【ビタミンC】 1000mg 摂取の理由/健康カプセル! ゲンキの時間
老化防止の要、ビタミンC!
枯れてしまうと、どうなるの?
厚生労働省の摂取基準では「100mg」ですが、理想は「1000mg以上」。
その理由は?
<賢い摂取方法>
レモンの切り方。
枝豆は、焼き蒸しに。
カリフラワーは、生で。
新ジャガの完璧スープ。
ドクネット:東海大学 健康学部 石井直明 教授。
東京都健康長寿医療センター研究所 老化制御研究チーム 分子老化制御 研究部長 石上昭人。
東京慈恵会医科大学附属病院 栄養部 濱裕宣 課長。
ゲンキスチューデント:中村静香。
ゲンキリサーチャー:深沢邦之。
2018年6月3日放送の「健康カプセル! ゲンキの時間」より、「~ シミシワ 病気予防 老化防止も! ~ ビタミンC 枯れを賢く乗り切れ!」からのメモ書きです。

□ ビタミンC 枯れの影響

さあ、今回のテーマは何でしょうか?

ズバリ、「ビタミンC」について。
薬学博士の 石上昭人 先生は言いました。
「ビタミンC は、夏に特に、不足しがちになります」
また、
「最近、ビタミンC の研究で、だいぶ常識が変わってきました」
「老化防止の要(かなめ)になっています」とも。
ビタミンC をはじめ、ビタミン類は、人間の体内では、ほとんど作ることができません。
なので、食事などで摂取するしかない。
知ってます?
人間が1日 健康に過ごすためには、およそレモン10個分のビタミンC が必要なんですよ。
日頃の悩みと「ビタミンC 枯れ」には、どのような関係があるのでしょう?
向かったのは、東京都板橋区にある 東京都健康長寿医療センター。
石上昭人先生に、教えていただきます。
先生は、ビタミンC 研究の第一人者なのだ。
<ビタミンC 摂取量の目安は?>
厚生労働省では、1日の食事摂取基準で、「100mg」と定められています。
しかし、これは、壊血病を防ぐ ギリギリの量なのだそう。
壊血病とは、長期間にわたり ビタミンC が不足すると発症する病気。
身体の各部位から出血し、死に至ってしまう。
帆船時代、ビタミンC の摂取が困難だった船乗りに、蔓延したと伝えられます。
これに対し、石上先生は言いました。
「ビタミンC の効果を発揮するためには、私はその10倍の 1000mg を推奨しています」
健康的に過ごすには、1000mg 摂取が理想!
レモン10個分とは、このことだったんですね。
しかも、すべて丸かじりで、この量。
<ビタミンC が不足すると、どうなるの?>
石上先生は言いました。
「私たちの専門でもあるんですけども、老化が少し進んでしまうということがあります」
ビタミンC 枯れは、老化を早める!
老化の原因の1つは、活性酸素が多く溜まることだという。
いわば、「身体がサビる」んですね。
活性酸素は、その強い酸化力で 体内のウイルスを撃退してくれる、頼りになる存在。
しか~し、増えすぎると、DNAやたんぱく質を傷つけてしまい、細胞の機能低下などを招いてしまうのだ。
これが老化の原因になってしまうってわけ。
そんなサビから 身体を守ってくれるのが、ビタミンC なんですね。
活性酸素を打ち消し、無力化してくれます。
ところが、活性酸素は、日常のちょっとした行動で増えてしまうんです。
なので、ビタミンC は、大量に消費されてしまうのだ。
しかも、その減り方は、意外に早いのだとか。
ここで実験。
普段よくする行動の前後で、血中のビタミンC 濃度の変化を調べました。
(ゲンキチャレンジャー3名によるものなので、個人差があります)
その結果が、これ。
1時間の外出 : 13.6 → 12.1 (11%の減少)
パソコン作業 30分 : 8.3 → 7.5 (10%の減少)
甘いものを食べる : 4.4 → 3.8 (14%の減少)
<ビタミンC 不足の悪影響>
<シミ・シワ>
外で紫外線を浴びると、肌の中に、活性酸素が発生。
すると、細胞にダメージを与え、肌老化の原因に。
さらには、メラニンを作る細胞を傷つけ、シミなどの原因にも。
しかも、ビタミンC は1回摂取しても、皮膚まで行くのに時間がかかるのだ。
口から摂取した場合、腸管から吸収されて、皮膚まで行くのに、「約6時間」かかる。
石上先生のアドバイス。
「できたら、1日 1000mg を3回に分けて、朝昼晩に摂るのが効果的かなと思います」
<疲れやすさ>
ビタミンC は、身体の中に均等にあるわけではありません。
特に、目には多いのだそう。
それだけ必要なんですね。
紫外線やパソコン画面などによって、目の中に活性酸素が多く発生するそうです。
それらを除去するために、体内のビタミンC は多く消費されてしまうのだ。
増えた活性酸素を処理しきれないと、全身の細胞が傷つき、細胞の働きが鈍くなってしまいます。
すると、疲れが回復できないばかりか、疲れやすい身体になってしまうんです。
目以外にも、ビタミンC が多いのが、ここ。
ストレスに対抗するホルモンを作る、「副腎」です。
ビタミンC が不足すると、ストレスホルモンの分泌が乱れてしまう。
すると、上手にストレスが解消されず、イライラしてしまうことも。
<筋力低下>
筋力低下に悩むゲンキチャレンジャーは、他の2名に比べ、ビタミンC の量がダントツに低かった。
これは、加齢と共に、腸で吸収する力が落ちてくるためなんです。
石上先生らの調査では、血中ビタミンC 濃度が高い高齢者は、筋力が高いのだとか。
逆に言えば、ビタミンC の濃度が低いと、筋肉量が減少している傾向があると。
筋力が低下すれば、転倒などによる骨折のリスクも高まり、寝たきりになる可能性だって高くなってしまいます。
しかも、この方の場合、食生活にも問題が。
というのも、甘いものが大好きなんです。
甘いものを食べると、活性酸素の発生が増えるのだとか。
他にも、飲酒、タバコ、大食い、ストレスも、要注意。
ビタミンC 枯れを放置すると、さらなる恐怖が…。
石上先生がマウスを使った実験をしたところ、寿命が短くなるという結果に。
ビタミンC 不足のマウスは、足が衰え、自分の体重を支えられなくなったのだとか。
これは、老衰の時に見られる特徴の一つだという。
さらに、骨はもろくなり、背骨は曲がり、足は骨折していたらしい。
石上先生の解説。
「人に換算すると、例えば 10人いたとして、ビタミンC を少量しか摂らなかった場合、13年すると、半分の人が亡くなってしまう計算になります」
ビタミンC 不足は、寿命にまで影響するのだ!
□ ドクネット

東海大学 健康学部の 石井直明 教授に、教えていただきます。
先生は、アンチエイジングのスペシャリストなんですよ。
ビタミンC は水溶性なので、長時間体内にため込むことができません。
尿として、排出される。
サプリメントで摂取した時など、尿の色が変わったりしますもんね。
なので、ビタミンC は、こまめに摂取することが大切。
<サプリメントでもいいの?>
ビタミンC というのは、食べ物と一緒の方が、腸から吸収されやすいんです。
空腹時の摂取 : 20~50% (平均34%)
食後の摂取 : 45~60% (平均52%)
なので、効率よく摂るなら、食後がいいとのこと。
<ビタミンC の主な働き>
・ 抗酸化作用。
・ 免疫機能の活性化。
・ コラーゲンの生成を促進。
ビタミンC の一番の特徴は、様々な病気の原因となる「活性酸素」を効率よく取り除いてくれること。
活性酸素が原因といわれる病気は、がん、心筋梗塞、脳梗塞、肝炎、白内障、歯周病、花粉症、糖尿病、アルツハイマー病など、たくさんあります。
増えすぎた活性酸素は、万病の元なのだ。
つまり、活性酸素を取り除いてくれるビタミンC の摂取は、病気を防ぐ非常に優れた方法なんです。
□ 効率的な摂取方法

栄養摂取の達人に、ビタミンC の効率的な摂り方を教えてもらいましょう。
東京慈恵会医科大学附属病院 栄養部の 濱裕宣 課長です。
「野菜の栄養たっぷりなところを、けっこう捨ててる方が多いんですよ」と、濱先生は言う。
<ビタミンC を無駄にしない調理法>
レモン果汁の搾り方。
切り方に、ポイントがあります。
くし形切り : 4g (1個だと16g)
X切り : 9g (1個だと36g)

レモンを横にして、中央をX(エックス)に切る。
これで、果汁を多く搾ることができるのだ。
続いては、枝豆。
ゆでるのではなく、「焼き蒸し」にします。
枝豆は、焼いて蒸せば、ゆでた時よりも、ビタミンC が2倍に!
ビタミンC は、水溶性です。
そのため、ゆでると、減ってしまうのだ。
枝豆 可食部 100g の場合。
生 : 27mg
ゆで : 15mg
<枝豆の蒸し焼き>
(1) 塩もみした枝豆を、フライパンに敷き詰めます。
(2) 焦げ目がつくまで焼いたら、少量の水を加え、フタをして、5分ほど蒸しましょう。
(3) お好みで、オリーブオイルを香りづけにしてもいい。

カリフラワーにも、効率良くするコツがあります。
小分けにし、薄くスライス するとよい。
これだと、生で食べられますからね。

<100g あたりのビタミンC>
カリフラワー 生 : 81mg
カリフラワー ゆで : 53mg
とれたての新ジャガは、通常よりも 2~3倍以上のビタミンC が含まれていることもあるそうな。
さらに、ジャガイモに含まれる「でんぷん」は、ビタミンC の溶け出しを防いでくれます。
その効果を得るために、ゆでる際には、「皮付きで水から」というのが大事なコツ。
<新ジャガのビタミンC 完璧スープ>
材料:
ジャガイモ
キャベツ
ピーマン
赤ピーマン
ブロッコリー
ダイストマト(缶詰)
野菜本来の味を楽しむため、調味料はコンソメだけ。

ちなみに、キャベツは、外側のかたい葉が 一番ビタミンC 豊富なのだそうです。
捨てるのは、もったいない。
□ ビタミンC と食材
<ビタミンC 100mg の目安>
( )内は、100g あたりのビタミンC 。
・ レモン 1個 (100mg)
・ キャベツ 243g 葉5枚ほど (41mg)
・ トマト 666g 3個ほど (15mg)
・ ミニトマト 312g 21個ほど(32mg)
・ ブロッコリー 生 83g (120mg)
・ ブロッコリー ゆで 185g 1.1個ほど (54mg)
・ 青ピーマン 生 132g 4個ほど (76mg)
・ 赤ピーマン 生 59g (170mg)
・ キウイフルーツ 緑肉種 145g 1.7個ほど (69mg)
・ キウイフルーツ 黄肉種 71g 0.9個ほど(140mg)
・ にがうり 132g 0.8個ほど (76mg)
・ 枝豆 生 370g (27mg)
・ 枝豆 ゆで 666g (15mg)
・ 緑茶 玉露・浸出液 526g (19mg)
・ 緑茶 せん茶・浸出液 1666g (6mg)
1日 1000mg を、朝昼晩の食事で摂るのが理想です。
つまり、1食 330mg ほどでよい。
いろんな食材を、組み合わせたいですね。
健康のためにも、ビタミンC をこまめに摂取しましょう!


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【寝たきり予防 チェックシート】 /ガッテン
寝たきりにならないための、2つの要素とは?
カギになるのは、イギリスの「孤独担当大臣」だ。
ロンドン大学の研究では、それが少ない人ほど死亡率が高いことが判明している。
タバコやアルコールより、影響が大きという報告もある。
2018年6月6日放送の「ガッテン」より、「筋肉&血管を強くする! 世界が証明した究極の寝たきり予防法」。
その後編です。
解説:東京大学 高齢社会総合研究機構 飯島勝矢 教授。

□ 健康長寿 最強の条件

さて、今度は、日本の研究になります。
「寝たきりの危険度」を表したグラフ。

2つの条件が無い場合、寝たきりの危険度は一番高く、「16.4」あります。
一方だけの場合は、グンと下がってますね。
両方ある場合が、一番低い。
この2つの項目、いったい、何なのでしょう?
ちなみに、上のグラフは、千葉県柏市の高齢者5万人の調査で明らかになった危険度なのだそうです。
都内にお住いの Aさんご夫婦。
旦那さんは87歳で、奥さんは83歳。
仲良しのお二人ですが、生活は対照的です。
旦那さんは、身体を動かすことが大好き。
毎日、1万歩のウォーキングを欠かしません。
こりゃ、すごい。
奥さんの方は、大好きなピアノを弾いたり、英語の詩を読むのが趣味だという。
運動は得意じゃないので、あまり好きではないとのこと。
でも、去年、Aさん夫婦に、意外な事実が判明したらしいぞ。
きっかけは、全国で行われている、お年寄りを対象とした健康チェックでした。
握力や片足立ち上がりなどを測定して、将来、どれくらい寝たきりになりやすいかを判定します。
自信満々の旦那さんでしたが、結果は、予想外のものでした。
なんと、旦那さんの方が、将来 寝たきりになってしまうリスクが高いと、判定されたのです。
あんなに運動しているのに。
上で紹介した「寝たきりの危険度」のグラフ。
2つの条件のうち、1つは「運動」です。
確かに、効果がある。
でも、もう一方の条件の方が、効果は大きいようですね。
では、もう一つの条件とは、何なのでしょう?
運動以上に、効きそうだぞ。
ピアノが趣味の、奥さん。
定期的に、演奏仲間のお友達と、集まっています。
奥さんがピアノで、お友達が 笛、バイオリン、ボーカルを担当している。
といっても、この集まり、演奏がメインというわけではなく、おしゃべりが中心なのだとか。
実は奥さん、他にも、詩の朗読サークルに参加するなど、グループ活動に大忙しなのだ。
運動はしないけど、人間関係は活動的なんですね。
一方、旦那さんの方は、どうでしょう。
テニス仲間がいたのですが、ケガをしてからは ご無沙汰らしい。
毎日のウォーキングも、おひとりで黙々と。
というわけで、もう一つの条件とは、「人とのつながり」でした。

実は今、「人とのつながり」は、世界的な大問題になっているんです。
イギリスでは、「孤独担当大臣」が誕生したほど。
そう、人とのつながりの改善に、政府が乗り出したんです。
孤独担当大臣 トレーシー・クラウチさんのお話。
「お年寄りの孤独の深刻さについては、既に多くの研究があります」
「しかし、実は、お年寄りだけでなく、孤独は全世代にわたる深刻な問題です」
政府が乗り出すほどのきっかけの一つになったのが、ロンドン大学の研究だという。
50歳以上の男女、6500人の「人とのつながり」を調べ、7年間 追跡しました。
すると、こんなことが分かったのだ。
つながりが少ない人ほど、死亡率が高い。
ロンドン大学(英国加齢研究) アンドリュー・ステップトー教授のお話。
「私たちのこれまでの研究では、人とのつながりが少ないと、身体に起きる炎症が強くなってしまうことが分かってきました」
「それは、心臓、血圧、ホルモンなど、体中に悪影響が及ぶため、死亡する可能性すら高まってしまうのです」
イギリスBBC では、人とのつながりの大切さを伝える一大キャンペーンが進行中だといいます。
「 Is loneliness affecting your health? 」
「孤独は健康に悪いの?」
そこには、このようなメッセージが。
「孤独は、心臓病や脳卒中の危険性を、およそ 3倍高めます」
「長生きしないという研究結果もあります」

そして、日本でも、「人とのつながり」を調べることで 寝たきり予防につなげようという、取り組みが始まっています。
例えば、神奈川県は茅ケ崎市。
みんなで、質問票に記入してるぞ。
例)
「Q)個人的なこともでも、気兼ねなく話すことができる友人は、何人いますか?」
「Q)次にあげる組織の活動に、参加していますか? 老人会・老人クラブ、学習・教養のサークル・団体、町内会・自治会…」
友人関係に関する質問や、参加しているサークルなどの数まで、チェックする項目は様々。
これで、「人とのつながり」をチェックできるってわけだ。
<人とのつながりチェック>
・ 月に1回以上、顔を合わせたり消息を取り合う人は、何人いますか?
・ 個人的なことでも気兼ねなく話すことができる人は、何人いますか?
・ 手助けを求めることができるような 身近に感じる人は、何人いますか?
詳しいチェックシートは、最後に紹介します。
□ 飯島勝矢先生の解説
ここでスタジオに、専門家の先生が登場。
東京大学 高齢社会総合研究機構の 飯島勝矢 教授です。
先ほどのグラフ。

これは、飯島先生にとっても、非常にショッキングな、予想をはるかに上回るような結果だったそうです。
もともと、ある程度は分かっていたのだけれど、ここまでインパクトの強い要素だとは思っていなかった。
「人とのつながり」の重要性は、世界レベルで注目されているのだとか。
次のグラフは、全世界で行われている研究「148個」を全部集めたもの。
対象者は、30万人だという。

グラフは、右に行けば行くほど、長生きにプラスに働く。
ということは、「人とのつながりがある」というのは、「禁煙」「酒を飲み過ぎない」「運動」「肥満予防」より、影響が大きいということ。
飯島先生の解説。
「例えば、カラオケ好きの高齢の方が、いたとしますよね」
「できればですね、お二人だけではなくて、5人ぐらいで」
「できれば、3曲ぐらいじゃなくて、8曲ぐらい」
「できれば、カラオケだけではなくて、お隣の、例えば ファミレスでも行って、一緒にワイワイと食べる」
「そこら辺があると、さらに相乗的に、いいことが身体に起こってるんじゃないかなって思います」
こんな調査結果もあるそうな。
「一人でしっかり運動」するよりも、「グループで軽めの運動」の方が、介護予防効果あり!
「運動はある程度効果があることは、明らかです」
「ただ、そこに、多くの人たちとワイワイ運動やろうじゃないかというところが、一番重要じゃないかなと思います」
「みんなでワイワイ」って、良い影響があったんですね。

「人とのつながり」を持つことが、寝たきり予防の重要なカギになる!

ガッテン! ガッテン!
□ 地域参加

でも、人とのつながりって、何から始めればいいんでしょうか?
例えば、こんなことがあるようですよ。
・ 週に1回、同居の家族以外の人と、外で会う。
週に1回以上、外で人とのつながりがあると、身体の機能が衰えにくいことが、多くの調査から分かっているのだとか。
少しずつ、人とのつながりを増やした方たちがいます。
新宿区にある、「暮らしの保健室」。
68歳女性のBさんの場合は、どうでしょうか。
Bさんは、近所の騒音のストレスがきっかけで、家に閉じこもりがちになり、人とほとんど会わない生活をしていたのだそうな。
変わるきっかけになったのが、たまたま前を通りかかった、地域のお年寄りが集まるこの場所だったそうです。
お茶でも一杯、飲んでいきませんか?
そう声をかけられたのが、きっかけでした。
中に入ったら、涙が出て、うれしくなったと、Bさんは振り返ります。
「本当に、あそこで声をかけていただかなかったら、いまだに家で机に突っ伏して、鬱々としていたかもしれないですね」と。
知り合いができたことで、Bさんの活動の場は、さらに広がりました。
ボランティアを紹介されたんですね。
今では、高齢者の施設で週1回、皿洗いなどをしているのだそう。
まさに、親切を実践中ってわけ。
楽しいし、感謝されるしで、充実しているようです。
それはもう、帰りに笑顔が漏れ出るほど。
埼玉県にお住いの66歳 男性、Cさん。
都内で会社勤めをしていましたが、63歳で退職。
以来、人とのつながりが途切れてしまったそうな。
どこに市役所があるかも、知らない状態です。
近くに、ほとんど友達がいないのだそう。
自宅で、好きな映画を見たり、パソコン作業をする毎日。
時間に制約されないのは楽しいとも。
でも、近所に住む娘さんは、心配しています。
このままでいいのかな? と。
まだまだ元気なので、できれば、笑って過ごしてほしい。
そこで、娘さんが勧めたのが、「朝霞ぐらんぱの会」でした。
地域の子どもたちに、昔遊びや勉強を教える、地元のおじいちゃんの会です。
皿回しを教えたり、風船でプードルを作ったりと、大活躍。
子どもたちと言葉を交わすうち、自然と笑みも漏れるようだ。
この活動を続ける一番の理由は、仲間ができたことだという。
活動の後 気軽に一杯、ということらしい。
これもまた、人生の楽しみの一つか。
笑ってワイワイとやるわけだから、飯島先生の説明とも合致します。
こうしたきっかけを見つける時に、大きな味方になってくれるのは、近所の「地域包括支援センター」。
人とのつながりをサポートする取り組みを、行っているそうです。
□ 人とのつながりチェックシート

最後は、チェックシートの紹介です。
東京大学の飯島教授が考案したチェックシートは、友人や家族に関する質問の他に、組織参加などもチェックして、点数化するもの。
人とのつながり度合いが、一目で分かる代物だ。



今の状態を見直す、良い機会になるといいですね。
さて、Aさん夫妻の話に戻ります。
奥さんに比べて、人とのつながりが少なかった、旦那さん。
新たにグループ活動を始めようと、腰を上げました。
でも、なかなか難しい部分も。
「若い時みたいに、スーッと入っていけなくなっちゃったんですよ」といいます。
「昔は、どんな所でも、平気で入って行ってね」
「今考えると、よくああいう所に入ったな~と思うくらい」
「知らない人たちの中に入るというのが難しくなった、私はね」
そうおっしゃっていたのですが、今年4月に変化が。
いったんは高齢を理由にやめていた趣味のテニスですが、3年ぶりに再開することにしたのだ。
久しぶりでしたが、すぐに勘を取り戻し、動きもキビキビ。
同じ趣味を共有するだけあって、コミュニケーションも問題なさそうだ。
感想を聞くと、「楽しかったですよ。身体がウキウキして」と笑顔に。
人とのつながりって、すごく大事なんですね。
見えないところで、影響が大きいのか。
![NHKガッテン! 2018年 08 月号 [雑誌]](https://images-fe.ssl-images-amazon.com/images/I/41EDNm1MR9L._SX270_.jpg)

次回は、これ。
胃酸を出す領域が広がってるって、どういうことなんだろう?
放っておくと、大変なことに…。
「せきが止まらない! 歯が溶ける! 犯人はまさかの“胃”」。
前編 → 【最新 寝たきり予防法】 人に親切にする
[関係する記事]
→ 【長寿と慢性炎症】 CRP値&ポリアミン
→ 【低栄養】 高齢者は 肉を食べよう 10食品群チェックシート
→ 【健康住宅】 DIYで危険転倒回避



【最新 寝たきり予防法】 人に親切にする/ガッテン
寝たきり予防は、運動だけじゃない?
もっと効果の高い対策があった!
UCLA スティーブ・コール教授が実証した、行動とは?
それをし続けると、炎症物質を出させる遺伝子が、あまり働かなくなる。
2018年6月6日放送の「ガッテン」より、「筋肉&血管を強くする! 世界が証明した究極の寝たきり予防法」からのメモ書き。
その前編です。

□ アメリカ発 寝たきりにならない行動

さあ、今回のテーマは何でしょうか?

「究極の寝たきり予防法」について。
老後の不安、ありませんか?
転倒 → 身体が弱る → 寝たきりや要介護に。
自分は、大丈夫だろうか?
お父さんやお母さんは、大丈夫だろうか?
おじいちゃんや おばあちゃんは?
考え出すと、きりがありません。
寝たきり予防といえば「運動」が思い浮かびますが、なんと、もっと効果的なものがあるのだという。
カリフォルニア大学の スティーブ・コール教授は言いました。
「それがある人とない人では、年間の死亡リスクは、50%も違うんです」
要介護を防ぐ決め手とは、いったい、何なのでしょう?
ガッテンでも、過去23年間、「寝たきり予防」について紹介してきました。
2012年12月放送 「転倒を防ぐ方法」
→ 「片付ける」
つまづいた時に何もなければ、かなりいい状態で転ぶことができるらしい。
ところが、そこに何か置いてあると、それを避けようとして、思いもよらぬ形で転んでしまうんです。
あと、コードや小さな段差も、危ない。
大きいものだと明確に避けようとしますが、小さいものだとあまり意識せず、またいだつもりでも足が上がってなくて、つまづきの原因に。
なので、片付けることは、大事なのだ。
もし、何度も転びそうになってるなら、片付けてください。
リスクを減らしましょう。
2015年7月放送 「筋肉を維持」
→ 「運動後に牛乳」
運動直後は、筋肉に たんぱく質が取り込まれやすいんですね。
いわば、ゴールデンタイム。
牛乳は、痛風予防にもなるから、おススメです。
2017年2月放送 「骨折を防ぐ」
→ 「かかと落とし」
踵(かかと)を上げて、トンと落とす。
刺激により、骨を丈夫にするホルモンを出すのが、目的です。
(転倒やケガには、十分注意してくださいね)
あと、骨を丈夫にする「ビタミンK」摂取には、納豆がいいですよ。
2017年5月放送 「筋肉を維持」
→ 「肉を食べる」
高齢者は、肉(たんぱく質)の摂取が減りがち。
意識して、食べるようにしましょう。
2017年6月放送 「骨と筋肉を維持」
→ 「日光浴」
骨や筋肉の合成に必要な「ビタミンD」を、日光浴で生成するってわけ。
手だけでも、いいらしい。
2017年8月放送 「運動神経を刺激」
→ 「くねくね体操」
体幹を通る運動神経を、くねくねの動きで刺激する。
普段から刺激しておくと、とっさの時に、手や足に脳からの信号が伝わりやすくなるのだとか。
そして今回は、これらとは違う、まったく新しい情報。
世界レベルの発見とは、どんなものなのでしょう?
向かったのは、カリフォルニア大学 ロサンゼルス校(UCLA)。
スティーブ・コール教授に、お話を伺いました。
先生は、長生きの仕組みと要因の研究を続けているスペシャリストなのだ。
コール教授は、寝たきりを防ぐ「ある方法」を、ユニークな実験で実証したのだそうな。
実験に参加したのは、健康に問題のない 160人。
3つのグループに分かれてもらって、あることを毎日やってもらいました。
(1) 人に親切にする。
(2) 道端のゴミを拾うなど、世の中に役立つことをする。
(3) 好きなものを食べるなど、自分がうれしいことをする。
こうした行動を 1か月続けてもらった後、みなさんの血液を詳しく調べました。
すると、あるグループの血液にだけ、驚きの変化が!
なんと、免疫をつかさどる遺伝子の働きが、実験の前とは、大きく変わっていたんです。
コール教授のお話。
「ある行動をとったグループの遺伝子の働きに、寝たきりを防ぐ良い変化が現れたんです」
「つまり、日々の行動次第で、自分が寝たきりにならないように、遺伝子の働きをコントロールできるということなんです」
寝たきり予防につながる行動、それは、「人に親切にする」でした。
例えば、道で出会った おばあさんの荷物を持ってあげたとか。
喫茶店にいる時に、友人に コーヒーをごちそうしたとか。
焼いたクッキーを友達にプレゼントしたとか。
こうした「人に親切な行動」を、1日3回してもらったんです。
すると、このグループの遺伝子にだけ、寝たきり予防に効果的な変化が現れたのでした。
一方、他のグループは、今回の実験では、寝たきり予防の効果は、見られませんでした。
1か月間 1日3回 人に親切にしたら、身体に変化があった!
では、どんな変化があったのでしょう?
寝たきりの大きな原因の一つは、「身体で炎症が進行すること」。
コール教授の解説。
「炎症が長期にわたると、筋繊維が委縮し、全身が衰えていきます」
「それは非常に危険なことで、様々な病気へと、つながっていくのです」
そもそも免疫細胞は、病原菌などと戦う時に、炎症モードに入るんですね。
ところが、炎症モードが長く続いてしまうと、自分の身体にまでダメージを与えてしまうんです。
筋肉の他にも、血管にダメージが続けば、動脈硬化に。
脳梗塞や心筋梗塞につながることも。
さらに、脳細胞にダメージが続くと、脳が委縮してアルツハイマー病の原因にもなり得る。
コール教授は、この厄介な炎症を抑える 様々な方法を、研究してきたんです。
そして、その中で浮かび上がったのが、「1か月間 人に親切な行動を続けること」というわけ。
それにより、炎症度合いが大きく変わることを、突き止めました。
人に親切にし続けると、なぜか、炎症物質を出させる遺伝子が、あまり働かなくなったそうです。
でも、なぜ、人に親切にすると、炎症や遺伝子の働きに良い変化が現れるのでしょう?
スティーブ・コール教授の解説。
「私たち人類の進化の歴史に、答えがあると思います」
「自分の配偶者や子どもはもちろん、あらゆる人に対して親切にすることが、身体によい影響をもたらすよう、進化してきたんです」
「人類が大きな動物との戦いに勝ち残ってこられたのは、群れを作って お互いに助け合うことをしてきたからです」
「そんな人間にとって、仲間との協調性を失うことは、即、命の危険を意味します」
「そんな時、身体が自然と緊急事態を察知して、炎症モードに入るのです」
「他人に親切にすることは、より多くの人と助け合うグループを作るための、有効な手段です」
「人は親切を喜びと感じ、身体も良い反応をするよう、プログラムされているのだと、私は理解しています」

親切って、与えるだけでなく、得るものも ちゃんとあるんですね。

人に親切にすると、寝たきりの原因となる炎症物質が減るようです。

ガッテン! ガッテン!


後編に続きます。



【健康住宅】 DIYで危険転倒回避/健康カプセル! ゲンキの時間
高齢になると、家の中が危険地帯になることも。
転倒しやすい場所を、DIYで改善します。
[ 階段 ] 滑り止め。
[ 玄関 ] 手すり&腰掛けベンチ。
[ 居間 ] 段差解消スロープ。
[ 睡眠と照明 ] 電球色と間接照明を活用。
健康を管理してくれる、近未来の家「Wonder Life-BOX」も紹介!
ドクネット:首都大学東京 星旦二 名誉教授。
バリアフリーDIYの達人 石坂健。
日本インテリア健康学協会 尾田恵 代表。
獨協医科大学 神経内科 辰元宗人 准教授。
ゲスト:田中健。
ゲンキスチューデント:滝裕可里。
ゲンキリサーチャー:ヴェートーベン(久保&青井)。
2018年4月22日放送の「健康カプセル! ゲンキの時間」より、「~ まさか! 自宅が危険地帯? ~ 長生きできる健康住宅」からのメモ書きです。

□ 健康住宅 DIY

さあ、今回のテーマは何でしょうか?

ズバリ、「健康住宅」について。
健康寿命の 3大要素といえば、「食事」「メンタル」「運動」ですよね。
バランスの良い食事を心がけ、ストレスを軽減、適度な運動を心がける。
そして今、新たな要素が加わろうとしてるんです。
それこそが、「住環境」なのだ。
しかし、家の中は、危険がいっぱい。
特に、高齢者は気を付けねばなりません。
例えば、冬。
室内の寒暖差が原因で亡くなる人は、年間でおよそ 1万7千人もいる。
転倒事故だって、要注意!
高齢者の「ころぶ」事故の発生件数は、年間 約5万人なのだ。
家の中で安全に暮らすには、いったい、どうしたらいいんでしょう?
その改善点は?
さて、出演者のみなさんは、どう考えているのでしょうか。
渡辺満里奈さんの家は、階段が 1段1段 けっこう高いのだそう。
なので、年取ってからが不安だという。
三宅裕司さんはエレベーターは設置せず、あえて階段にしている。
これは、足腰を鍛えるためです。
さて、今日の健康カプセルですが、何が入っているのでしょうか?
ん?
ゴーグルのようですが、すごく曇ってますね。
かけてみると、まるで霧の中にいるみたいだ。
実はこれ、80歳以上のほぼ100%近くの人がなると言われている、「白内障」が体験できるゴーグルなんです。
これが今日のテーマと関係する。
ヴェートーベンのふたりが向かったのは、築24年の木造2階建ての一軒家。
依頼者は、共に64歳のご夫婦です。
今は大きな病気もなく健康そのものですが、将来に不安があるという。
それに関係するのが、ヴェートーベンが持参した「高齢者疑似体験セット」。
健康カプセルに入っていた「視覚障害ゴーグル」も、そのうちの一つです。
このセットの総重量は、7kg 。
80歳前後になると現れる、白内障、難聴を疑似体験できます。
また、硬くなった手足の関節、腰や背中の曲がり具合まで、再現されている。
これを装着してもらい、家の中にある「危険地帯」をチェックしてもらおうってわけだ。
<家の中の危険地帯>
[ 玄関の段差 ]
支えがないと、上がれない。
触るところがないと、不安。
[ トイレ ]
内開きのドアに、ぶつかる。
[ お風呂 ]
浴槽に入るのに、苦労する。
脚が上げにくい。
[ 階段 ]
白内障で、よく見えない。

と、ここで、助っ人が登場!
バリアフリーDIYの達人、石坂健さん。
簡単にできる方法で、健康住宅に改善してもらいましょう。
特に注目するのは、骨折して寝たきりの原因にもなる、「転倒」。
屋内で転倒した場所「ワースト3」を、DIYで解決していくぞ。
ちなみに、第4位以下は、こうなっています。
・寝室。
・廊下。
・浴室。
・台所。
・ベランダ。
・トイレ。
・食堂。
・洗面所。
そして、第3位は、[ 階段 ]。
この家では、滑り止めがない上に、階段の色が薄く、段差の認識がしづらい。
DIYに使うのは、ホームセンターなどで売っている、「濃い色のすべり止め」。
左右の壁から均等な位置を決め、取り付けます。
濃い色なので、白内障になったとしても、見えやすいのだ。

第2位は、[ 玄関 ]
昔の日本家屋には、20センチほどの段差が。
加齢で筋力が低下すると、脚が上がらず、つまずいてしまうリスクが高くなってしまいます。
ここで使うのは、「手すり」。
長さは様々ありますが、玄関には、60センチ以上のものがおススメなのだとか。
手すりを取り付ける際は、必ず 下地をチェックします。
今回、使ったのは、「下地チェッカー」。
壁に当てて動かすと、下地(壁の裏にある柱)のある場所を、音で知らせてくれる。
体重のかかる手すりは、柱にしっかりと、取り付けねばなりません。
不安なら、プロに任せましょう。
高さですが、石坂さんによれば、床から手すりのセンターラインが、1100~1200ミリくらいを目安にするとよいそう。
位置を決めたら、しっかりと固定しましょう。

さらに、靴の脱ぎ履きの際、腰掛けるベンチも設置。
引き出し部分を前に出すと、段差を軽減できます。

転倒しやすい場所、第1位は、意外なことに、ここでした。
[ 居間 ]
危険ポイントは、「わずかな段差」。
大きな段差より、かえって転びやすいのです。
電源コードに引っかかりやすいのと、同じですね。
健康住宅に詳しい専門家に、聞いてみましょう。
首都大学東京の 星旦二 名誉教授。
「しっかりした高い段差があれば、つまずかないように、意識が働きやすいですけど」
* 高い段差には、注意しようという意識が働く。
「小さい段差の場合は、自分では脚が上がっていると思っていても、実際にはあまり上がってなくて、引っかかってしまって、転倒につながるという事実はあると思いますね」
対策として石坂さんが用意したのは、「段差解消スロープ」。
見た目より、軽くて、やわらかい。
真横から見ると、ゆるやかな三角形になっています。
カッターでも切れるので、加工が楽だ。
両面テープで、段差部分に貼り付けましょう。

しかしまだ、別にリスクがあるのだという。
残された問題とは?
□ 照明と健康

もう一人の専門家が、登場しました。
日本インテリア健康学協会の 尾田恵 代表。
尾田さんが健康ポイントとして挙げたのは、寝室の「照明」でした。
「こちらは、昼の明かりなんですね」
「活動する時の白い明りを、(眠る時に)ちょうど見上げて直接浴びた状態」
「これって、眠りに入る時には、ちょっと刺激がきつい」
照明が睡眠にもたらす影響について、お医者さんに聞いてみましょう。
獨協医科大学 神経内科の 辰元宗人 准教授です。
「照明と眠りのホルモンであるメラトニンは、関係があると言われています」
メラトニンは、睡眠中に分泌され、太陽の光を感じると止まる「体内時計」と大きく関係しているホルモン。

照明が その分泌にどう関わっているのか、学生さんに協力してもらい、実験を行いました。
調べるのは、2種類の照明を見た時の「瞳孔の収縮度合い」です。
「白色照明」と「電球色照明」を5分間見て、瞳孔の収縮を見る。
先生によると、メラトニンは、瞳孔に収縮が見られた時に、分泌が抑制されたと推定できるとのこと。
すると、こういう結果になりました。
電球色照明 : 平均4.5ミリ
白色照明 : 平均3.5ミリ
白色照明の方が、瞳孔が収縮しています。
つまり、メラトニンの分泌が抑制されている状態。
辰元先生の解説。
「電球色の LED に比べて、白色は、ブルーライトの成分が多い場合があるんですね」
「夜になったら、ブルーライト成分が多い白色の LED を浴びると、メラトニンが減ってしまうので、リズムがおかしくなって、不眠になってしまうと」
「きちっと朝、太陽光を浴びることが とても重要なのと、夜になるとそれに合わせて、じんわりと電球色で睡眠に導入していく流れが、望ましいです」
ということで、尾田さんの指導の元、照明についても DIY を実施しました。
リビングは、明るさと色を調節できる照明で、夜は電球色に。
朝は白色にし、日が暮れたら電球色に切り替えます。
寝室には、電球色の間接照明を置きました。
これで目への刺激が減り、自然と深い眠りへと導入される。

これでぐっすり、眠れそうですね。
□ ドクネット

引き続き、星先生に教えてもらいましょう。
見落としがちなのが、「ドアのノブ」だという。
円筒形のノブは、握力が低下した場合、回しにくくなる。
なので、レバー式の方が望ましいのだそう。
三宅さんは、あえてエレベーターを付けず、階段にしています。
これについては、どうなんでしょうか?
こんな研究があります。
エレベーターのない 5階建てのマンションの、4階と5階の住人を対象に、将来を見越して 1階に移った人と、移らなかった人を、3年間調査しました。
すると、1階に移った人の生存率が、低下したのだとか。
階段が体力作りに役立ったと、推定されます。
他にも、星先生が推奨する健康住宅の秘訣があります。
それは、「温度&湿度」。
寒い家から暖かい家に引っ越した、全国で 1万件の調査を行ったのだそうな。
すると、寒い家から暖かい家に引っ越すことで、このような変化が出た。
・アレルギー性鼻炎の減少。
・アレルギー性結膜炎の減少。
・高血圧疾患の減少。
・アトピー性皮膚炎の減少。
・気管支喘息の減少。
・糖尿病の減少。
また、湿度に関しては、乾燥した施設で暮らす高齢者の方が、介護度が上がってしまうことが判明したといいます。
これは、口の中の乾燥が、様々な病気の引き金になっているのではないかと、推測されている。
先生のおススメは、「土壁」。
DIYでも簡単にできるのだという。
夏は熱中症対策で 60%以下。
冬は50%以上になるよう、工夫しましょう。
□ 健康を管理してくれる近未来の家

ヴェートーベンが向かったのは、東京都は江東区にある、「パナソニックセンター 東京」です。
このショールームに、健康に関わる最新住宅があるらしいのだ。
名付けて、「Wonder Life-BOX」。
2020年から2030年の、未来の暮らしを想定した家です。
入った瞬間に、風を感じました。
これは、「エアシャワー(Air Shower)」
髪や服に付着した花粉やホコリを、飛ばしてくれるのだ。
未来の住宅は、高感度センサーを完備。
外気の影響をつぶさに検知し、その場で、最適な対応をしてくれるんです。
モニターでは、かわいいキャラクターが話しかけてくれました。
これは、暮らしのパートナー「あかり」ちゃん。
AI(人工知能)なんですよ。
水を入れてくれたり、ポットのお湯を沸かしてくれたりと、暮らし全体をサポートしてくれるのだ。
この家には ウイルスセンサーも付いていて、咳やクシャミから、インフルエンザウイルスなどを検知してくれる。
さらに、棚の中に収納すれば、自動で除湿・殺菌してくれる機能も。
未来の寝室には、更なる機能が。
照明は、外部環境の変化を感知して、自動で変化します。
また、暮らす人の体内時計に合わせ、快適な睡眠ができるよう、白色から電球色に変わる機能も搭載されている。
朝起きると、昨晩の健康状態を天井に表示してくれるのだから、驚きです。
睡眠の質、体温、心拍、呼吸数などが映し出される。
この情報は家族で共有することができるので、両親と離れて暮らしていても、安心というわけ。
ベッドから出て鏡の前に立つと、あかりちゃんが朝のご挨拶。
「少し疲れが残っているようなので、リラックスできる音楽と照明にしますね」
などと、人工知能が体調を感知し、対応してくれるのだ。
「血圧」「リラックス度」「笑顔度数」なんかも、教えてくれる。
体重管理だってしてくれて、おススメのエクササイズまで提示してくれちゃう。

未来の家は、健康まで考えてくれてるんですね。
ちなみに、土曜日のみ、ガイドツアーを行っているのだそう。
健康長寿の新しい柱、「住環境」。
今のうちに準備しておいても、いいかも。


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【大感謝祭(3)】 低栄養チェックシート/ガッテン
3本目は一番反響が大きかったテーマ、「低栄養」について。
「10食品群チェックシート」が、話題になりました。
一人暮らしの高齢者の方、お肉食べる機会が減ってませんか?
知らない間に、たんぱく質の摂取量が少なくなっているかも。
ご両親には、声かけを。
「もっと肉食べるようにしなよ」
神戸には、スマホ用アプリを作った使い手がいた!
2018年3月28日放送の「ガッテン」より、「大反響&新情報に超ビックリ! 2年分の大感謝祭」からのメモ書き。
その3/3です。

□ 低栄養対策チェックシート

さあ、いよいよ最後です。
3本目は、これ。
2年間やった中で、最も反響の数が多かったそうですよ。
「低栄養」
昔で言う、「栄養失調」ですね。
でも、昔と今では、事情がちょっと違う。
ちなみに、反響の数は、3万件だったのだそうな。
放送した内容、覚えてます?
今は故人ですが、取材当時 87歳のおばあちゃんが登場しました。
一見元気そうでしたが、実はある悩みが。
歩いている時に、つまづくことが増えてしまった。
そしてついに、階段から落ちて、動けなくなってしまったのです。
診断の結果は、「大腿骨骨折」。
寝たきりになってもおかしくない大ケガでした。
実は、その背景として浮かび上がったのが、低栄養だったんですね。
でも、このおばあちゃん、食べるのが大好き。
毎食欠かさず、量もけっこう食べていました。
それなのに低栄養って、どういうこと?
実は、このおばあちゃんのように、ほとんどの人は、低栄養であることに気づいてないのだという。
つまり、知らないうちに寝たきりになる「大きなリスク」を抱えているのだ。
70歳以上の 3~4人に1人が、低栄養の危険がある状態。
では、その原因は?
以前、低栄養になってしまった このおばあちゃんですが、実は、あるきっかけがあったんです。
それは、旦那さんが亡くなって、息子さんも巣立っていったこと。
お子さんが小さかった頃、テーブルには、たくさんの肉料理や卵料理が並びました。
育ち盛りの息子のために、食卓が彩られた。
でも、やがて、息子さんは成長し、独立。
それでも、肉料理が好きな旦那さんのため、一生懸命メニューを考えたという。
しかし、30年前、旦那さんが亡くなってしまった。
すると、食卓に変化が…。
スーパーでの買い物も、ジャガイモ、ニンジン、キャベツなど、野菜が中心に。
いつの間にか、たんぱく質が豊富な肉を食べる機会が減ってしまったんです。
確かに、肉ばかりの食生活は、あまりよくないのかもしれません。
けれど、お肉が少ない食生活にも、問題が。
お肉って、本当は必要なものなんですね。
大切なのは、適切な範囲で、しっかりと食べること。
食べ過ぎでもなく、少な過ぎでもなく、ちょうどいい程度に食べる。
たんぱく質は、年齢を重ねるにつけ、ますます重要になる栄養素なんですね。
足りないと、心臓病の危険度がアップし、男性で 1.2倍、女性で 2.5倍に。
肺炎のかかりやすさも、9倍に増加 してしまうのです。
寝たきりの大きなリスクになってしまうのでした。
そこで気をつけたいのが、毎日の食事。
その中で、60歳を越えたら特に意識して食べたいのが肉なのだ!
魚や卵に比べて、より効率的に、たんぱく質を補給できる。
「肉=効率的な たんぱく源」
さて、お肉を摂る方法ですが、お弁当を活用するのも一つの手です。
今では、高齢者向けのお弁当屋さんや宅配サービスがあります。
配食サービスが難しいなら、ひき肉を活用するという方法も。
値段も手ごろで食べやすいので、いろんな料理に活用することができます。
そして、とっておきの秘策がある。
それが、「10食品群チェックシート」!
チェックするのは、たんぱく質に関わる「10」の食材です。
肉、卵、牛乳、油、魚、大豆、緑黄色野菜、芋、果物、海藻。
5つは、たんぱく質そのもの。
残りの5つも、身体の中で たんぱく質を作ったり、その働きを助ける食品です。

その日 1日で食べたものを、量に関わらず、「〇」をつけていく。
7つ以上「〇」がつけば、合格です!
効果も、実証済みなんですよ。
このシートを地域を挙げて取り入れた 秋田県大仙市では、2年間で、低栄養の恐れがある人の割合が、「32.3% → 19.4%」にまで減少したのだ。
現状を「見える化」することで、「ああ、これが足りないな」と意識することができます。
慢性的に摂取してないものがあれば、気づくことができるってわけ。
空白があると気になったり、もっと頑張ろうとも思う。
「〇」がたくさんつけば、うれしいし。
そして、もう一つ、提案がありましたよね。
覚えてますか?
<再現VTR>
息子「もしもし、お母さん?」
母「あら、どうしたの?」
息子「今、テレビ見てて、いいこと知ったんだけどさ、もっと肉食べるようにしなよ」
母「はいはい」
実際に「お肉食べなよ」と連絡した視聴者の方も、多かったそうですよ。
<過去記事>

さて、10食品群チェックシートですが、神戸に ものすごい使い手がいました。
放送を見てから、ほぼ毎日、チェックを続けているのだとか。
でも、今は、紙を使っていません。
印刷するのが面倒になったらしいですね。
今はスマホで管理しています。
なんと、自分でスマホ用のアプリを開発しちゃったのだ。

食事の傾向が一目で分かるグラフ付き。
自分でチェックする楽しみを追及していたら、いつの間にか、ここまでやっていたのだとか。
さすが、ITエンジニア。
そして今、もう一つ、アプリに新たな機能を加えようと、開発中だといいます。
それが、SNSを使って、離れた家族とデータを共有できる機能。

高齢者になると気をつけたい、低栄養。
お肉を食べるようにしましょう。
足りない栄養がないか、「10食品群チェックシート」で確認を!
Excel で作ってみた。

これで管理しようかな。


次回の放送は、4月11日です。
身体がポカポカする。
冷え症が改善。
血圧が下がった。
「肺ストレッチで体が変わる! 呼吸コントロールSP」。
1本目 → 【大感謝祭(1)】 足をパカパカさせるだけで腰痛が改善
2本目 → 【大感謝祭(2)】 没頭が瞑想に 階段では鳥を追え?


