尿の色 泡立ち トイレ回数 腎臓病チェックリスト/健康カプセル! ゲンキの時間
今回のテーマは、「腎臓病」。
<尿チェックリスト>
(1) トイレの回数。
(2) 尿の色。
(3) 泡立ち。
健康診断結果報告書で分かる、リスクチェック方法。
(a) 尿たんぱく。
(b) 血液検査のクレアチニン。
腎臓病の可能性を上げる、意外な症状とは?
ドクネット:東京慈恵会医科大学附属病院 川村哲也 教授。
2015年3月22日放送の「健康カプセル! ゲンキの時間」より、「~総点検! チェックで分かる!~ 腎臓からのSOS!」からのメモ書きです。

□ 腎臓と尿

今回のテーマは、「腎臓病」。
慢性腎臓病の患者数は、2012年の調べで、推定1300万人。
しかも、その多くは、病気に気づかないまま生活していると言います。
腎臓の別名は、「沈黙の臓器」。
痛みが出にくく、気づいた時には病気が進行していることも多い。
さらに、一度機能を失うと、再生できません。
腎臓を守るには、早期に気づくことが大事。
そこで今回は、チェックリストを紹介します。
さっそく、クイズ。
Q)腎臓病のきっかけになる意外な症状は、次の3つのうち、どれでしょう?
(a) 関節痛
(b) のど痛
(c) 頭痛
正解は、「 (b) のど痛 」。
詳しくは、後半で。
<腎臓病 尿チェック>
(1) 最近、トイレの回数が増えた。
(2) 尿の色が赤い。
(3) 尿の泡立ち。
東京都港区にある、東京慈恵会医科大学附属病院。
川村哲也 教授に、解説していただきます。
腎臓の働きは、ろ過機能。
人工透析機に牛乳を通すと、透明な液体になります。
ただ、味は間違いなく、牛乳。
牛乳を白くしているタンパク質や乳脂肪が、取り除かれたのです。
腎臓には、「糸球体(しきゅうたい)」がある。
これは、毛玉のように丸まった、毛細血管。
糸球体に血液が流れると、粒子が小さい老廃物や余分な水分は通過します。
逆に、粒子が大きい血球やタンパク質などの栄養分は、そのまま。
こうして血液がろ過され、尿が作られるんですね。
<トイレの回数が増える理由>
腎臓は、血液から毒素をろ過して、尿に捨てています。
また、それと同時に、尿を濃くする、濃縮する力を持っている。
腎臓の働きが悪くなると、この濃縮力が低下。
これが、トイレの回数が増える原因に。
腎臓は、1日に1500リットルの血液から、1.5リットルの尿を作っている。
まず、糸球体で血液をろ過し、尿の元ができます。
そして、尿細管(にょうさいかん)という管の中で、必要な成分を再吸収。
尿の元が、濃縮される。
腎臓が病気になると、濃縮する能力が低下し、薄い尿が作られ続けることになります。
その結果、尿の回数が増えてしまう。
健康な人の尿の量は、1日に 1リットルから1.5リットル。
回数にすると、5回程度。
「尿の回数が10回以上」、特に、「夜中に4~5回 トイレに行く人」は、慢性腎不全の可能性が。
病院を受診した方がよいそうです。
<尿の色>
健康な腎臓では、粒子が大きい血球はフィルターを通らず、体内に残ります。
ところが、フィルターの機能が低下すると、血球がフィルターを通過してしまい、尿に混ざって、色が変わってしまう。

左から1番目と2番目の色なら、腎臓は健康だそうです。
3番目の色だと、黄色信号。
4~6番は、血尿の可能性が高い。
<尿の泡立ち>

左は、大丈夫。
真ん中も大きな泡なので、問題なし。
右はきめ細かい泡が混じっているので、危険。
腎臓のフィルター機能がやられてしまうと、ある成分が尿に出るようになり、きめ細かい泡が出る。
泡立ちの正体は、タンパク質。
右のように、細かい泡が立って、3分たっても消えないなら、タンパク質が尿に出ている可能性が。
ぜひ、尿検査を。
腎臓の機能低下は、まず尿に現れやすい。
なので、日頃から、尿の異常を確認することが、大切になります。
<腎臓病 尿チェックリスト>
(1) 1日10回以上(夜間4回以上)尿が出る。
(2) 血尿(赤っぽい色の尿)が出る。
(3) 細かい泡が立ち消えにくい。

腎臓の機能が停止してしまうと、身体の中の老廃物を、排出できなくなります。
そうなると、人工透析をしなくてはならなくなる。
□ 人工透析
人工透析とは、正常に機能しなくなった腎臓の代わりに、血液の老廃物や毒素をろ過するもの。
週に3回は病院に通い、1回に4時間から5時間かけて、治療を受けねばなりません。
主な原因は、生活習慣病の糖尿病や高血圧。
これが腎臓の機能を低下させ、やがて腎不全に。
透析をすると、長時間の治療以外にも、水分や食事の制限など、生活の自由が奪われてしまいます。
そうならないために大事なのは、まずは、食事の管理を。
腹八分が基本だと言います。
暴飲暴食、睡眠不足、不規則な生活に注意。
特に、ずっと続けるのは危険です。
生活を見直しましょう。
あとは、健康診断や定期検診。
甘く見ずに、医師のアドバイスをしっかり聞くこと。
□ ドクネット
引き続き、東京慈恵会医科大学の 川村哲也 教授に、解説していただきます。
食事では、塩分とたんぱく質を摂り過ぎないことも、大事だという。
塩分を摂り過ぎると、腎臓がろ過すべき塩分・水分の量が増えて、負担がかかってしまいます。
(1日の塩分摂取の目安は、8~10g)
(また、医師の指導がある場合は、それに従ってください)
タンパク質の燃えカスである窒素成分が、身体の中に老廃物として溜まるので、これも腎臓の負担になります。
(1日のタンパク質の摂取目安は、60~70g)
(体重や運動量によっても、変わります)
激しい運動をすると、血尿が出ると聞くことがあります。
これは、血尿ではなくて、筋肉の一部の「ミオグロビン」という物質が、尿に漏れている状態。
茶褐色なので、血尿に間違われるのだそうです。
血圧と腎臓は、すごく関係がある。
血圧が高いと、糸球体にすごく負担がかかります。
塩分の摂り過ぎには、要注意です。
□ リスクチェック

健康診断の結果報告書からも、腎臓病のチェックができるそうです。
<健康診断の結果報告書で分かる>
<腎臓病 リスクチェック法>
(1) 尿検査の尿たんぱく
(2) 血液検査のクレアチニン


クレアチニンは、血液の老廃物と言われるもの。
上の2つの結果から、リスクが分かります。
<腎臓病リスク早見表>

クレアチニンを規定する因子として、「筋肉量」があります。
運動している人は筋肉量が多いので、クレアチニンが少し高く出る可能性があるそう。
□ リスクが高まる症状の組み合わせ

血尿は、腎臓病以外にも、膀胱炎など、他の病気でも現れることがあります。
血尿だけだと、腎臓病の可能性は、約20%。
ところが、ここにある症状が加わると、80%にまで跳ね上がる。
それが、冒頭のクイズに出てきた、「のどの痛みや腫れ」。
腎臓とのど、どういう関係があるのでしょう?
のどに菌が入ると、これを排除するために、身体は免疫物質を作ります。
その免疫物質の一部が腎臓にくっついて、炎症を起こして、「腎炎」を起こすことがある。
のどが腫れて痛い時に、血尿が出る場合は、腎炎の可能性が。
続いては、3つの組み合わせ。
1つ目は、尿の泡立ち。
尿の泡立ちだけだと、腎臓病の可能性は 約20%。
ここにある症状が加わると、可能性は50%にまで上昇。
その症状とは、「脚のむくみ」。
腎臓の働きが低下すると、水分の調節ができなくなって、脚がむくむんです。
<むくみチェック>
すねの骨の部分を10秒間押します。
指の跡が残ったら、むくみのサイン。

腎臓病の人は、くっきりと跡が残ります。
3つ目は、下痢。
脚だけでなく、腸もむくむそうなのです。
そうすると、腸から必要な水分が身体の中に吸収されなくなって、下痢になる。
尿の泡立ち+脚のむくみ+下痢で、腎臓病の可能性は、90%に。
この3つの症状が重なったら、腎臓の専門医への受診を。
[感想]

尿の状態を見るのって、大事なんですね。

のどの痛みや脚のむくみが関係するなんて、思ってもみませんでした。
沈黙の臓器だけに、気をつけないと。

チェック項目、覚えておこうっと!
[に関する記事]
→ 「尼崎市の人工透析対策 腎機能はクレアチニンでチェック」
tag : 健康カプセル!ゲンキの時間 腎臓病 尿トラブル



ニオイ玉で腎臓病に? 膿栓とは/ためしてガッテン
今週のテーマは、「ニオイ玉」。
ノドの奥、扁桃に白い粒が。
クサいニオイの正体。
腎臓病(IgA腎症)や肌荒れ(掌蹠膿疱症)との関係。
正式名称は、「膿栓(のうせん)」。
実は、細菌のカタマリだった。
和歌山県立医科大学病院、山中昇 教授の解説。
慢性扁桃炎の症状。
治療法や予防法。
口輪筋のチェック法。
ペットボトルで鍛える方法。
2014年10月22日放送の「ためしてガッテン」より、「“風邪はノドから…”その体質に潜む病SP」「肌荒れ、肩こり、腎臓病…原因はまさかのノドの腫れ!?」からのメモ書きです。

□ ニオイ玉と病気

今回のテーマは、「ニオイ玉」です。
エノキさん、ニオイ玉って知ってます?

何度か、芸人さんの話の中で聞いたことがあります。
漫才していて出てきたとか、風邪ひいた時に出たとか。
小さい玉で、すごくクサいって話でした。

街のみなさんに聞いたところ、体験したことがあるのは、100人中 32人でした。
実は、このニオイ玉がきっかけで、たいへんなことになってしまった方々がいます。
ある女性は、腎臓病になった。
別の女性は、ひどい肌荒れに。
専門家によれば、肩こり、心臓病、大腸炎、目の病気(失明)など、全身に病気が蔓延する可能性もあるのだとか。

ひえ~っ!

ゲストの内山信二さんも、この玉を出したことがあるらしい。
その時は、ポップコーンのカスみたいだったといいます。
白っぽいという人もいれば、黄色っぽいとか、緑っぽいという人も。
乳白色だとおっしゃる方が多いかな。
大きなものだと、5mmぐらいあるのだそう。
つぶすと、ものすごく クサい。

でも、このニオイ玉が、どうして全身の病気と関係するのでしょう?
【体験談(1)】
静岡県に住む、54歳の女性。
10年以上前から、頻繁にニオイ玉が出たのだという。
うがいをして吐くと、ごはん粒のようなものが出たりする。
当時、食事がノドに詰まることがよくあったので、食べ物のカスがノドに詰まり、それが出たのだと思っていました。
ところが8年前、急に体調を崩し、1週間ほど、ノドの痛みが続いた。
ようやく治りかけた頃には、突然、血尿が。
あわてて病院で検査を受けたところ、腎臓病だと診断されました。
しかも意外なことに、ノドにできたニオイ玉と腎臓病には 深い関係があるのだという。
【体験談(2)】
埼玉県にお住いの、42歳の女性。
以前から、ノドに異物感を感じることがありました。
そんな女性を襲った症状は、手足の発疹。
手と足に、ひどいブツブツができるようになった。
いくつか病院を受診するも、原因は不明。
その間にも症状は、どんどん進行していきます。
最もひどかった頃には、爪までボロボロ。
ひどいかゆみにも、襲われたという。
しかし、病気とニオイ玉に、どんな関係が?
体験談(1)の女性がかかった病気は、「IgA腎症」。
予備軍も含めると、全国で100万人という病気です。
体験談(2)の女性の肌荒れは、「掌蹠膿疱症(しょうせきのうほうしょう)」。
手のひらや足の裏に発疹ができて、痛みや かゆみに見舞われる病気で、3万人近い方が苦しんでおられる。
おふたりに共通しているのは、「風邪をひくと、いつもノドから症状が出る」という点。
風邪でノドといえば、「扁桃腺(へんとうせん)」。
今は「扁桃(へんとう)」と呼ぶようになっているらしい。
扁桃(口蓋扁桃 こうがいへんとう)とは、ノドの両脇にある赤い部分のこと。
デコボコしていて、凹凸があるのですが、このへこんだ部分に、ニオイ玉は入っています。
□ ニオイ玉の正体
ノドつながりということで、お邪魔したのは、「NHKのど自慢」。
梅ちゃん先生でも描かれましたが、昭和21年から続く長寿番組です。
その予選会場で、ノドをチェックさせてもらおうってわけ。
ニオイ玉を、探しちゃいますよ。
協力してくれたのは、和歌山県立医科大学 耳鼻咽喉科の戸川彰久 医師です。
さすがに「のど自慢」の方々だけあって、扁桃はピカピカです。
ニオイ玉は、なかなか見つからない。
そして31人目にして、やっと発見。
綿棒で、採取させていただきました。
そのニオイ玉を、神奈川歯科大学 大学院歯学研究科の山本龍生 准教授に、分析していただきます。
電子顕微鏡で覗いてみた、その結果に、先生もビックリ。
その正体は、アレだったのです。
このニオイ玉の大きさは、約5mm 。
それを拡大していくと、正体が分かりました。
ニオイ玉は、細菌のカタマリだったんですね。
歯周病菌とか、大腸の悪玉菌の、仲間だった。
だから、卵が腐ったようなニオイがする。
正式な呼び名は、「膿栓(のうせん)」。
膿が栓をしてしまったような状態だというわけ。
膿栓の中にいる細菌の中でも、ひときわ多く見つかったのが、これ。
「バクテロイデス」。
大腸の悪玉菌の仲間で、このような細菌が過剰に密集したものが、膿栓です。
なんと、1mm ほどの膿栓に、1億から2億の細菌が密集しているそう。
この膿栓、扁桃でいったい、何をしているのでしょうか?
細菌が、空気や食べ物と一緒に、ノドに侵入。
すると扁桃に、T細胞が現れましたよ。
T細胞は仲間の細胞に命令して、細菌に向かって攻撃させます。
実は、扁桃というのは、体を守る免疫器官なのです。
リンパ球などの免疫細胞が、細菌の侵入を阻止しようと頑張ってくれる。
風邪をひくと、ノドが腫れますよね。
いわゆる扁桃炎の状態。
あれは、免疫細胞が細菌と戦っている証拠なんです。
実はニオイ玉は、免疫細胞にやられた細菌の死骸のカタマリ。
なので、それ自体が病気の原因になるわけではないそう。
ところが、細菌との戦いが長く続くと、思わぬ事態に。
なんと、免疫細胞が、体のあちこちで暴走してしまいます。
リーダーであるT細胞が、メチャメチャな指令を出し続けるからです。
真犯人、発見。
全身の病気の原因は、免疫細胞たちでした。
扁桃は、免疫を担う「リンパ組織」の一部です。
実は、体のあちこちにはリンパ組織が存在していて、それぞれに T細胞がいます。
しかし、扁桃のT細胞は、何らかの理由で、急におかしくなって、間違った指令を出してしまうことがあるんですね。
結果、T細胞の命令を受けた免疫細胞が、体中に出動してしまう。
そして、細菌はいないなのに、全身を攻撃。
様々な病気を引き起こしてしまう。
扁桃というのは、他の臓器とは違って、むき出しです。
全身のリンパ組織の中で、扁桃だけが外にある。
それだけ、扁桃のT細胞というのは、ハードな仕事をこなさねばなりません。
膿栓は、扁桃のT細胞が細菌と戦い続けた証拠なんですね。
それだけ、四六時中、頑張っていたということ。
□ 山中先生の解説
ここでスタジオに、専門家の先生が登場。
和歌山県立医科大学病院 耳鼻咽喉科・頭頸部外科 教授の山中昇 先生です。
膿栓ができ続けるような状態を、「慢性扁桃炎」という。
この慢性扁桃炎の状態が長く続くと、全身の様々な病気につながる可能性が。
<慢性扁桃炎の症状>
・ノドのイガイガ感や違和感 → 1ヵ月以上続く。
・膿栓が月に 3~4回出る → 3ヵ月以上続く。
<慢性扁桃炎の治療法>
・炎症を抑える薬の使用。
・うがい。
・耳鼻咽喉科で、膿栓を吸引してくれることも。
慢性扁桃炎を持っているからといっても、すべての人が全身の病気になるわけではありません。
ただ、一部の人に、腎臓病や肌荒れなどの症状が現れることがある。
さて、体験談(2)の女性ですが、肌荒れは見事に治っています。
体験談(1)の女性も、完治したわけではないけれど、進行を止めることに成功。寛解の状態に。
どういう治療が行われたのかというと、扁桃を摘出する手術が施されました。
ちなみに、扁桃を摘出しても、体中の他のリンパ組織が補ってくれるので、免疫力は落ちないのだそう。
掌蹠膿疱症(肌荒れ)の場合、扁桃を取ると、およそ50%の人が完治。
90%の人の症状が改善するといわれている。
IgA腎症(腎臓病)の場合も、抗炎症薬と早めの扁桃摘出で、およそ90%の人が腎臓の機能を保てるそうです。
(ただ、掌蹠膿疱症やIgA腎症の原因は他にもあると考えられており、研究が進められているとのこと)

扁桃が原因で、全身の病気になることも。
それを知らせてくれるのが、長く続くニオイ玉でした。
慢性扁桃炎を治療すれば、症状は改善します。

ガッテン! ガッテン!
□ 慢性扁桃炎の予防法
さて、扁桃炎の原因となる行動とは、何なのでしょうか?
そのヒントを教えてくれたのは、岩崎動物病院の岩崎雅和 院長。
実は、イヌやネコなど多くの哺乳類は、人間と同じように、扁桃を持っています。
けれど、岩崎先生によると、イヌなどで扁桃が腫れて困るということは、まずないのだという。
医薬基盤研・霊長類医科学研究センターの揚山直英 主任研究員にうかがったところ、サルでも扁桃が腫れているのを見たことはないらしい。
動物は、滅多に扁桃炎に、かからないようですね。
動物はしないけど、人間はするもの。
それは、「口呼吸」。
人間以外の哺乳類は、主に鼻呼吸をします。
口呼吸は、ほとんどしない。
では、何が悪いのか?
口呼吸をすると、口内が乾いて、細菌が繁殖しやすくなります。
これが、慢性扁桃炎の原因になってしまうんですね。
<口呼吸の原因>
(1) 口輪筋(こうりんきん)の衰え。
(2) クセ。
口輪筋は、口の周りの筋肉。
口を閉じさせる筋肉で、これが衰えると、開きやすくなる。
<口輪筋 チェック法>
ペットボトルと、直径3cm ほどのボタン、タコ糸、を用意します。
ボタンにタコ糸をつけて、ペットボトルに結びつける。
ペットボトルには、1リットルの水を入れておきます。
ボタンを唇と歯の間に はさむようにして、持ち上げてください。
持ち上げられなかったら、口輪筋が衰えているサイン。
トレーニングも、できますよ。
自分が持ち上げられるギリギリの水量の半分を、ペットボトルに入れる。
5秒間持ち上げては5秒間休むという運動を、1日に20回行ってください。
歯科医の方が、ギターで口輪筋トレーニングを紹介してくれています。
こんな感じ。
(音量に注意して!)
テンション高いな~!
クセも、治すことができます。
使うのは、シール。
部屋の目立つ所に、シールをペタリ。
それを見る度に、口を閉じるように意識します。
これは病院でも勧められている方法で、「認知行動療法」という。
口が開いてたと意識するだけで、改善できるそうですよ。
テレビ、パソコン、スマホなど、よく使うものに、「口呼吸しないこと」と書いた付箋(ふせん)を貼るのも、いいかもしれません。

口呼吸をやめることで、慢性扁桃炎は予防できます。

ガッテン! ガッテン!

□

ニオイ玉の正体が細菌の死骸だったとは、ビックリしました。
なるほど、クサいわけだ。

それが全身の病気につながるなんて、なおビックリですね。
花粉症もそうだけど、免疫システムの不具合って、最近、よく聞きます。
それそのものは大事な機能だけど、頑張りすぎると、よくないわけか。

これからは、口呼吸に気をつけたいと思います。
次回は、「認知症&受験に勝つ! 脳フル回転する昔遊び」。

→ 「ためしてガッテン 2013年のアーカイブ 4月~6月」
ノドの奥、扁桃に白い粒が。
クサいニオイの正体。
腎臓病(IgA腎症)や肌荒れ(掌蹠膿疱症)との関係。
正式名称は、「膿栓(のうせん)」。
実は、細菌のカタマリだった。
和歌山県立医科大学病院、山中昇 教授の解説。
慢性扁桃炎の症状。
治療法や予防法。
口輪筋のチェック法。
ペットボトルで鍛える方法。
2014年10月22日放送の「ためしてガッテン」より、「“風邪はノドから…”その体質に潜む病SP」「肌荒れ、肩こり、腎臓病…原因はまさかのノドの腫れ!?」からのメモ書きです。

□ ニオイ玉と病気

今回のテーマは、「ニオイ玉」です。
エノキさん、ニオイ玉って知ってます?

何度か、芸人さんの話の中で聞いたことがあります。
漫才していて出てきたとか、風邪ひいた時に出たとか。
小さい玉で、すごくクサいって話でした。

街のみなさんに聞いたところ、体験したことがあるのは、100人中 32人でした。
実は、このニオイ玉がきっかけで、たいへんなことになってしまった方々がいます。
ある女性は、腎臓病になった。
別の女性は、ひどい肌荒れに。
専門家によれば、肩こり、心臓病、大腸炎、目の病気(失明)など、全身に病気が蔓延する可能性もあるのだとか。

ひえ~っ!

ゲストの内山信二さんも、この玉を出したことがあるらしい。
その時は、ポップコーンのカスみたいだったといいます。
白っぽいという人もいれば、黄色っぽいとか、緑っぽいという人も。
乳白色だとおっしゃる方が多いかな。
大きなものだと、5mmぐらいあるのだそう。
つぶすと、ものすごく クサい。

でも、このニオイ玉が、どうして全身の病気と関係するのでしょう?
【体験談(1)】
静岡県に住む、54歳の女性。
10年以上前から、頻繁にニオイ玉が出たのだという。
うがいをして吐くと、ごはん粒のようなものが出たりする。
当時、食事がノドに詰まることがよくあったので、食べ物のカスがノドに詰まり、それが出たのだと思っていました。
ところが8年前、急に体調を崩し、1週間ほど、ノドの痛みが続いた。
ようやく治りかけた頃には、突然、血尿が。
あわてて病院で検査を受けたところ、腎臓病だと診断されました。
しかも意外なことに、ノドにできたニオイ玉と腎臓病には 深い関係があるのだという。
【体験談(2)】
埼玉県にお住いの、42歳の女性。
以前から、ノドに異物感を感じることがありました。
そんな女性を襲った症状は、手足の発疹。
手と足に、ひどいブツブツができるようになった。
いくつか病院を受診するも、原因は不明。
その間にも症状は、どんどん進行していきます。
最もひどかった頃には、爪までボロボロ。
ひどいかゆみにも、襲われたという。
しかし、病気とニオイ玉に、どんな関係が?
体験談(1)の女性がかかった病気は、「IgA腎症」。
予備軍も含めると、全国で100万人という病気です。
体験談(2)の女性の肌荒れは、「掌蹠膿疱症(しょうせきのうほうしょう)」。
手のひらや足の裏に発疹ができて、痛みや かゆみに見舞われる病気で、3万人近い方が苦しんでおられる。
おふたりに共通しているのは、「風邪をひくと、いつもノドから症状が出る」という点。
風邪でノドといえば、「扁桃腺(へんとうせん)」。
今は「扁桃(へんとう)」と呼ぶようになっているらしい。
扁桃(口蓋扁桃 こうがいへんとう)とは、ノドの両脇にある赤い部分のこと。
デコボコしていて、凹凸があるのですが、このへこんだ部分に、ニオイ玉は入っています。
□ ニオイ玉の正体
ノドつながりということで、お邪魔したのは、「NHKのど自慢」。
梅ちゃん先生でも描かれましたが、昭和21年から続く長寿番組です。
その予選会場で、ノドをチェックさせてもらおうってわけ。
ニオイ玉を、探しちゃいますよ。
協力してくれたのは、和歌山県立医科大学 耳鼻咽喉科の戸川彰久 医師です。
さすがに「のど自慢」の方々だけあって、扁桃はピカピカです。
ニオイ玉は、なかなか見つからない。
そして31人目にして、やっと発見。
綿棒で、採取させていただきました。
そのニオイ玉を、神奈川歯科大学 大学院歯学研究科の山本龍生 准教授に、分析していただきます。
電子顕微鏡で覗いてみた、その結果に、先生もビックリ。
その正体は、アレだったのです。
このニオイ玉の大きさは、約5mm 。
それを拡大していくと、正体が分かりました。
ニオイ玉は、細菌のカタマリだったんですね。
歯周病菌とか、大腸の悪玉菌の、仲間だった。
だから、卵が腐ったようなニオイがする。
正式な呼び名は、「膿栓(のうせん)」。
膿が栓をしてしまったような状態だというわけ。
膿栓の中にいる細菌の中でも、ひときわ多く見つかったのが、これ。
「バクテロイデス」。
大腸の悪玉菌の仲間で、このような細菌が過剰に密集したものが、膿栓です。
なんと、1mm ほどの膿栓に、1億から2億の細菌が密集しているそう。
この膿栓、扁桃でいったい、何をしているのでしょうか?
細菌が、空気や食べ物と一緒に、ノドに侵入。
すると扁桃に、T細胞が現れましたよ。
T細胞は仲間の細胞に命令して、細菌に向かって攻撃させます。
実は、扁桃というのは、体を守る免疫器官なのです。
リンパ球などの免疫細胞が、細菌の侵入を阻止しようと頑張ってくれる。
風邪をひくと、ノドが腫れますよね。
いわゆる扁桃炎の状態。
あれは、免疫細胞が細菌と戦っている証拠なんです。
実はニオイ玉は、免疫細胞にやられた細菌の死骸のカタマリ。
なので、それ自体が病気の原因になるわけではないそう。
ところが、細菌との戦いが長く続くと、思わぬ事態に。
なんと、免疫細胞が、体のあちこちで暴走してしまいます。
リーダーであるT細胞が、メチャメチャな指令を出し続けるからです。
真犯人、発見。
全身の病気の原因は、免疫細胞たちでした。
扁桃は、免疫を担う「リンパ組織」の一部です。
実は、体のあちこちにはリンパ組織が存在していて、それぞれに T細胞がいます。
しかし、扁桃のT細胞は、何らかの理由で、急におかしくなって、間違った指令を出してしまうことがあるんですね。
結果、T細胞の命令を受けた免疫細胞が、体中に出動してしまう。
そして、細菌はいないなのに、全身を攻撃。
様々な病気を引き起こしてしまう。
扁桃というのは、他の臓器とは違って、むき出しです。
全身のリンパ組織の中で、扁桃だけが外にある。
それだけ、扁桃のT細胞というのは、ハードな仕事をこなさねばなりません。
膿栓は、扁桃のT細胞が細菌と戦い続けた証拠なんですね。
それだけ、四六時中、頑張っていたということ。
□ 山中先生の解説
ここでスタジオに、専門家の先生が登場。
和歌山県立医科大学病院 耳鼻咽喉科・頭頸部外科 教授の山中昇 先生です。
膿栓ができ続けるような状態を、「慢性扁桃炎」という。
この慢性扁桃炎の状態が長く続くと、全身の様々な病気につながる可能性が。
<慢性扁桃炎の症状>
・ノドのイガイガ感や違和感 → 1ヵ月以上続く。
・膿栓が月に 3~4回出る → 3ヵ月以上続く。
<慢性扁桃炎の治療法>
・炎症を抑える薬の使用。
・うがい。
・耳鼻咽喉科で、膿栓を吸引してくれることも。
慢性扁桃炎を持っているからといっても、すべての人が全身の病気になるわけではありません。
ただ、一部の人に、腎臓病や肌荒れなどの症状が現れることがある。
さて、体験談(2)の女性ですが、肌荒れは見事に治っています。
体験談(1)の女性も、完治したわけではないけれど、進行を止めることに成功。寛解の状態に。
どういう治療が行われたのかというと、扁桃を摘出する手術が施されました。
ちなみに、扁桃を摘出しても、体中の他のリンパ組織が補ってくれるので、免疫力は落ちないのだそう。
掌蹠膿疱症(肌荒れ)の場合、扁桃を取ると、およそ50%の人が完治。
90%の人の症状が改善するといわれている。
IgA腎症(腎臓病)の場合も、抗炎症薬と早めの扁桃摘出で、およそ90%の人が腎臓の機能を保てるそうです。
(ただ、掌蹠膿疱症やIgA腎症の原因は他にもあると考えられており、研究が進められているとのこと)

扁桃が原因で、全身の病気になることも。
それを知らせてくれるのが、長く続くニオイ玉でした。
慢性扁桃炎を治療すれば、症状は改善します。

ガッテン! ガッテン!
□ 慢性扁桃炎の予防法
さて、扁桃炎の原因となる行動とは、何なのでしょうか?
そのヒントを教えてくれたのは、岩崎動物病院の岩崎雅和 院長。
実は、イヌやネコなど多くの哺乳類は、人間と同じように、扁桃を持っています。
けれど、岩崎先生によると、イヌなどで扁桃が腫れて困るということは、まずないのだという。
医薬基盤研・霊長類医科学研究センターの揚山直英 主任研究員にうかがったところ、サルでも扁桃が腫れているのを見たことはないらしい。
動物は、滅多に扁桃炎に、かからないようですね。
動物はしないけど、人間はするもの。
それは、「口呼吸」。
人間以外の哺乳類は、主に鼻呼吸をします。
口呼吸は、ほとんどしない。
では、何が悪いのか?
口呼吸をすると、口内が乾いて、細菌が繁殖しやすくなります。
これが、慢性扁桃炎の原因になってしまうんですね。
<口呼吸の原因>
(1) 口輪筋(こうりんきん)の衰え。
(2) クセ。
口輪筋は、口の周りの筋肉。
口を閉じさせる筋肉で、これが衰えると、開きやすくなる。
<口輪筋 チェック法>
ペットボトルと、直径3cm ほどのボタン、タコ糸、を用意します。
ボタンにタコ糸をつけて、ペットボトルに結びつける。
ペットボトルには、1リットルの水を入れておきます。
ボタンを唇と歯の間に はさむようにして、持ち上げてください。
持ち上げられなかったら、口輪筋が衰えているサイン。
トレーニングも、できますよ。
自分が持ち上げられるギリギリの水量の半分を、ペットボトルに入れる。
5秒間持ち上げては5秒間休むという運動を、1日に20回行ってください。
歯科医の方が、ギターで口輪筋トレーニングを紹介してくれています。
こんな感じ。
(音量に注意して!)
テンション高いな~!
クセも、治すことができます。
使うのは、シール。
部屋の目立つ所に、シールをペタリ。
それを見る度に、口を閉じるように意識します。
これは病院でも勧められている方法で、「認知行動療法」という。
口が開いてたと意識するだけで、改善できるそうですよ。
テレビ、パソコン、スマホなど、よく使うものに、「口呼吸しないこと」と書いた付箋(ふせん)を貼るのも、いいかもしれません。

口呼吸をやめることで、慢性扁桃炎は予防できます。

ガッテン! ガッテン!

□

ニオイ玉の正体が細菌の死骸だったとは、ビックリしました。
なるほど、クサいわけだ。

それが全身の病気につながるなんて、なおビックリですね。
花粉症もそうだけど、免疫システムの不具合って、最近、よく聞きます。
それそのものは大事な機能だけど、頑張りすぎると、よくないわけか。

これからは、口呼吸に気をつけたいと思います。
次回は、「認知症&受験に勝つ! 脳フル回転する昔遊び」。

→ 「ためしてガッテン 2013年のアーカイブ 4月~6月」



危ないのは見えない血尿? 膀胱がんと腎臓病/ためしてガッテン
今週のテーマは、「オシッコの色」。
尿の色で、病気が分かるんだろうか。
本当に危険なのは、どんな色?
「見える血尿」と「見えない血尿(顕微鏡的血尿)」。
こんなにすごい、尿試験紙の精度。
意外な、再検査の方法。
検尿大国って、どこ?
尿検査の作法クイズ。
2013年9月11日放送の「ためしてガッテン」より、「がん腎臓病を見逃すな 危ないおしっこの真実」からのメモ書きです。

□ 本当に危険なオシッコの色

今日のテーマは、「オシッコ」。
エノキさんは、オシッコの色が気になること、ありませんか?

体調が悪い時とか、色が変わることがあります。
あと、栄養ドリンクを飲んだ後とかも。
逆に、お茶とか、利尿作用があるものをたくさん飲むと、透明な、いかにも健康そうなオシッコが出たりとか。

専門家の先生は、こんなことを おっしゃいました。
帝京大学医学部附属病院、泌尿器科の、武藤智 准教授。
「オシッコの色は、単なる健康のバロメーターではございません」
「潜んでいる病気の発見にも、つながります」

ほう、色で病気が分かるってことですか。

ある男性は、オシッコで、命が救われた。
何と、尿検査で、ガンが発見されたんです。

おお、そうですか。

スタジオに登場したのは、「おしっこの色 マル秘 ファイル」。
これを見た志の輔さんや小野文惠アナは、ビックリしてますよ。

とんでもない色が、あったんですか?

その色を見た街の人が言ったのは、こんな感じ。
・メロンソーダ尿。
・宇宙人のオシッコ。
・コーヒーみたい。
・イカスミおしっこ。

バラエティーに富んでますね。
黄色以外に、こんなにあるの?

ここで大事なのは、「本当に危険なオシッコの色」があるということ。
危険性のある人は、推定500万人もいるそうです。
□ 危険な尿ファイル
<ファイル(1)>
京都府に住む、62歳の男性。
16年前、職場の健康診断で、血尿が出ていると言われました。
病院を受診したところ、様子を見ましょうとのこと。
ところが、1年後に、再び血尿が。
体調からだと考えた男性は、病院には行きませんでした。
しかし、その2年後、ガンであることが分かりました。
診断結果は、膀胱がん。
緊急手術を受けることになります。
<ファイル(2)>
74歳の男性。
5年前、はじめて、血尿が出ました。
でも、あまり深刻には考えず、病院には行かなかった。
そして1ヵ月後、救急車で病院に運ばれることとなったのです。
精密検査の結果は、急性腎炎。
腎機能が大幅に低下した男性は、人工透析を受けることになりました。
週3日 病院に通い、血液のろ過を行わねばなりません。
1日に4時間、それが週3回の生活。

ふたりとも、前触れは、血尿でした。
その血尿の色とは、どんなものだったのでしょうか?

血だから、赤っぽいのを想像しますが、どうなんでしょうね。
前に言ってた、メロンソーダとか、イカスミ?
う~ん、分かんないな~。

おふたりに うかがうと、見た目は普通だったそう。
ふだんの黄色いオシッコだったんです。

あっ! それで病院に行かなかったのか!
確かに、明らかに異常なら、病院に行きますもんね。

実は、血尿にも、いろいろあるようなのです。
ためしてガッテンの、ある女性スタッフ。
18歳なのですが、3ヵ月前のある日、真っ赤な血尿が出たといいます。
オシッコがまるでトマトジュースみたいだったそう。
あまりのことに驚いたのですが、病院で治療を受け、抗生物質をもらうと、3日ぐらいで治りました。
この女性がなたのは、膀胱炎(ぼうこうえん)。
膀胱炎の場合、炎症が膀胱全体に広がることがあって、そういうケースでは、大量に出血することもある。
膀胱炎は慢性的になると怖い病気ですが、基本的には、短期間の治療でよくなるとのこと。
では、いつもと同じ色だったと話してくれた、ふたりの男性。
こちらの場合は、どうだったのでしょうか。
□ 血尿診断ガイドライン
今年の5月に出たばかりの、「血尿診断ガイドライン2013」。
そこには、こう書かれています。
「○○○○血尿は、末期腎不全の高リスク群」。
これは、人工透析が必要な状態。
自分の腎臓だけでは、生命を維持できません。
また、このような記述も。
「○○○○血尿が確認された症例には、尿路上皮癌(にょうろじょうひがん)のスクリーニング(識別検査)を推奨」。
この○○○○血尿は、「見えない血尿」。
血尿には、「見える血尿」と「見えない血尿」があるのです。

見えない血尿の方が、怖いんですか!

見えない血尿がなぜ怖いのかといえば、危機感をあまり感じず、病院を受診しようとも思わないから。
でも、検査では、見えない血尿でも、ちゃんと検出するんですよ。
□ 尿検査
ここで、実験。
筑波大学付属病院のみなさんに協力してもらって、ちょっと失礼な実験をさせてもらいました。
まずは検査技師のおふたりに、様子を見学させてもらいます。
小さな試験紙を、検尿カップのオシッコに浸してますねえ。
結果は陰性。血液反応はありませんでした。
この試験紙には試薬が含まれており、尿に何かトラブルがあった時には、色が変わるのです。
それで、陰性か陽性か、判定できる。
もし尿に血が混じっていれば、先端の色が青に変わる。
ここからが実験です。
あるもので、同じように検査してもらった。
(a) → 陽性。
(b) → 陽性。
で、その正体は、こうでした。
(a) → 切り干し大根の戻し汁。
(b) → 水の中に、血液成分である「ヘモグロビン」を わずかだけ混ぜたもの。
ちなみに、切り干し大根の戻し汁は、糖に反応したそう。
ただし、切り干し大根を食べたら尿に糖が出るわけではありません。
そして、(b)ですが、「尿100ミリリットルに対して 血液0.0004ミリリットル」に相当します。
こんなわずかでも、ちゃんと、反応したんですね。
ちなみのこの尿試験紙は、調剤薬局で売ってます。
□ 血尿の再検査
2010年に、1500人以上を対象に行われた、海外の調査報告。
血尿の再検査で医師に言われた原因は、以下のようだったそうです。
・65% たまたま
(血尿は、一過性のものが多いため)
(女性の場合は、月経血が混じることがある)
・22% 膀胱炎
・10% 前立腺肥大

でも、本当に怖いのは、その他。
この中に、腎炎などの腎疾患が3%含まれます。
また、膀胱がんは 2%。

さて、健康診断などで血尿が判明したとして、再検査では、どんなことをするのでしょうか?

再びの検査だから、同じことをするんじゃないんですか?

では、オシッコの専門家、武藤智 先生に、聞いてみましょう。
先生が差し出したのは、検尿カップ。
尿をとってもらって、再検査です。
どんな検査をするのかと思ったら、顕微鏡をのぞいてますよ。
何を見ているのかと思ったら、「血のカタチ」を見ているそう。
先生が見ているのは、「オシッコの中の赤血球」。
血尿の中には、必ず、赤血球が含まれる。
この赤血球は通常 丸いのですが、カタチが崩れたものが見つかることがあるのです。
人間の腎臓は、「糸球体(しきゅうたい)」という毛細血管の集まり。
この中を通っている血液から尿が作られます。
その中を拡大して見てみると、血管の壁に小さな穴が開いている。
血液中の老廃物や余分な水分を ここでこしとって、尿として、体の外に排出してるんですね。
いわば、フィルターの働き。
この血管の穴は、健康な状態であれば、赤血球をせき止めるので、外に出ることはありません。
でも、何らかのトラブルで、フィルターが壊れる場合がある。
こうなると、赤血球が外に出ちゃう。
そして、尿に血液が混じってしまうと。
変形した赤血球は、血管の壁を通り抜ける際、カタチが変わってしまったものなんです。
それを顕微鏡で見つけることで、腎臓が傷んでいることが分かるというわけ。
赤血球が変形している
↓
腎臓病の疑い
赤血球が変形してない
↓
腎臓以外の病気の疑い
顕微鏡による検査では、こんなものも見つけることができます。
赤血球の他に、黒いものが混じってますよ。
実はこれ、ガン細胞。
ガンの組織から出血することがあるんですが、その際、ガン細胞も一緒に出てくることがある。

血尿の再検査って、こんなことをしてるんですか。
□ 検尿大国、日本
ここでスタジオに、専門家の先生が登場。
順天堂大学 大学院 泌尿器外科の、堀江重郎 教授。
「見えない血尿」は「顕微鏡的血尿」という。
顕微鏡で見て初めて分かるぐらい 非常にわずかな量の血液が入っている、という意味。
わずかな異常が重大な疾患のきっかけかもしれないことが分かってきたため、それを普及するために、ガイドラインが作成されました。
特に、膀胱がんの発見には非常に重要だといいます。
40歳以上の男性で喫煙している人だと、顕微鏡的血尿がある人は、5人に1人が膀胱がんだといわれている。
また、腎疾患も問題になっています。
日本では、推定で10万人が腎炎になって、最終的に人工透析が必要になるケースも。
最近の研究では、「最初に血尿が出る」→「たんぱく尿が出る」→「腎炎になる」、そういう方もいることが分かってきた。
血尿も、たんぱくも、尿試験紙による検査で分かります。
なので、自宅で月に1回検査すれば、それで十分だそう。
陽性ならば、病院(腎臓内科や泌尿器科)を受診しましょう。
血尿の再検査は、いわば精密検査。
より詳しい検査なのです。
最近では、「尿自動分析装置」で自動的に赤血球のカタチを判別できます。
これだと、ひとり分のオシッコの判別にかかる時間が、わずか1分。
堀江先生によれば、日本は検尿大国。
赤ちゃんの頃から、高齢者まで、すべての段階で尿検査が、安い値段で簡単にできる。
実は、こういう国は、日本以外にないのです。

オシッコの再検査は、いわば精密検査でした。

ガッテン! ガッテン!
□ 尿検査の作法
さて、ここでクイズです。
Q1~Q3は、○か×かで答えてください。
Q4は、どちらかを選んで。
Q1)尿検査の前日は、アルコールを控え、野菜や果物をたっぷりとる。
Q2)当日の朝、日課のジョギングはふだん通り行った方がよい。
Q3)検査前にオシッコを出したら、しっかり水分を補給する。
Q4)正しいオシッコのとり方は? 「じゃじょじょじょじょ…」か「じょぼじょぼじょぼじょぼ…(そのあと)じゃじょじょじょじょ…」か?
答えは、こうです。
Q1)尿検査の前日は、アルコールを控え、野菜や果物をたっぷりとる?
→ ×
アルコールを控えるのはいい。でも、野菜や果物にはビタミンCが入っているため、大量にとり過ぎると、潜血反応をブロックしてしまうことがある。
特に、ビタミン剤には、注意を。
Q2)当日の朝、日課のジョギングはふだん通り行った方がよい?
→ ×
激しいジョギングをすると、足の血管を通る赤血球の一部が壊れる。それが尿に出ることがあるので、できれば朝一番の安静な状態で、尿をとるのがいい。
Q3)検査前にオシッコを出したら、しっかり水分を補給する?
→ ×
直前に水分をとり過ぎると、薄い尿になってしまって、情報が得られないことがある。
また、ビタミンC入りの飲料にも、注意。
飲むのであれば、お水少々を。
必要な尿は、10ミリリットルほど。
Q4)正しいオシッコのとり方は? 「じゃじょじょじょじょ…」か「じょぼじょぼじょぼじょぼ…(そのあと)じゃじょじょじょじょ…」か?
→ 2番目の「じょぼじょぼじょぼじょぼ…(そのあと)じゃじょじょじょじょ…」
出始めは、血液や細菌が混入しやすくなります。
この音は、最初はカップにとらず、途中から検尿カップにとってる音。
とるのは、「中間尿」にするのがいい。
<こんな色のオシッコに注意!>
基本的には、尿の色だけで大きな異常が隠されていることを心配しなくてもいい。
また、一時的に濃い尿や薄い尿が出ることは、問題ない。
それを前提に、以下のことがいえるそう。
いつも濃い黄色 → 肝臓病など
肝臓病の方は、「ビリルビン」という物質が尿に出て、黄色から茶褐色のような非常に濃い尿が出る。そんな尿が続いている時には、要注意。
いつも薄い色 → 糖尿病など
糖尿病の場合、血液中の糖分が高いので、たくさん水を飲む。それでかなり尿が薄まっている場合も。
また、腎臓病の場合、尿を濃くすることができなくなって、いつも薄い尿が出てしまうことが。
冒頭紹介された、メロンソーダ尿。
濃い緑のオシッコは、緑膿菌などの細菌に感染している可能性が。
これは、抗生物質で治療できる。
黒い尿ですが、薬によっては、尿に色がつくものがある。
それで、黒くなったり、茶色くなったりする。
また、ビタミン剤だと、黄色くなる。
薬剤師さんから事前に説明があるので、心配しすぎる必要はないとのこと。
![NHKためしてガッテン増刊 健康プレミアム Vol.05 2013年 09月号 [雑誌]](http://ecx.images-amazon.com/images/I/51dEXivQPWL._SX200_.jpg)

□

身近な尿検査ですが、実は重要だったんですね。
色が普通でも、血尿の反応があったら要注意。

基本は定期的な健康診断。
そして、再検査もちゃんと受けること。
体質だからだと、甘く見ない。

判断は、お医者さんに任せた方がよさそうです。

尿検査って簡単だけど、実は重要な検査だったんですね。
[まとめ]
・血尿には、
見える血尿と
見えない血尿がある。
・後者は、
顕微鏡的血尿と呼ばれる。
・見えない血尿の中には、
腎疾患や膀胱がんである
場合が。
・再検査で、
詳しく調べてもらうのが
すごく大事。
次回は、「あぁ突然! 金属アレルギー 体質変化の謎 一挙解明」。


→ 「ためしてガッテン 2013年のアーカイブ 4月~6月」
尿の色で、病気が分かるんだろうか。
本当に危険なのは、どんな色?
「見える血尿」と「見えない血尿(顕微鏡的血尿)」。
こんなにすごい、尿試験紙の精度。
意外な、再検査の方法。
検尿大国って、どこ?
尿検査の作法クイズ。
2013年9月11日放送の「ためしてガッテン」より、「がん腎臓病を見逃すな 危ないおしっこの真実」からのメモ書きです。

□ 本当に危険なオシッコの色

今日のテーマは、「オシッコ」。
エノキさんは、オシッコの色が気になること、ありませんか?

体調が悪い時とか、色が変わることがあります。
あと、栄養ドリンクを飲んだ後とかも。
逆に、お茶とか、利尿作用があるものをたくさん飲むと、透明な、いかにも健康そうなオシッコが出たりとか。

専門家の先生は、こんなことを おっしゃいました。
帝京大学医学部附属病院、泌尿器科の、武藤智 准教授。
「オシッコの色は、単なる健康のバロメーターではございません」
「潜んでいる病気の発見にも、つながります」

ほう、色で病気が分かるってことですか。

ある男性は、オシッコで、命が救われた。
何と、尿検査で、ガンが発見されたんです。

おお、そうですか。

スタジオに登場したのは、「おしっこの色 マル秘 ファイル」。
これを見た志の輔さんや小野文惠アナは、ビックリしてますよ。

とんでもない色が、あったんですか?

その色を見た街の人が言ったのは、こんな感じ。
・メロンソーダ尿。
・宇宙人のオシッコ。
・コーヒーみたい。
・イカスミおしっこ。

バラエティーに富んでますね。
黄色以外に、こんなにあるの?

ここで大事なのは、「本当に危険なオシッコの色」があるということ。
危険性のある人は、推定500万人もいるそうです。
□ 危険な尿ファイル
<ファイル(1)>
京都府に住む、62歳の男性。
16年前、職場の健康診断で、血尿が出ていると言われました。
病院を受診したところ、様子を見ましょうとのこと。
ところが、1年後に、再び血尿が。
体調からだと考えた男性は、病院には行きませんでした。
しかし、その2年後、ガンであることが分かりました。
診断結果は、膀胱がん。
緊急手術を受けることになります。
<ファイル(2)>
74歳の男性。
5年前、はじめて、血尿が出ました。
でも、あまり深刻には考えず、病院には行かなかった。
そして1ヵ月後、救急車で病院に運ばれることとなったのです。
精密検査の結果は、急性腎炎。
腎機能が大幅に低下した男性は、人工透析を受けることになりました。
週3日 病院に通い、血液のろ過を行わねばなりません。
1日に4時間、それが週3回の生活。

ふたりとも、前触れは、血尿でした。
その血尿の色とは、どんなものだったのでしょうか?

血だから、赤っぽいのを想像しますが、どうなんでしょうね。
前に言ってた、メロンソーダとか、イカスミ?
う~ん、分かんないな~。

おふたりに うかがうと、見た目は普通だったそう。
ふだんの黄色いオシッコだったんです。

あっ! それで病院に行かなかったのか!
確かに、明らかに異常なら、病院に行きますもんね。

実は、血尿にも、いろいろあるようなのです。
ためしてガッテンの、ある女性スタッフ。
18歳なのですが、3ヵ月前のある日、真っ赤な血尿が出たといいます。
オシッコがまるでトマトジュースみたいだったそう。
あまりのことに驚いたのですが、病院で治療を受け、抗生物質をもらうと、3日ぐらいで治りました。
この女性がなたのは、膀胱炎(ぼうこうえん)。
膀胱炎の場合、炎症が膀胱全体に広がることがあって、そういうケースでは、大量に出血することもある。
膀胱炎は慢性的になると怖い病気ですが、基本的には、短期間の治療でよくなるとのこと。
では、いつもと同じ色だったと話してくれた、ふたりの男性。
こちらの場合は、どうだったのでしょうか。
□ 血尿診断ガイドライン
今年の5月に出たばかりの、「血尿診断ガイドライン2013」。
そこには、こう書かれています。
「○○○○血尿は、末期腎不全の高リスク群」。
これは、人工透析が必要な状態。
自分の腎臓だけでは、生命を維持できません。
また、このような記述も。
「○○○○血尿が確認された症例には、尿路上皮癌(にょうろじょうひがん)のスクリーニング(識別検査)を推奨」。
この○○○○血尿は、「見えない血尿」。
血尿には、「見える血尿」と「見えない血尿」があるのです。

見えない血尿の方が、怖いんですか!

見えない血尿がなぜ怖いのかといえば、危機感をあまり感じず、病院を受診しようとも思わないから。
でも、検査では、見えない血尿でも、ちゃんと検出するんですよ。
□ 尿検査
ここで、実験。
筑波大学付属病院のみなさんに協力してもらって、ちょっと失礼な実験をさせてもらいました。
まずは検査技師のおふたりに、様子を見学させてもらいます。
小さな試験紙を、検尿カップのオシッコに浸してますねえ。
結果は陰性。血液反応はありませんでした。
この試験紙には試薬が含まれており、尿に何かトラブルがあった時には、色が変わるのです。
それで、陰性か陽性か、判定できる。
もし尿に血が混じっていれば、先端の色が青に変わる。
ここからが実験です。
あるもので、同じように検査してもらった。
(a) → 陽性。
(b) → 陽性。
で、その正体は、こうでした。
(a) → 切り干し大根の戻し汁。
(b) → 水の中に、血液成分である「ヘモグロビン」を わずかだけ混ぜたもの。
ちなみに、切り干し大根の戻し汁は、糖に反応したそう。
ただし、切り干し大根を食べたら尿に糖が出るわけではありません。
そして、(b)ですが、「尿100ミリリットルに対して 血液0.0004ミリリットル」に相当します。
こんなわずかでも、ちゃんと、反応したんですね。
ちなみのこの尿試験紙は、調剤薬局で売ってます。
□ 血尿の再検査
2010年に、1500人以上を対象に行われた、海外の調査報告。
血尿の再検査で医師に言われた原因は、以下のようだったそうです。
・65% たまたま
(血尿は、一過性のものが多いため)
(女性の場合は、月経血が混じることがある)
・22% 膀胱炎
・10% 前立腺肥大

でも、本当に怖いのは、その他。
この中に、腎炎などの腎疾患が3%含まれます。
また、膀胱がんは 2%。

さて、健康診断などで血尿が判明したとして、再検査では、どんなことをするのでしょうか?

再びの検査だから、同じことをするんじゃないんですか?

では、オシッコの専門家、武藤智 先生に、聞いてみましょう。
先生が差し出したのは、検尿カップ。
尿をとってもらって、再検査です。
どんな検査をするのかと思ったら、顕微鏡をのぞいてますよ。
何を見ているのかと思ったら、「血のカタチ」を見ているそう。
先生が見ているのは、「オシッコの中の赤血球」。
血尿の中には、必ず、赤血球が含まれる。
この赤血球は通常 丸いのですが、カタチが崩れたものが見つかることがあるのです。
人間の腎臓は、「糸球体(しきゅうたい)」という毛細血管の集まり。
この中を通っている血液から尿が作られます。
その中を拡大して見てみると、血管の壁に小さな穴が開いている。
血液中の老廃物や余分な水分を ここでこしとって、尿として、体の外に排出してるんですね。
いわば、フィルターの働き。
この血管の穴は、健康な状態であれば、赤血球をせき止めるので、外に出ることはありません。
でも、何らかのトラブルで、フィルターが壊れる場合がある。
こうなると、赤血球が外に出ちゃう。
そして、尿に血液が混じってしまうと。
変形した赤血球は、血管の壁を通り抜ける際、カタチが変わってしまったものなんです。
それを顕微鏡で見つけることで、腎臓が傷んでいることが分かるというわけ。
赤血球が変形している
↓
腎臓病の疑い
赤血球が変形してない
↓
腎臓以外の病気の疑い
顕微鏡による検査では、こんなものも見つけることができます。
赤血球の他に、黒いものが混じってますよ。
実はこれ、ガン細胞。
ガンの組織から出血することがあるんですが、その際、ガン細胞も一緒に出てくることがある。

血尿の再検査って、こんなことをしてるんですか。
□ 検尿大国、日本
ここでスタジオに、専門家の先生が登場。
順天堂大学 大学院 泌尿器外科の、堀江重郎 教授。
「見えない血尿」は「顕微鏡的血尿」という。
顕微鏡で見て初めて分かるぐらい 非常にわずかな量の血液が入っている、という意味。
わずかな異常が重大な疾患のきっかけかもしれないことが分かってきたため、それを普及するために、ガイドラインが作成されました。
特に、膀胱がんの発見には非常に重要だといいます。
40歳以上の男性で喫煙している人だと、顕微鏡的血尿がある人は、5人に1人が膀胱がんだといわれている。
また、腎疾患も問題になっています。
日本では、推定で10万人が腎炎になって、最終的に人工透析が必要になるケースも。
最近の研究では、「最初に血尿が出る」→「たんぱく尿が出る」→「腎炎になる」、そういう方もいることが分かってきた。
血尿も、たんぱくも、尿試験紙による検査で分かります。
なので、自宅で月に1回検査すれば、それで十分だそう。
陽性ならば、病院(腎臓内科や泌尿器科)を受診しましょう。
血尿の再検査は、いわば精密検査。
より詳しい検査なのです。
最近では、「尿自動分析装置」で自動的に赤血球のカタチを判別できます。
これだと、ひとり分のオシッコの判別にかかる時間が、わずか1分。
堀江先生によれば、日本は検尿大国。
赤ちゃんの頃から、高齢者まで、すべての段階で尿検査が、安い値段で簡単にできる。
実は、こういう国は、日本以外にないのです。

オシッコの再検査は、いわば精密検査でした。

ガッテン! ガッテン!
□ 尿検査の作法
さて、ここでクイズです。
Q1~Q3は、○か×かで答えてください。
Q4は、どちらかを選んで。
Q1)尿検査の前日は、アルコールを控え、野菜や果物をたっぷりとる。
Q2)当日の朝、日課のジョギングはふだん通り行った方がよい。
Q3)検査前にオシッコを出したら、しっかり水分を補給する。
Q4)正しいオシッコのとり方は? 「じゃじょじょじょじょ…」か「じょぼじょぼじょぼじょぼ…(そのあと)じゃじょじょじょじょ…」か?
答えは、こうです。
Q1)尿検査の前日は、アルコールを控え、野菜や果物をたっぷりとる?
→ ×
アルコールを控えるのはいい。でも、野菜や果物にはビタミンCが入っているため、大量にとり過ぎると、潜血反応をブロックしてしまうことがある。
特に、ビタミン剤には、注意を。
Q2)当日の朝、日課のジョギングはふだん通り行った方がよい?
→ ×
激しいジョギングをすると、足の血管を通る赤血球の一部が壊れる。それが尿に出ることがあるので、できれば朝一番の安静な状態で、尿をとるのがいい。
Q3)検査前にオシッコを出したら、しっかり水分を補給する?
→ ×
直前に水分をとり過ぎると、薄い尿になってしまって、情報が得られないことがある。
また、ビタミンC入りの飲料にも、注意。
飲むのであれば、お水少々を。
必要な尿は、10ミリリットルほど。
Q4)正しいオシッコのとり方は? 「じゃじょじょじょじょ…」か「じょぼじょぼじょぼじょぼ…(そのあと)じゃじょじょじょじょ…」か?
→ 2番目の「じょぼじょぼじょぼじょぼ…(そのあと)じゃじょじょじょじょ…」
出始めは、血液や細菌が混入しやすくなります。
この音は、最初はカップにとらず、途中から検尿カップにとってる音。
とるのは、「中間尿」にするのがいい。
<こんな色のオシッコに注意!>
基本的には、尿の色だけで大きな異常が隠されていることを心配しなくてもいい。
また、一時的に濃い尿や薄い尿が出ることは、問題ない。
それを前提に、以下のことがいえるそう。
いつも濃い黄色 → 肝臓病など
肝臓病の方は、「ビリルビン」という物質が尿に出て、黄色から茶褐色のような非常に濃い尿が出る。そんな尿が続いている時には、要注意。
いつも薄い色 → 糖尿病など
糖尿病の場合、血液中の糖分が高いので、たくさん水を飲む。それでかなり尿が薄まっている場合も。
また、腎臓病の場合、尿を濃くすることができなくなって、いつも薄い尿が出てしまうことが。
冒頭紹介された、メロンソーダ尿。
濃い緑のオシッコは、緑膿菌などの細菌に感染している可能性が。
これは、抗生物質で治療できる。
黒い尿ですが、薬によっては、尿に色がつくものがある。
それで、黒くなったり、茶色くなったりする。
また、ビタミン剤だと、黄色くなる。
薬剤師さんから事前に説明があるので、心配しすぎる必要はないとのこと。
![NHKためしてガッテン増刊 健康プレミアム Vol.05 2013年 09月号 [雑誌]](http://ecx.images-amazon.com/images/I/51dEXivQPWL._SX200_.jpg)

□

身近な尿検査ですが、実は重要だったんですね。
色が普通でも、血尿の反応があったら要注意。

基本は定期的な健康診断。
そして、再検査もちゃんと受けること。
体質だからだと、甘く見ない。

判断は、お医者さんに任せた方がよさそうです。

尿検査って簡単だけど、実は重要な検査だったんですね。
[まとめ]
・血尿には、
見える血尿と
見えない血尿がある。
・後者は、
顕微鏡的血尿と呼ばれる。
・見えない血尿の中には、
腎疾患や膀胱がんである
場合が。
・再検査で、
詳しく調べてもらうのが
すごく大事。
次回は、「あぁ突然! 金属アレルギー 体質変化の謎 一挙解明」。


→ 「ためしてガッテン 2013年のアーカイブ 4月~6月」



「尼崎市の人工透析対策 腎機能はクレアチニンでチェック/ためしてガッテン」
急増しているという、人工透析。
40年前の1968年には全国で215人だったのが、今や30万人にまで激増している。
透析は、週に3日、1回4時間行います。
その間は、ベッドの上でじっとして過ごす。
それを一生続けないといけません。
また、自覚症状がほとんどないため、悪化するまで気づかない人が多いのだという。
でも、ある都市では、新たな透析患者を減らすのに成功したといいます。
うしろのポスターには、「それが、あまいねん!」と書いてある。
実はこれも、関係あるらしいですよ。
この街で行った秘策とは、いったい何だ?
9月12日放送の「ためしてガッテン」より、「腎臓が突然ダメになる 急増!沈黙の新現代病」からのメモ書きです。

□ 急増する、人工透析
・慢性透析患者数のグラフを見て、ビックリ。
・40年前に215人だったのが、急こう配で増えて、今や30万人に迫ろうとしています。
・毎年、7000~8000人から、1万2000~1万3000人という勢いで、増えていっている。
・しかも、この影で、去年は28,423人の透析患者さんが亡くなっている。
・一方、37,532人が新たに人工透析を受ける事態に。
□ 腎臓の機能
・透析の時に使う、人工腎臓。
・そこにオレンジジュースを入れると、オレンジ色と透明の液体に分かれました。
・透明の液体を飲むと、オレンジジュースの味がします。
・人工腎臓の中には、直径0.2mmの管が、約1万本入っている。
・この管1本1本の壁には無数の穴が開いていて、分子の小さいものだけを通すんですね。
・ここにオレンジジュースを流すと、味の成分は無数の穴を通り、分子が大きい色の成分は穴を通れず、管を通ることになります。
・こうして、味の成分と色の成分が、別れたわけか。
・腎臓の能力は、ろ過する能力。
・人工腎臓に牛乳を入れると、透明な液体になりました。
・でも、ニオイも味も、牛乳なのだそう。
・血液には、暮らしているだけで、老廃物やアンモニアなどの毒素がどうしても混じり込みます。
・実は、このまま放っておくと、数日で死んでしまう。
・そこで、腎臓の登場です。
・腎臓が血液をろ過し、老廃物や毒素は尿として排出する。
・こうして生活していけるわけですが、腎臓が病気になると、このろ過機能がうまく働かなくなります。
・今日は、その前に気づけないかな? というのがテーマ。
・関西のある市では、新規に人工透析を受ける人が、右肩下がりになりました。
・日本全体で急増しているわけですから、減るだけでも奇跡です。
・でも、どうやったら、透析患者を減らせるんだろう?
□ 沈黙の臓器、腎臓
・73歳のある女性は、足のむくみを気にするようになりました。
・病院を訪れたところ、医師から、腎臓の機能がかなり落ちていると言われた。
・もしかすると、透析を受けてもらうかもしれないとも、言われます。
・いきなりのことに、女性はショックを受けました。
・自覚症状がないだけに、信じられなかった。
・結局、女性は透析を開始することに。
・週に3日、1回4時間、ベッドに横たわります。
・生活にも、厳しい制限がつきました。
・食事は1日、1400キロカロリー以下。
・3食合計ですよ。
・水の量も、1日600ml以下に抑える。
・毎日3回、朝昼晩と、血圧も測定しないといけない。
・これを一生続けるのですから、たいへんです。
・この女性のように、腎機能の低下に気づかずに、透析を受けるようになる人は、多いのだそう。
・でも、日本には、透析を食い止めた街があるという。
・透析を受ける前に、悪化を食い止めたんだって。
・そこは、どこだ?
・その街とは、兵庫県尼崎市。
・76歳の男性も、透析寸前で踏みとどまったといいます。
・自覚症状はありませんでしたが、健康診断のある数字で気づいたのだという。
・測定値の欄には、2ケタの数字があります。
・これは、何を意味するのでしょう?
・尼崎市では、(新規に)人工透析を受けなければならなくなる患者さんが、少しずつ減ってきた。
・平成18年度には85人だったのが、19年には80人、20年には72人、21年度には67人にまで減りました。
・それに関係する2ケタの数字って、何なんだ?
□ 尼崎市の取り組み
・2ケタの数字に関係するのが、健康診断のある項目。
・と、その前に、また腎臓の働きに戻ります。
・腎臓に入った血液は、“糸球体”(しきゅうたい)でろ過されます。
・1つの腎臓には、この糸球体がなんと、100万個もつまっている。
・糸球体に血液が流れてくると、血管壁の小さな穴から、老廃物を捨てます。
・逆に、体に必要なたんぱく質や糖分は、とっておく。
・こうして、体に必要なものと不要なものを、上手に選別してるんですね。
・ところが、悪い食生活などで高血圧や脂質異常になると、違ってきます。
・血液中に糖や脂肪などが大量に流れるようになり、大きな糖が穴を無理やり通ろうとする。
・結果、穴を広げてしまいます。
・すると、その穴から、大切なたんぱく質まで、漏れ出してしまう。
・これは、一大事です。
・漏れたたんぱく質は、尿にまじって排せつ。
・この時尿検査をすると、尿たんぱくで引っかかります。
・でも、この時、腎臓はある方法で、たんぱく質を漏らさないようにするらしいのです。
・たんぱく尿検査は、腎臓が壊れていることを知るには不可欠な検査。
・しかし、ろ過機能低下の程度は、分からないのだそう。
・穴が広がった糸球体では、血小板が集まって来ます。
・これが、穴をふさいでくれるのか。
・と思ったら、血管ごとふさいでしまいました。
・この結果、たんぱくは出なくなりましたが、血管自体がつまり、老廃物をろ過できません。
・こんな通行止めの箇所がどんどんできると、腎臓のろ過機能は低下してしまいます。
・尼崎市が提示した数字に関係するのが、“クレアチニン”。
・これは、筋肉中のたんぱく質が代謝された老廃物で、ろ過機能が低下すると、血液中に増加します。
・尼崎市はこの数字を、腎臓が何%機能しているかという数字に置き換えました。
・その方程式が、(クレアチニンの値)^-1.094×194×(年齢)^-0.287。
(「X^Y」はXのY乗)
・女性の場合は、この数値 ×0.739。
・といっても分かりにくいので、早見表があります。
→ eGFR(糸球体濾過量)早見表
・縦軸がクレアチニンの量(血清Cr.)。
・横が年齢です。
・ガッテンの表では、以下の数値が望ましいとされていました。
(理想値ですよ)
[男性]
・20歳:1.30mg/dL未満
・25歳:1.20mg/dL未満
・30歳:1.10mg/dL未満
・35歳:1.10mg/dL未満
・40歳:1.10mg/dL未満
・45歳:1.00mg/dL未満
・50歳:1.00mg/dL未満
・55歳:1.00mg/dL未満
・60歳:0.90mg/dL未満
・65歳:0.90mg/dL未満
・70歳:0.90mg/dL未満
・75歳:0.90mg/dL未満
・80歳:0.90mg/dL未満
・85歳:0.90mg/dL未満
[女性]
・20歳:1.00mg/dL未満
・25歳:0.90mg/dL未満
・30歳:0.90mg/dL未満
・35歳:0.80mg/dL未満
・40歳:0.80mg/dL未満
・45歳:0.80mg/dL未満
・50歳:0.70mg/dL未満
・55歳:0.70mg/dL未満
・60歳:0.70mg/dL未満
・65歳:0.70mg/dL未満
・70歳:0.70mg/dL未満
・75歳:0.70mg/dL未満
・80歳:0.70mg/dL未満
・85歳:0.60mg/dL未満
・健康診断の結果を引っ張り出したら、クレアチニンの項目がありました。
・でも、市町村の健康診断でクレアチニン検査を実施しているのは、約40%なのだそうです。
・ただし、病院で調べてもらえるし、人間ドックにはだいたい入っている。
□ 腎機能が低下した時の対処法
・では、もしクレアチニンの数値が高く、腎機能が低下していると分かったら、どう対処したらいいのだろう?
・それを、尼崎市から学びます。
・尼崎市では、健康診断の結果を分析し、重症化しそうな人には、生活改善の指導を行っている。
・その時、使うのが、魔法のシート。
・どうしたら自分の悪いところが改善できるのか、一目で分かるチャート表になっています。
・健康診断の結果が、この一枚にすべて書きこまれ、悪い箇所は危険度を色別に表示。
・色のついている箇所の矢印をたどると、どこに原因があるのか一目で分かるんだって。
・ある女性は、腎臓を傷めている原因が、高血糖と高血圧だと分かりました。
・ここから、食生活を見直す必要があることが分かった。
・別の女性は、血糖値が高いことが原因だと分かり、そこからさらに矢印をたどって、内臓脂肪が多いことが分かりました。
・ここから、食生活と運動を、見直した。
・このチャートを使うことで、自分の体がどんな状態で、病気を悪化させないためには生活の何をあらためればいいのか、それが分かります。
・具体的な改善点が、見えてくるんですね。
・ある男性は、肥満解消のため、運動をはじめた。
・食事にも気をつかい、量や塩分を控えるようになりました。
・その甲斐あって、腎臓のろ過機能はそれ以上さがらず、透析には至らずにすんだ。
・クレアニチンは、男性だと1.1mg/dL未満、女性だと0.8mg/dLが望ましい。
(テレビ画面の表記は、男性 0.60~1.20mg/dL、女性 0.40~0.90mg/dL)
・また、尿たんぱくの検査も忘れずに。
・クレアニチンの数値が高くなるのは、徐々に血管が傷んでいるから。
・その原因になるのが、以下の項目です。
・中性脂肪:150mg/dL未満(空腹時)
・HDLコレステロール:40mg/dL以上
・空腹時血糖:100mg/dL未満
・随 時血糖:140mg/dL未満
・HbA1c:5.2%未満
・尿酸:7.0mg/dL未満
・血圧
・LDLコレステロール:120mg/dL未満
・BMI値:25未満
・腹囲:男性 85cm未満、女性 90cm未満
・それぞれオーバーしていれば、食生活や運動、喫煙などを見直す。
・要するに、健康診断を毎年受けて、医師のアドバイスに耳を傾けましょうというわけ。
・人工透析の医療費は、1年間で1人当たり、約600万円かかるといいます。
・ただし、医療費助成により、自己負担は軽減。
・今までは、腎臓の機能は低下する一方で、止めることはできないと思われてきました。
・しかし、日本腎臓学会が指標を作ってくれたことで、予防の目標が立てやすくなった。
・予防が可能なものは、なんとかしたい。
・することが決まれば、取り組みやすいですよね。
□ 尿酸にも、注意
・74歳の男性は、ずっと健康できました。
・でも、今年になってめまいに襲われ、入院。
・そこで、腎臓が98%まで機能していないことが分かりました。
・現在は、透析を受けています。
・でも、この男性は、糖尿病、高血圧、肥満とは、無縁の生活を送って来ました。
・ただ、40歳頃に、ある病気を患っていたんですね。
・そして、その病気が、腎臓をむしばんでいた。
・その病気とは、痛風。
・痛風のもとになる、尿酸ナトリウムの結晶。
・これは、針のような形をしています。
・この針を白血球が敵とみなして攻撃。
・結果、炎症が起こって、痛みが生じます。
・最近分かったことによると、尿酸自体が血管に働きかけて、動脈硬化を引き起こすのではないかといわれる。
・また、ろ過機能が低下することもある。
・尿酸値が 7.0mg/dLだと、高尿酸値血症だとされます。
・だから痛みがなくても、この状態が続けば、この病気だということになる。
・痛風の痛みに襲われない、無症候性高尿酸値血症というのも、あるそう。
・末期腎不全になるリスクは、尿酸値が高いほど、跳ね上がります。
・男性だと、7mg/dL以上の人は、7mg/dL未満の人に比べて、リスクは4倍に。
・女性だと、6mg/dL以上の人は、6mg/dL未満の人に比べて、リスクは9倍以上になります。
・これからは、尿酸値にも、気をつけたいですね。
![NHK ためしてガッテン 2011年 11月号 [雑誌]](http://ecx.images-amazon.com/images/I/61FWX5tVxhL._SX200_.jpg)

□
人工透析の患者数が、こんなに増えているとは知りませんでした。
もはや社会問題ですね。
でも、同時に、予防が可能なことも、分かった。
大事なのは、毎年、健康診断を受けること。
それぞれの値が正常範囲内かチェックし、問題があれば、生活を改善すること。
そのためにも、お医者さんの話を、ちゃんと聞く。
それは、全部、自分に返ってきます。
なかなか難しいことではあるけれど、生活に関することは、自分でしか改善できません。
と同時に、自分がその気なら、何とかなりそう。
手遅れになる前に、何とかしたいものです。
私ごとを言えば、10年前なら、いろいろとアウトでした。
そのままだったらと思うと、ゾッとします。
でも、習慣を変えることで、何とかなりました。
多くの人が、きっと、何とかなるのだと思います。
大事になる前に、自分でちょっとずつはじめるのが、いいみたいですね。
ちょっとの継続と、ちょっとした成果を感じることが、大切みたいです。
おっとっと、忘れてた。
「それがあまいねん!」ですが、尼崎市が健診をプロモーションする、健診すすめ隊のテーマソング「AMA-KENレッツゴ」の一節らしいですよ。
ダンスもあるみたい。
40年前の1968年には全国で215人だったのが、今や30万人にまで激増している。
透析は、週に3日、1回4時間行います。
その間は、ベッドの上でじっとして過ごす。
それを一生続けないといけません。
また、自覚症状がほとんどないため、悪化するまで気づかない人が多いのだという。
でも、ある都市では、新たな透析患者を減らすのに成功したといいます。
うしろのポスターには、「それが、あまいねん!」と書いてある。
実はこれも、関係あるらしいですよ。
この街で行った秘策とは、いったい何だ?
9月12日放送の「ためしてガッテン」より、「腎臓が突然ダメになる 急増!沈黙の新現代病」からのメモ書きです。

□ 急増する、人工透析
・慢性透析患者数のグラフを見て、ビックリ。
・40年前に215人だったのが、急こう配で増えて、今や30万人に迫ろうとしています。
・毎年、7000~8000人から、1万2000~1万3000人という勢いで、増えていっている。
・しかも、この影で、去年は28,423人の透析患者さんが亡くなっている。
・一方、37,532人が新たに人工透析を受ける事態に。
□ 腎臓の機能
・透析の時に使う、人工腎臓。
・そこにオレンジジュースを入れると、オレンジ色と透明の液体に分かれました。
・透明の液体を飲むと、オレンジジュースの味がします。
・人工腎臓の中には、直径0.2mmの管が、約1万本入っている。
・この管1本1本の壁には無数の穴が開いていて、分子の小さいものだけを通すんですね。
・ここにオレンジジュースを流すと、味の成分は無数の穴を通り、分子が大きい色の成分は穴を通れず、管を通ることになります。
・こうして、味の成分と色の成分が、別れたわけか。
・腎臓の能力は、ろ過する能力。
・人工腎臓に牛乳を入れると、透明な液体になりました。
・でも、ニオイも味も、牛乳なのだそう。
・血液には、暮らしているだけで、老廃物やアンモニアなどの毒素がどうしても混じり込みます。
・実は、このまま放っておくと、数日で死んでしまう。
・そこで、腎臓の登場です。
・腎臓が血液をろ過し、老廃物や毒素は尿として排出する。
・こうして生活していけるわけですが、腎臓が病気になると、このろ過機能がうまく働かなくなります。
・今日は、その前に気づけないかな? というのがテーマ。
・関西のある市では、新規に人工透析を受ける人が、右肩下がりになりました。
・日本全体で急増しているわけですから、減るだけでも奇跡です。
・でも、どうやったら、透析患者を減らせるんだろう?
□ 沈黙の臓器、腎臓
・73歳のある女性は、足のむくみを気にするようになりました。
・病院を訪れたところ、医師から、腎臓の機能がかなり落ちていると言われた。
・もしかすると、透析を受けてもらうかもしれないとも、言われます。
・いきなりのことに、女性はショックを受けました。
・自覚症状がないだけに、信じられなかった。
・結局、女性は透析を開始することに。
・週に3日、1回4時間、ベッドに横たわります。
・生活にも、厳しい制限がつきました。
・食事は1日、1400キロカロリー以下。
・3食合計ですよ。
・水の量も、1日600ml以下に抑える。
・毎日3回、朝昼晩と、血圧も測定しないといけない。
・これを一生続けるのですから、たいへんです。
・この女性のように、腎機能の低下に気づかずに、透析を受けるようになる人は、多いのだそう。
・でも、日本には、透析を食い止めた街があるという。
・透析を受ける前に、悪化を食い止めたんだって。
・そこは、どこだ?
・その街とは、兵庫県尼崎市。
・76歳の男性も、透析寸前で踏みとどまったといいます。
・自覚症状はありませんでしたが、健康診断のある数字で気づいたのだという。
・測定値の欄には、2ケタの数字があります。
・これは、何を意味するのでしょう?
・尼崎市では、(新規に)人工透析を受けなければならなくなる患者さんが、少しずつ減ってきた。
・平成18年度には85人だったのが、19年には80人、20年には72人、21年度には67人にまで減りました。
・それに関係する2ケタの数字って、何なんだ?
□ 尼崎市の取り組み
・2ケタの数字に関係するのが、健康診断のある項目。
・と、その前に、また腎臓の働きに戻ります。
・腎臓に入った血液は、“糸球体”(しきゅうたい)でろ過されます。
・1つの腎臓には、この糸球体がなんと、100万個もつまっている。
・糸球体に血液が流れてくると、血管壁の小さな穴から、老廃物を捨てます。
・逆に、体に必要なたんぱく質や糖分は、とっておく。
・こうして、体に必要なものと不要なものを、上手に選別してるんですね。
・ところが、悪い食生活などで高血圧や脂質異常になると、違ってきます。
・血液中に糖や脂肪などが大量に流れるようになり、大きな糖が穴を無理やり通ろうとする。
・結果、穴を広げてしまいます。
・すると、その穴から、大切なたんぱく質まで、漏れ出してしまう。
・これは、一大事です。
・漏れたたんぱく質は、尿にまじって排せつ。
・この時尿検査をすると、尿たんぱくで引っかかります。
・でも、この時、腎臓はある方法で、たんぱく質を漏らさないようにするらしいのです。
・たんぱく尿検査は、腎臓が壊れていることを知るには不可欠な検査。
・しかし、ろ過機能低下の程度は、分からないのだそう。
・穴が広がった糸球体では、血小板が集まって来ます。
・これが、穴をふさいでくれるのか。
・と思ったら、血管ごとふさいでしまいました。
・この結果、たんぱくは出なくなりましたが、血管自体がつまり、老廃物をろ過できません。
・こんな通行止めの箇所がどんどんできると、腎臓のろ過機能は低下してしまいます。
・尼崎市が提示した数字に関係するのが、“クレアチニン”。
・これは、筋肉中のたんぱく質が代謝された老廃物で、ろ過機能が低下すると、血液中に増加します。
・尼崎市はこの数字を、腎臓が何%機能しているかという数字に置き換えました。
・その方程式が、(クレアチニンの値)^-1.094×194×(年齢)^-0.287。
(「X^Y」はXのY乗)
・女性の場合は、この数値 ×0.739。
・といっても分かりにくいので、早見表があります。
→ eGFR(糸球体濾過量)早見表
・縦軸がクレアチニンの量(血清Cr.)。
・横が年齢です。
・ガッテンの表では、以下の数値が望ましいとされていました。
(理想値ですよ)
[男性]
・20歳:1.30mg/dL未満
・25歳:1.20mg/dL未満
・30歳:1.10mg/dL未満
・35歳:1.10mg/dL未満
・40歳:1.10mg/dL未満
・45歳:1.00mg/dL未満
・50歳:1.00mg/dL未満
・55歳:1.00mg/dL未満
・60歳:0.90mg/dL未満
・65歳:0.90mg/dL未満
・70歳:0.90mg/dL未満
・75歳:0.90mg/dL未満
・80歳:0.90mg/dL未満
・85歳:0.90mg/dL未満
[女性]
・20歳:1.00mg/dL未満
・25歳:0.90mg/dL未満
・30歳:0.90mg/dL未満
・35歳:0.80mg/dL未満
・40歳:0.80mg/dL未満
・45歳:0.80mg/dL未満
・50歳:0.70mg/dL未満
・55歳:0.70mg/dL未満
・60歳:0.70mg/dL未満
・65歳:0.70mg/dL未満
・70歳:0.70mg/dL未満
・75歳:0.70mg/dL未満
・80歳:0.70mg/dL未満
・85歳:0.60mg/dL未満
・健康診断の結果を引っ張り出したら、クレアチニンの項目がありました。
・でも、市町村の健康診断でクレアチニン検査を実施しているのは、約40%なのだそうです。
・ただし、病院で調べてもらえるし、人間ドックにはだいたい入っている。
□ 腎機能が低下した時の対処法
・では、もしクレアチニンの数値が高く、腎機能が低下していると分かったら、どう対処したらいいのだろう?
・それを、尼崎市から学びます。
・尼崎市では、健康診断の結果を分析し、重症化しそうな人には、生活改善の指導を行っている。
・その時、使うのが、魔法のシート。
・どうしたら自分の悪いところが改善できるのか、一目で分かるチャート表になっています。
・健康診断の結果が、この一枚にすべて書きこまれ、悪い箇所は危険度を色別に表示。
・色のついている箇所の矢印をたどると、どこに原因があるのか一目で分かるんだって。
・ある女性は、腎臓を傷めている原因が、高血糖と高血圧だと分かりました。
・ここから、食生活を見直す必要があることが分かった。
・別の女性は、血糖値が高いことが原因だと分かり、そこからさらに矢印をたどって、内臓脂肪が多いことが分かりました。
・ここから、食生活と運動を、見直した。
・このチャートを使うことで、自分の体がどんな状態で、病気を悪化させないためには生活の何をあらためればいいのか、それが分かります。
・具体的な改善点が、見えてくるんですね。
・ある男性は、肥満解消のため、運動をはじめた。
・食事にも気をつかい、量や塩分を控えるようになりました。
・その甲斐あって、腎臓のろ過機能はそれ以上さがらず、透析には至らずにすんだ。
・クレアニチンは、男性だと1.1mg/dL未満、女性だと0.8mg/dLが望ましい。
(テレビ画面の表記は、男性 0.60~1.20mg/dL、女性 0.40~0.90mg/dL)
・また、尿たんぱくの検査も忘れずに。
・クレアニチンの数値が高くなるのは、徐々に血管が傷んでいるから。
・その原因になるのが、以下の項目です。
・中性脂肪:150mg/dL未満(空腹時)
・HDLコレステロール:40mg/dL以上
・空腹時血糖:100mg/dL未満
・随 時血糖:140mg/dL未満
・HbA1c:5.2%未満
・尿酸:7.0mg/dL未満
・血圧
・LDLコレステロール:120mg/dL未満
・BMI値:25未満
・腹囲:男性 85cm未満、女性 90cm未満
・それぞれオーバーしていれば、食生活や運動、喫煙などを見直す。
・要するに、健康診断を毎年受けて、医師のアドバイスに耳を傾けましょうというわけ。
・人工透析の医療費は、1年間で1人当たり、約600万円かかるといいます。
・ただし、医療費助成により、自己負担は軽減。
・今までは、腎臓の機能は低下する一方で、止めることはできないと思われてきました。
・しかし、日本腎臓学会が指標を作ってくれたことで、予防の目標が立てやすくなった。
・予防が可能なものは、なんとかしたい。
・することが決まれば、取り組みやすいですよね。
□ 尿酸にも、注意
・74歳の男性は、ずっと健康できました。
・でも、今年になってめまいに襲われ、入院。
・そこで、腎臓が98%まで機能していないことが分かりました。
・現在は、透析を受けています。
・でも、この男性は、糖尿病、高血圧、肥満とは、無縁の生活を送って来ました。
・ただ、40歳頃に、ある病気を患っていたんですね。
・そして、その病気が、腎臓をむしばんでいた。
・その病気とは、痛風。
・痛風のもとになる、尿酸ナトリウムの結晶。
・これは、針のような形をしています。
・この針を白血球が敵とみなして攻撃。
・結果、炎症が起こって、痛みが生じます。
・最近分かったことによると、尿酸自体が血管に働きかけて、動脈硬化を引き起こすのではないかといわれる。
・また、ろ過機能が低下することもある。
・尿酸値が 7.0mg/dLだと、高尿酸値血症だとされます。
・だから痛みがなくても、この状態が続けば、この病気だということになる。
・痛風の痛みに襲われない、無症候性高尿酸値血症というのも、あるそう。
・末期腎不全になるリスクは、尿酸値が高いほど、跳ね上がります。
・男性だと、7mg/dL以上の人は、7mg/dL未満の人に比べて、リスクは4倍に。
・女性だと、6mg/dL以上の人は、6mg/dL未満の人に比べて、リスクは9倍以上になります。
・これからは、尿酸値にも、気をつけたいですね。
![NHK ためしてガッテン 2011年 11月号 [雑誌]](http://ecx.images-amazon.com/images/I/61FWX5tVxhL._SX200_.jpg)

□
人工透析の患者数が、こんなに増えているとは知りませんでした。
もはや社会問題ですね。
でも、同時に、予防が可能なことも、分かった。
大事なのは、毎年、健康診断を受けること。
それぞれの値が正常範囲内かチェックし、問題があれば、生活を改善すること。
そのためにも、お医者さんの話を、ちゃんと聞く。
それは、全部、自分に返ってきます。
なかなか難しいことではあるけれど、生活に関することは、自分でしか改善できません。
と同時に、自分がその気なら、何とかなりそう。
手遅れになる前に、何とかしたいものです。
私ごとを言えば、10年前なら、いろいろとアウトでした。
そのままだったらと思うと、ゾッとします。
でも、習慣を変えることで、何とかなりました。
多くの人が、きっと、何とかなるのだと思います。
大事になる前に、自分でちょっとずつはじめるのが、いいみたいですね。
ちょっとの継続と、ちょっとした成果を感じることが、大切みたいです。
![NHK ためしてガッテン 2011年 08月号 [雑誌]](http://ecx.images-amazon.com/images/I/61%2BzUXbdiZL._SX200_.jpg)

おっとっと、忘れてた。
「それがあまいねん!」ですが、尼崎市が健診をプロモーションする、健診すすめ隊のテーマソング「AMA-KENレッツゴ」の一節らしいですよ。
ダンスもあるみたい。


