熱中症とドライボディ 筋肉を増やす楽々ストレッチ/ためしてガッテン
今週のテーマは、「熱中症」。
ドライボディとは?
常に水分が失われている人(水分をためられない体)。
解剖学的には、脳が縮小する?
「水分たっぷり=筋肉が多い」
<筋肉を増やすトレーニング>
・インターバル速歩。
・楽々スクワット。
神奈川県立保健福祉大学 谷口英喜 教授の解説。
危険な脱水のサイン。
2015年7月15日放送の「ためしてガッテン」より、「暑さに勝つカラダへ! 熱中症&血液ドロドロ 一挙解決SP」からのメモ書きです。

□ ドライボディ

毎年、30万人以上が襲われるという、「熱中症」。
命に関わるケースだってあります。
そんな中、衝撃の情報が!
今年の4月に行われた調査。
元気で健康なお年寄りの体を詳しく調べたところ、多くの人に、予想もしてなかった異変が見つかったのです。
「体の血液の濃さを表す数値が高かった」
つまり、「脱水傾向」だと。
一見、健康な人たちのうち、推定400万人以上が、体の水分が常に足りていなかった。
しかも、ただ、水を飲むだけでは、解消されないのだという。
スタジオに登場したのは、2013年に発表されたイギリスの論文。
「Water-loss dehydration and aging」
水分喪失による脱水症に関する論文です。
ポイントは、「ドライボディ」。
熱中症になりやすい体質のこと。
「ドライボディの人」=「常に水分が失われている人」。
【体験談】
今年の4月、神奈川県 逗子市(ずしし)でのこと。
神奈川県立保健福祉大学の谷口英喜さんが、注目の調査を行いました。
65歳以上の健康なお年寄り130人の、体の水分量を調べたのです。
すると、予想もしてなかった事実が明らかになった。
なんと、7人に1人の割合で、体の水分が常に足りていない状態だったのです。
谷口先生は、春先なのに こんなに多いことに、驚いたといいます。
このペースだと、夏を迎える頃には、脱水の人は、さらに2倍近くにまで膨れ上がる可能性が。
今回の調査で脱水と判定された、83歳の女性。
そんなことは夢にも思ってなかったので、ショックでした。
それもそのはず、女性は誰よりも、脱水に気を遣っていたのです。
きっかけになったのは、去年の8月。
ある日、体に違和感を感じた。
とにかく、暑い。体はだるいし、首から頭にかけて、モヤモヤしました。
医師に相談してみると、軽い熱中症だという診断。
その日から、二度と熱中症にならないよう、努めて水を飲むようになった。
なのに、なぜ、脱水判定だったのでしょう?
この女性は、水分も塩分も、ちょうどいいぐらいの量を摂っていました。
冷房も、適度に使っています。
なのに、ドライボディだとの診断。
体重の1%、約500mlが、常に体から失われていました。
では、500ml、さらに追加で飲めばいい?
かと思ったら、違うそう。
女性は、「水分をためられない体」だったのです。
ドライボディの人は、日本に、推定で400~800万人もいるそう。
日本医科大学付属病院、高度救命救急センター。
夏になると、かなり重度の熱中症患者が運び込まれる、治療の最前線です。
患者さんには、どんなタイプの人が多いのでしょうか?
救急指導医の布施明 准教授が、教えてくれました。
「特に気を付けていただきたいのは、『ちょめいなるいそう』を認める方」
ちょめいなるいそう?
あるものが少ない人なのだという。
布施先生は、今日のゲスト3人の写真を見ただけで、見抜いちゃいました。
竜雷太さんと和田アキ子さんは、大丈夫みたいです。
ただ、山瀬まみさんは、それっぽい。『ちょめいなるいそう』を認める方に、当てはまるみたい。
竜さんと和田さんにはあって、山瀬さんにはないもの。
考えた末、山瀬さんは言った。「男らしさ?」
次に訪ねたのは、群馬大学医学部付属病院の 荻野祐一さん。
脱水のメカニズムに詳しい先生です。
水分を体にためられないと、どんな影響が出るのでしょうか?
荻野先生は、こう教えてくれた。
「解剖学的には、脳自体が縮小する」
脳の機能に、大きな影響が出るらしい。
脳のMRI画像。
「通常の脳」と「1%の脱水の脳」。

活発に働いているように見えるのは、「痛みを感じる部分」。
この部位が、非常に強く反応している。
1%の脱水状態では、同じ軽い刺激を加えただけでも、痛みが強く感じられます。
痛みに対して過敏になる、神経過敏のような状態。
痛みの過敏の他、イライラ、だるさ、集中力低下など。
様々な異変を引き起こしてしまう。
ところで、ドライボディの人には、何が足りないのでしょう?
□ 脱水実験

ここで、実験です。
体型と水分のためやすさには、関係があるのでしょうか?
脱水の研究をしている施設で、実験だ!
やせた人と、太めの人。
実験用のスペシャルサウナに、入ってもらいます。
水分をたくさん持っている人の方が、長く耐えられるはず。
協力していただいたのは、脱水の専門家である谷口英喜 先生。
危険があると判断したら、即ストップします。
サウナ内の温度は、48℃。
37分後、やせた人の体温が、39℃を突破。
ここで、ストップ。実験終了です。
太めの人は、どうでしょう。
体温が39℃を超え、40分で実験終了。
ということで、ほぼ同じでした。
今回実験に参加していただいた、やせた人、太めな人、両方が、ドライボディだったのです。
血液のドロドロさなどを調べた結果、体の水分が足りなくなっていました。
実は、実験参加者には、3人目がいた。
体重112kg と、かなり太めです。
同じ実験をしたのですが、汗の反応が早い。
体温の上昇も、ほとんどありません。
谷口先生 曰く、「熱を出すという働きが、すごく優れた方」。
30分を超えても、涼しい顔をしています。
汗はかいていますが、苦しくはないという。
結局、40分を経過しても、余裕だった。
3人目は、どんな人だったのでしょうか?
実はこの方、大学の相撲部に所属。
他の人との違いは、筋肉の量でした。
3人目の方は、他の2人に比べ、筋肉の割合が 1.2倍だった。
「水分たっぷり=筋肉が多い」
というわけで、山瀬まみさんが選ばれたのは、「筋肉が少なそうだから」という理由から。
筑波大学 数理物質科学研究科、巨瀬・寺田研究室。
特殊なMRIで、2種類の牛肉を見せてもらいました。
1つは、赤身。これは、筋肉にあたります。
もう1つは、脂身。こちらは、脂肪にあたる。
筋肉(赤身)は、水と同じように、水分がしっかりと写っています。
でも、脂身が多い方では、ほとんど写っていません。

実は、「筋肉には水分が80%も含まれている」。
それに対し、「脂肪の水分は20%」。
「筋肉は、水分をためこむタンクなのです」
体重60kgの、筋肉のある男性の場合。
20リットルの水分が、筋肉に蓄えられている。
ですが、筋肉の落ちた体重60kg のお年寄りの場合。
筋肉に蓄えられる水分は、半分の10リットルに。
ドライボディ → 水分をためられない人 → 筋肉の少ない人
□ 谷口英喜先生の解説
ここでスタジオに、専門家の先生が登場。
神奈川県立保健福祉大学の、谷口英喜 教授です。
一見、健康に見える人の中にも、脱水状態の人(暑い時に熱中症になりやすい人)が数多くいることが、分かってきました。
高齢者や、やせている人、特に筋肉量が少ない人が、それにあたります。
先述の「ちょめいなるいそう」ですが、漢字で書くと、「著明な羸痩」。
「著明」は、明白なという意味。
「羸痩(るいそう)」とは、やせて筋肉などが落ちている状態のこと。
今週、トーク部分で度々出てきた「二日酔い」という言葉。
先生によれば、二日酔いの症状の一部は、脱水によるものなのだそう。
筋肉が多く、体内の水分が多い人は、二日酔いによる脱水状態になりにくいのだそうです。
(他の要因も考えられるので、必ずとは言えませんが)
<脱水のサイン>
・口の中がネバネバする。
・脇の下が乾いている。
・皮膚をつまむと、あとが残る。
・便秘ぎみ。
・体重の急な減少。
手の甲を指でつまんで、ポンと離す。
この時、潤いがある人は、すぐに戻ります。
けれど、水分が少ない状態だと、時間がかかる。
3秒あとが残ったら、脱水の疑いが。
対策と予防。
<この夏の鉄則>
(1) 水分と塩分をこまめに摂る。
暑い環境を避けて、涼しい場所にいること。
(2) 十分な食事量を摂る。
(1食抜いただけでも、コップ2~3杯の水分が足りなくなります)
食欲がない時は、その分、水分補給を。

筋肉は、水分をためるタンク。
筋肉量が少ない人は、食事や水分補給に、注意してください。

ガッテン! ガッテン!
□ 熱中症対策のポイント
・筋肉が少ない人は、体の水タンクを常に一杯にするよう、心がける。
・ノドの渇きがなくても、こまめな水分補給を。
・食事から摂取する水分は、1日に1リットルあります。
・どうしても食べられない時は、意識して水分補給を。
・7月の後半は暑くなって、重度の熱中症が多発します。
・クーラーをつけるなどして、涼しい環境作りを。
□ 夏の楽々トレーニング

一番いいのは、筋肉をつけることですよね。
実は、下半身には、筋肉の6割が集中しています。
なので、ここを鍛えれば、効果的。
以前、ガッテンでお勧めしたのが、「インターバル速歩」。
普通の散歩の途中に、ややきつめの早歩きを、3分加える。
普通の歩き 3分 → ややきつめの早歩き 3分 → 普通の歩き 3分 → ややきつめの早歩き 3分
この繰り返しを、1日 15分~30分。週に4回。
番組の検証では、5か月で、筋肉量が約50%アップしました。
(注意点:気温が25℃を超えている場合は、無理をしないこと。帽子をかぶり、朝夕の涼しい時間帯にトレーニングを)
でも、夏場に早歩きは、たいへんですよね。
家の中でもできる運動は、ないものか…。
信州大学大学院 医学系研究科、能勢博 先生に教えてもらいました。
「筋肉に負荷をかけてやれば、その分、筋肉は太くなるんですね」
「運動の形態は、実は問わないんです」
たかせクリニックの高瀬義昌 先生も、この運動を勧めています。
300人の患者さんにやってもらったところ、毎年10人近くいた熱中症患者が、激減したらしい。
<楽々スクワット>
(1) 机やイスなどに、つかまります。
(2) 少しきついと感じるまで、スクワット。
(目安は、10回)
(3) 1日 2セット。

(ヒザや腰が悪い人は、無理しないで下さい)
(持病がある方は、かかりつけのお医者さんに相談を)
また、パワーアップアイテムも、あります。
すでに、インターバル速歩の回で、紹介してますね。
それは、「牛乳」。
運動が終わった後、30分以内に、コップ1杯を。
これが、筋肉増量の手助けになります。
これからの時期、怖いのが、「熱失神」。
暑さによる失神です。
暑い日に立ち上がると、急に、めまいと共に意識がなくなって、倒れてしまう。
熱失神の原因は、足の筋肉と深い関係があるのだそう。
寝て安静にしている時の足の血流量は、16.0でした。
これが、立ち上がると、どんどん増えた。
牛乳ビンに換算して、2~3本分の血液が、下半身にたまるのだそう。
これは、脱水と同じような状態で、血液の量が減ったと同じになる。
特に、夏場は要注意。
夏は、体の血管が広がっているので、ただでさえ足の方へ行きやすい血液が、一気に足にたまって、脳に血が行かなくなってしまいます。
でも、足に筋肉があれば、大丈夫。
足の筋肉がポンプの役割をして、血液を上半身に送り返してくれる。
そういった意味でも、足の筋肉を鍛えてください。
![NHKためしてガッテン 2015年 08 月号 [雑誌]](http://ecx.images-amazon.com/images/I/61XZ-WSq7rL._SX250_.jpg)

□

水分をためにくいタイプがあるんですね。
筋肉と関係しているのか。

暑い日は運動も億劫になりますが、適度に鍛えたいですね。
あとは、水分補給と食事。

食欲がない時は、せめて水分を摂りましょう。
次回は、「今こそ! ダニ撲滅宣言」。
ダニを100%殺せるって、ホント?


→ 「熱中症対策 塩分補給と牛乳」
→ 「3分筋トレ インターバル速歩でリンパ球を増やす」
→ 「紫外線対策 日傘は黒で?」
ドライボディとは?
常に水分が失われている人(水分をためられない体)。
解剖学的には、脳が縮小する?
「水分たっぷり=筋肉が多い」
<筋肉を増やすトレーニング>
・インターバル速歩。
・楽々スクワット。
神奈川県立保健福祉大学 谷口英喜 教授の解説。
危険な脱水のサイン。
2015年7月15日放送の「ためしてガッテン」より、「暑さに勝つカラダへ! 熱中症&血液ドロドロ 一挙解決SP」からのメモ書きです。

□ ドライボディ

毎年、30万人以上が襲われるという、「熱中症」。
命に関わるケースだってあります。
そんな中、衝撃の情報が!
今年の4月に行われた調査。
元気で健康なお年寄りの体を詳しく調べたところ、多くの人に、予想もしてなかった異変が見つかったのです。
「体の血液の濃さを表す数値が高かった」
つまり、「脱水傾向」だと。
一見、健康な人たちのうち、推定400万人以上が、体の水分が常に足りていなかった。
しかも、ただ、水を飲むだけでは、解消されないのだという。
スタジオに登場したのは、2013年に発表されたイギリスの論文。
「Water-loss dehydration and aging」
水分喪失による脱水症に関する論文です。
ポイントは、「ドライボディ」。
熱中症になりやすい体質のこと。
「ドライボディの人」=「常に水分が失われている人」。
【体験談】
今年の4月、神奈川県 逗子市(ずしし)でのこと。
神奈川県立保健福祉大学の谷口英喜さんが、注目の調査を行いました。
65歳以上の健康なお年寄り130人の、体の水分量を調べたのです。
すると、予想もしてなかった事実が明らかになった。
なんと、7人に1人の割合で、体の水分が常に足りていない状態だったのです。
谷口先生は、春先なのに こんなに多いことに、驚いたといいます。
このペースだと、夏を迎える頃には、脱水の人は、さらに2倍近くにまで膨れ上がる可能性が。
今回の調査で脱水と判定された、83歳の女性。
そんなことは夢にも思ってなかったので、ショックでした。
それもそのはず、女性は誰よりも、脱水に気を遣っていたのです。
きっかけになったのは、去年の8月。
ある日、体に違和感を感じた。
とにかく、暑い。体はだるいし、首から頭にかけて、モヤモヤしました。
医師に相談してみると、軽い熱中症だという診断。
その日から、二度と熱中症にならないよう、努めて水を飲むようになった。
なのに、なぜ、脱水判定だったのでしょう?
この女性は、水分も塩分も、ちょうどいいぐらいの量を摂っていました。
冷房も、適度に使っています。
なのに、ドライボディだとの診断。
体重の1%、約500mlが、常に体から失われていました。
では、500ml、さらに追加で飲めばいい?
かと思ったら、違うそう。
女性は、「水分をためられない体」だったのです。
ドライボディの人は、日本に、推定で400~800万人もいるそう。
日本医科大学付属病院、高度救命救急センター。
夏になると、かなり重度の熱中症患者が運び込まれる、治療の最前線です。
患者さんには、どんなタイプの人が多いのでしょうか?
救急指導医の布施明 准教授が、教えてくれました。
「特に気を付けていただきたいのは、『ちょめいなるいそう』を認める方」
ちょめいなるいそう?
あるものが少ない人なのだという。
布施先生は、今日のゲスト3人の写真を見ただけで、見抜いちゃいました。
竜雷太さんと和田アキ子さんは、大丈夫みたいです。
ただ、山瀬まみさんは、それっぽい。『ちょめいなるいそう』を認める方に、当てはまるみたい。
竜さんと和田さんにはあって、山瀬さんにはないもの。
考えた末、山瀬さんは言った。「男らしさ?」
次に訪ねたのは、群馬大学医学部付属病院の 荻野祐一さん。
脱水のメカニズムに詳しい先生です。
水分を体にためられないと、どんな影響が出るのでしょうか?
荻野先生は、こう教えてくれた。
「解剖学的には、脳自体が縮小する」
脳の機能に、大きな影響が出るらしい。
脳のMRI画像。
「通常の脳」と「1%の脱水の脳」。

活発に働いているように見えるのは、「痛みを感じる部分」。
この部位が、非常に強く反応している。
1%の脱水状態では、同じ軽い刺激を加えただけでも、痛みが強く感じられます。
痛みに対して過敏になる、神経過敏のような状態。
痛みの過敏の他、イライラ、だるさ、集中力低下など。
様々な異変を引き起こしてしまう。
ところで、ドライボディの人には、何が足りないのでしょう?
□ 脱水実験

ここで、実験です。
体型と水分のためやすさには、関係があるのでしょうか?
脱水の研究をしている施設で、実験だ!
やせた人と、太めの人。
実験用のスペシャルサウナに、入ってもらいます。
水分をたくさん持っている人の方が、長く耐えられるはず。
協力していただいたのは、脱水の専門家である谷口英喜 先生。
危険があると判断したら、即ストップします。
サウナ内の温度は、48℃。
37分後、やせた人の体温が、39℃を突破。
ここで、ストップ。実験終了です。
太めの人は、どうでしょう。
体温が39℃を超え、40分で実験終了。
ということで、ほぼ同じでした。
今回実験に参加していただいた、やせた人、太めな人、両方が、ドライボディだったのです。
血液のドロドロさなどを調べた結果、体の水分が足りなくなっていました。
実は、実験参加者には、3人目がいた。
体重112kg と、かなり太めです。
同じ実験をしたのですが、汗の反応が早い。
体温の上昇も、ほとんどありません。
谷口先生 曰く、「熱を出すという働きが、すごく優れた方」。
30分を超えても、涼しい顔をしています。
汗はかいていますが、苦しくはないという。
結局、40分を経過しても、余裕だった。
3人目は、どんな人だったのでしょうか?
実はこの方、大学の相撲部に所属。
他の人との違いは、筋肉の量でした。
3人目の方は、他の2人に比べ、筋肉の割合が 1.2倍だった。
「水分たっぷり=筋肉が多い」
というわけで、山瀬まみさんが選ばれたのは、「筋肉が少なそうだから」という理由から。
筑波大学 数理物質科学研究科、巨瀬・寺田研究室。
特殊なMRIで、2種類の牛肉を見せてもらいました。
1つは、赤身。これは、筋肉にあたります。
もう1つは、脂身。こちらは、脂肪にあたる。
筋肉(赤身)は、水と同じように、水分がしっかりと写っています。
でも、脂身が多い方では、ほとんど写っていません。

実は、「筋肉には水分が80%も含まれている」。
それに対し、「脂肪の水分は20%」。
「筋肉は、水分をためこむタンクなのです」
体重60kgの、筋肉のある男性の場合。
20リットルの水分が、筋肉に蓄えられている。
ですが、筋肉の落ちた体重60kg のお年寄りの場合。
筋肉に蓄えられる水分は、半分の10リットルに。
ドライボディ → 水分をためられない人 → 筋肉の少ない人
□ 谷口英喜先生の解説
ここでスタジオに、専門家の先生が登場。
神奈川県立保健福祉大学の、谷口英喜 教授です。
一見、健康に見える人の中にも、脱水状態の人(暑い時に熱中症になりやすい人)が数多くいることが、分かってきました。
高齢者や、やせている人、特に筋肉量が少ない人が、それにあたります。
先述の「ちょめいなるいそう」ですが、漢字で書くと、「著明な羸痩」。
「著明」は、明白なという意味。
「羸痩(るいそう)」とは、やせて筋肉などが落ちている状態のこと。
今週、トーク部分で度々出てきた「二日酔い」という言葉。
先生によれば、二日酔いの症状の一部は、脱水によるものなのだそう。
筋肉が多く、体内の水分が多い人は、二日酔いによる脱水状態になりにくいのだそうです。
(他の要因も考えられるので、必ずとは言えませんが)
<脱水のサイン>
・口の中がネバネバする。
・脇の下が乾いている。
・皮膚をつまむと、あとが残る。
・便秘ぎみ。
・体重の急な減少。
手の甲を指でつまんで、ポンと離す。
この時、潤いがある人は、すぐに戻ります。
けれど、水分が少ない状態だと、時間がかかる。
3秒あとが残ったら、脱水の疑いが。
対策と予防。
<この夏の鉄則>
(1) 水分と塩分をこまめに摂る。
暑い環境を避けて、涼しい場所にいること。
(2) 十分な食事量を摂る。
(1食抜いただけでも、コップ2~3杯の水分が足りなくなります)
食欲がない時は、その分、水分補給を。

筋肉は、水分をためるタンク。
筋肉量が少ない人は、食事や水分補給に、注意してください。

ガッテン! ガッテン!
□ 熱中症対策のポイント
・筋肉が少ない人は、体の水タンクを常に一杯にするよう、心がける。
・ノドの渇きがなくても、こまめな水分補給を。
・食事から摂取する水分は、1日に1リットルあります。
・どうしても食べられない時は、意識して水分補給を。
・7月の後半は暑くなって、重度の熱中症が多発します。
・クーラーをつけるなどして、涼しい環境作りを。
□ 夏の楽々トレーニング

一番いいのは、筋肉をつけることですよね。
実は、下半身には、筋肉の6割が集中しています。
なので、ここを鍛えれば、効果的。
以前、ガッテンでお勧めしたのが、「インターバル速歩」。
普通の散歩の途中に、ややきつめの早歩きを、3分加える。
普通の歩き 3分 → ややきつめの早歩き 3分 → 普通の歩き 3分 → ややきつめの早歩き 3分
この繰り返しを、1日 15分~30分。週に4回。
番組の検証では、5か月で、筋肉量が約50%アップしました。
(注意点:気温が25℃を超えている場合は、無理をしないこと。帽子をかぶり、朝夕の涼しい時間帯にトレーニングを)
でも、夏場に早歩きは、たいへんですよね。
家の中でもできる運動は、ないものか…。
信州大学大学院 医学系研究科、能勢博 先生に教えてもらいました。
「筋肉に負荷をかけてやれば、その分、筋肉は太くなるんですね」
「運動の形態は、実は問わないんです」
たかせクリニックの高瀬義昌 先生も、この運動を勧めています。
300人の患者さんにやってもらったところ、毎年10人近くいた熱中症患者が、激減したらしい。
<楽々スクワット>
(1) 机やイスなどに、つかまります。
(2) 少しきついと感じるまで、スクワット。
(目安は、10回)
(3) 1日 2セット。

(ヒザや腰が悪い人は、無理しないで下さい)
(持病がある方は、かかりつけのお医者さんに相談を)
また、パワーアップアイテムも、あります。
すでに、インターバル速歩の回で、紹介してますね。
それは、「牛乳」。
運動が終わった後、30分以内に、コップ1杯を。
これが、筋肉増量の手助けになります。
これからの時期、怖いのが、「熱失神」。
暑さによる失神です。
暑い日に立ち上がると、急に、めまいと共に意識がなくなって、倒れてしまう。
熱失神の原因は、足の筋肉と深い関係があるのだそう。
寝て安静にしている時の足の血流量は、16.0でした。
これが、立ち上がると、どんどん増えた。
牛乳ビンに換算して、2~3本分の血液が、下半身にたまるのだそう。
これは、脱水と同じような状態で、血液の量が減ったと同じになる。
特に、夏場は要注意。
夏は、体の血管が広がっているので、ただでさえ足の方へ行きやすい血液が、一気に足にたまって、脳に血が行かなくなってしまいます。
でも、足に筋肉があれば、大丈夫。
足の筋肉がポンプの役割をして、血液を上半身に送り返してくれる。
そういった意味でも、足の筋肉を鍛えてください。
![NHKためしてガッテン 2015年 08 月号 [雑誌]](http://ecx.images-amazon.com/images/I/61XZ-WSq7rL._SX250_.jpg)

□

水分をためにくいタイプがあるんですね。
筋肉と関係しているのか。

暑い日は運動も億劫になりますが、適度に鍛えたいですね。
あとは、水分補給と食事。

食欲がない時は、せめて水分を摂りましょう。
次回は、「今こそ! ダニ撲滅宣言」。
ダニを100%殺せるって、ホント?


→ 「熱中症対策 塩分補給と牛乳」
→ 「3分筋トレ インターバル速歩でリンパ球を増やす」
→ 「紫外線対策 日傘は黒で?」



ニセ熱中症&ゲリラ豪雨/健康カプセル! ゲンキの時間
今回のテーマは、「ニセ熱中症」。
熱中症かと思ったら、脳梗塞や心筋梗塞である場合も。
その見極めポイントとは?
ドクネット、昭和大学病院 救命救急センター長 三宅康史 医学博士。
麦茶の効能。
<夏の病気>
ゲリラ豪雨と低体温症。
冷たいものと、リンパ球の働き。
2014年7月27日放送の「健康カプセル! ゲンキの時間」より、「熱中症対策SP!~後編~」からのメモ書きです。

□ ニセ熱中症

熱中症だと思い、水分を補給したり、身体を冷やしたり、でも、一向に症状がよくならない。
それは、ひょっとしたら、「ニセ熱中症」かもしれません。
まずは、クイズから。
<Q:熱中症にかかると起こりやすい、意外な症状は? 次の3つから選んでください>
(a) 奥歯が痛む。
(b) 両手がしびれる。
(c) ろれつが回らない。
<答え>
(b) 両手がしびれる。
水分不足により、筋肉局所の塩分が不足します。さらに、高熱や血流障害などによる 筋肉や神経の異常によって、起こるそう。
<ニセ熱中症>
岐阜県に住む、56歳の男性。
猛暑が続いた4年前に、ニセ熱中症にかかりました。
暑い日が続いたある日、だんだん気分が悪くなった。
めまい、頭痛、倦怠感などを、感じました。
でも、その時は、熱中症の軽い段階かなと、思ったといいます。
そのまま放置していたのですが、ある朝、異変に気づいた。
左側の手足に、しびれがありました。
しかも、そのしびれは、時間と共に、身体の中心へと広がりはじめたのだという。
不安を感じた男性は、病院を受診。
医師の診断を聞いて、驚きました。
なんと、「脳梗塞」だと言われたのです。
軽い熱中症かと思っていたら、実は、脳梗塞だった。
これは、どういうことなんでしょう。
脳に詳しいお医者さんに、話をうかがいます。
虎の門病院 脳神経外科 部長の原貴行 医学博士は、こうおっしゃった。
「ニセ熱中症の正体は、脳梗塞や心筋梗塞といった、血管が詰まる病気です」
「症状自体が、めまいですとか、吐き気、全身の倦怠感、手足のしびれといった、熱中症に非常に似た症状ですので、間違える方が多いですね」
脳梗塞といえば、血管が収縮する冬に起こると、思われがちです。
ところが、患者数を見てみると、6月から8月の夏の時期に、増加しているのが分かります。
その理由は、血液に異常が生じるから。
では、血液は、どのようになってしまうのでしょう。
それを確かめるために、実験します。
<血液の実験>
まずは、気温約26℃、夏の快適な環境で、過ごしてもらいます。水分も、十分に補給してもらいました。
30分後、指先から採血し、血液の状態を、観察します。
この時の血液では、丸い赤血球がよく動いているのが見えます。つまり、血液の流れがよい、いわば、サラサラ状態。
次に、水分を補給せずに、30分間、汗をかいてもらいました。約30℃の気温の中、一人はテニスをプレイ。もう一人には、スーツ姿で、歩いてもらいましたよ。二人とも、30分後には、汗でびっしょりです。
この状態で、指から採血。血液を観察しました。
結果は、こちら。

右の画像を見ると、赤血球が鎖にように重なり合って、動いていません。血液の流れが、悪くなってるんですね。
たった30分で、血液はドロドロ状態になってしまった。
(ちなみに、実験後に、スポーツドリンク 500ml を飲んでもらったところ、すぐに血液は元の状態に戻ったそうです)
「水分不足、脱水になると、血液の粘度が上がり、血栓ができやすくなってしまう」
「これが、脳や心臓の血管を詰まらせ、脳梗塞や心筋梗塞の原因に」
仕事終りのビールを楽しむため、水分補給を我慢する人もいるようです。
でも、これは危険な行為。
「猛暑日の場合、約10分の発汗でも、血液に変化が現れ、1時間後には、かなり危険な状態になってしまいます」
「特に高齢者や、高血圧などの持病がある人は、要注意!」
<予防>
1時間にコップ1杯の水を、ノドが渇く前に、飲みましょう。
これは、熱中症とニセ熱中症、両方に効果がある。
<麦茶の効果>
水分補給には、「麦茶」がオススメ。
麦茶に入っている「ピラジン」という成分が、血液をサラサラにする効果があるといわれている。
脳梗塞や心筋梗塞は、発見が遅れると、後遺症が残ったり、死に至るケースも。
早めの対処が大切です。
□ ニセ熱中症を見極めるポイント
<脳梗塞の場合>
脳梗塞は、左右のどちらかの血管に起きやすく、症状は反対側の体に現れます。そのため、身体の片側に、異変が起こる。
・片側の腕がしびれる。
・片側の足の動きが悪い。
(つまづきやすかったり、スリッパが脱げやすいことも、サイン)
・ろれつが回らない。
このような症状は、短時間で消えてしまうこともあるので、注意が必要。
<心筋梗塞の場合>
心臓がある身体の左側に、痛みを感じる。
・左胸が、圧迫されるように、痛む。
・左腕だけが、痛む。
・虫歯ではないのに、左奥歯が痛む。
熱中症の陰に、脳梗塞や心筋梗塞など、大きな病気が隠れている場合があります。
上のような症状があれば、熱中症だと決めつけずに、早めに、病院を受診してください。
□ ドクネット
昭和大学病院 救命救急センター長 三宅康史 医学博士に、お話を伺います。
「夏の暑さは、身体にいろんな影響を与える」
「水分補給しないと、脳梗塞や心筋梗塞を起こすもとになる」
「また、熱中症そのものが、いろんな病気を合併することも」
「倒れている人がいたら、涼しい場所に移し、楽な姿勢にし、ベルトや服をゆるめたりと、安静にさせる」
「意識が無い時は、水分は与えない。これは、誤嚥(ごえん)の危険があるため」
□ 怖ろしい夏の病
2013年7月27日。都内で行われた野外コンサートで、75人もの観客が、次々に体調不良を訴えるという事態が。中には、救急搬送される人までいたといいます。
その原因は、「低体温症」だった。
でも、どうして、真夏の都心で、低体温症が起こってしまったのでしょう?
原因は、「ゲリラ豪雨」にありました。
低体温症とは、体温が35℃以下になり、身体の機能が低下して起きる、様々な症状のこと。
まずは、震えや歩行困難などが現れ、32℃を下回ると、錯乱状態に陥り、判断力が低下してしまいます。最悪の場合、死に至るケースも。
救急搬送される人まで出た 2013年7月27日の東京は、どんな天候だったのでしょう?
日本気象協会の気象予報士、藏田英之さんに、調べてもらいました。
東京には、非常に強い雨雲が、各地に出ていたのだという。
気温は急激に低下、最大で約50mm/h の激しい雨と、風速8m/s という激しい風が吹いたらしい。
さらに、1時間の間に、気温が急激に低下。6℃も下がった。
千葉県松戸市にある、国土交通省 関東技術事務所。
「降雨体験車」で、雨と風を体験させてもらいました。
まずは、40mm/h の雨から。
2分も経つと、手足の先から冷えはじめ、体が細かく震えはじめました。
3分後に、実験は終了。この時、体温は、0.2℃ 低下していた。
かなり寒かったとのこと。
次に、8m/s の風を受けます。
すると、腕に、しびれるような冷えを感じるようになった。
次第に、呼吸もしづらくなり、制御できない全身の震えに襲われました。
ここで、ドクターストップ。
この時、体温は、1.2℃も、下がってしまっていた。
雨に打たれ、クーラーの効いた場所に、逃げ込む。
そうすることで、低体温症になることも。
身体が濡れていると、冷えた室内で、体温を奪われてしまいます。
いつでも起こり得る、低体温症。
注意してください。
□ 冷たい飲み物
東京有明医療大学の川嶋朗 教授は、こう教えてくれました。
「冷たいものを摂りますと、腸管の血管が収縮しまして、腸の血流が悪くなります」
「そうなると、腸は冷えた状態ですので、リンパ球の働きが落ち、免疫力が低下することになります」
リンパ球とは、免疫を司る細胞。その働きが悪くなると、外敵から身を守ることができなくなります。
腸には、全身のリンパ球の、60~70%が集まっている。
腸が冷えて働きが低下すると、夏風邪や食あたりの危険性が。
熱中症対策に不可欠な、水分補給。
しかし、冷たいものの飲み過ぎは、腸の働きを弱め、水分を吸収する能力を、低下させてしまう。
結果、熱中症になるリスクも、高めてしまいます。
腸が疲れてきたなと思ったら、あたたかい飲み物を選ぶなど、腸をいたわりましょう。
□ ゲリラ豪雨の回数
最後に、クイズです。
<Q:2013年7月末~9月末における 東京都でのゲリラ豪雨の回数は?>
<答え>
116回。
ゲリラ豪雨に遭遇したら、風と雨を避けられる場所に逃げ込むことが、第一。
できれば、身体を拭いて、乾いた衣服に着替える。
雨の予報が出ている際の外出には、チャック付きのポリ袋に、タオルやTシャツを入れて持ち歩くとよい。

[感想]

たった10分で血液に異変が生じるなんて、猛暑は怖いですね。

水分補給って、ホントに大事なんだ。

ビールのために水を飲むのをガマンって、昔やってたけど、よくなかったんだな~。

麦茶の効能には、納得。
昔から残っているものには、意味があるんだ。

前編はこちら → 「熱中症対策SP 2つの危険な時期」
熱中症かと思ったら、脳梗塞や心筋梗塞である場合も。
その見極めポイントとは?
ドクネット、昭和大学病院 救命救急センター長 三宅康史 医学博士。
麦茶の効能。
<夏の病気>
ゲリラ豪雨と低体温症。
冷たいものと、リンパ球の働き。
2014年7月27日放送の「健康カプセル! ゲンキの時間」より、「熱中症対策SP!~後編~」からのメモ書きです。

□ ニセ熱中症

熱中症だと思い、水分を補給したり、身体を冷やしたり、でも、一向に症状がよくならない。
それは、ひょっとしたら、「ニセ熱中症」かもしれません。
まずは、クイズから。
<Q:熱中症にかかると起こりやすい、意外な症状は? 次の3つから選んでください>
(a) 奥歯が痛む。
(b) 両手がしびれる。
(c) ろれつが回らない。
<答え>
(b) 両手がしびれる。
水分不足により、筋肉局所の塩分が不足します。さらに、高熱や血流障害などによる 筋肉や神経の異常によって、起こるそう。
<ニセ熱中症>
岐阜県に住む、56歳の男性。
猛暑が続いた4年前に、ニセ熱中症にかかりました。
暑い日が続いたある日、だんだん気分が悪くなった。
めまい、頭痛、倦怠感などを、感じました。
でも、その時は、熱中症の軽い段階かなと、思ったといいます。
そのまま放置していたのですが、ある朝、異変に気づいた。
左側の手足に、しびれがありました。
しかも、そのしびれは、時間と共に、身体の中心へと広がりはじめたのだという。
不安を感じた男性は、病院を受診。
医師の診断を聞いて、驚きました。
なんと、「脳梗塞」だと言われたのです。
軽い熱中症かと思っていたら、実は、脳梗塞だった。
これは、どういうことなんでしょう。
脳に詳しいお医者さんに、話をうかがいます。
虎の門病院 脳神経外科 部長の原貴行 医学博士は、こうおっしゃった。
「ニセ熱中症の正体は、脳梗塞や心筋梗塞といった、血管が詰まる病気です」
「症状自体が、めまいですとか、吐き気、全身の倦怠感、手足のしびれといった、熱中症に非常に似た症状ですので、間違える方が多いですね」
脳梗塞といえば、血管が収縮する冬に起こると、思われがちです。
ところが、患者数を見てみると、6月から8月の夏の時期に、増加しているのが分かります。
その理由は、血液に異常が生じるから。
では、血液は、どのようになってしまうのでしょう。
それを確かめるために、実験します。
<血液の実験>
まずは、気温約26℃、夏の快適な環境で、過ごしてもらいます。水分も、十分に補給してもらいました。
30分後、指先から採血し、血液の状態を、観察します。
この時の血液では、丸い赤血球がよく動いているのが見えます。つまり、血液の流れがよい、いわば、サラサラ状態。
次に、水分を補給せずに、30分間、汗をかいてもらいました。約30℃の気温の中、一人はテニスをプレイ。もう一人には、スーツ姿で、歩いてもらいましたよ。二人とも、30分後には、汗でびっしょりです。
この状態で、指から採血。血液を観察しました。
結果は、こちら。

右の画像を見ると、赤血球が鎖にように重なり合って、動いていません。血液の流れが、悪くなってるんですね。
たった30分で、血液はドロドロ状態になってしまった。
(ちなみに、実験後に、スポーツドリンク 500ml を飲んでもらったところ、すぐに血液は元の状態に戻ったそうです)
「水分不足、脱水になると、血液の粘度が上がり、血栓ができやすくなってしまう」
「これが、脳や心臓の血管を詰まらせ、脳梗塞や心筋梗塞の原因に」
仕事終りのビールを楽しむため、水分補給を我慢する人もいるようです。
でも、これは危険な行為。
「猛暑日の場合、約10分の発汗でも、血液に変化が現れ、1時間後には、かなり危険な状態になってしまいます」
「特に高齢者や、高血圧などの持病がある人は、要注意!」
<予防>
1時間にコップ1杯の水を、ノドが渇く前に、飲みましょう。
これは、熱中症とニセ熱中症、両方に効果がある。
<麦茶の効果>
水分補給には、「麦茶」がオススメ。
麦茶に入っている「ピラジン」という成分が、血液をサラサラにする効果があるといわれている。
脳梗塞や心筋梗塞は、発見が遅れると、後遺症が残ったり、死に至るケースも。
早めの対処が大切です。
□ ニセ熱中症を見極めるポイント
<脳梗塞の場合>
脳梗塞は、左右のどちらかの血管に起きやすく、症状は反対側の体に現れます。そのため、身体の片側に、異変が起こる。
・片側の腕がしびれる。
・片側の足の動きが悪い。
(つまづきやすかったり、スリッパが脱げやすいことも、サイン)
・ろれつが回らない。
このような症状は、短時間で消えてしまうこともあるので、注意が必要。
<心筋梗塞の場合>
心臓がある身体の左側に、痛みを感じる。
・左胸が、圧迫されるように、痛む。
・左腕だけが、痛む。
・虫歯ではないのに、左奥歯が痛む。
熱中症の陰に、脳梗塞や心筋梗塞など、大きな病気が隠れている場合があります。
上のような症状があれば、熱中症だと決めつけずに、早めに、病院を受診してください。
□ ドクネット
昭和大学病院 救命救急センター長 三宅康史 医学博士に、お話を伺います。
「夏の暑さは、身体にいろんな影響を与える」
「水分補給しないと、脳梗塞や心筋梗塞を起こすもとになる」
「また、熱中症そのものが、いろんな病気を合併することも」
「倒れている人がいたら、涼しい場所に移し、楽な姿勢にし、ベルトや服をゆるめたりと、安静にさせる」
「意識が無い時は、水分は与えない。これは、誤嚥(ごえん)の危険があるため」
□ 怖ろしい夏の病
2013年7月27日。都内で行われた野外コンサートで、75人もの観客が、次々に体調不良を訴えるという事態が。中には、救急搬送される人までいたといいます。
その原因は、「低体温症」だった。
でも、どうして、真夏の都心で、低体温症が起こってしまったのでしょう?
原因は、「ゲリラ豪雨」にありました。
低体温症とは、体温が35℃以下になり、身体の機能が低下して起きる、様々な症状のこと。
まずは、震えや歩行困難などが現れ、32℃を下回ると、錯乱状態に陥り、判断力が低下してしまいます。最悪の場合、死に至るケースも。
救急搬送される人まで出た 2013年7月27日の東京は、どんな天候だったのでしょう?
日本気象協会の気象予報士、藏田英之さんに、調べてもらいました。
東京には、非常に強い雨雲が、各地に出ていたのだという。
気温は急激に低下、最大で約50mm/h の激しい雨と、風速8m/s という激しい風が吹いたらしい。
さらに、1時間の間に、気温が急激に低下。6℃も下がった。
千葉県松戸市にある、国土交通省 関東技術事務所。
「降雨体験車」で、雨と風を体験させてもらいました。
まずは、40mm/h の雨から。
2分も経つと、手足の先から冷えはじめ、体が細かく震えはじめました。
3分後に、実験は終了。この時、体温は、0.2℃ 低下していた。
かなり寒かったとのこと。
次に、8m/s の風を受けます。
すると、腕に、しびれるような冷えを感じるようになった。
次第に、呼吸もしづらくなり、制御できない全身の震えに襲われました。
ここで、ドクターストップ。
この時、体温は、1.2℃も、下がってしまっていた。
雨に打たれ、クーラーの効いた場所に、逃げ込む。
そうすることで、低体温症になることも。
身体が濡れていると、冷えた室内で、体温を奪われてしまいます。
いつでも起こり得る、低体温症。
注意してください。
□ 冷たい飲み物
東京有明医療大学の川嶋朗 教授は、こう教えてくれました。
「冷たいものを摂りますと、腸管の血管が収縮しまして、腸の血流が悪くなります」
「そうなると、腸は冷えた状態ですので、リンパ球の働きが落ち、免疫力が低下することになります」
リンパ球とは、免疫を司る細胞。その働きが悪くなると、外敵から身を守ることができなくなります。
腸には、全身のリンパ球の、60~70%が集まっている。
腸が冷えて働きが低下すると、夏風邪や食あたりの危険性が。
熱中症対策に不可欠な、水分補給。
しかし、冷たいものの飲み過ぎは、腸の働きを弱め、水分を吸収する能力を、低下させてしまう。
結果、熱中症になるリスクも、高めてしまいます。
腸が疲れてきたなと思ったら、あたたかい飲み物を選ぶなど、腸をいたわりましょう。
□ ゲリラ豪雨の回数
最後に、クイズです。
<Q:2013年7月末~9月末における 東京都でのゲリラ豪雨の回数は?>
<答え>
116回。
ゲリラ豪雨に遭遇したら、風と雨を避けられる場所に逃げ込むことが、第一。
できれば、身体を拭いて、乾いた衣服に着替える。
雨の予報が出ている際の外出には、チャック付きのポリ袋に、タオルやTシャツを入れて持ち歩くとよい。

[感想]

たった10分で血液に異変が生じるなんて、猛暑は怖いですね。

水分補給って、ホントに大事なんだ。

ビールのために水を飲むのをガマンって、昔やってたけど、よくなかったんだな~。

麦茶の効能には、納得。
昔から残っているものには、意味があるんだ。

前編はこちら → 「熱中症対策SP 2つの危険な時期」
tag : 健康カプセル!ゲンキの時間 暑さ対策 熱中症



熱中症対策SP 2つの危険な時期/健康カプセル! ゲンキの時間
今回のテーマは、「熱中症」。
2つの危険な時期。
7月下旬と8月中旬。
梅雨明けに注意。
身体を暑さに慣らすこと。
風鈴職人に学ぶ、熱中症対策。
炭酸水の効能。
トマトやキュウリと、カリウムの効果。
夏野菜のクールダウン料理。
<地中海風そうめん>
どこを冷やせばいい?
エアコンの使い方のポイント。
2014年7月20日(日)放送の「健康カプセル! ゲンキの時間」より、「熱中症対策SP!」からのメモ書きです。

□ 2つの危険な時期

夏で怖いのが、「熱中症」。
熱中症により救急搬送された人の数は、毎年4万人以上なんです。
平成22年で、56,119人。
平成23年で、46,469人。
平成24年で、45,701人。
平成25年で、58,729人。
昭和大学病院 救命救急センター長の 三宅康史 医学博士は、こうおっしゃいました。
「熱中症には2回、危険な時期があります」
「1回目は今まさに、この時期」
1つ目のピークは、「7月下旬」。
2つ目のピークは、「8月中旬」。
この危険な2つの波を、どうやって乗り越えればいいのでしょうか?
熱中症予防のプロに、学びましょう。
その前に、問題です。
<Q:7月下旬と8月中旬。この2つの時期に熱中症が増える理由は?>
<答え>
第一波の原因は、「梅雨明けに生じる気温の急上昇」。
梅雨が明けると、グ~ンと気温が上がりますよね。
でも、それ以外にも、原因があります。
カギとなるのは、梅雨明け特有の天気。
そこで、東京都豊島区にある日本気象協会で、気象予報士の藏田英之さんに、お話を伺いました。
藏田さんによると、気温だけではなく、「湿度」も重要な要素となるそう。
本来体温は、汗が蒸発することで、下がります。ところが、湿度が高いと汗が蒸発しにくくなり、体温が上がったままになるんです。
「気温がさほど上がらなくても、湿度の方が高くて、熱中症の危険度が高まる」といった場合もあるようです。
実際、過去には、「気温23℃ 湿度86%」の日に、搬送者数が増えた例があります。
「第一波である梅雨明けの時期は、気温・湿度ともに高く、危険!」
取材中のペナルティー・ヒデさんの前に現れたのは、「熱中くん」。
熱中症ゼロのために働く、日本気象協会のキャラクターなんですよ。

熱中くんがオススメするのは、熱中症計。
熱中症計とは、気温と湿度から、熱中症の危険度を表示してくれる、便利グッズ。
危険度が簡単に分かるので、高齢者や子どもに、オススメだとのこと。
さらに、天気予報の熱中症情報を、こまめに見ることも、大切です。
<熱中症の危険レベル>
危険:外出はなるべく避ける。
厳重警戒:炎天下を避け室内でも注意。
警戒:運動する時は注意。
注意:激しい運動や重労働時は注意。
第一波の気候に対応するには、身体をケアすることも、大切です。
昭和大学の三宅先生に、どんな人が熱中症になりやすいのか、聞いてみました。
「暑熱順化、暑さ慣れできてない人が、もっともターゲットになると思いますね」
暑熱順化とは、身体が暑さに適応した状態のこと。
例えば、梅雨の時期に、冷房の効いた涼しい部屋で多く過ごしていると、身体が暑さに慣れず、気温の上昇についていけなくなります。
つまり、「第一波を乗り越えるには、身体を暑さに慣らす必要がある」。
□ 暑さのプロに学ぶ 熱中症対策
ヒデさんが訪れたのは、東京都は大東区の「篠原まるよし風鈴」。
暑さ対策のプロとは、風鈴職人さんでした。
さっそく、仕事場を拝見。
なんと、ガラスが溶けている温度は、1250℃。
こりゃ、暑いなんてもんじゃない。
暑さを癒してくれる風鈴ですが、その製作現場は、過酷そのものなんです。
窯(かま)の前は45℃ぐらいあるのですが、そこに10時間も立つのだそう。
<炭酸水>
職人さんが摂る水分は、1日に、2リットルから3リットル。
脱水症状になるのを防ぐため、こまめに水分を補給します。
しかも、飲んでいるのは、ただの水ではなく、「炭酸水」。
実は炭酸水には、血行をよくし、胃の働きを活発にする効果があります。
すると、水分を吸収する小腸に、水が早く送られ、さらに、吸収機能もアップ。
脱水になるのを素早く防ぎ、熱中症の予防につながります。
たくさんの汗をかいた時には、水よりも、炭酸水がおすすめ。
<お風呂>
職人さんは、毎朝、41℃の朝風呂に入っているそうです。
実はこれ、冷房の中で過ごすことの多い、暑熱順化できてない人には、特にオススメの方法。
暑熱順化のポイントは、汗をかくこと。
朝風呂で身体を暑い環境に慣らすことは、汗をかく訓練にもなり、その日1日、多くの汗が出るようになるんです。
お風呂以外にも、朝や夕方の気温が低い時に運動して、汗をかくのも、効果的。
(炎天下でウォーキングする場合など、帽子や水分補給を忘れずに)
<食事>
食卓に並んだのは、キュウリやトマトをたくさん使った料理。
なんでも、父親の代から、食べてきたそうです。
そこで、管理栄養士で食生活アドバイザーの、堀知佐子さんに、聞いてみました。
夏野菜は太陽をいっぱい浴びているにもかかわらず、みずみずしい。
これは、カリウムが入っているから。
キュウリやトマトなど、夏野菜には、身体の水分バランスを保つ、カリウムが豊富なんです。
汗と一緒にカリウムが失われてしまうと、脱水になりやす。
なので、カリウムは、夏に特に必要な栄養素。
(ただし、腎臓が悪いなどして、カリウムに制限がある人は、注意してください)
また、トマトに含まれるリコピンや、ナスに含まれるナスニンには、抗酸化作用があり、紫外線や暑さによるダメージから、身体を回復させてくれる効果がります。
<おすすめの夏野菜>
<クールダウン料理>
<地中海風そうめん>
材料:2人分
トマトジュース:150cc
出汁:70cc
味噌:15g
鷹の爪:1/2本
オリーブオイル:大さじ1
ニンニク:1/2個
玉ネギ:1/4個
キュウリ:1/2本
ナス:1/2本
(1) 食感をよくするため、キュウリの種の部分を、スプーンなどで取り除く。
キュウリとナスは、斜めに薄く切り、3%の塩水に、10分間つける。
(2) フライパンにオリーブオイルを加え、みじん切りにしたニンニクとタマネギ、鷹の爪を、弱火で炒める。
(3) ボウルに味噌を入れ、出汁とトマトジュースを加えて、溶きます。
これに、塩水を絞ったキュウリとナス、炒めたニンニクとタマネギを加え、混ぜましょう。
これで、麺つゆの完成。
そうめんは、袋の表示通りに、ゆでてください。

熱中症対策に、ピッタリ!
栄養満点の、地中海風そうめん。
□ どこを冷やす? 熱中症クイズ
<Q:熱中症で倒れた人がいた時、身体のどの部分を冷やせばいいでしょう?>
<答え>
首筋、脇の下、足の付け根。
ここには、太い血管が通っているので、冷やすと効果的。
逆に、冷やすといけないのは、「おでこ」。
おでこを冷やすと、身体が冷えたと脳が判断し、熱を下げられなくなってしまう。
□ 第二波の原因
8月中旬にやって来る、熱中症の第二波。
そこは、夏場もっとも高くなる気温と、もう1つの原因があります。
第二波の原因は、「夏の疲労」。
では、涼しい部屋と暑い部屋では、どんな違いがあるのでしょう?
気温32℃、湿度70%という、真夏に設定した部屋で、1時間過ごしてもらいました。
すると、全員の疲労度がアップしてたんです。
3人中、2人は、疲労度が 5.26と11.28に上昇。
ちなみに、疲労度5以上は、徹夜した時と同じ疲労なんだとか。
しかも、本人たちに、疲れたという自覚はありませんでした。
実は、これが大問題。
本人が気づかない内に、疲労がどんどん蓄積。
徐々に身体が蝕まれ、暑さがピークを迎える8月中旬に、熱中症にかかりやすくなってしまいます。
では、熱中症の第二波を乗り切るには、どうしたらいいんでしょう?
そこで大切なのは、毎日の疲れをリセットする、「睡眠」。
十分、クーラーが効いた部屋で、ぐっすり眠るのが、疲れを溜めないひとつの方法です。
<エアコンの使い方のポイント>
人は睡眠中、眠りに入ってから4時間後に、もっとも体温が下がります。
そのため、この時間に冷房がついていると、身体が冷え切ってしまう。
オススメは、タイマー機能で3時間後に切れるようにし、5時間後に再びスイッチが入るようにすること。
設定温度は、28℃に。
これで、快適な睡眠がとれます。
(あとは、各自にあわせて、調整してください)
□ その他
家の中で倒れる人は、救急搬送される患者さんの、約40%。
家の中も、かなり暑くなっているようです。
<家での熱中症予防>
こまめに水分をとる。
暑い時は無理せずに、クーラーをつける。

[感想]

暑い部屋にいるだけで、知らず知らず、すごく疲れてるんだ。
クーラーはできるだけ使わない主義だけど、猛暑日とかは、考え直さないといけないな。

しっかり睡眠をとることも、大切なようですね。
キュウリとトマトを使った料理にも、チャレンジしようっと。

[熱中症に関する記事]
→ 「夏の応急手当~誤飲に熱中症~/カラダのキモチ」
→ 「熱中症対策 塩分補給と牛乳/ためしてガッテン」
→ 「今夜からできる快眠術!/あさイチ」
2つの危険な時期。
7月下旬と8月中旬。
梅雨明けに注意。
身体を暑さに慣らすこと。
風鈴職人に学ぶ、熱中症対策。
炭酸水の効能。
トマトやキュウリと、カリウムの効果。
夏野菜のクールダウン料理。
<地中海風そうめん>
どこを冷やせばいい?
エアコンの使い方のポイント。
2014年7月20日(日)放送の「健康カプセル! ゲンキの時間」より、「熱中症対策SP!」からのメモ書きです。

□ 2つの危険な時期

夏で怖いのが、「熱中症」。
熱中症により救急搬送された人の数は、毎年4万人以上なんです。
平成22年で、56,119人。
平成23年で、46,469人。
平成24年で、45,701人。
平成25年で、58,729人。
昭和大学病院 救命救急センター長の 三宅康史 医学博士は、こうおっしゃいました。
「熱中症には2回、危険な時期があります」
「1回目は今まさに、この時期」
1つ目のピークは、「7月下旬」。
2つ目のピークは、「8月中旬」。
この危険な2つの波を、どうやって乗り越えればいいのでしょうか?
熱中症予防のプロに、学びましょう。
その前に、問題です。
<Q:7月下旬と8月中旬。この2つの時期に熱中症が増える理由は?>
<答え>
第一波の原因は、「梅雨明けに生じる気温の急上昇」。
梅雨が明けると、グ~ンと気温が上がりますよね。
でも、それ以外にも、原因があります。
カギとなるのは、梅雨明け特有の天気。
そこで、東京都豊島区にある日本気象協会で、気象予報士の藏田英之さんに、お話を伺いました。
藏田さんによると、気温だけではなく、「湿度」も重要な要素となるそう。
本来体温は、汗が蒸発することで、下がります。ところが、湿度が高いと汗が蒸発しにくくなり、体温が上がったままになるんです。
「気温がさほど上がらなくても、湿度の方が高くて、熱中症の危険度が高まる」といった場合もあるようです。
実際、過去には、「気温23℃ 湿度86%」の日に、搬送者数が増えた例があります。
「第一波である梅雨明けの時期は、気温・湿度ともに高く、危険!」
取材中のペナルティー・ヒデさんの前に現れたのは、「熱中くん」。
熱中症ゼロのために働く、日本気象協会のキャラクターなんですよ。

熱中くんがオススメするのは、熱中症計。
熱中症計とは、気温と湿度から、熱中症の危険度を表示してくれる、便利グッズ。
危険度が簡単に分かるので、高齢者や子どもに、オススメだとのこと。
さらに、天気予報の熱中症情報を、こまめに見ることも、大切です。
<熱中症の危険レベル>
危険:外出はなるべく避ける。
厳重警戒:炎天下を避け室内でも注意。
警戒:運動する時は注意。
注意:激しい運動や重労働時は注意。
第一波の気候に対応するには、身体をケアすることも、大切です。
昭和大学の三宅先生に、どんな人が熱中症になりやすいのか、聞いてみました。
「暑熱順化、暑さ慣れできてない人が、もっともターゲットになると思いますね」
暑熱順化とは、身体が暑さに適応した状態のこと。
例えば、梅雨の時期に、冷房の効いた涼しい部屋で多く過ごしていると、身体が暑さに慣れず、気温の上昇についていけなくなります。
つまり、「第一波を乗り越えるには、身体を暑さに慣らす必要がある」。
□ 暑さのプロに学ぶ 熱中症対策
ヒデさんが訪れたのは、東京都は大東区の「篠原まるよし風鈴」。
暑さ対策のプロとは、風鈴職人さんでした。
さっそく、仕事場を拝見。
なんと、ガラスが溶けている温度は、1250℃。
こりゃ、暑いなんてもんじゃない。
暑さを癒してくれる風鈴ですが、その製作現場は、過酷そのものなんです。
窯(かま)の前は45℃ぐらいあるのですが、そこに10時間も立つのだそう。
<炭酸水>
職人さんが摂る水分は、1日に、2リットルから3リットル。
脱水症状になるのを防ぐため、こまめに水分を補給します。
しかも、飲んでいるのは、ただの水ではなく、「炭酸水」。
実は炭酸水には、血行をよくし、胃の働きを活発にする効果があります。
すると、水分を吸収する小腸に、水が早く送られ、さらに、吸収機能もアップ。
脱水になるのを素早く防ぎ、熱中症の予防につながります。
たくさんの汗をかいた時には、水よりも、炭酸水がおすすめ。
<お風呂>
職人さんは、毎朝、41℃の朝風呂に入っているそうです。
実はこれ、冷房の中で過ごすことの多い、暑熱順化できてない人には、特にオススメの方法。
暑熱順化のポイントは、汗をかくこと。
朝風呂で身体を暑い環境に慣らすことは、汗をかく訓練にもなり、その日1日、多くの汗が出るようになるんです。
お風呂以外にも、朝や夕方の気温が低い時に運動して、汗をかくのも、効果的。
(炎天下でウォーキングする場合など、帽子や水分補給を忘れずに)
<食事>
食卓に並んだのは、キュウリやトマトをたくさん使った料理。
なんでも、父親の代から、食べてきたそうです。
そこで、管理栄養士で食生活アドバイザーの、堀知佐子さんに、聞いてみました。
夏野菜は太陽をいっぱい浴びているにもかかわらず、みずみずしい。
これは、カリウムが入っているから。
キュウリやトマトなど、夏野菜には、身体の水分バランスを保つ、カリウムが豊富なんです。
汗と一緒にカリウムが失われてしまうと、脱水になりやす。
なので、カリウムは、夏に特に必要な栄養素。
(ただし、腎臓が悪いなどして、カリウムに制限がある人は、注意してください)
また、トマトに含まれるリコピンや、ナスに含まれるナスニンには、抗酸化作用があり、紫外線や暑さによるダメージから、身体を回復させてくれる効果がります。
<おすすめの夏野菜>
<クールダウン料理>
<地中海風そうめん>
材料:2人分
トマトジュース:150cc
出汁:70cc
味噌:15g
鷹の爪:1/2本
オリーブオイル:大さじ1
ニンニク:1/2個
玉ネギ:1/4個
キュウリ:1/2本
ナス:1/2本
(1) 食感をよくするため、キュウリの種の部分を、スプーンなどで取り除く。
キュウリとナスは、斜めに薄く切り、3%の塩水に、10分間つける。
(2) フライパンにオリーブオイルを加え、みじん切りにしたニンニクとタマネギ、鷹の爪を、弱火で炒める。
(3) ボウルに味噌を入れ、出汁とトマトジュースを加えて、溶きます。
これに、塩水を絞ったキュウリとナス、炒めたニンニクとタマネギを加え、混ぜましょう。
これで、麺つゆの完成。
そうめんは、袋の表示通りに、ゆでてください。

熱中症対策に、ピッタリ!
栄養満点の、地中海風そうめん。
□ どこを冷やす? 熱中症クイズ
<Q:熱中症で倒れた人がいた時、身体のどの部分を冷やせばいいでしょう?>
<答え>
首筋、脇の下、足の付け根。
ここには、太い血管が通っているので、冷やすと効果的。
逆に、冷やすといけないのは、「おでこ」。
おでこを冷やすと、身体が冷えたと脳が判断し、熱を下げられなくなってしまう。
□ 第二波の原因
8月中旬にやって来る、熱中症の第二波。
そこは、夏場もっとも高くなる気温と、もう1つの原因があります。
第二波の原因は、「夏の疲労」。
では、涼しい部屋と暑い部屋では、どんな違いがあるのでしょう?
気温32℃、湿度70%という、真夏に設定した部屋で、1時間過ごしてもらいました。
すると、全員の疲労度がアップしてたんです。
3人中、2人は、疲労度が 5.26と11.28に上昇。
ちなみに、疲労度5以上は、徹夜した時と同じ疲労なんだとか。
しかも、本人たちに、疲れたという自覚はありませんでした。
実は、これが大問題。
本人が気づかない内に、疲労がどんどん蓄積。
徐々に身体が蝕まれ、暑さがピークを迎える8月中旬に、熱中症にかかりやすくなってしまいます。
では、熱中症の第二波を乗り切るには、どうしたらいいんでしょう?
そこで大切なのは、毎日の疲れをリセットする、「睡眠」。
十分、クーラーが効いた部屋で、ぐっすり眠るのが、疲れを溜めないひとつの方法です。
<エアコンの使い方のポイント>
人は睡眠中、眠りに入ってから4時間後に、もっとも体温が下がります。
そのため、この時間に冷房がついていると、身体が冷え切ってしまう。
オススメは、タイマー機能で3時間後に切れるようにし、5時間後に再びスイッチが入るようにすること。
設定温度は、28℃に。
これで、快適な睡眠がとれます。
(あとは、各自にあわせて、調整してください)
□ その他
家の中で倒れる人は、救急搬送される患者さんの、約40%。
家の中も、かなり暑くなっているようです。
<家での熱中症予防>
こまめに水分をとる。
暑い時は無理せずに、クーラーをつける。

[感想]

暑い部屋にいるだけで、知らず知らず、すごく疲れてるんだ。
クーラーはできるだけ使わない主義だけど、猛暑日とかは、考え直さないといけないな。

しっかり睡眠をとることも、大切なようですね。
キュウリとトマトを使った料理にも、チャレンジしようっと。

[熱中症に関する記事]
→ 「夏の応急手当~誤飲に熱中症~/カラダのキモチ」
→ 「熱中症対策 塩分補給と牛乳/ためしてガッテン」
→ 「今夜からできる快眠術!/あさイチ」
tag : 健康カプセル!ゲンキの時間 暑さ対策 熱中症



「熱中症対策 塩分補給と牛乳/ためしてガッテン」
暑い日が続きますねえ。
節電しつついかに暑さを乗り切るかが、課題です。
そんな中、やっぱり心配なのが、熱中症。
でも、繰り返し伝えられる熱中症対策の中に、間違いがあるのだそう。
しかも、それを続けると、危険な目に遭うかもしれない。
ちゃんと効果がある熱中症対策とは?
暑さに強いカラダになる飲み物とは?
体を冷やすには、どこを冷やせばいいんだろう?
7月13日放送の「ためしてガッテン」より、「血液からツヨくなる!熱中症で死ぬもんかSP」からのメモ書きです。

□ 塩分補給
・去年から、塩の入ったアメ、塩飴が売れているのだそう。
・炎天下では、塩分の補給が必要だということだろうか?
・確かに、熱中症対策には水と共に塩分補給が大事だと、繰り返し報道されています。
・街のみなさんも、そうしている人がけっこういるみたい。
・塩分補給の重要性を発見したのは、信州大学の能勢博 教授。
・その大切さを訴えてきたのですが、ちょっと戸惑っている部分も。
・先生曰く、夏だからといって塩分を意識して摂るのは、実は間違っているというのです。
・能勢先生が研究してきたのは、暑い所でいかにして勝つか。
・それと、どうやって熱中症を予防するかということ。
・運動中は、大量の発汗で、たくさんの塩分が出てしまいます。
・その時に水だけを飲んでしまうと、体内の塩分濃度が低下し、熱中症になってしまう。
・大量の汗をかくと、体から、水分と一緒に、塩分も失われます。
・その状態で水分だけを補給すると、体内の塩分濃度が薄まってしまう。
・そうなると、塩分濃度を確保するために、体は尿などで水分を追い出そうとします。
・だから水分補給しても、水はすぐに排出され、脱水状態が回復しにくくなる。
・その結果、熱中症に。
・スポーツするなどして大量に汗をかくと、多くの塩分を失います。
・そこには、こんなメカニズムが。
・通常の場合、汗腺から汗と塩分が一緒に出て行こうとしても、塩分は再吸収される。
・でも、一気に大量の汗をかくと、塩分の再吸収が間に合わず、排出されてしまいます。
・塩分の濃い汗になってしまう。
・運動などで大量の塩分を失った場合は、脱水による熱中症の危険が。
・なので、こういう時は、塩分補給した方がいい。
・そういった意味で塩分補給は大切なのですが、一言足りないまま、塩分補給の重要性だけが広まってしまいました。
・先生の言いたかったのは、こういうこと。
・“大量の汗をかく時は、塩分補給が大切”。
・ちゃんと、場合分けや条件付けが、あったのです。
・大量の汗をかかない日常生活では、塩分の摂取は普段の食事だけで十分。
・こまめな水分補給だけで、足ります。
・1時間当たり、コップ半分ぐらいの水が、目安です。
・日本人の 1日の平均食塩摂取量は、10.7g。
・健康な人の塩分の摂取の目安は、男性で1日に9g未満。
・女性で、7.5g未満。
・高血圧の人の場合は、6g未満を求められる場合も。
・そして人間は、1日 2~3g あれば 塩分は十分だという話も、あるようです。
・2~3gは極端かもしれませんが、摂りすぎには注意したいですね。
・でも、塩分補給の境目って、どのへんなのだろう?
・汗には“びっしょり型”というのがある。
・運動や屋外の作業などで、玉の汗を長時間かくような時は、塩分補給を。
・玉の汗が 30分~1時間 続くのが、ポイント。
・さらに、塩分と糖分を一緒に摂ると、水分の吸収が速くなるようです。
・スポーツドリンクに糖質が含まれるのは、そのため。
・もうひとつの目安は、舐めること。
・汗の塩分を、チェックします。
・ただし、汗の水分はすぐに蒸発するので、肌に残る塩分は濃くなっている。
・なので、一度水で拭いてから、舐める。
・その時、しょっぱかったら、塩分補給を。
・日本高血圧学会の減塩部会からは、こんな提言が。
・“夏の塩分摂取に関する提言”
・日本人の食塩摂取量は、必要量をはるかに超えています。夏でも、汗を多くかいた場合を除いては、塩分を過剰に摂らないことをお勧めします。
・高齢者の方は大汗をかきにくいので、過剰に塩分を摂ると、体を害してしまう場合が。
・ポイントは、汗を多くかいたかどうか。
・慢性的な塩分の摂りすぎには、注意しましょう。
□ 暑さに強くなる飲み物
・適度な運動をすると、汗をかきやすい体になるといいます。
・そうすると温度調節できるので、熱中症になりにくくなる。
・でも、ただ運動するよりも、もっといい方法が見つかったのだそう。
・信州大学で、能勢先生が実験してくれました。
・室温30℃の部屋で、目一杯 体を動かしてもらう。
・すると、体温は38度以上まで急上昇。
・4人の学生さんには、毎日30分間の運動をしてもらいました。
・さらに、2人ずつ2チームに分け、一方には、スポーツドリンクを飲んでもらった。
・そしてもう一方には、謎のドリンクを飲んでもらう。
・1週間後、室温30℃の中で運動してもらって、暑さに対する強さをチェック。
・すると、変化が。
・スポーツドリンクを飲んだチームは、前と同じでした。
・でも、謎のドリンクを飲んだチームは、前よりも楽そうです。
・体温も、38度まで いきませんでした。
・その謎のドリンクとは、牛乳。
・牛乳を飲むと、血液量が13% アップするのだそう。
・運動後に たんぱく質を摂取すると、アルブミンという物質が合成される。
・このアルブミンに水分を引きつける働きがあって、水を血液中に集めてくれる。
・結果、血液が増えます。
・暑い時は、体温が上がるのを防ぐために、皮膚の表面の血流を増やします。
・そうやって、熱を逃がしている。
・夏場、血管がくっきり見えるのは、そのため。
・そして、汗の材料も、血液。
・ということは、血液が増えると汗をかきやすくなるので、熱を逃がしやすくなる。
・暑さに強くなる方法は、
速歩き30分程度 + 運動後30分以内に、牛乳300mlを飲む。
・高齢の方の場合は、速歩きだけだと効果が出にくい場合も。
・でも、牛乳を飲めば、血液量が増えて、体温調節がしやすくなるそうです。
・ポイントは、運動後に たんぱく質を摂ること。
・だから、低脂肪乳やヨーグルトでも、いい。
・汗をたくさんかいた場合は、塩分補給が必要。
・でも、牛乳にはもともと、スポーツドリンクと同程度の塩分が含まれています。
・また、アルブミン合成に必要な、糖と たんぱく質も含んでいる。
・でも、ここで、注意点を。
・運動は、暑い時間帯を避けて、行ってください。
□ 涼しく冷やすツボは?
・暑い時に冷やす場所といえば、おでこ。
・でも、なぜ、おでこを冷やすと気持ちいいのか、それには理由がある。
・冷たさを感じる“冷点”が、体のどこに多いか調べたところ、冷たさを一番 敏感に感じるのは、おでこでした。
・でも、冷たくは感じるものの、体が冷えるわけではないらしい。
・というか、おでこの保冷剤を外すと、余計に暑く感じます。
・海女さんの回でも、同じようなことがありました。
・顔は、とってもすぐれたセンサー。
・その顔を冷たい水につけると、体を冷やさないようにと判断。
・皮膚の表面の血流を減らして、体の中の熱を逃がさないようにする。
・おでこを冷やしながら、指先の皮膚の温度を調べると、温度は下がっていました。
・これは、指先などの温度をあえて下げて、体の中の熱を逃がさないようにしているため。
・というわけで、おでこは冷たいけど、体は涼しくなっていないことが分かります。
・では、どこを冷やせばいいのだろう?
・文献には、こう書かれています。
・“頸部、腋窩部、鼠径部を冷やす”
・頸部は、首。
・腋窩部(えきかぶ)は、わきの下。
・鼠径部(そけいぶ)は、脚の付け根。
・首には大きな血管があるので、体を効率的に冷やすことができます。
・他の部位も、同じですね。
・熱中症にならないように体を冷やすには、首、わきの下、股の内側を、冷やす。
・この時、ひんやりして気持ちいい~、というくらいが、よいようです。
・高齢の方は、暑さを感じるセンサー自体が、弱くなっている場合も。
・室温が上がっていても、気が付かないケースもあります。
・なので、温度計を目につくところに置いて、チェックを。
・目安は、湿度にもよりますが、28℃。
![NHK ためしてガッテン 2011年 08月号 [雑誌]](http://ecx.images-amazon.com/images/I/61%2BzUXbdiZL._SX200_.jpg)

□
熱中症予防に必要だといわれている、塩分補給。
でも、それには、条件がありました。
大量に汗をかいた場合だけ、塩分を補給する。
そうじゃないのに慢性的に塩分補給をしていると、食事の塩分と合わせて、摂取量の目安を超えてしまうかもしれません。
塩分を摂りすぎると、高血圧や腎臓の病気など、たいへんなことになるかもしれないので、注意を。
暑さに強い体を作るのに牛乳がいいとは、知りませんでした。
運動の後とかは、のどごしのいいものを求めるので、牛乳は飲んでなかったな。
その一方で、プロテインを飲んでいた時期があるので、それはよかったのかも。
最近は、タンパク質を含んだドリンクもあるし。
節電意識が高まる中、猛暑も相まって、熱中症で運ばれる人が増えているそう。
こまめな水分補給と、温度チェック。
気をつけたいと思います。
![NHK きょうの健康 2011年 07月号 [雑誌]](http://ecx.images-amazon.com/images/I/61HdkQqq1XL._SY250_.jpg)
→ 「遮光ネットの付け方」
節電しつついかに暑さを乗り切るかが、課題です。
そんな中、やっぱり心配なのが、熱中症。
でも、繰り返し伝えられる熱中症対策の中に、間違いがあるのだそう。
しかも、それを続けると、危険な目に遭うかもしれない。
ちゃんと効果がある熱中症対策とは?
暑さに強いカラダになる飲み物とは?
体を冷やすには、どこを冷やせばいいんだろう?
7月13日放送の「ためしてガッテン」より、「血液からツヨくなる!熱中症で死ぬもんかSP」からのメモ書きです。

□ 塩分補給
・去年から、塩の入ったアメ、塩飴が売れているのだそう。
・炎天下では、塩分の補給が必要だということだろうか?
・確かに、熱中症対策には水と共に塩分補給が大事だと、繰り返し報道されています。
・街のみなさんも、そうしている人がけっこういるみたい。
・塩分補給の重要性を発見したのは、信州大学の能勢博 教授。
・その大切さを訴えてきたのですが、ちょっと戸惑っている部分も。
・先生曰く、夏だからといって塩分を意識して摂るのは、実は間違っているというのです。
・能勢先生が研究してきたのは、暑い所でいかにして勝つか。
・それと、どうやって熱中症を予防するかということ。
・運動中は、大量の発汗で、たくさんの塩分が出てしまいます。
・その時に水だけを飲んでしまうと、体内の塩分濃度が低下し、熱中症になってしまう。
・大量の汗をかくと、体から、水分と一緒に、塩分も失われます。
・その状態で水分だけを補給すると、体内の塩分濃度が薄まってしまう。
・そうなると、塩分濃度を確保するために、体は尿などで水分を追い出そうとします。
・だから水分補給しても、水はすぐに排出され、脱水状態が回復しにくくなる。
・その結果、熱中症に。
・スポーツするなどして大量に汗をかくと、多くの塩分を失います。
・そこには、こんなメカニズムが。
・通常の場合、汗腺から汗と塩分が一緒に出て行こうとしても、塩分は再吸収される。
・でも、一気に大量の汗をかくと、塩分の再吸収が間に合わず、排出されてしまいます。
・塩分の濃い汗になってしまう。
・運動などで大量の塩分を失った場合は、脱水による熱中症の危険が。
・なので、こういう時は、塩分補給した方がいい。
・そういった意味で塩分補給は大切なのですが、一言足りないまま、塩分補給の重要性だけが広まってしまいました。
・先生の言いたかったのは、こういうこと。
・“大量の汗をかく時は、塩分補給が大切”。
・ちゃんと、場合分けや条件付けが、あったのです。
・大量の汗をかかない日常生活では、塩分の摂取は普段の食事だけで十分。
・こまめな水分補給だけで、足ります。
・1時間当たり、コップ半分ぐらいの水が、目安です。
・日本人の 1日の平均食塩摂取量は、10.7g。
・健康な人の塩分の摂取の目安は、男性で1日に9g未満。
・女性で、7.5g未満。
・高血圧の人の場合は、6g未満を求められる場合も。
・そして人間は、1日 2~3g あれば 塩分は十分だという話も、あるようです。
・2~3gは極端かもしれませんが、摂りすぎには注意したいですね。
・でも、塩分補給の境目って、どのへんなのだろう?
・汗には“びっしょり型”というのがある。
・運動や屋外の作業などで、玉の汗を長時間かくような時は、塩分補給を。
・玉の汗が 30分~1時間 続くのが、ポイント。
・さらに、塩分と糖分を一緒に摂ると、水分の吸収が速くなるようです。
・スポーツドリンクに糖質が含まれるのは、そのため。
・もうひとつの目安は、舐めること。
・汗の塩分を、チェックします。
・ただし、汗の水分はすぐに蒸発するので、肌に残る塩分は濃くなっている。
・なので、一度水で拭いてから、舐める。
・その時、しょっぱかったら、塩分補給を。
・日本高血圧学会の減塩部会からは、こんな提言が。
・“夏の塩分摂取に関する提言”
・日本人の食塩摂取量は、必要量をはるかに超えています。夏でも、汗を多くかいた場合を除いては、塩分を過剰に摂らないことをお勧めします。
・高齢者の方は大汗をかきにくいので、過剰に塩分を摂ると、体を害してしまう場合が。
・ポイントは、汗を多くかいたかどうか。
・慢性的な塩分の摂りすぎには、注意しましょう。
□ 暑さに強くなる飲み物
・適度な運動をすると、汗をかきやすい体になるといいます。
・そうすると温度調節できるので、熱中症になりにくくなる。
・でも、ただ運動するよりも、もっといい方法が見つかったのだそう。
・信州大学で、能勢先生が実験してくれました。
・室温30℃の部屋で、目一杯 体を動かしてもらう。
・すると、体温は38度以上まで急上昇。
・4人の学生さんには、毎日30分間の運動をしてもらいました。
・さらに、2人ずつ2チームに分け、一方には、スポーツドリンクを飲んでもらった。
・そしてもう一方には、謎のドリンクを飲んでもらう。
・1週間後、室温30℃の中で運動してもらって、暑さに対する強さをチェック。
・すると、変化が。
・スポーツドリンクを飲んだチームは、前と同じでした。
・でも、謎のドリンクを飲んだチームは、前よりも楽そうです。
・体温も、38度まで いきませんでした。
・その謎のドリンクとは、牛乳。
・牛乳を飲むと、血液量が13% アップするのだそう。
・運動後に たんぱく質を摂取すると、アルブミンという物質が合成される。
・このアルブミンに水分を引きつける働きがあって、水を血液中に集めてくれる。
・結果、血液が増えます。
・暑い時は、体温が上がるのを防ぐために、皮膚の表面の血流を増やします。
・そうやって、熱を逃がしている。
・夏場、血管がくっきり見えるのは、そのため。
・そして、汗の材料も、血液。
・ということは、血液が増えると汗をかきやすくなるので、熱を逃がしやすくなる。
・暑さに強くなる方法は、
速歩き30分程度 + 運動後30分以内に、牛乳300mlを飲む。
・高齢の方の場合は、速歩きだけだと効果が出にくい場合も。
・でも、牛乳を飲めば、血液量が増えて、体温調節がしやすくなるそうです。
・ポイントは、運動後に たんぱく質を摂ること。
・だから、低脂肪乳やヨーグルトでも、いい。
・汗をたくさんかいた場合は、塩分補給が必要。
・でも、牛乳にはもともと、スポーツドリンクと同程度の塩分が含まれています。
・また、アルブミン合成に必要な、糖と たんぱく質も含んでいる。
・でも、ここで、注意点を。
・運動は、暑い時間帯を避けて、行ってください。
□ 涼しく冷やすツボは?
・暑い時に冷やす場所といえば、おでこ。
・でも、なぜ、おでこを冷やすと気持ちいいのか、それには理由がある。
・冷たさを感じる“冷点”が、体のどこに多いか調べたところ、冷たさを一番 敏感に感じるのは、おでこでした。
・でも、冷たくは感じるものの、体が冷えるわけではないらしい。
・というか、おでこの保冷剤を外すと、余計に暑く感じます。
・海女さんの回でも、同じようなことがありました。
・顔は、とってもすぐれたセンサー。
・その顔を冷たい水につけると、体を冷やさないようにと判断。
・皮膚の表面の血流を減らして、体の中の熱を逃がさないようにする。
・おでこを冷やしながら、指先の皮膚の温度を調べると、温度は下がっていました。
・これは、指先などの温度をあえて下げて、体の中の熱を逃がさないようにしているため。
・というわけで、おでこは冷たいけど、体は涼しくなっていないことが分かります。
・では、どこを冷やせばいいのだろう?
・文献には、こう書かれています。
・“頸部、腋窩部、鼠径部を冷やす”
・頸部は、首。
・腋窩部(えきかぶ)は、わきの下。
・鼠径部(そけいぶ)は、脚の付け根。
・首には大きな血管があるので、体を効率的に冷やすことができます。
・他の部位も、同じですね。
・熱中症にならないように体を冷やすには、首、わきの下、股の内側を、冷やす。
・この時、ひんやりして気持ちいい~、というくらいが、よいようです。
・高齢の方は、暑さを感じるセンサー自体が、弱くなっている場合も。
・室温が上がっていても、気が付かないケースもあります。
・なので、温度計を目につくところに置いて、チェックを。
・目安は、湿度にもよりますが、28℃。
![NHK ためしてガッテン 2011年 08月号 [雑誌]](http://ecx.images-amazon.com/images/I/61%2BzUXbdiZL._SX200_.jpg)

□
熱中症予防に必要だといわれている、塩分補給。
でも、それには、条件がありました。
大量に汗をかいた場合だけ、塩分を補給する。
そうじゃないのに慢性的に塩分補給をしていると、食事の塩分と合わせて、摂取量の目安を超えてしまうかもしれません。
塩分を摂りすぎると、高血圧や腎臓の病気など、たいへんなことになるかもしれないので、注意を。
暑さに強い体を作るのに牛乳がいいとは、知りませんでした。
運動の後とかは、のどごしのいいものを求めるので、牛乳は飲んでなかったな。
その一方で、プロテインを飲んでいた時期があるので、それはよかったのかも。
最近は、タンパク質を含んだドリンクもあるし。
節電意識が高まる中、猛暑も相まって、熱中症で運ばれる人が増えているそう。
こまめな水分補給と、温度チェック。
気をつけたいと思います。
![NHK きょうの健康 2011年 07月号 [雑誌]](http://ecx.images-amazon.com/images/I/61HdkQqq1XL._SY250_.jpg)
→ 「遮光ネットの付け方」


