大腸ガン カプセル内視鏡から検便まで 最新スクープ/ためしてガッテン
今週のテーマは、「大腸ガン」。
新島で検査がブームに?
良性のポリープでも、1割はガン化する。
国立がん研究センター中央病院 内視鏡科医長 松田尚久さん。
新しいガンと杯細胞。
内視鏡検査の必要性。
日本消化器内視鏡学会 専門医 藤井隆広さん。
大腸カプセル内視鏡で、ヒダの陰もバッチリ。
国立がん研究センター中央病院 内視鏡科 角川康夫さん。
検便のガン発見率を上げる方法。
日本大腸肛門病学会 専門医 神山剛一さん。
2014年1月22日放送の「ためしてガッテン」より、「大腸がん! 99%発見法 スゴ腕ドクターに聞け」からのメモ書きです。

□ 新島で内視鏡検査がブーム?

年間死亡者数 4万5744人。
これ、何の病気だと思います?
それは、「大腸ガン」。
最新スクープが、てんこ盛りですよ。
新しいタイプの大腸ガン。通称「幽霊がん」。
スーパードクターおすすめの、超最新ワザ。
こんな資料があります。
<部位別 ガンによる死亡者数>
男性
1位:肺がん
2位:胃がん
3位:大腸がん
女性
1位:大腸がん
2位:肺がん
3位:胃がん
(2011年 厚生労働省調べ)
女性では、1位になってますね。

東京都中央区にある、国立がん研究センター中央病院。
内視鏡科医長の松田尚久さんが、最新スクープ第1弾を教えてくれます。
松田さんは、1万人以上の大腸を つぶさに見てきた先生。
実は、日本のある場所で、大腸ガンが激減しているのだという。
その場所とは、伊豆七島の一つ、新島。
この島では、内視鏡検査が大ブームなんです。
でも、島にあるのは診療所のみ。
大腸カメラは、行ってません。
ちなみに全国では、内視鏡検査は、40歳以上で5%しか受けていないのが現状です。
それが新島では、35%もある。
でも、なぜ、内視鏡検査がブームになったんだろう?
実は、こんなことがありました。
国立がん研究センターが、2011年から2年間、新島で国内初となる、大規模な内視鏡検査を行ってくれたのです。
その時、578人中、18人にガンが見つかり、速やかに切除されました。
問題は、良性ポリープ。
意外ですが、良性のポリープのうち、約1割はガン化するそう。
そして、新島で検査した578人のうち、良性のポリープ(腺腫=良性腫瘍)が見つかったのは、40歳以上で289人。50%もあった。
これまで集中的に検査することがなかったので分からなかったのですが、ここまで多かったんです。
そして、この289人のうち、ガン化した人はゼロ人だった。
なぜかといえば、ちゃんと取ったから。
内視鏡検査の際、内視鏡でポリープを切除したんですね。
□ シロップで検査?
新しいタイプの大腸ガンが、あるのだという。
訪ねたのは、日本消化器内視鏡学会 専門医の藤井隆広さん。
まずは、大腸の中身から。
腸の中では、粘液が出ています。
これは、固い便を外に送り出すために分泌されるもの。
その量、なんと、1日約3リットル。
その粘液を作っているのが、「杯細胞(さかずきさいぼう)」と呼ばれるもの。
実は、新しい大腸ガンになると、この杯細胞が増えることが分かりました。
しかも、横へ横へと、増えていく。
この方向が、ポイントだったんですね。
杯細胞が横に増殖するため、上に盛り上がりにくく、見逃しやすいのです。
ここでスタジオに、藤井隆広 先生が登場。
新しいガンを発見する方法を、教えてくれました。
その方法は、青い色素をまくこと。
それによって、見えるようになります。
しかも、この色素は、かき氷のシロップにも使われるものらしい。
それによって分かるガンの前兆を、「鋸歯(きょし)状病変」という。
大腸鋸歯状病変が学会で議論されるようになったのは、10年ぐらい前から。
一般の内視鏡医にも、1年ほど前から、認知されるようになりました。
それまでは、大腸鋸歯状病変は、見逃されやすかったようです。
ただ、今では、「大腸癌取扱い規約」にもちゃんと、取り上げられている。
藤井先生は、おっしゃいます。
「40歳を超えたら、大腸内視鏡検査を受けていただきたいと思います」
大腸ガンは進行が遅いため、早期発見すれば、ほぼ100%治療できる。
それにもかかわらず死亡者数が多いのは、内視鏡検査をしないから。
さらに、内視鏡検査を受けることで、大腸ガンになりやすいかどうかも分かる。

40歳になったら、一度は内視鏡検査を!
大腸ガンの危険度が分かります。

ガッテン! ガッテン!
□ カプセルで検査?
大腸がん発見に欠かせない内視鏡カメラですが、ある弱点があります。
大腸のヒダの陰を見ようとすると、内視鏡の先端を反転させる必要があるんです。
ヒダはたくさんあるし、非常にたいへん。
ここで最新情報を提供してくれたのが、この先生。
国立がん研究センター中央病院 内視鏡科の、角川康夫さん。
内視鏡検査の第一人者です。
角川先生が紹介してくれたのは、「カプセル型内視鏡」。
これには、両端に超小型カメラがついています。
「大腸カプセル内視鏡」の長さは、3センチ。
使い方は、ただ飲むだけです。
前後2つのカメラが、大腸の中を、くまなく撮影してくれる。
体内で撮影した画像のデータは、装着したレコーダーで受信。
使用済みのカプセルは、トイレに流しません。
病院でもらえるキットで回収し、廃棄処分される。
この大腸カプセル内視鏡、2014年1月から保険適用が開始されます。
「仮想内視鏡(大腸CT)」を使った検査もある。
体の断面を撮影した1000枚もの輪切り画像を、再構成。
大腸だけを、立体的に映像化します。
これならいくらでもじっくり見ることができるし、ヒダの裏側に隠れたポリープだって見逃しません。
大腸の画像を、開いて見ることも可能。

今まで紹介した3つのスクープを表にすると、こうなります。

精度ですが、内視鏡の精度を100とすると、カプセルは8~9割、CTも8割になります。
それぞれ特徴がありますね。
□ 検便の極意
大腸の検査といえば、「検便」もありますよね。
40歳以上であれば、日本中どこに住んでいても、大腸ガンを見つけるための検便が受けられるようになっています。
ちゃんと連絡のハガキが、来るでしょ。
東京都 八王子市役所。
ここでも、大腸ガン検診を案内するハガキを出しています。
実は、いろんな工夫がされてるんですよ。
工夫(1) めくるタイプにした。
工夫(2) お得感をアピールする文面。
工夫(3) かわいいキャラ。
でも、これだけやっても、8割の人は受けてくれない。
検便の受診率、その全国平均は、たったの18%。
ここで登場するのは、日本大腸肛門病学会 専門医の神山剛一さん。
これまで5000人の便を、観察してきました。
神山先生によると、検便にはこのような魅力があるのだとか。
検便は、血液検査やレントゲン検査と比べると、体への負担がまったくありません。
また、一番大事なのは、大腸ガンを早く発見できること。
でも、大腸ガンの発見率は、どうなんだろう?
実は、45%しかありません。
検便は、便にガンからの出血がつかない限り、検出されない。
運に左右されやすいんですね。
でも、ここで朗報。
検便のガン発見率が、劇的にアップする方法があるんです。
最近の検便は、便を2日分提出するようになったのだとか。
2回することで、ガン発見率が上がるのです。
2回だと、70%。
さらに、市町村の検査と会社の健康診断を合わせると、2回+2回で、計4回に。
4回だと、発見率は91%に。
そこに人間ドックを加えると、計6回。
6回だと、97%になります。
ガン発見率は、検便の回数を重ねるほど、100%に近づくんです。
![NHK ためしてガッテン 2014年 02月号 [雑誌]](http://ecx.images-amazon.com/images/I/61Cr3lW5oyL._SX200_.jpg)

□

そういえば40歳の時、ハガキが来ました。
無料なので、検便の大腸ガン検査もした。
今は、棒で突っつくんですね。
それをカプセルに入れて、郵送する。
内視鏡検査も、しとくべきなのかなあ。
[まとめ]
・良性のポリープでも、約1割はガン化する。
・内視鏡検査だと、検査の際に
切除できることも。
・新しい大腸ガンは
杯細胞が横に増殖する。
・これだと上に盛り上がらないので、
以前は見逃しやすかった。
・けれど今は青い色素を使い
発見できる。
・大腸ガンは進行が遅いので、
早期発見すれば
ほぼ100%治療できる。
・検便は、回数を増やすと、
発見率がグッと上がる。
・40歳になったら、
一度は内視鏡検査を。
次回は、「キウイの帝王が伝授! 極甘&瞬間完熟ワザ」。


→ 「ためしてガッテン 2013年のアーカイブ 4月~6月」
新島で検査がブームに?
良性のポリープでも、1割はガン化する。
国立がん研究センター中央病院 内視鏡科医長 松田尚久さん。
新しいガンと杯細胞。
内視鏡検査の必要性。
日本消化器内視鏡学会 専門医 藤井隆広さん。
大腸カプセル内視鏡で、ヒダの陰もバッチリ。
国立がん研究センター中央病院 内視鏡科 角川康夫さん。
検便のガン発見率を上げる方法。
日本大腸肛門病学会 専門医 神山剛一さん。
2014年1月22日放送の「ためしてガッテン」より、「大腸がん! 99%発見法 スゴ腕ドクターに聞け」からのメモ書きです。

□ 新島で内視鏡検査がブーム?

年間死亡者数 4万5744人。
これ、何の病気だと思います?
それは、「大腸ガン」。
最新スクープが、てんこ盛りですよ。
新しいタイプの大腸ガン。通称「幽霊がん」。
スーパードクターおすすめの、超最新ワザ。
こんな資料があります。
<部位別 ガンによる死亡者数>
男性
1位:肺がん
2位:胃がん
3位:大腸がん
女性
1位:大腸がん
2位:肺がん
3位:胃がん
(2011年 厚生労働省調べ)
女性では、1位になってますね。

東京都中央区にある、国立がん研究センター中央病院。
内視鏡科医長の松田尚久さんが、最新スクープ第1弾を教えてくれます。
松田さんは、1万人以上の大腸を つぶさに見てきた先生。
実は、日本のある場所で、大腸ガンが激減しているのだという。
その場所とは、伊豆七島の一つ、新島。
この島では、内視鏡検査が大ブームなんです。
でも、島にあるのは診療所のみ。
大腸カメラは、行ってません。
ちなみに全国では、内視鏡検査は、40歳以上で5%しか受けていないのが現状です。
それが新島では、35%もある。
でも、なぜ、内視鏡検査がブームになったんだろう?
実は、こんなことがありました。
国立がん研究センターが、2011年から2年間、新島で国内初となる、大規模な内視鏡検査を行ってくれたのです。
その時、578人中、18人にガンが見つかり、速やかに切除されました。
問題は、良性ポリープ。
意外ですが、良性のポリープのうち、約1割はガン化するそう。
そして、新島で検査した578人のうち、良性のポリープ(腺腫=良性腫瘍)が見つかったのは、40歳以上で289人。50%もあった。
これまで集中的に検査することがなかったので分からなかったのですが、ここまで多かったんです。
そして、この289人のうち、ガン化した人はゼロ人だった。
なぜかといえば、ちゃんと取ったから。
内視鏡検査の際、内視鏡でポリープを切除したんですね。
□ シロップで検査?
新しいタイプの大腸ガンが、あるのだという。
訪ねたのは、日本消化器内視鏡学会 専門医の藤井隆広さん。
まずは、大腸の中身から。
腸の中では、粘液が出ています。
これは、固い便を外に送り出すために分泌されるもの。
その量、なんと、1日約3リットル。
その粘液を作っているのが、「杯細胞(さかずきさいぼう)」と呼ばれるもの。
実は、新しい大腸ガンになると、この杯細胞が増えることが分かりました。
しかも、横へ横へと、増えていく。
この方向が、ポイントだったんですね。
杯細胞が横に増殖するため、上に盛り上がりにくく、見逃しやすいのです。
ここでスタジオに、藤井隆広 先生が登場。
新しいガンを発見する方法を、教えてくれました。
その方法は、青い色素をまくこと。
それによって、見えるようになります。
しかも、この色素は、かき氷のシロップにも使われるものらしい。
それによって分かるガンの前兆を、「鋸歯(きょし)状病変」という。
大腸鋸歯状病変が学会で議論されるようになったのは、10年ぐらい前から。
一般の内視鏡医にも、1年ほど前から、認知されるようになりました。
それまでは、大腸鋸歯状病変は、見逃されやすかったようです。
ただ、今では、「大腸癌取扱い規約」にもちゃんと、取り上げられている。
藤井先生は、おっしゃいます。
「40歳を超えたら、大腸内視鏡検査を受けていただきたいと思います」
大腸ガンは進行が遅いため、早期発見すれば、ほぼ100%治療できる。
それにもかかわらず死亡者数が多いのは、内視鏡検査をしないから。
さらに、内視鏡検査を受けることで、大腸ガンになりやすいかどうかも分かる。

40歳になったら、一度は内視鏡検査を!
大腸ガンの危険度が分かります。

ガッテン! ガッテン!
□ カプセルで検査?
大腸がん発見に欠かせない内視鏡カメラですが、ある弱点があります。
大腸のヒダの陰を見ようとすると、内視鏡の先端を反転させる必要があるんです。
ヒダはたくさんあるし、非常にたいへん。
ここで最新情報を提供してくれたのが、この先生。
国立がん研究センター中央病院 内視鏡科の、角川康夫さん。
内視鏡検査の第一人者です。
角川先生が紹介してくれたのは、「カプセル型内視鏡」。
これには、両端に超小型カメラがついています。
「大腸カプセル内視鏡」の長さは、3センチ。
使い方は、ただ飲むだけです。
前後2つのカメラが、大腸の中を、くまなく撮影してくれる。
体内で撮影した画像のデータは、装着したレコーダーで受信。
使用済みのカプセルは、トイレに流しません。
病院でもらえるキットで回収し、廃棄処分される。
この大腸カプセル内視鏡、2014年1月から保険適用が開始されます。
「仮想内視鏡(大腸CT)」を使った検査もある。
体の断面を撮影した1000枚もの輪切り画像を、再構成。
大腸だけを、立体的に映像化します。
これならいくらでもじっくり見ることができるし、ヒダの裏側に隠れたポリープだって見逃しません。
大腸の画像を、開いて見ることも可能。

今まで紹介した3つのスクープを表にすると、こうなります。

精度ですが、内視鏡の精度を100とすると、カプセルは8~9割、CTも8割になります。
それぞれ特徴がありますね。
□ 検便の極意
大腸の検査といえば、「検便」もありますよね。
40歳以上であれば、日本中どこに住んでいても、大腸ガンを見つけるための検便が受けられるようになっています。
ちゃんと連絡のハガキが、来るでしょ。
東京都 八王子市役所。
ここでも、大腸ガン検診を案内するハガキを出しています。
実は、いろんな工夫がされてるんですよ。
工夫(1) めくるタイプにした。
工夫(2) お得感をアピールする文面。
工夫(3) かわいいキャラ。
でも、これだけやっても、8割の人は受けてくれない。
検便の受診率、その全国平均は、たったの18%。
ここで登場するのは、日本大腸肛門病学会 専門医の神山剛一さん。
これまで5000人の便を、観察してきました。
神山先生によると、検便にはこのような魅力があるのだとか。
検便は、血液検査やレントゲン検査と比べると、体への負担がまったくありません。
また、一番大事なのは、大腸ガンを早く発見できること。
でも、大腸ガンの発見率は、どうなんだろう?
実は、45%しかありません。
検便は、便にガンからの出血がつかない限り、検出されない。
運に左右されやすいんですね。
でも、ここで朗報。
検便のガン発見率が、劇的にアップする方法があるんです。
最近の検便は、便を2日分提出するようになったのだとか。
2回することで、ガン発見率が上がるのです。
2回だと、70%。
さらに、市町村の検査と会社の健康診断を合わせると、2回+2回で、計4回に。
4回だと、発見率は91%に。
そこに人間ドックを加えると、計6回。
6回だと、97%になります。
ガン発見率は、検便の回数を重ねるほど、100%に近づくんです。
![NHK ためしてガッテン 2014年 02月号 [雑誌]](http://ecx.images-amazon.com/images/I/61Cr3lW5oyL._SX200_.jpg)

□

そういえば40歳の時、ハガキが来ました。
無料なので、検便の大腸ガン検査もした。
今は、棒で突っつくんですね。
それをカプセルに入れて、郵送する。
内視鏡検査も、しとくべきなのかなあ。
[まとめ]
・良性のポリープでも、約1割はガン化する。
・内視鏡検査だと、検査の際に
切除できることも。
・新しい大腸ガンは
杯細胞が横に増殖する。
・これだと上に盛り上がらないので、
以前は見逃しやすかった。
・けれど今は青い色素を使い
発見できる。
・大腸ガンは進行が遅いので、
早期発見すれば
ほぼ100%治療できる。
・検便は、回数を増やすと、
発見率がグッと上がる。
・40歳になったら、
一度は内視鏡検査を。
次回は、「キウイの帝王が伝授! 極甘&瞬間完熟ワザ」。


→ 「ためしてガッテン 2013年のアーカイブ 4月~6月」


