【クイズ】 肝疾患の人が少ない県は? 【3つの食材との関係】
都道府県別で、肝臓の病気で亡くなる人が少ないのは、ど~こだ?
それに関係するかもしれない、3つの食べ物は、な~んだ?
番組名 : 健康カプセル! ゲンキの時間
テーマ : 肝臓トラブルの意外な落とし穴
放送日 : 2023年2月5日(日曜日)
解説 横浜市立大学附属病院 国際臨床肝疾患センター 米田正人 准教授

□ 肝臓のお話

さあ、今回のテーマは何でしょうか?

「肝臓」について。
え~、時代時代で お母さん像というのがありますな。
昭和の時代、ドラマの中でお母さんを代表するような人が、ようけおりました。
山岡久乃さん、池内淳子さん、八千草薫さん等々。
京塚昌子さんも、そのひとり。
「肝っ玉かあさん」なんていうドラマもありました。
肝っ玉いうのは、胆力のある人。
肝が据わっている人のこと。
「肝」いうのは、主要な内臓のことで、特に 肝臓のことを言います。
ここでクイズです。
(チャチャン!)
Q : 男女共に 肝疾患で亡くなる人が少ない都道府県はどこ?
アルコールをあまり飲まない県でしょうか?
体脂肪が少なめの人が多い地域?
あるいは、あんまり関係ない?
答えは、「新潟県」。
酒処なのに、意外ちゃあ意外ですね。
都道府県別の「肝疾患 死亡者数」を見ますと、男性で一番少ない47位は 山形県、46位は 新潟県、45位は 愛知県。また女性は、47位が 島根県、46位が 鳥取県、45位が新潟県。
つまり、新潟県は男女共に 肝疾患の死亡者数が少ない、ということが確認できます。
平成 27 年都道府県別年齢調整死亡率の概況 - 厚生労働省(PDFファイル)
(9)肝疾患
平成 27 年の年齢調整死亡率をみると、男は山形、新潟、愛知等で低く、沖縄、大阪、鹿児島等で高くなっており、女は島根、鳥取、新潟等で低く、沖縄、群馬、大阪等で高くなっている。
でも、何でなんでしょうね。
なんや肝臓にええ習慣でもあるんでしょうか?
番組が注目したのは、新潟の 3つの食材です。
何が肝臓にええと、考えられるんやろか?
Q : 肝臓にいいとされる肉は?
(a) 鶏肉
(b) 豚肉
(c) 牛肉
答えは、「豚肉」。
新潟の人は、豚肉をよう食べるそうです。
で、何がええのかというと、「ポークペプチド」が ええらしい。
ポークペプチドいうんは、肝臓を若返らせてくれるんやって。
番組の紹介によると、「ポークペプチドとは、豚肉にのみ含まれる栄養素で、たんぱく質の一種」「肝臓を活発化させ、脂肪を燃焼させるだけでなく、アルコールの分解を早める力があるといわれている」とのこと。
効果はさておき、豚肉って おいしいですな。
脂身との相性がええ。
脂の部分がちょっと焦げるぐらいが、個人的に好きです。
生姜焼きとかも、いいですね。
豚肉から出た脂で キャベツ食べたら、最高!
2つ目は、酒の友です。
Q : 肝臓によいとされる おつまみは?
何やろか?
豆腐?
あたりめ?
だし巻き玉子?
答えは、「枝豆」。
新潟県は、枝豆の消費量が 第1位。
枝豆、おいしいもんね。
理由やけど、枝豆には肝臓の脂肪の蓄積を防ぐ働きがあるんやって。
また、脂肪を分解する「コリン」や 余分な脂肪を燃やす「レシチン」などが含まれると。
番組によると、「コリンやレシチンは、脂肪を燃焼させる手助けをし、肝機能を保護する力を持っている」「枝豆にはアルコールの分解を促す成分も含まれている」。
食の医学館「エダマメ」の解説
〈肝機能を助ける働きをするので、お酒のおつまみにピッタリ〉
さらに、メチオニンというアミノ酸が含まれているのが特徴で、これはアルコールから肝臓や腎臓(じんぞう)をまもる働きがあります。
ビタミンB1、Cはアルコールの酸化を促進し、肝臓の負担を軽くするので、これらの成分が豊富なエダマメは、まさにお酒のおつまみに最適というわけです。
3つ目は、主食です。
Q : 肝臓によい 主食は?
主食いうたら、ごはんか、パンか、麺類か?
エネルギーになるもんやから カロリーが高くなりそうやけど、どうなんやろ?
答えは、「お米」。
麺類と違って 粒のまま食べるんで、ゆっくり消化吸収されるとのこと。
ゆっくり消化吸収されるんで、腹持ちがええし、間食も少なくて済むと。
吸収がゆっくりやと、肝臓への負担も少ないとの説明でした。
なら、よう噛まんといけませんね。
□ 落とし穴
肝臓というと、アルコールや脂肪に注意しようという気ぃになるけど、意外な食材にも注意したいんやって。
それは何かというと、「フルーツ」。
意外でしょ?
別にフルーツがアカンわけやのうて、「フルーツの食べ過ぎ」がアカン。
というのも、フルーツに含まれる「果糖」は、ほとんどが肝臓で代謝される。
なもんで、肝臓に脂肪をためやすいんで、食べ過ぎはよくない。
いや、もちろん、適量を食べる分には ええんですよ。
番組によれば、一般的には、1日のフルーツ摂取量は 200gまでが適量。
(みかんなら 2個、リンゴなら 1個ほどが、目安)
果糖を多く含むジュース類もあるので、注意したいですね。
検査でいうと、肝臓の脂肪量を測定できる機器もあるんやって。
その名も、「フィブロスキャン(FibroScan)」。
なんやけど、脂肪量以外にも、気ぃつけたいことがあります。
それが「肝臓の硬さ」。
これも判断材料になるんやね。
肝硬変いうぐらいやから、ダメージが蓄積すると硬くなる。
フィブロスキャンは、肝臓の硬さも測定できるそうですわ。
技術の進歩は、ありがたいですな。
最後に、ゾッとする画像をば。
健康な肝臓の表面は、なめらかでピンク色やそうです。
やけど、肝硬変になった肝臓は、こんなにもボコボコに。

ひえ~ですね。
ついでに、脂肪肝も。

こちらも、ひえ~。
もっと容易に肝臓の顔が見えたら、生活改善できそうですな。
[ 2月18日に思うこと ]
楽しむのは、素晴らしいこと。
だけど、溺れると危ないので、注意が必要。
言葉を変えると、限度かな。
易経を見てましたら、「孚」という言葉が出てきました。
「ふ」と読むそうです。
意味は、「卵がかえる」とか「まこと」とか。
楽しみつつも、「まこと」があると、いいらしいです。
(真心ともとれる?)
まことがあれば、道を失わないと。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
健やかに暮らせますように。
tag : 健康カプセル!ゲンキの時間 肝臓



【アルコール】 二日酔いしない飲み方とおつまみ
悪酔い、二日酔いしない、お医者さんが実践する、飲み方とは?
よりベターな おつまみも、発表!
ところで、ウルソって、何?
2018年12月16日放送の「健康カプセル! ゲンキの時間」より、「~ 健康のプロ・医師たちが実践! ~ 肝臓を労わるお酒の飲み方」からのメモ書きです。

□ お医者さんの飲み方

さあ、今回のテーマは何でしょうか?

ズバリ、「アルコールと肝臓」について。
忘年会、新年会と、飲み会が続くシーズンです。
クリスマスだって、ある。
二日酔いになったり、街角でマーライオンになったりと、トラブルも増えてくる季節。
遅刻だって、怖いですよね。
そして、何より怖いのが、健康を害することだ。
そこで今回は、できるだけ健康的な飲み方を、学んでいきましょう!
お医者さんなら、いったい、どんな飲み方をするのでしょうか?
<1杯目は何を飲む?>
お医者さん 4人が選んだのは、「ビール」。
その理由は?
最初から濃いアルコールを飲むと、アルコールの血中濃度が高くなってしまう。
すると、血圧に影響したり、意識に影響したりするのだ。
なので、比較的アルコール度数が低いビールで、乾杯する。
もちろん、アルコール度数が低ければ、ビールでなくても、OK 。
(あと、飲めない人に強要しないこと。これも大事)
<酔うメカニズム>
アルコールを飲むと、胃と腸で吸収され、肝臓で分解されて、全身に運ばれます。
しかし、肝臓で処理できる量は決まっているので、急激にアルコールの量が増えたり、許容量を超えると、分解しきれずに、酔っぱらってしまうのだ。
悪酔いしたくないなら、最初は、アルコール度数の低いお酒を選びましょう。
一般に、ビール、サワー、ハイボールは、アルコール度数 5~8%程度。
(ただし、商品によっては、度数が高いものもあるので、注意)
(ハイボールも自分で作る場合、濃すぎないように)
こんな情報もあります。
「ビールの苦味が、アルツハイマー型認知症を遅らせる効果がある可能性が」
ホップの苦味成分「イソα酸」をマウスに投与したところ、炎症で赤くなった海馬が 正常になったというデータがある。
これからの研究に、期待ですね。
<おつまみは何を注文する?>
まず選んだのは、「サラダ」。
サラダには、食物繊維が多く含まれています。
この食物繊維には、胃の中にアルコールを 比較的 長く留める力があるんですね。
よって、アルコールの吸収を穏やかにし、悪酔いを防いでくれるのだ。
なお、サラダを注文する時は、生野菜中心で 味付けが少ないものの方がよい。
ドレッシングをかけると、カロリーが高くなりますからね。
梅肉ソースなんかは、どうでしょう。
野菜スティックも、あり。
肝臓に良い野菜があります。
それは、「ブロッコリースプラウト」。

強い抗酸化作用を持つので、肝臓の防御機能を高めてくれるのだ。
お刺身は、どうでしょう。
お医者さんが選んだのは、「マグロ」。
注目する成分は、もはやおなじみ、「EPA」と「DHA」。
中性脂肪を分解したり、脳の機能を活性化させてくれる。
さらには、肝臓を活発にする働きもあるのだ。
マグロ以外にも、青魚なんか、いいですね。
(にしても、サバ缶、高くなったな~~)
マグロにもう一品、付け加えたいものがあります。
それは、「タコぶつ(タコの刺身)」。
タコには、健康ドリンクなどでもおなじみ、「タウリン」が豊富。
タウリンは、肝臓を守る「胆汁」を出しやすくし、保護する役割があるんです。

<お酒を飲む前に、何を飲む?>
「ウルソ」の名が挙がりました。
CMで歌を聞いたことがある人も、いるかもしれませんね。
ウルソとは、「ウルソデオキシコール酸」のこと。
もともとは、熊の胆のうから発見された、胆汁酸の成分。
肝臓に作用して、胆汁の流れを良くしたり、肝臓の機能を高めるという、報告もある。
ウルソは、肝臓が悪い患者さんに処方していた薬なのだ。
【ウルソデオキシコール酸】
薬に含まれる成分のひとつ。胆汁の分泌を促す作用があり、利胆薬、胃薬などに含有。
(大辞泉より)
<揚げ物を選ぶなら?>
専門医たちが選んだのは、「軟骨のから揚げ」と「海老の素揚げ」。
悪者にされがちな油ですが、それだけじゃないんですね。
油も、食物繊維と同じように、消化に時間がかかる。
それだけ、胃に長く滞在し、アルコールの吸収を妨げてくれるのです。
結果、血中のアルコール濃度が、比較的 上がりにくくなると。
ただし、食べ過ぎは禁物です。
カロリーも気にしましょうね。
揚げ物が苦手な人は、「マグロのカルパッチョ」を。
オリーブオイルで、油を摂れます。
<最後に飲むのは?>
お医者さんがシメの飲み物に選んだのは、「ノンアルコールビール」。
なんでも、ノンアルコールビールには、二日酔いを防ぐ役割があるのだとか。
アルコールを飲むと脱水になると、よく聞くでしょ。
ビールを1リットル飲むと、1.1~1.2リットルの尿が出るらしい。
入った以上に、尿が出ちゃうので、水分補給が必要なんです。
ノンアルコールビールは文字通り、アルコールが入っていません。
でも、味はビール。
つまり、飲んでる気分のまま、水分補給ができるのだ。
<シメは?>
ついつい食べたくなる、シメのラーメンやお茶漬け。
でも、糖質は あとで 血糖値を上昇させるので、できるだけ我慢しましょう。
どうしても食べたい時は、「そば」を。
「ルチン」というポリフェノールの抗酸化作用で、肝機能を助ける働きもある。
食物繊維も、含まれているし。
□ ドクネット

医師の飲み方を教えてくれた、東海大学医学部付属東京病院 西崎泰弘 病院長が、引き続き、教えてくれました。
一番守らねばならないのは、飲み過ぎないこと。
1日のトータル アルコール量は 20g まで。
具体的な1日の目安には、こうなります。
<1日の目安>
・ ワイン 2杯弱 180ml
・ 日本酒 1合 180ml
・ ビール 中瓶1本 500ml
1週間のトータルで見る考え方もある。
休肝日を作る代わりに、ちょっと多く飲むと。
<アルコール摂取の上限>
・ 1週間で、2日、休肝日を作る。
・ 1日のアルコール量は、60g (日本酒3合 540ml)まで。
日本酒換算で 1日 3合以上を 常習的に飲んでいると、様々な病気のリスクが上がってしまいます。
自身の身体を労わりましょうね。
<他にもいい おつまみはある?>
例えば、「豆腐」。
人間に必要なアミノ酸が20種類、すべて含まれている、良質なたんぱく質なのだ。
食物繊維を多く摂る意味でも、「海藻類」なんかもいい。
例えば、「もずく酢」とか。
□ 二日酔いの対処法

二日酔い対策には、どうすればいいのでしょう?
・ 水をたくさん飲む。
前述の通り、水分補給が大事。
脱水症状を回復させ、アルコールの代謝を促進してくれます。
<二日酔いを防ぐ寝方>
・ 右を下にして横になる。

胃から十二指腸にかけて、左から右に、食べたものが通る。
なので、右を下にして横になると、消化がスムーズになるのだ。
でも、これ、あくまで対処法なので、飲み過ぎないことが一番大事ですよ!
・ 果物を食べる。
今の時期だと、柿やイチゴなど。
キウイもいい。
ビタミンC は、アルコール分解を助け、肝機能を回復する効果が期待できるのだ。
□ 最後に
<まとめ>
(1) 最初に頼む飲み物は、アルコール度数が低いものを。
(2) おつまみは、食物繊維が多いサラダなどを。
(3) 飲んだ後や翌朝は、しっかり 水分補給。
(4) アルコール量の、1日の上限や 1週間の上限を、意識すること。
<肝臓に良い食材&おつまみ>
(1) ブロッコリースプラウト。
(2) マグロとタコの刺身。
(3) 海老の素揚げ。
(4) ビタミンC 豊富な 果物。
気持ちよく、長いこと飲むためにも、健康を意識しましょう!


[関係する記事]
→ 【熊本県】 肝臓によい食材
→ 【福井県】 肝臓健康食材は油揚げとおろしそば
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【肝炎ウイルス検査】 佐賀県 江口有一郎/ガッテン
注射器の使い回しの禁止が通達されたのは、いつだと思います?
意外と最近なんですよ。
佐賀県の取り組み。
なぜ、肝炎検査を受けてくれないのだろう?
そこで、「SAGA 肝がんワースト1 汚名返上プロジェクト」を実施。
はなわさん出演のCMを流した。
C型肝炎は、薬で身体からウイルスを消すことができる。
2~3か月、毎日薬を飲むだけでOK。
まずは検査を受けましょう。
解説:佐賀大学医学部附属病院 肝疾患センター 江口有一郎 特任教授。
2018年5月16日放送の「ガッテン」より、「あなたは受けた?“がんにならない”検査」からのメモ書き。
その後編です。

□ 肝炎ウイルスの感染源

お次は、肝炎ウイルスに関する、あるチェックについて。
なぜか、関係なさそうな、3つのVTRが流されました。
1つ目は、空手チョップでおなじみの、力道山。
街頭テレビの時代ですね。1950年代。
2つ目は、売れに売れまくった曲「およげ! たいやきくん」。
歌うのは、子門真人さんです。1975年。
3つ目は、ソウルオリンピック。
ん?
でも、これらと肝炎に、どんな関係が?
次に流れた映像は、ツベルクリン接種会場。
白黒映像ですね。1950年代のもの。
これでピンときた人も、いるかもしれません。
この頃は、同じ注射器を使いまわしていたんです。
実は、先に紹介した3つの時代は、注射器の使いまわしが行われていた可能性があるのだ。
現在はもちろん、そんなことはありません。
しかし、当時は他にも、ウイルス対策がなされていない輸血、それから、母子感染、カミソリの使い回しなどで、血液を介して、感染が広がったと言われています。
<かつての主な肝炎ウイルスの感染経路>
注射器の使い回し。
輸血。
母子感染。
カミソリの使い回し。
意外に思うかもしれませんが、注射器の使い回しの禁止が 正式に通達されたのは、1988年の1月なんです。
<注射器の使い回しの禁止>
1988年1月に 厚生省(当時)より通知。
もちろん、それまでに、自主的に使い回しを やめていた医療機関もあります。
しかし、正式に禁止になったのは、1988年なんですね。
今現在 30歳以上の日本人、およそ9000万人が、この条件に該当するとのこと。
□ 肝炎ウイルス検査

続いて、衝撃のデータをご覧ください。
どのくらいの人が、肝炎ウイルスの検査を受けているか?
20歳以上の日本人、およそ2万人の調査結果です。

受けてない人は、51.9% 。
自ら受けた人は、17.7%。一番少ない。
出産や手術で受けた人が、30.4%。
1993年以降に、出産や大きな外科手術を受けた人の多くは、C型肝炎の検査を受けていると考えられる。
このような背景があるので、検査を受けてもらうための様々な取り組みが、行われています。
下は、厚生労働省のポスター。

「あなたは肝炎ウイルス検査を受けましたか?」
「肝炎の感染に気づかないまま放置すると、肝硬変や肝がんなどの重い肝臓病を、発症するリスクが高まります」
「まずは、検査を受けてください」
「どんな検査なの? → 簡単な血液検査を行って、結果は後日お知らせします」
「どこで受けられるの? → お住いの市区町村での地域健診、最寄りの保健所や委託医療機関です」
「検査の結果が陽性だったら…」
「肝臓病の専門医療機関や相談センターをご案内しますので、安心して精密検査や適切な医療を受けてください」
「インターフェロン治療や核酸アナログ製剤治療を受ける場合には、医療費助成制度があります」
番組冒頭で紹介された、街中で検査を勧めている、先生。
活動されている場所は、佐賀県です。
先生がいるのは、佐賀大学医学部附属病院。
肝疾患センターの 江口有一郎 特任教授が、その人だ。
佐賀県は、もともと肝炎の患者さんが多く、肝臓がん死亡率が 18年連続で ワースト1でした。
江口先生は、それをどうにかしたいと、考えているんですね。
江口先生のお話。
「病院に辿り着く、我々の所に辿り着く方々というのは、かなり重症化された方(も多い)」
「だけど、そういう方々も、いきなり肝臓がんになるわけでもないし、いきなり、肝硬変になるわけでもなくて」
「長い時間かけて、病気が進行していて、結果的にそうなってしまったと」
「願わくば、佐賀県で 肝臓がんで亡くなる方を、ゼロにしたい」
そこで、10年ほど前、江口先生は、県民に肝炎ウイルス検査を受けてもらうための活動を、開始したんです。
各地で年間、300回もの講演を実施。
専門家同士で、何度も議論をして、対策を考えました。
しかし、検査を受けてくれる人は、毎年1万人程度。
なかなか増えなかった。
そこで先生が始めたのが、駅前などでの「検査に行かない理由」の聞き取りです。
心理面からも、対策を考えようと思った。
時には、行きつけの飲み屋さんでも、聞き込み。
レジャーで行った海水浴場でも、聞き込みを行いました。
結果、聞いた人の数は、数千人以上に。
努力の賜物ですね。
でも、答えは、いつも同じようなものだったそうな。
そして、特に目立ったのが、「面倒くさい」という意見。
こうした情報をもとに、江口先生は、ある結論に至りました。
「これまでの佐賀の肝炎対策を、県、医師会、いろんな医療関係者が、タイアップしながらやってきた」
「その熱意とか、必要性とか、目的が、住民さんに全然 伝わってないんじゃないかっていうことに気づいて」
「これはちょっと、根本的に、やり方を変えなきゃならない、というところに行きついたんです」
そこで平成25年、検査に行かない人へ向けた、一大キャンペーンを実施することになったのでした。
結果、なんと、検査を受けてくれる人が、70%もアップ!
その秘密とは?
□ 江口先生の解説

ここでスタジオに、専門家の先生が登場。
佐賀大学医学部附属病院 肝疾患センターの 江口有一郎 特任教授です。
街で立ってたのは、この先生なのだ。
佐賀で70人に聞いた!
<肝炎ウイルス検査を受けない理由>
特に理由は無いけど … 16人
感染してないと思うから … 7人
怖いし 面倒くさい … 7人
肝臓の数値は悪くないから … 3人
他の病気があるから … 3人
その他
余計なことを知りたくない
お酒を飲まないから
みなさん、いろんな理由を言われるようです。
でも、実際は、別の理由があるのではないか?
先生は、それを探しているのだそう。
前編でもあったように、肝臓は沈黙の臓器と言われます。
症状が、出にくい。
本当に肝臓のあたりが痛いって病院に来た時には、非常に進んでいる状態で、なかなか手の施しようがないというケースも。
なので、検査が大事になると。
<肝炎ウイルス検査>
肝臓は症状が出にくいので、一生に1回 検査を受けることが重要。
* 保健所などでは、原則無料。
先生の研究結果をいかした、検査を勧めるCM があります。
その名も、「SAGA 肝がんワースト1 汚名返上プロジェクト」。

マスコットキャラクターは言いました。
「肝がんの8割以上は、ウイルス性肝炎が原因」
「だから、早めの検査が大事なんだ」
そして、はなわさんが叫ぶ。
「SAGAの本気を、見せましょう」
「肝炎ウイルス検査に、い肝ばい肝(いかんば いかん)!」
こんなデータがあります。
「検査を受けた一番のきっかけ」について。

縦軸は、「検査を受けた一番のきっかけ」。
横軸は、「何から情報を得たか」。
約2万人が、1年間で検査を受けました。
その人たちに、検査に行くきっかけで最も大きなものは? と聞き、
9200名から回答を得て、解析した結果です。
「CM」だと、約50%の人が、そこから情報を得ていました。
しかし、それが検査を受けるきっかけになったという人は、40%にとどまっています。
先生は、「何が一番、刺さったのか?」を見たかったのだそう。
表を見ると、一番のきっかけになっているのは、「保健師さん」「看護師さん」「かかりつけのお医者さん」からの助言のようです。
でも、これも、2段階になっている可能性が。
「テレビCMを見る」→「病院に行って、助言を受ける」という風に。
情報源としては CM やテレビ番組があって、身近な人が最後に背中を押すと。
身近な人の「ひと言」というのは、やっぱり効くようです。
実際にアクションを起こす「きっかけ」として、大きい。
肝炎ウイルス検査の大切さを理解したら、家族や友人、職場の方に、「肝炎ウイルス検査を受けた方がいいよ」と、背中をひと押しする。
それが、アクションにつながるようです。
□ 治療法

ウイルスに感染してしまった時、どんな治療法があるのでしょうか?
江口先生の解説。
「B型肝炎、C型肝炎にしても、まずは感染していることが分かれば、血液検査をして、ウイルスの量や型を調べます」
「その後は、B型肝炎、C型肝炎、もう飲み薬でウイルスコントロールできて」
「C型肝炎は、身体からウイルスを消してしまうっていうお薬ができていて」
「特に、C型肝炎の場合は、2か月から3か月 飲めば、お薬 要らなくなっちゃう」
<B型・C型肝炎の治療>
飲み薬で、ウイルスをコントロール可能。
C型肝炎は、ウイルスを身体から消すことができる。
肝炎ウイルスの治療薬は、効果や副作用を考慮の上、医師の診断により、処方されます。
肝炎の治療費は、助成制度があるので、1か月に 1万円。
高額納税者でも、月2万円の自己負担。
江口先生によれば、仕事を継続しながら治療を受けている人が、ほとんどだといいます。
<がんにならない検査>
近くの病院や保健所で。
原則無料。
採血だけ。
C型肝炎ウイルスは薬で消せる。
<20歳以上の方は一度は検査をしましょう、と言われる理由>
昔行われていた注射器の使い回しの他にも、いろんな理由が考えらえます。
ピアスの共用、カミソリの共用などで、感染する可能性も、否定できません。
一度は、検査を受けましょう。
これまで、10年近く頑張ってきた 江口先生ですが、実は今、もう一つ大きな問題に直面しているのだそう。
せっかく検査を受けて、感染が分かっても、88%の人が その後も 治療を受けていなかったのだ。

江口先生のお話。
「これじゃダメって、思ったんですよね」
「我々が専門医として、患者さんのサポートをさせていただいているのは、本当に氷山の一角、ごく一部の人しか 目にしてなくて」
「そこで治そう治そうとか…」
「本当に衝撃…、愕然としました」
そこで江口先生は、治療を受けない人にも、その理由の聞き取りを行ったんです。
さらに、こうした人に治療を勧めながら、更なる対策を考えました。
その第一弾として、「治療医行かない人向けのCM」を製作した。
はなわさんが歌います。
「行かんば い肝(いかん)~っ!」
「行かんば い肝~っ!」
「陽性なら 病院へ」
「治療がすべて なんだぜ!!」
「肝炎治療 いかんば い肝~っ!」
この取り組みが、今後、もっと広がっていくことを期待したいですね。
□ 肝炎ウイルスの検査と治療

まとめです。
<肝炎ウイルス検査の受け方>
C型肝炎ウイルスの検査は、全国の都道府県にある「保健所」では、原則無料で受けられます。
近所のクリニックなどでも受けられますが、自己負担が必要な場合もありますので、直接お問い合わせください。
<肝炎の治療>
2011年頃から、C型肝炎ウイルスに画期的な新薬が、次々と登場した。
2か月から3か月の間、毎日 薬を飲むだけで、95%以上の人が、ウイルスをゼロにできるといいます。
[体験談]
甲府市に住む、71歳の男性 Aさん。
Aさんも、5年前、新薬でC型肝炎ウイルスを治療しました。
3か月毎日薬を飲むことで、完治した。
Aさんのお話。
「そりゃあ、もう、うれしかったですね」
「何もかも、明るくなったですね」
「主治医の先生には、君100歳まで生きるよ、って言われてます」
「本当かどうか、しらないけどね。うふふふふ」
薬による治療ですが、頭痛など、副作用が出る場合もありますので、医師と相談してください。
前のグラフ、覚えてます?
肝臓がんの原因、第2位は「HBV(B型肝炎ウイルス)」でした。

<B型肝炎ウイルスの検査>
C型と同じく、血液検査でOK。
保健所では、原則無料です。
<B型肝炎ウイルスの治療>
飲み薬でウイルスをゼロにすることはできませんが、限りなく少なくすることが可能。
さらに、B型の場合は、2016年から新たな対策が始まっています。
<B型肝炎のワクチン>
2016年から、定期摂取に。
0歳の間に3回、ワクチンを接種することで、抗体を作り、感染を防ぐ。
(B型は、免疫が未熟な子どもには、感染しやすいと言われているのだそう)
費用は無料。
詳しくは、小児科などにお問い合わせください。
B型・C型にかかわらず、聞きたいことがある場合は、各都道府県に設置されている「肝臓病 拠点病院」へ。
( http://www.kanen.ncgm.go.jp/ )
肝臓に詳しい医師や看護師がいるので、相談することができます。
一生に一度は、肝炎ウイルスの検査を受けましょう。
感染していたら、必ず治療を!


次回は、これ。
ついに見つけた、ある物質の真の力。
記憶力がアップする?
〇ン〇リンって、何だ?
「もの忘れ&認知症を予防! “記憶物質”大発見SP」。
前編 → 【がんにならない検査】 山梨県の取り組み
[関係する記事]
→ 「肝臓がん予防 新時代! 検査は無料&肝炎ウイルスの新薬」
→ 「胸が大きい男は肝硬変? 女性化乳房」
→ 【肝臓がパンパンに!】 ダイエットと脂肪肝



【がんにならない検査】 山梨県の取り組み/ガッテン
山梨県は対策を実施したことで、あるがんになるひとが、32%も減った。
採血だけで、原則無料。
その検査とは?
肝臓がんの原因で、一番多いのは、HCV。
2番目が HBVで、アルコールは3番目。
なんと、肝炎ウイルスを放置すると、だいたい 30年ぐらいで、20~25%が 肝臓がんになる。
ウイルスの有無、知ってます?
解説:山梨大学医学部附属病院 肝疾患センターの 坂本穣 准教授。
2018年5月16日放送の「ガッテン」より、「あなたは受けた?“がんにならない”検査」からのメモ書き。
その前編です。

□ がんにならない検査?

さあ、今回のテーマは何でしょうか?

「ある“がん”にならない検査」について。
番組冒頭、画像で登場したのは、白衣の男性です。
街の人たちに 何か話しかけているようですが、何をしているんだろうか?
実は、この方、医学の専門家。
道行く方々に、「ある検査」を勧めているのだ。
それは、「がん検査」だという。
これまでは、「がんを早く見つける検査」が一般的でした。
でも、今回のは、「がんにならない検査」だという。
それは、どういうものなんでしょうか?
先生がお勧めしているのは、ある「がん」にならないための検査。
できてしまった「がん」を少しでも早く見つけようという検査とは、全く違うようです。
それは、こんな検査だという。
<がんにならない検査>
一生に1回受ければOK!
原則 0円!
3分で終了!
こんな夢のような検査、本当にあるのでしょうか?
この検査をいち早く取り入れている、先進県があります。
それが、山梨県。
ここでは、いくつかの自治体が 全国に先駆けて、あるがんにならないための検査を取り入れているのだ。
この検査の効果もあって、3年前に比べて、そのがんになった人の数は、32%も減ったのだとか。

それはいったい、どんな検査なのか?
ガッテンボーイの宮森右京くんが、調べてくれました。
若い人は知らないようですが、中高年の人は知ってましたよ。
なんでも、健康診断の項目が多いのだそう。
というわけで、今度は役所へ ゴー!
山梨県 北杜市(ほくとし)役所で、話を聞きました。
健康増進課の人のお話。
「健診の項目が よそよりちょっと多いというのは、事実かなと」
「25年以上前に、早くから取り入れてたんですね」
25年ほど前、健康診断の検査項目を増やしたようです。
山梨県 上野原市。
ここで、その健診が行われていました。
いったい、どんな検査かと思ったら…
あれ? 血液検査?
看護師さんに聞いても、採血だけだという。
なるほど、これなら、3分で終わりますね。
でも、どうして、これで がんにならないの?
26年前、導入当時の健康診断表には、「HCV」という追加項目があります。
これが、カギを握りそうだぞ。
ゲストの森口博子さんは、「地方のテレビ局みたいな語呂ですね」とか言ってますが。
「HCV」とは、「C型肝炎ウイルス」のこと。
肝臓がんの原因のグラフ。

お酒・アルコールは、思ったほど多くないですね。
一番割合が大きいのは、「HCV」。
2番目が、「HBV」です。
では、ウイルスと肝臓がんの関係は、どうなっているのでしょう?
□ 肝炎ウイルスと肝臓がん

下の画像は、C型肝炎ウイルス。

直径は、10万分の数ミリだという。
下で 1番目の画像は、健康な状態の肝臓。
これが肝炎ウイルスに取りつかれてしまうと、肝臓の中で戦いが起こります。
免疫細胞が攻撃を始めるのですが、この時、ウイルスだけでなく、肝臓の細胞ごと、やっつけてしまうのだという。
これが、「肝炎」。肝臓に炎症が起きている状態です。
2番目の画像がそれですが、ちょっと白っぽくなってますね。
長い年月、これが続くと、「肝硬変」に。
さらに、肝硬変がさらに変更すると、「肝臓がん」へと進行します。

肝炎ウイルスを放置すると、だいたい 30年ぐらいで、20~25%が 肝臓がんに。
山梨県が早くから対策を実施してきたのも、ここに理由があるんですね。
実は、山梨県には、歴史があるのだ。
そもそも、肝炎ウイルスの感染者が多かった。
そこで、平成4年、特別に検査を健診に導入。
山梨県の一部の自治体で、健診に肝炎ウイルス検査を導入し、それが県内の他の自治体にも広がりました。
すると、肝臓がんになる人が、32%も減ったのです。
さらに、ここまでして検査を勧めているのには、もう一つ理由があるといいます。
では、肝臓の専門医に、聞いてみましょう。
山梨大学医学部附属病院 肝疾患センターの 坂本穣 准教授です。
「肝臓というのは、沈黙の臓器と言われていて、ほとんど症状が出ないので、自分では感染してることに気づかないことが、ほとんどです」
「肝硬変になってても、自分で気づいてない方もいらっしゃいます」
「肝がんも、気づきません」
肝炎ウイルスは、感染していても、症状が出ないことが多い。
歌手の伍代夏子さんも、たまたま受けた検査で、C型肝炎の感染を知ったのだそうな。
伍代夏子さんのお話。
「症状がないんです、とにかく」
「痛くも かゆくもないので」
「ただ言われてみれば、まあ、だるいかなとは思いますけど」
「でも、みんな仕事をしていたら、疲れて だるいでしょうしね」
「ウイルスはいるものの、いつ私の身体に入ったのかも、分からず」
「どこから感染したかも、何年たっているかも、分からないですから」
伍代さんはその後、治療を受けて、ウイルスを肝臓からなくすことが、できたそうです。
その経験から、検査の大事さを訴えているのだ。
でも、C型肝炎ウイルスの検査を受けるには、どうしたらいいんでしょう?
一般的な血液検査で分かるのは、肝臓の健康状態。
ウイルスがいるか いないかは、全く別の検査をしないと、分かりません。
ご注意を。
ともかく、検査でウイルスを見つければ、がんになる前に、治療を受けることができます。
これこそが、「がんにならない検査」ってわけ。


後編では、佐賀県での取り組みと、詳細な解説を。



【熊本県】 肝臓によい食材/健康カプセル! ゲンキの時間
お酒(焼酎)の消費量が多いのに、肝疾患での死亡率が全国でも低い、熊本県。
その秘密は、どこにあるのだろうか?
<食材>
・グリコーゲンやカルノシンが豊富な、馬肉。
・豆腐の味噌漬け(山うに)。
・お酢とクエン酸。
・晩白柚(ばんぺいゆ)。
<運動>
・週250分程度の速歩きで、脂肪肝が改善。
<趣味>
・カラオケ。
・釣り。
ドクネット:日本大学医学部 内科系消化器肝臓内科学分野 松岡俊一 教授。
国立健康・栄養研究所 栄養代謝研究部 田中茂穂 部長。
ゲスト:湯山玲子。
ゲンキスチューデント:足立梨花。
ゲンキリサーチャー:レッド吉田。
2017年12月24日放送の「健康カプセル! ゲンキの時間」より、「~ 暴飲暴食の年末年始 ~ 肝臓健康県・熊本に学ぶ!」からのメモ書きです。

□ 肝臓健康県 熊本

さあ、今回のテーマは何でしょう?

「肝臓健康県 熊本」について。
これからの季節、忘年会や新年会が続く人も、多いのでは?
となると、気になるのが、肝臓の健康です。
そこで今回は、「肝臓ゲンキの秘訣」を、熊本県から学んじゃいます!
熊本県は、焼酎の消費量が 全国3位。
にもかかわらず、肝疾患での死亡率の低さが、男性で2位、女性で1位なんです。
たくさん飲むのに、なぜか肝臓が健康な県なのだ。
まずは恒例の基礎クイズから。
Q)次の内、肝臓にやさしい お酒の飲み方は、どれでしょう?
A:お湯割り。
B:ソーダ割り。
C:ロック。
答えは、「全部同じ」。
摂取するアルコール量が同じなら、どんな飲み方でも、肝臓にかかる負担は同じなんですね。
肝臓がゲンキな秘訣を探るために、まず向かったのは、熊本一の繁華街。
熊本市の居酒屋「さんじゅまる」で、手掛かりを探します。
常連さん二人に話を聞くと、一晩で飲む量は、毎日 焼酎 7~8杯だという。
にもかかわらず、健診結果を見せてもらうと、肝臓の値は正常です。
<肝臓の検査項目と基準値>
AST/GOT:10~40
ALT/GPT:5~45
γ-GTP:男性 0~75 女性 0~35
毎日お酒を飲んでいるのに、なぜ、正常範囲内なのでしょうか?
その日、お二人が食べていたのが、「馬づくし料理」。
どうやら、馬肉に秘密がありそうだぞ。
メニューは、「馬刺」「馬スジの大根煮込み」「馬串(馬肉の串焼き)」。

馬肉は 戦国時代から食されており、現代では、ここ熊本が、馬肉生産量・消費量ともに、日本一なのだ。
熊本では、お酒の席だけでなく、普段から 馬肉がよく食べられているといいます。
地元のスーパー「イワサキACE 上熊本店」の食肉売り場を見ると、馬肉専用コーナーが。
「タテガミ」「フタエゴ」「霜降り3枚バラ」などが売られています。
地元の人によれば、魚の刺身と同じ感覚で食べるのだそう。
牛スジより 馬スジの方が使う、という人も。
そして、馬肉コーナーには、なぜか、納豆が置かれている。
というのも、納豆と馬肉を混ぜた「桜納豆」が、熊本県民の大好物なんです!

納豆を刻んで、馬肉に、ネギと卵を加え、箸でぐ~るぐると混ぜまぜ。
熊本の人が馬肉を愛していることは分かりましたが、肝臓とどのような関係があるのでしょうか?
東京都は板橋区にある、「日本大学医学部附属 板橋病院」。
内科学系消化器肝臓内科学分野の 松岡俊一 教授に、教えていただきます。
「馬肉には、グリコーゲンが多く含まれますので、肝臓にとっては、とても良い食材だと思います」
グリコーゲンとは、人間の体内に存在する物質で、肝臓では アルコールを分解するために使われます。
ところが、お酒を飲み続けると、グリコーゲンが不足してしまうんですね。
すると、肝臓に負担がかかり、肝機能の低下につながることも、あるのだとか。
だから、食べ物でグリコーゲンを補うことは、とても大切ってわけ。
馬肉に含まれるグリコーゲンは、牛肉の3倍! 豚肉の5倍!
<グリコーゲン含有量>
馬肉:2290mg
牛肉:674mg
豚肉:432mg
さらに、松岡先生が教えてくれました。
「カルノシンというペプチドが豊富で、これは抗酸化作用に優れております」
肝臓のサビつきや炎症を防ぐ成分も、含まれてるってわけだ。
<熊本の肝臓健康食材(1)>
グリコーゲンとカルノシンが豊富な馬肉。
お酒をよく飲むにもかかわらず肝臓がゲンキなのは、馬肉をよく食べるからだったようですね。
ただし、注意点も。
鉄分も多いため、肝臓に疾患がある人は、控えめに。
□ 釣りと健康

馬肉以外にも、肝臓によい定番メニューがあるといいます。
それが、「豆腐の味噌漬け」。
熊本では、「うに」と言うのだとか。

水切りした豆腐を、味噌に10日間ほど漬け込んで作る。
熊本の山間(やまあい)でよく食べられていたそうで、ウニのような滑らかな食感から、「山うに豆腐」とも呼ばれる。
松岡先生の解説。
「お味噌と豆腐の組み合わせっていうのは、肝臓にとっては、最強だと思います」
たんぱく質やミネラルが豊富な味噌は、肝臓のアルコール分解作用を高めてくれるのだとか。
豆腐は、サポニンと亜鉛が 肝細胞を活性化させ、肝臓の機能を高める働きが期待される。
というわけで、豆腐の味噌漬けは、いいとこどりなのだ!
肝臓をゲンキにする、最強タッグなんですね。
<熊本の肝臓健康食材(2)>
味噌と豆腐。
「さんじゅまる」の店長さんも、酒をよく飲みます。
焼酎を毎日、10杯以上。
にもかかわらず、肝臓の数値は、すべて基準値をクリアしています。
それを支えるメニューが、「ガラカブ(カサゴ)の一夜干し」。

といっても、料理そのものよりも、別のところに、秘訣があるらしいですよ。
週に1回は釣りに行くという、店長さん。
でも、釣りと肝臓に、どんな関係があるの?
実は、熊本の人たちは、釣りが大好きなんです。
釣り人口比率は、全国2位!
(過去1年間に釣りをした人の割合 10歳以上)
そのため、魚介類購入費が、全国48位なのだ!
(52都市での順位)
じっとしているイメージのある釣りですが、実際は、かなりアクティブ。
人の身体活動を研究する専門家に、教えてもらいましょう。
国立健康・栄養研究所 栄養代謝研究部の 田中茂穂 部長です。
「(釣りは)川岸ですとか、海岸を立って歩いたりするような場合ですと、だいたい、やや速めの歩行ぐらいの強度になります」
不安定な岩場を歩いたり、しゃがんだりなどの動作が多い釣りは、なんとか会話ができる速さの歩行と、同じ程度の運動効果があるんですね。
この歩行を、週に250分、1日30分ほど行うと、脂肪肝が改善したというデータもあります。
速歩きを 週250分程度行うと、脂肪肝が改善。
ちなみに、店長さんは釣りに出かけると、毎回 4~5時間は続けるそうです。
□ カラオケと健康

前述のとおり、大都市における肝疾患による死亡率の低さで、熊本の女性は 堂々の第1位。
その秘密は、忘年会につきものの、ある楽しみと関係しているらしいですよ。
レッド吉田さんが、ご陽気な主婦たちの集まりに、参加させてもらいました。
みなさんお酒が大好きなのに、肝臓の値は全員、基準値の範囲内です。
その秘訣は、よく行く場所にあるらしい。
今回、向かったのは、「ビッグエコー 熊本下通り店」。
そう、「カラオケボックス」です。
熊本市は、カラオケボックスの店舗数が、人口比率に対して、全国2位の多さなのだ!
みなさん、カラオケが大好き。
水前寺清子さんの「365歩のマーチ」で、大いに盛り上がるといいます。
振り付けありで、大熱唱!
田中先生の解説。
「リズムに合わせてステップを踏むようなことがあれば、普通に歩いているような強度にもなりますし、激しい踊りを入れるような場合ですと、早歩き以上の強度にもなりますので、運動と同様な効果が得られると思います」
カラオケも、運動効果が抜群なんですね。
楽しく歌って踊れば、肝臓もゲンキになって、とっても お得なのだ。
□ ドクネット
肝臓の働きに詳しい先生に、教えてもらいましょう。
日本大学医学部 内科系消化器肝臓内科学分野の 松岡俊一 教授です。
MCの三宅裕司さんは、二日酔い対策として、お酒と同じ量の水を飲んでいるのだそう。
これに効果はあるのでしょうか?
松岡先生の解説。
「アルコール自体がですね、細胞内の水分を減らして、外に出してしまいます」
「それから、飲酒による利尿作用なんかもありますので、この点で、水分補給は非常に重要だと思います」
「(しかし)アルコール摂取量が減らないんだったら、肝臓にかかる負担は同じなんです」
「水分を摂ってもアルコールが減らなければ、肝臓にかかる負担は大きい」
結局、アルコールの量が問題になるようです。
<遅れて二日酔いがくることがありますか?>
<二日酔いにタイムラグはありますか?>
加齢とともに、アルコールの処理能力は、どうしても低下してしまいます。
そのため、二日酔いが遅くやってくることはある。
□ 酢の効果

カラオケに引き続き、レッドさんは女子会に誘われました。
そう、酒盛りです。
お酒も楽しみですが、食べ物も楽しみ。
テーブルには、熊本の名物が、ずらりと並んでますぞ。
黄色くて大きいのは、「辛子レンコン」だ。
レンコンの穴に辛子味噌を詰め、ウコンで色付けした衣で、揚げたもの。

お土産のイメージがありますが、熊本では手作りすることも多く、家庭ごとに味の違いもあるといいます。
レンコンには、肝臓に良い成分が豊富なんですよ。
「タンニン」「ビタミンC」を、たくさん含む。

<熊本の肝臓健康食材(3)>
続いての料理は、「トマト&酢」。
なんでも、トマトに甘酢をかけるのが、熊本流なのだとか。
玉ねぎサラダにも、酢をたっぷりかけます。
居酒屋さんでも、「酢キャベツ」や「酢モツ」など、お酢を使ったメニューが定番だという。
熊本市は、酢の購入費が、全国第2位なのだ!
(なんか、2位が多いな)
熊本県は宇城市(うきし)にある、「松合食品」。
酢や醤油、味噌などを製造して 190年の、老舗(しにせ)醸造元です。
酢の元になる「種菌(たねきん)」を発酵させている「酢醗酵室」を見せてもらいました。
お酢は、米麹(こめこうじ)を醗酵(はっこう)させたお酒の中に、酢の種菌を入れ、さらに 1~2か月じっくり醗酵させて、造ります。
この種菌は、190年もの。
強い菌だけが残って、種菌として移し替えているのだとか。
そんな酢の主成分である「酢酸(さくさん)」や「クエン酸」には、肝臓を助ける様々なパワーがあるのだという。
お酢は、脂肪や たんぱく質をエネルギーに変えることで、肝臓の負担を軽減してくれます。
また、酢酸やクエン酸は、肝臓の代謝を促進してくれる。
毎日 大さじ1杯の酢をとれば、肝臓の脂肪が減少し、血中コレステロール値が下がったというデータも。

さらに、酢を使うことで、健康に良いある工夫ができるといいます。
お酢を使った郷土料理のひとつ、「つなし寿司」。

晴れの日に出されるお寿司らしいですが、酢を使うことで、塩分摂取を減らせるとのこと。
お酢は塩味を引き立てるので、少量の酢で 12.5~25%の減塩効果があるのだとか。
わずかな塩でも、しっかり味付けできるんですね。
実際、熊本県の塩分摂取量は、男性で41位、女性で40位。
かなり低めです。
<熊本の肝臓健康食材(4)>
酢酸やクエン酸を含む、お酢。
最後に登場したのは、デザート。
とっても大きな、「晩白柚(ばんぺいゆ)」だ。
晩白柚とは、熊本が名産の、世界最大級の柑橘類のこと。
ザボンの一種らしいですね。
「晩」は晩生のこと、「白」は果肉の色、「柚」は中国語でザボンのことらしい。
断面を見ると、ワタが かなり分厚いぞ。

そして実は、これがポイントなのだとか。
松岡先生の解説。
「ワタに含まれるナリンギンという物質があるんですが、これは ビタミンCの効果を増強させて、血液をサラサラにしたり、もちろん肝臓にも良くて、抗酸化作用や脂肪燃焼作用も強いんですね」
しかし、ワタはとっても苦いため、熊本では数時間砂糖で煮詰めた「砂糖漬け」にして食べられています。
<熊本の肝臓健康食材(5)>
ナリンギンが豊富な、晩白柚のワタ。
様々な健康食材が、熊本県にはありました。
肝臓のためにも、健康のためにも、熊本を見習って、忘年会シーズンを乗り切りましょう!
ねっ、くまもん。


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【福井県】 肝臓健康食材は油揚げとおろしそば/ゲンキの時間
どうして、福井県の人は、肝臓が健康なんだろう?
その秘密となる食材とは?
・油揚げ=植物性たんぱく質。
・越前おろしそば=大根が解毒作用を助ける。
・かに=タウリン。
・サバ=DHA、EPA。
奇祭「ごぼう講」。
食物繊維が、肝臓にも効果的。
二日酔いには、今庄つるし柿を。
ドクネット:横浜市立大学附属病院 肝胆膵消化器病学教室 米田正人 医学博士。
ゲンキスチューデント:佐野ひなこ。
ゲスト:大和田伸也。
ゲンキリサーチャー:Wエンジン チャンカワイ。
2016年12月25日放送の「健康カプセル! ゲンキの時間」より、「肝臓健康県! 福井のヒミツ」からのメモ書きです。

□ 福井県の油揚げ

忘年会に新年会、これからの季節、心配になるのが、肝臓です。
名物のソースカツ丼など、揚げ物が大好きな、福井県。
そこに、肝臓を守る秘訣が!
渡辺満里奈さんも、お酒が大好き。ゆうべも、シャンパンを飲んだらしい。
三宅裕司さんは、日本酒と豆腐だ。
今週からのゲンキスチューデントは、佐野ひなこさん。22歳なので、お酒が飲める年齢です。
ゲストは、福井県出身で、福井ふるさと大使&敦賀観光特任大使の、大和田伸也さん。
まずは、恒例の基礎クイズから。
Q)お酒に強い人は、肝臓も強い?
〇でしょうか、×でしょうか?
答えは、「×」。
強い弱いにかかわらず、肝臓で分解するアルコールの量は、同じです。
なので、多く飲めば飲むほど、肝臓に負担をかけていることになる。
都道府県別の「肝疾患による死亡率の低さ」。
福井県は、男女ともに、第3位。
実は、男女ともに上位なのは、ここだけなんだって。
肝臓が元気な理由は、いったい、どこにあるんでしょう?
福井県の食材といえば、越前ガニなどの海の幸。
さらに、それと並ぶ名物が、ソースカツ丼だという。
福井の人は、揚げ物が大好きなんです。
福井市は、カツレツの購入額が、日本一。
コロッケ購入額も、日本一なのだ。
スーパー・ハニー松岡店を覗いても、フライがズラ~リ。
魚屋さんの「魚友 支店」にも、から揚げ、メンチ、トンカツが並んでる。
越前市にある、「cafe de 伊万里」。
ここには、新名物「ボルガライス」が。
ケチャップライスの上に、オムレツとトンカツをのせ、ソースをかける。

福井市は、共働き率も、日本一。
だから、総菜やできあいを買える店も、多いんだって。
揚げ物が大好きな、福井県民。
でも、油ものばかり食べてたら、肝臓によくないんでは?
肝臓に中性脂肪が必要以上に蓄積し、脂肪肝にならないんだろうか?
福井県民がよく食べるのは、揚げ物だけではありません。
油揚げも、よく食卓に並ぶのだそう。
<油揚げ>
豆腐の部分が、しっかりありますね。

福井では、厚揚げも含めて、油揚げと呼ぶことが多いのだそう。
福井市は、油揚げの購入額日本一。しかも、53年連続です。ダントツ。
福井県済生会病院 内科主任部長の 野ツ俣和夫 先生に、聞いてみましょう。
厚揚げは、肝臓によいのでしょうか?
大豆は、植物性たんぱく質。これが、よいみたいです。
肝臓は、解毒作用や栄養の代謝機能などを行う、重要な臓器。
食事で摂ったタンパク質も、ここで合成され、全身に送り出されます。
しかし、動物性たんぱく質だと、カロリーが高い上に、摂り過ぎると、脂肪肝の原因になってしまう。
その点、豆腐などの大豆食品は、植物性たんぱく質です。低カロリーで、肝臓にやさしいのだ。
□ おろしそば

福井県の食材には、他にも特徴が。
仏教王国と呼ばれる、福井県。
あちらこちらに、寺が建っています。
なので、精進料理などの植物性たんぱく質を食べる文化が、各家庭に根付いているという。
さらに、福井県には、独特の そばが。
創業90年の老舗「遊亀庵 かめや」。
三代目である、酒井典之さんに、作ってもらいましたよ。
毎日けっこうな量、お酒を飲むという、店長。
しかし、人間ドックの肝臓の検査項目は、すべて基準値内だという。
その秘密が、「おろしそば」に。

そばに含まれる「コリン」という成分は、肝臓に脂肪が付着するのを防ぐと言われています。
そして、欠かせないのが、大根汁がたっぷりの麺つゆ。
大根は昔から、「医者いらず」と言われています。
肝臓の解毒作用を助けてくれる、強い味方なのだ。
□ ドクネット
横浜市立大学附属病院 肝胆膵消化器病学教室の 米田正人 先生に、解説してもらいましょう。
福井県は、地産地消が基本の県。
食に対する環境が、非常によいようです。
(地産地消=地元でとれた生産物を、地元で消費すること)
家庭環境にも、秘密が。
福井県は、「三世代同居家族の割合」が、全国2位。
大家族で夕食を共にする時間が多いので、正しい食生活のバランスを学ぶことができるようです。
魚介類も、豊富ですよね。
越前ガニも含めて、カニには「タウリン」が含まれています。
これも、肝臓の働きを促してくれる。
また、名物のサバには、「DHA」や「EPA」が多く含まれています。
□ 奇祭 ごぼう講

最後は、こんな奇祭を紹介。
なんと、一年に一度、男たちが酒を飲み続けるのだという。
越前市は国中町。
毎年2月17日に、神事として行っているとのこと。
約300年前から、この地方で行われてきました。
古い台帳も、ちゃんと残っています。
毎年交代で、当番の家が変わり、その家が町中に、酒とあるものを振舞う。
そのあるものとは、白米5合と、ゴボウ2kg。
他にも、豆腐と大根、たくあんが。

祭りの名は、「ごぼう講(ごぼうこう)」。
ゴボウを食べながら、湯飲み茶わんにつがれた酒を、およそ2時間 飲み続ける。
注目する食材は、ゆでて味噌で味付けする、ゴボウ。
実は、食物繊維は、ゴボウで摂取するのが最も効果的だと言われているんです。
食物繊維には、水溶性と不溶性があります。
この2種類をバランスよく摂るのが大事なのですが、野菜の多くは不溶性。
ところが、ゴボウは、「水溶性:不溶性」が「2:3」なんです。
食物繊維といえば、便秘の予防。
便が腸にたまると、有毒物質が発生。解毒するために、肝臓が働きます。
ゴボウで便秘を防げば、肝臓が休むことができるんですね。
他には、ヒジキや昆布からも、良質な食物繊維を摂取できます。
町の人は、お酒対策として、「柿」を食べるのだそう。
福井県の名物である、干し柿。
南越前町では、独特の製法で、作られています。
「今庄つるし柿」

薪(まき)を焚(た)いた煙で柿をいぶすのが、特徴です。
これで、甘味を引き出す。
冷凍庫で冷凍すれば、1年間、保存できるのだとか。
柿の渋み成分である「タンニン」は、アルコールの吸収を抑制してくれるんです。
なので、悪酔い防止にも、二日酔いにも、効くんですよ。


次回は、土曜8時から、大晦日1時間スペシャルです。
テーマは、「身体の大そうじ」。
お見逃しなく。
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