのつながりチェック>


 ・ 月に1回以上、顔を合わせたり消息を取り合う人は、何人いますか?

 ・ 個人的なことでも気兼ねなく話すことができる人は、何人いますか?

 ・ 手助けを求めることができるような 身近に感じる人は、何人いますか?



詳しいチェックシートは、最後に紹介します。




飯島勝矢先生の解説


ここでスタジオに、専門家の先生が登場。

東京大学 高齢社会総合研究機構の 飯島勝矢 教授です。



先ほどのグラフ。


人とのつながりと寝たきり危険度


これは、飯島先生にとっても、非常にショッキングな、予想をはるかに上回るような結果だったそうです。

もともと、ある程度は分かっていたのだけれど、ここまでインパクトの強い要素だとは思っていなかった。



「人とのつながり」の重要性は、世界レベルで注目されているのだとか。


次のグラフは、全世界で行われている研究「148個」を全部集めたもの。

対象者は、30万人だという。


長生きに影響する度合い


グラフは、右に行けば行くほど、長生きにプラスに働く。

ということは、「人とのつながりがある」というのは、「禁煙」「酒を飲み過ぎない」「運動」「肥満予防」より、影響が大きいということ。



飯島先生の解説。

「例えば、カラオケ好きの高齢の方が、いたとしますよね」

「できればですね、お二人だけではなくて、5人ぐらいで」

「できれば、3曲ぐらいじゃなくて、8曲ぐらい」

「できれば、カラオケだけではなくて、お隣の、例えば ファミレスでも行って、一緒にワイワイと食べる」

「そこら辺があると、さらに相乗的に、いいことが身体に起こってるんじゃないかなって思います」



こんな調査結果もあるそうな。

「一人でしっかり運動」するよりも、「グループで軽めの運動」の方が、介護予防効果あり!



「運動はある程度効果があることは、明らかです」

「ただ、そこに、多くの人たちとワイワイ運動やろうじゃないかというところが、一番重要じゃないかなと思います」



「みんなでワイワイ」って、良い影響があったんですね。




ササミ
「人とのつながり」を持つことが、寝たきり予防の重要なカギになる!

エノキ
ガッテン! ガッテン!




地域参加


ササミ
でも、人とのつながりって、何から始めればいいんでしょうか?


例えば、こんなことがあるようですよ。


 ・ 週に1回、同居の家族以外の人と、外で会う。


週に1回以上、外で人とのつながりがあると、身体の機能が衰えにくいことが、多くの調査から分かっているのだとか。





少しずつ、人とのつながりを増やした方たちがいます。


新宿区にある、「暮らしの保健室」。

68歳女性のBさんの場合は、どうでしょうか。


Bさんは、近所の騒音のストレスがきっかけで、家に閉じこもりがちになり、人とほとんど会わない生活をしていたのだそうな。

変わるきっかけになったのが、たまたま前を通りかかった、地域のお年寄りが集まるこの場所だったそうです。

お茶でも一杯、飲んでいきませんか?

そう声をかけられたのが、きっかけでした。

中に入ったら、涙が出て、うれしくなったと、Bさんは振り返ります。

「本当に、あそこで声をかけていただかなかったら、いまだに家で机に突っ伏して、鬱々としていたかもしれないですね」と。


知り合いができたことで、Bさんの活動の場は、さらに広がりました。

ボランティアを紹介されたんですね。

今では、高齢者の施設で週1回、皿洗いなどをしているのだそう。

まさに、親切を実践中ってわけ。

楽しいし、感謝されるしで、充実しているようです。

それはもう、帰りに笑顔が漏れ出るほど。





埼玉県にお住いの66歳 男性、Cさん。

都内で会社勤めをしていましたが、63歳で退職。

以来、人とのつながりが途切れてしまったそうな。


どこに市役所があるかも、知らない状態です。

近くに、ほとんど友達がいないのだそう。

自宅で、好きな映画を見たり、パソコン作業をする毎日。

時間に制約されないのは楽しいとも。


でも、近所に住む娘さんは、心配しています。

このままでいいのかな? と。

まだまだ元気なので、できれば、笑って過ごしてほしい。


そこで、娘さんが勧めたのが、「朝霞ぐらんぱの会」でした。

地域の子どもたちに、昔遊びや勉強を教える、地元のおじいちゃんの会です。

皿回しを教えたり、風船でプードルを作ったりと、大活躍。

子どもたちと言葉を交わすうち、自然と笑みも漏れるようだ。


この活動を続ける一番の理由は、仲間ができたことだという。

活動の後 気軽に一杯、ということらしい。

これもまた、人生の楽しみの一つか。

笑ってワイワイとやるわけだから、飯島先生の説明とも合致します。



こうしたきっかけを見つける時に、大きな味方になってくれるのは、近所の「地域包括支援センター」。

人とのつながりをサポートする取り組みを、行っているそうです。




人とのつながりチェックシート


ササミ
最後は、チェックシートの紹介です。


東京大学の飯島教授が考案したチェックシートは、友人や家族に関する質問の他に、組織参加などもチェックして、点数化するもの。

人とのつながり度合いが、一目で分かる代物だ。



人とのつながりチェックシート(1) 家族友人

人とのつながりチェックシート (2) 組織参加

人とのつながりチェックシート(3) 支え合い


今の状態を見直す、良い機会になるといいですね。





さて、Aさん夫妻の話に戻ります。

奥さんに比べて、人とのつながりが少なかった、旦那さん。

新たにグループ活動を始めようと、腰を上げました。


でも、なかなか難しい部分も。

「若い時みたいに、スーッと入っていけなくなっちゃったんですよ」といいます。

「昔は、どんな所でも、平気で入って行ってね」

「今考えると、よくああいう所に入ったな~と思うくらい」

「知らない人たちの中に入るというのが難しくなった、私はね」


そうおっしゃっていたのですが、今年4月に変化が。

いったんは高齢を理由にやめていた趣味のテニスですが、3年ぶりに再開することにしたのだ。

久しぶりでしたが、すぐに勘を取り戻し、動きもキビキビ。

同じ趣味を共有するだけあって、コミュニケーションも問題なさそうだ。


感想を聞くと、「楽しかったですよ。身体がウキウキして」と笑顔に。






人とのつながりって、すごく大事なんですね。

見えないところで、影響が大きいのか。





NHKガッテン! 2018年 08 月号 [雑誌]



東大が調べてわかった 衰えない人の生活習慣


 



次回は、これ。

胃酸を出す領域が広がってるって、どういうことなんだろう?

放っておくと、大変なことに…。

「せきが止まらない! 歯が溶ける! 犯人はまさかの“胃”」。





 前編 → 【最新 寝たきり予防法】 人に親切にする





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