【スウェーデン流】 新歯磨きのコツ
ちゃんと磨いているはずなのに、虫歯になる。
それを防ぐには、ちょっとしたコツがあった。
その名も、「イエテボリテクニック」。
将来、歯を残すために必要な、「プロケア」についても紹介します。
「 ガッテン 」 より、「 虫歯リスクが激減!? 発見! 新★歯磨き法 」 。
放送日 : 2019 年 5 月 8 日 。

□ フッ素のパワー

さあ、今回のテーマは何でしょうか?

ズバリ、「歯磨き方法」について。
小学生の頃、学校で、歯磨きの集会、ありませんでしたか?
覚えているのは、「くちゅくちゅうがい」。
保健の先生が、みんなの前で、実演してくれました。
やり方は簡単、コップから水を口にふくみ、くちゅくちゅやるだけ。
2回目に、先生は、給食のパンを少し食べてから、くちゅくちゅ。
コップに水を吐き出し、「ホラ、これだけでも、こんなにとれてる」と。
小っちゃな食べかすが、水の中に浮かんでる。
生徒たちは、うぉ~と、声を上げた。
それもずいぶん、昔の話です。
今だと、歯磨きセットを学校に持ち込み、毎日 給食後に 磨いたりしてるのかな。
毎日実践している、歯磨き。
でも、虫歯に悩む人は、けっこういますよね。
となると、やり方に問題があるの? という話になる。
どうせやるなら、効果的な方法でやりたい! と。
こんなデータがあります。
年代別の、虫歯がある人の割合。

ひえ~。こんなに多いんですね。
今度は、海外に目を向けてみましょう。
世界一の歯の先進国、どこだと思います?
その国とは、「スウェーデン」。
先ほどの、「虫歯がある人の割合」というグラフ。
日本の横に、スウェーデンのデータを足してみます。

全然違いますね。
でも、なぜ、スウェーデンでは虫歯の人が少ないんだろう?
実は、このスウェーデンも、昔は虫歯に悩んでたんです。
というのも、スウェーデン人は、お菓子が大好き。
1人当たりの砂糖消費量は、日本人の2倍あります。
では、甘いもの好きなスウェーデン人が、どうやって、虫歯を克服したのでしょう?
そのカギとなるのが、日本でもおなじみの「デンタルグッズ」。
「歯磨き粉」です。
ただし、ただの歯磨き粉じゃない。
ターニングポイントとなったのは、昭和23年(1948年)。
歯磨き粉に、あるものが入るようになったのだ。
それは、「フッ素」。
CM やパッケージで見る、「フッ素」という文字。
「高濃度フッ素配合」とか「高密着フッ素処方」とか。
でも、フッ素って、歯に何をしてくれるんだ?
歯磨き粉に含まれる、主な成分は、こちら。
無水ケイ酸 : 清掃剤(すごく細かいので、歯の表面を傷つけない)。
ラウリル硫酸 : 発泡剤(着色汚れを、浮かせて、落とす)。
そして肝心の、フッ素(フッ化ナトリウム)だ。
今や、国内に流通する製品の 9割に、入っている。
その効果とは?
歯磨きが不十分だと、「歯垢(しこう)」が形成されます。
この歯垢の裏にいるのが、いわゆる「虫歯菌」。
虫歯菌は、「酸(さん)」を出します。
この酸で、歯の表面が溶かされるのだ。
これが「虫歯」。
では、フッ素入りの歯磨きで 歯を磨くと、どうなるか?
すると、フッ素で歯が、コーティングされるんです。
こうなると、虫歯菌がきても、大丈夫。
卵を酢に入れる実験、見たことありませんか?
この時、卵は、歯に例えられる。
お酢は、酸ですね。
時間がたつと、お酢が卵の殻を溶かしていきます。
卵の表面から、細かい気泡が出ているのが見える。
やがて、表面がボロボロになって、薄皮が見える状態に。

酸が歯の表面を溶かすのと、同じですね。
でも、フッ素入りの歯磨き粉を塗って、すすいでから、酢に入れると…。

気泡が出なくなりました。
フッ素が守ってくれている。ちゃんと、コーティングされてるんですね。
でも、待てよ。
ほとんどの歯磨き粉にフッ素が入っていて、ちゃんと歯を磨いている。
なのになぜ、虫歯になるんだ?
□ スウェーデン式

実は、25年前、この真実に迫った人がいます。
東京歯科大学の 眞木吉信 名誉教授。
当時、眞木先生は、虫歯率を下げることができた理由を求めて、スウェーデンに留学していました。
そこで知ったのが、イエテボリ大学で開発されたという、新しい歯磨き法だったのだ。
なんと、通常の歯磨き法に比べ、40%以上、虫歯のリスクを減少できるという。
その名も、「イエテボリ テクニック」。
ただ、難点があって、眞木先生も最初、「日本人には無理だなあ」と思ったのだそう。
いったい、どんな方法なんでしょうね。
実際に見せてもらうと、特に変わったところはありません。
ん?
いや、あることをしていない。
最後のが、ないんだ。
そう、「口を、ゆすがない」。
歯を磨いた後、口の中に残ったものを、吐き出すだけ。
水で、くちゅくちゅしません。
では、眞木先生に、教えてもらいましょう。
10年くらい前までは、歯磨き粉は 歯磨きの補助だと、思われていたそうな。
歯磨きの本質は、ブラッシングだと。
方法(磨き方)で 歯をきれいにしましょう、という感じだった。
当時、歯磨き粉は、爽快感を得るため、というような認識だった。
でも、今は違います。
フッ素を口の中に残すことによって、虫歯が予防できる、と。
「ゆすぎ回数とフッ素濃度」というグラフがあります。

こんなに違うのか。
歯にいいものは、残すに限る。
でも、素朴な疑問が。
<フッ素が口に残っても大丈夫なの?>
眞木先生の解説。
歯磨き剤、塗布、洗口液、これらに関しての濃度は、医薬品、または、医薬部外品として、決められています。
(きちんと吐き出せば)口の中に残るフッ素の濃度量で 何か起こるというのは、考えられません。
無茶な使い方さえしなければ、大丈夫だと。
(注意)
この「イエテボリテクニック」が対象としているのは、12歳以上。
小さな子どもたちには、おすすめしていません。
復習です。
<イエテボリテクニック>
・ 歯磨き粉は、たっぷり。
・ フッ素を口の中に残す。
・ 歯磨きの後は、飲食しない。

□ プロケア

スウェーデンが虫歯を減らした秘密は、もう一つあります。
昔は、歯医者さんで泣き叫ぶ子どもというのは、定番でした。
それを聞いて、別の子まで、青くなるとか。
「きゅいいいぃぃ~~~~ん」という音、今でも苦手だという人、多いかもしれませんね。
では、スウェーデンでは、どうなんでしょうか?
歯医者に来ている人たちの歯は、みなきれいだ。
なぜ、虫歯もないのに、歯医者へ?
実は、みなさんが診てもらっているのは、歯科衛生士さんなんです。
虫歯予防のプロフェッショナルだ。
そう、歯医者に来ているのは、「治療」のためではなく、「予防」のためなんです。
「プロケア」と呼ばれる、歯科衛生士さんのケアを受けに来ている。
それも、スウェーデン人の およそ 8割の人が。
(すごいな)
こうした予防も、虫歯減少の大きな要因なのです。
日本にも、歯科衛生士さんはいます。
歯科検診で、活躍してますよね。
歯や歯茎の状態から、歯磨きのクセを見抜いてくれます。
そして、その人にあった歯磨き法を、指導してくれる。
歯科衛生士は、国家資格です。
歯と歯茎の間、歯周ポケットの奥にたまった歯垢も、きれいに除去してくれる。
さらに、歯の表面を、特殊な器具で きれいにしてくれます。
ここでスタジオに、もう一人の専門家が登場。
日本口腔衛生学会の、安井利一 理事です。
今までは、歯が痛くなったら 歯医者さんへ。
でも、これからは、定期的に歯医者さんへ。
歯科の場合、重症になってから治療するというのは、難しい。
というわけで、一番いいのは、予防ということになる。
歯医者さんにとっても、患者さんにとっても、負担を少なくできます。
こんなデータがある。
80代の、歯の残存本数。
定期的にプロケアを受けた人だと、平均で 約16本。
受けてない人では、平均 約7本。
将来的に、こんなに差が出てしまうのだ。
歯を失いたくない人は、歯科検診を定期的に受けた方がいい。
最後は、これだ。
<歯科衛生士さんがしているデンタルケア>
第3位 : 歯ブラシ以外の道具を使う。
デンタルフロスや歯間ブラシは、必須アイテム。
第2位 : 歯ブラシで、隅々まで丁寧に磨く。
ブラッシングで、毎日、歯垢をかき出す。
第1位 : プロケアを受ける。
口の中を隅々まで見るのは、自分では困難です。
なので、定期的に、専門家に診てもらった方がいい。
歯の健康に欠かせない、プロケア。
日本でも、広がるといいですね。

[ ガソリン 電気 人気の秘密 ]
ゴールデンウイークぐらいから、ガソリンが高くなってる。
ガソリンスタンドの前を通るたび確認してますが、下がりませんね。
話は変わって、「出川哲朗の充電させてもらえませんか?」という番組。
バイクで旅する番組なんですが、使っているのは、電動バイク。
電池が切れたら、一般の人にお願いしたり、お店の人にお願いしたりして、充電させてもらいます。
家庭にあるコンセントで充電可能で、フル充電に 約2時間かかる。
その間に、おいしいものを食べたり、地域の人たちと触れ合ったり、名所を散策したり、時には、充電のお礼にお手伝いしたり。
確か、1回の充電でかかるお金は、14円。
1回の充電で、約20キロ走れるそうな。(条件によって、変わるらしいけど)
にしても、どこに行っても、出川さん大人気ですね。
すぐに人に囲まれる。
そして、出川さんの対応もすごい。
嫌な顔ひとつせず、ニコニコしながら、写メに付き合う。
赤ちゃんを抱いたりとか、「少年! 少年!」と声かけたりとか。
ややこしそうな人にだって、(若干引きつりながらも)付き合う。
ホントに、売れてよかった。
そして、この神対応を見ると、売れて当然とも思える。
人柄の勝利。憎めない存在だ。
[関係する記事]
→ 「痛くない大人の虫歯&入れ歯の新常識」
→ 【沈黙の虫歯】 唾液マッサージ 楔状欠損
→ 【歯は磨いてはいけない?】 森昭



【唾液 後編】 ドライマウス対策に 昆布ドリンク/ガッテン
ドライマウスの最新研究。
なんと、患者の脳では、血流が右に偏っていた。
原因は口の中ではなく、「ストレス脳」だったのだ。
対策は、何かに没頭すること。
口の中に塗るジェルも、市販されています。
口の体操、「リップトレーニング」。
さらには、「特製昆布ドリンク」も紹介します。
解説:鶴見大学 歯学部 斎藤一郎 教授。
東京医科歯科大学 豊福明 教授。
日本大学 酒谷薫 教授。
東北大学 笹野高嗣 名誉教授。
「免疫力アップ&口臭予防! 唾液パワー全開SP」。
その後編になります。

□ ドライマウスの最新研究

なぜ、唾液の量が戻らない人がいるのでしょう?
謎を解く手がかりを発見した専門家がいます。
東京医科歯科大学 豊福明 教授だ。
およそ 8年前のこと、長引く口の乾きを訴えて、大学病院を受診する患者さんが、増えていました。
しかし、いくら口の中を丹念に調べても、異常は見つかりません。
そんなある日、豊福先生に、あるアイデアが ひらめきました。
最終的に感じるところは どうなっているんだろう?
そう疑問を感じたのです。
「口」ではなく、乾燥を感じる「脳」に、何か起きているのではないかと。
先生は特殊な装置で、患者さんの「脳の血流量」を調べてみました。
正常な人の脳では、血流量が、ほぼ 左右対称です。
しかし、ドライマウス患者の脳では、なぜか血流の多い部分が 右側に偏っていました。

別の患者さんたちを調べても、同じでした。
検査した35人、ほぼすべてで、「右寄りの傾向」が見られたのです。
この偏りこそが、唾液が戻らない謎を解き明かす、最大のヒントだったのだ!
ドライマウスだから、原因は口や舌にあるのかと思ったら、違ったんですね。
なんと、脳に関わっているようです。
右に血流が偏った脳とは、いったい、どんな脳なのでしょう?
その意味に迫る、研究の1つがあります。
教えてくれるのは、脳神経の専門家。
日本大学 工学部電気電子工学科 医学部脳神経外科(兼任)の 酒谷薫 教授です。
被験者に、脳の血流を測る装置を取り付け、実験します。
出された課題は、けっこう難しいですよ~。
「 3562 から 73 を連続して引いてください」
記憶しながら、計算しなければならない。
かなりのストレスです。
もうお分かりですよね。
この実験は、脳にストレスをかけ、血流の変化を見るものなんです。
人間はストレスを感じると、脳の血流が 2つのタイプに分かれる。
それがこの実験から、分かってきました。
タイプ(1) は、血流の多い部分が左に偏ります。
タイプ(2) は、血流が右に偏る。
では、血流が左に偏る脳と、右に偏る脳の違いは、何なのでしょう?
その手掛かりになるのが、被験者の手で測定した「心拍数」でした。
左に偏るタイプの人は、計算テストを行っている間、1分間の心拍数が平常時に比べ、「平均で4回増加」しました。
一方、右に偏るタイプでは、同じ1分間の心拍数が、「平均で14回増加」していた。
これは、すごい差ですね。
つまり、右に血流が偏るタイプの人の方が、ストレスに対して敏感になっている と考えられます。
酒谷先生は言います。
「(脳の血流が)右優位の方は、ストレスに非常に敏感に反応する ストレス脳」
非常にドキドキしやすいのだそう。
ドライマウスの人は、脳がストレス脳になって、結果、ドライマウスになっているのではないかと推定されます。
例えば、身内の不幸や人間関係のトラブルなどで、脳にストレスがかかったとします。
すると、誰もが一時的に唾液の量が減り、口の中が乾燥します。
そして、時が流れるにつれ、元に戻っていくと。
しかし、ストレスの長期化などが原因で、脳が「ストレス脳」に変化することがあるそうなのだ。
すると、やがて、口の乾燥自体も強いストレスとなり、ストレスはさらに強化されてしまいます。
こうなると、仮に元のストレスが無くなったとしても、口の乾燥というストレスは残り、唾液の量が戻らなくなってしまうのだ。
□ 斎藤一郎 先生の解説
ここでスタジオに、専門家の先生が登場。
長年、ドライマウスの患者さんと向き合ってきた、スペシャリスト。
鶴見大学 歯学部の 斎藤一郎 教授です。
ドライマウスの症状が継続的に続いてしまう理由。
それに、精神的・神経的なものが関わっていることが、明らかになってきました。
脳がストレスに敏感になる → ドライマウスになる → 口の乾き自体がストレスになる
このような悪循環が、生じてしまうようです。
<治療の例>
前編で紹介した、Bさん。
味覚の異常や、ひどい口内炎に悩んでいた方ですね。
Bさんは 斎藤先生を受診し、まずは、問診や唾液の検査を受けました。
ドライマウスは、薬の副作用や、口呼吸、唾液腺自体の機能が衰えてしまう「シェーグレン症候群」という難病でも起こります。
Bさんの場合、ストレスが大きな原因になっていると診断されました。
先生のアドバイスを受けて、あることを始めた、Bさん。
元気にシャキシャキ、歩いてますね。
でも、ただの散歩ではありません。
横断歩道では、白、白、白と、白い線を踏むように歩いている。

さらに、もう1つ始めたのが、「オカリナ」。
オカリナの演奏を、「横断歩道の白線だけを歩く」のと並行して、半年間実施したところ、症状が回復したんです。
Bさんは、笑顔で話してくれました。
「劇的に、変化したの」
「舌のヒリヒリ感が、弱まったっていうか」
「心が明るくなりました」
さて、これらの意味するところは?
<横断歩道の白線だけを歩く>
白線の所を意識して渡る、そのことに意識を集中することで、痛みや症状への意識が外れるのが、目的です。
毎日、病気のことばかり考えていると、不安が負の連鎖で、増大してしまうんですね。
他のことを考えることによって、それまでずっと悩んでいたことが軽くなるというわけ。
「気をそらす」ことが、目的なのだ。
<オカリナ>
オカリナを上手に吹こうという、その行為が、症状を軽くする。
そこに意識を集中することで、悩みから気がそれると。
ですから、オカリナじゃなくても、OK です。
自身が没頭できるものを探すとよい。
何かに集中する → 悩みを忘れる
口の乾きを忘れるような「何かに没頭すること」が、ストレスによる症状の悪化を防ぐ と考えられます。
不安や不快に、集中しない。
別のことに集中して、忘れるとよい。
<ドライマウス セルフチェック>
・ 口の乾きが 3か月以上続く。
・ 口内炎が よくできる。
・ 口臭が 常に気になる。
・ 虫歯になりやすい。
・ 目や鼻の中が 乾燥する。
一時的な乾きではなく、乾いた症状や 乾きに伴った不快症状が「3か月以上」続いたら、要注意。
この病気の目安になります。
口内炎がよくできるというのも、そう。
潤滑油としての唾液が枯渇するので、舌を動かす時にこすれて、傷になって、口内炎になりやすくなるのだ。
唾液の量が少なくなると、菌が増殖してしまいがちです。
これが、口臭の原因に。
鼻の中の湿度は、口の中の湿度で補っているのだそうな。
だから、口が乾くと、鼻も乾く。
口の乾きや その他の症状が 3か月以上続く人は、ドライマウスの可能性がある。
斎藤先生によると、「唾液分泌促進薬」というものがあるのだそう。
ただこれは、重度なドライマウスで 難病の「シェーグレン症候群」に対してしか、適用がないのだとか。
それはドライマウスの患者さん全体の、1割ぐらいだといわれています。
斎藤先生たちは、「ドライマウス研究会」を立ち上げています。
増えるドライマウスの患者さんに対応するため、16年前に作られました。
→ 「ドライマウス研究会 DRY MOUTH SOCIETY IN JAPAN」
会員数は、およそ 4500人。
治療などに詳しい 全国の歯科や口腔外科、耳鼻咽喉科などが、紹介されています。

ストレスによる口の乾きが、悪循環を生むことがある。
乾きのストレスを溜めないことが、重要です。

ガッテン! ガッテン!
□ ドライマウス対策

ストレス社会で 増えているという、ドライマウス。
最近は、ジェルタイプの保湿剤も登場したらしい。
指で口の中に塗って、乾燥を防ぎ、唾液不足を補います。
例えば、「和光堂 Oral plus オーラルプラス 口腔保湿ジェル うるおいキープ」。
あるいは、「コンクール マウスジェル」など。
スプレータイプも、あると言いますよ。
一時的でも 口を潤すことは、ストレスによる症状の悪化を防ぐ上で、大切なこと。
そして、医師もおススメする「口の乾き対処法」があります。
唾液腺を刺激して、唾液を出す、口の体操だ。
<リップトレーニング>
(1) 前歯が見えるように、口の筋肉に力を入れて、「イ~」とする。
(2) 次に、唇を前に突き出し、口の筋肉を緩めて、「ウ~」。
(3) 口の乾きを感じた時に、10回程度 繰り返すとよい。

筋肉の緊張と弛緩(しかん)を繰り返す動作は、自律神経のバランスを整えて、ストレスを軽減させる効果も期待できます。
□ 昆布ドリンク

最後は、特製ドリンクを紹介します。
宮城県にお住いの女性、Dさん。
ドライマウスで唾液の量が減り、何を食べても味がしない「ひどい味覚障害」に悩んでいました。
ところが、ある治療法によって、なんと、3か月で、味覚が戻ったんです。
その治療に使われたのが、「特製昆布ドリンク」。
1日 10回ほど、口をゆすげば、OK!
乾きを感じた時に、口の中全体に 行き渡らせるだけです。
(*甲状腺の病気をお持ちの方、塩分が気になる方は、飲用を控えてください)
<特製昆布ドリンクの作り方>
(1) 細かく刻んだ昆布 30g を 500ml の水に、1日つけておく。
(2) 冷蔵庫で保存して、2日以内に 使い切ってください。

この治療法を開発したのは、東北大学の 笹野高嗣 名誉教授。
その研究成果は、世界的に権威のある科学雑誌「 nature(ネイチャー)」にも掲載されたほど。
「Umami : Why is the fifth taste so important?」
治療法のポイントは、「うま味」だという。
昆布の うま味成分には、脳をリラックスさせる物質を作る働きがあるのだ。
さらに、唾液の分泌を促す効果は、酸味に匹敵。
その効果は、20分以上たっても、高いまま持続するんです。
この うま味を使った治療法は、これまで 20人を対象に研究が行われ、8割の患者さんで症状が改善したのだとか。
今後の研究にも、期待大ですね。


次回は、これ。
余っている「パックのかつお節」に、活用法が!
絶好のチャンスだ!
「最強の調味料に変身! かつお節パック 徹底活用ワザSP」。
前編 → 【唾液 前編】 育毛~ドライマウスの悩み
[関係する記事]
→ 【口内フローラ】 緑茶うがいで悪玉菌を減らす
→ 【口の悪玉菌】 最新治療 3DSとは?
→ 「悪い歯ぎしり 口破壊型と全身破壊型」
→ 「歯の健康、唾液の中和力と無痛治療」



【唾液 前編】 育毛~ドライマウスの悩み/ガッテン
育毛に、歯の再石灰化など、唾液のパワーに注目!
緊張すると口の中が乾くのにも、ちゃんと理由がありました。
それには、動物の進化が関わっていたのだ。
唾液の量が元に戻らない、「ドライマウス・口腔乾燥症」の悩み。
・就職活動をきっかけに、口が乾くようになった。
・味がしなくなった。
・口内炎ができやすくなった。
・口臭が気になるように。
こんな苦労をしている人たちがいる。
2018年7月4日放送の「ガッテン」より、「免疫力アップ&口臭予防! 唾液パワー全開SP」。
その前編になります。

□ 唾液パワー

さあ、今回のテーマは何でしょうか?

ずばり、「唾液」について。
まず登場したのは、牛さんです。
南米はコロンビア。
牛のシモーナちゃんは、ある仕事をしてるんですよ。
それは、頭を舐(な)めること。
床屋さんで、男性の頭を、ナメナメ。
他の牛さんも、頭をナメナメ。
実はこれ、育毛効果を期待しているのだ。
10回ほどの施術で、効果が見られたのだとか。

もちろん、効果には個人差があります。
今回のテーマは、「唾液」です。
なんでも、1日に出る量は、およそ 1.5リットルなのだとか。
歯の健康のために唾液が欠かせないこと、知ってますよね。
(酢のドリンクを飲んだ後など、ガムを噛んで唾液を出すとか)
実は他にも、たくさんのことと関係してるんですよ。
唾液の状態がよくないと、様々なよくないことが起こるぐらいなのだ。
まずは唾液の成分から。
<唾液の成分>
シアル酸 : 育毛。
リゾチーム : 抗菌。
分泌型免疫グロブリンA : 抗菌。
ヒスタチン : 傷の修復。
ハイドロキシアパタイト : 歯の修復。
アミラーゼ : 消化。
ムチン : 保湿、粘膜保護。
ちなみに、人間の唾液の場合、そのまま頭につけても効きません。
ただ、このシアル酸という成分、育毛剤の成分に入っているのだとか。
ここで、実験。
唾液に どれほど歯を修復する力があるのか、試してみました。
用意したのは、人工的に作った歯。
その断面を見ると、表面近くに、黒い層が見えます。
実はここ、スカスカになっている状態なんです。

これは、歯の内側が溶けて「虫歯になる直前の状態」を、再現したものなんですね。
この実験で協力してくれたのは、アクセサリーの修理屋さんと、洋服の修理屋さん。
1日4時間以上、人工の歯を口に入れて、舐めてもらいました。
期間は、2週間です。
その結果、こうなりました。
スカスカだった歯が、見事に、埋まっています。

この唾液の力を、「再石灰化」という。
よく聞く言葉ですよね。
初期の虫歯であれば、十分に修復可能なのだとか。
(あくまで初期です。判断は歯医者さんに任せましょう)
□ 緊張で口の中が乾く理由

私たちの健康に欠かせない、唾液。
でも、唾液が出なくなって、口の乾きを感じることって、ありませんか?
例えば、大事な会議でのプレゼン。
あるいは、就職の面接。
発表会の檀上など。
極度に緊張した時って、口の中が乾きません?
でも、どうしてなんだろう?
ちなみに、山寺宏一さんが 人生で一番 口が乾いたのは、こんな経験だという。
それは、17年ほど前のこと、ビートたけしさんと所ジョージさんの番組で、司会進行を務めた時。
大御所の二人はクイズの解答チームのキャプテンで、進行は山ちゃん一人だったのだそうな。
(「たけし・所のWA風がきた!」だろうか?)
もう、緊張で 口の中が砂漠のようにカラカラになったらしい。
ここでまた、実験です。
緊張などのストレスで、唾液の量はどれだけ変化するのか?
協力してくれたのは、この方。
東京医科歯科大学 歯学部 口腔保健学科 口腔保健工学専攻の 杉本久美子 先生です。
被験者は、ガッテンボーイの宮森右京くん。
モニターには、足し算が表示されます。
それが合っているかどうか、5秒以内に答えてもらう。
例)
4+2+3=10 → ×
8+2+3=12 → ×
1+1+7=9 → 〇
1つ1つは簡単な計算ですが、時間制限があります。
さらに、次から次へと出題される。
この計算を、10分間、休みなく続けてもらいました。
このストレスで、どれだけ唾液の分泌量が変化するか、調べたってわけ。
その結果が、これ。

唾液の量、かなり減ってますね。
<緊張すると口が乾くメカニズム>
緊張したり、危険を感じたりすると、唾液が減ります。
実はこれ、濃度を濃くするためなんです。
これは、人間も動物も、同じこと。
ケガをしたワンちゃんは、傷をペロペロ舐める。
ライオンに襲われ 九死に一生を得たバッファローは、仲間に傷を舐めてもらう。
そもそも、動物にとって、唾液は天然の「傷薬」なんです。
そして、成分が濃い方が、傷を治すのにいいってわけ。
<緊張する場面や危険な状況 → 唾液を濃くする>
これって、非常に理にかなってるんです。
人間も、進化の名残で、今でも緊張などのストレスで唾液が減るんですね。
先ほどの実験でも、唾液の量が減る一方で、殺菌効果を持つ免疫物質の濃度は1.4倍にアップしていました。
<ストレスがかかると、唾液の量は減り、濃度は濃くなる>
唾液が変化するのは、「唾液腺」のおかげだという。
いつも働いてくれている唾液腺のおかげで、口の中には普段、唾液がいっぱい。
でも、ストレスが加わることで、変わってきます。
この時、脳が唾液腺に、警鐘を鳴らすらしいのだ。
すると、危険が迫っていることを知った唾液腺は、急な出血やケガに備えるんです。
まずは、唾液の成分を濃くする。
と当時に、水分は減らすんですね。
このメカニズムで、唾液はただ減るのではなく、濃縮された質の高い、効果の強い唾液へと変化するのでした。

ストレスがかかると、身体を守るために、唾液の量が減り、成分が濃くなります。

ガッテン! ガッテン!
□ 唾液が減ることで生じるトラブル

普通、唾液の量は、緊張やストレスで減っても、それは一時的なものです。
ストレスの原因が取り除かれると、唾液の量は元に戻る。
ところが、ストレスの原因が取り除かれた後も、なぜか唾液の量が元に戻らない人がいるようなんです。
その数は全国で、推定 800万人。
いくら濃くなって唾液の機能がアップしても、量が少なすぎて口の中全体に行き渡らなければ、問題です。
様々なよくない症状を、引き起こしてしまうことがあるのだ。
この症状を、「ドライマウス」という。
日本語では、「口腔乾燥症」と言います。
[ケース(1)]
東京都の24歳女性、Aさん。
就職活動などで苦労していた1年ほど前から、口が乾燥しだしたらしい。
その後、就職が決まって働き始めた現在も、症状が続いています。
緊張している時に、特に 乾くようです。
ノドの渇きとは、別だという。
舌に水分が覆われていない感覚。
外出する時は、水のペットボトルや飴など、口の中を潤すものが手放せません。
しかし、こうしたもので対処しても、なかなか症状は改善しないらしい。
一時的には潤うのだけれど、数十分、数時間すると、乾いてくる。
水をたくさん飲むとトイレが近くなるのも、困りものです。
[ケース(2)]
神奈川県にお住いの78歳女性、Bさん。
異変に気づいたのは、友人と旅行に行った時でした。
宿泊先の夕食が、おいしくない。
なぜか、味を感じませんでした。
残念な気持ちで帰宅し、料理したところ、首を傾げてしまいました。
あれ?
味が付いているか、付いていないか、分からない。
そう、突然、味覚がおかしくなっていたのです。
以来、何を食べても、おいしいと感じられなくなってしまいました。
しかも、これだけではなかったのです。
さらに、もう一つ異変が生じた。
なんと、口内炎ができやすくなったのだ。
頻度は、1週間に 1つ、新しい口内炎ができるほど。
ヒリヒリとした痛みが、1日中続くこともあったという。
[ケース(3)]
71歳の女性、Cさん。
3年前、ドライマウスを発症しました。
現れた症状は、「飲み込みづらさ」でした。
それまで普通に食べていたものが、簡単に飲み込めなくなってしまいました。
食べ物がノドにつっかかって、入っていかない。
水分の無いものは、食べることができない状態。
食べることが嫌になり、痩せてしまったという。
さらに、それまでなかった口臭を、強く感じるようになりました。
以前は外に出歩くのが大好きだったのですが、以来、口臭が気になって、人と会うのが嫌になってしまいました。
誰ともしゃべりたくないし、家から出たくなくなった。
Aさん、Bさん、Cさん。
それぞれ、ドライマウスで、相当な苦労をされているようです。
<ドライマウスで起きる症状>
・強烈な口の乾き。
・常に口内炎。
・強い口臭。
・増える虫歯。
・味が分からない。
・様々な感染症。
・誤嚥(ごえん)。
・肺炎。
インフルエンザも、かかりやすくなるのだとか。
いつも 当たり前にあるように感じる、唾液。
それが少なくなると、これだけ大変なことが起こるんですね。
でも、唾液の量が戻る人と、戻らない人。
いったい、何が違うのでしょうか?


後編では、詳しい解説と、対策を紹介します。



【歯は磨いてはいけない?】 森昭/ビーバップハイヒール
間違った歯磨きで、病気になる可能性が!
歯周病は、糖尿病の原因になる。
さらには、アルツハイマーを悪化させるという報告も。
ED、脳梗塞にも、関係が。
<最新のデンタルケア>
プラークを取り除くには、デンタルフロスを。
外出先では、キシリトールガム。
歯磨き粉をつけ過ぎると、歯が黄色くなる。
2~3日に1回、少量で十分。
歯ブラシの適切な交換時期は、1か月。
口の中が渇いたら、唾液を分泌させるマッサージを。
カシコブレーン:森昭。
2018年2月1日放送の「ビーバップ! ハイヒール」より、「~ 歯は磨いてはいけない!? ~ スタジオ激震! 最新マル秘デンタルケア」「口は万病の元 デンタルケア最前線」からのメモ書きです。

□ 食後すぐ磨いてはいけない?

さあ、今回のテーマは何でしょうか?

「最新のデンタルケア」について。
意外と、間違った磨き方をしてるかもしれませんよ。
目から鱗が落ちちゃうかも。
「3406時間」、この数字、何だか分かります?
実はこれ、日本人が一生涯にかける「歯磨きの時間」なんです。
日本国内のオーラルケア関連製品の市場は、2017年で、3973億円。
それだけ関心が強いのだ。
そんな中、衝撃的な本が出版されました。
その名も、「歯は磨いてはいけない」。
日本人が行っている歯磨きは、間違いだらけだというのです。
子どもの頃、こんなこと言われませんでしたか?
「食べたら、すぐ、歯を磨きなさい」
でも、実はこれ、大間違い。
食後にすぐ歯を磨くのは、世界的には遅れた歯科常識なのだ。
そもそも、食べたらすぐ歯を磨くことは、日本人に歯磨き習慣を定着させるため、50年以上も前に推奨されたものなのだとか。
当時は、虫歯の原因が解明されておらず、学校の先生も、歯医者さんも、歯を磨いて食べカスを取り除くことが 虫歯予防だと考えていたんです。
しかし、これは間違い。
食後の口の中は、酸性に傾いてしまうんです。
すると、歯の表面のカルシウムやリンが唾液中に溶け出し、歯はやわらかくなる。
この やわらかくなった歯は、唾液の力により、30分から60分かけて、元の硬さに戻っていきます。
これが、「再石灰化」という重要なプロセス。
ところが、食後すぐに歯を磨くと、やわらかくなった歯を削ってしまうことになってしまうのだ。
唾液の効力が一番強いのは、食後。
それを流すのは、もったいない!
間違った歯磨きは、虫歯や歯周病菌のリスクを、格段にアップさせてしまいます。
中でも、歯周病は、日本人の80%が かかっている病気だと言われている。
初期は 目立った自覚症状もなく ゆっくりと進行することから、「サイレントディジーズ(Silent Disease) 静かなる病気」とも呼ばれ、進行するほど治療は難しくなってしまいます。
そんな間違いだらけの歯科常識に、警鐘を鳴らしているのが、この方。
歯科医師の 森昭 先生だ。
森先生は言います。
「歯は健康の源であり、万病の元でもあります」
「特に歯周病は、全身を蝕む、怖ろしい病気です」
「正しい歯の知識を学び、健康で長生きできる身体を作りましょう」
このようなデータがあります。
<80歳以上で 残っている歯の平均本数>
スウェーデン → 21本以上
日本 → 10本以下
日本人は世界的に見ても、すごくよく歯を磨く。
にもかかわらず、このような結果に。
ということは、やはり、習慣に問題がありそうですね。
どこかが間違ってる。
それを、森昭先生に教えてもらいましょう。
ちなみに、小さな虫歯は、治療せずに食事や生活習慣を変えて見守るのが、世界の主流なのだとか。
先生によれば、「C1(シーワン)」の前の「CO(シーオー)」の段階で見つけて、虫歯にならないようにするのが、歯科医師の仕事。
□ 口腔ケアを怠ると病気に?

日本人の8割が かかっているといわれる、虫歯や歯周病。
放っておくと、いろいろな病気になっちゃうかも…。
・手先が痺(しび)れる。
・目がかすむ。
そんな人は、糖尿病かも。
歯周病は 糖尿病の原因になるのだ。
糖尿病とは、血糖値を下げる「インスリン」の分泌が低下し、血糖値が高いままになる病気です。
歯周病により 歯茎(はぐき)が炎症を起こすと、炎症部分から 特殊な たんぱく質が分泌される。
このたんぱく質がインスリンの働きを阻害するため、糖尿病にかかりやすくなるのだ。
さらに、こんな報告もある。
糖尿病と歯周病を患っている患者に、歯周病治療を施した結果、糖尿病が改善されたという例が、いくつもあるのだ。
こんな症状も、歯と関係が?
・もの忘れがある。
もしかしたら、アルツハイマーかも。
そう、歯周病は アルツハイマーを悪化させるのだ。
2013年、名古屋市立大学が、「歯周病はアルツハイマーを悪化させる」という論文を発表しました。
マウスに歯周病菌を感染させ、アルツハイマーの進行を調べたところ、歯周病菌に感染させていないマウスよりも、歯周病菌に感染させたマウスの方が、認知機能が著しく低下したというのです。
さらに、認知症で亡くなった人の脳からは 歯周病菌が見つかり、認知症でない病気で亡くなった人の脳からは 歯周病菌が見つからなかったという研究結果も、報告されているのだとか。
まさか、これも?
・男性機能の低下。
そう、歯周病は 男性機能を低下させる。
2012年の研究結果では、「歯周病は、EDのリスクを3倍高める」という報告が。
台北医学大学が 5年に及ぶ研究を行ったところ、EDでない男性のうち 歯周病にかかっているのは 9%。
一方、EDの男性は、27%が歯周病だった。
歯周病菌は、血管内にプラークを形成します。
すると、これが障害となり、男性器に血液がスムーズに流れなくなるんですね。
その結果、EDに。
そして、こんなことも。
虫歯が原因で 命を落とすことがある。
虫歯を放置していると、虫歯菌がアゴの骨にまで到達。
そこで虫歯菌は アゴの骨を溶かし、内部を腐らせ、様々な雑菌が繁殖するようになる。
その雑菌は 血液にのって全身を巡り、身体のあちこちで増殖。
ついには、「敗血症」という怖ろしい病を発症してしまいます。
敗血症にかかった場合の死亡率は、30%。
【敗血症】
化膿した傷・できものなどの原発巣から細菌が繰り返し血管に入り、循環して、重篤な全身症状を起こす病気。
(大辞林より)
それだけではありません。
虫歯と歯周病は 脳梗塞の原因になる。
健康でいたいなら、デンタルケアにも目を向けましょうね。
□ 間違いだらけのデンタルケア

これは、2015年に調べられたものです。
「日本にやって来た外国人の72%が、日本人の口臭に驚いた経験がある」
海外の人は、キスしたりハグしたりする文化があるので、口臭には気を遣うのだとか。
では、デンタルケアに関して、世界と日本には、どのような差があるのでしょうか?
<ポカン口が 虫歯を量産している>
無意識に口を開けてしまう、いわゆる「ポカン口」。
実はこれ、虫歯の大きな原因になっているそうなのです。
口の中では、虫歯菌の繁殖を、唾液の力で抑えつけてるんですね。
しかし、口が開いたままだと、口内が乾き、唾液の力は弱まってしまいます。
その結果、虫歯菌が増殖してしまうのだ。
口内環境を改善したいなら、ポカン口を直しましょう。
<フロス or ダイ>
日本では、歯を磨いて終わりという人が多い。
しかし、海外では、歯磨きよりも、デンタルフロスがメインだという。
「Floss or Die(フロス オア ダイ)」
これは、アメリカで教訓とされている言葉なのだとか。
(アメリカ歯周病学会のキャンペーン)

口内環境が悪い人の口の中は、700種類以上の細菌が、100億から1兆も存在する。
この細菌は、様々な全身疾患の引き金になってるんですね。
そんな細菌の温床となるのが、「プラーク(歯垢)」。
プラークは、歯ブラシでは届かない歯と歯の隙間や、歯と歯茎の間に多く存在します。
なので、デンタルフロスでしか取り除けないんです。

フロスで 歯と歯の隙間の汚れを取り除くことで、唾液の通り道ができ、殺菌・消臭の効果がアップ!
フロスは、朝・昼・晩、必ず行った方がいいという。
でも、会社や学校では、難しいですよね。
そこでこれ。
<外出先では キシリトールガムが効果的>
食後のキシリトールガムは、唾液の分泌を促し、酸性に傾いた口の中を中和してくれます。
さらに、汚れも取り除いてくれる。
<歯磨き粉をつけ過ぎると 歯が黄色くなる>
歯が白く見えるのは、表面のエナメル質が白いため。
歯磨き粉に入っている研磨剤(けんまざい)が、表面の汚れを落とし、エナメル質が表に出ることで、白く見えるようになります。
しかし、歯磨き粉をつけ過ぎると、歯のエナメル質まで削れてしまい、やがて、奥の象牙質(ぞうげしつ)まで徐々に、むき出しになってしまうのだ。
この象牙質の色は黄色のため、歯磨き粉のつけ過ぎは、歯の色をかえって黄色く変化させてしまうってわけ。

<歯磨き粉は 2~3日に1回 少量で十分>
つけ過ぎないようにしましょうね。
いつも使っている歯ブラシ。
いつから使っているか、覚えていますか?
そのまま使っていると、歯周病になっちゃうかも。
ちなみに、ある歯ブラシメーカーによると、歯ブラシは 1本あたり およそ半年(平均6か月)が、一般的なのだとか。
<歯ブラシの適切な交換時期は 1か月>
歯ブラシは雑菌が繁殖しやすく、1本の歯ブラシに 1億以上も生息しているというデータも。
不潔な歯ブラシを使っていると、歯周病になってしまいます。
□ お口のチェック

次の質問に、いくつ当てはまりますか?
<お口の状態チェック>
(1) 熱いお風呂が好き。
(2) 歯ブラシは「かため」が好き。
(3) 夜中、ノドが渇いて、目覚めたら水を飲む。
(4) 寝る前に、お酒を飲む。
(5) 口を閉じると、上の歯と下の歯が くっついている。
(6) 食事中、必ず 飲み物を飲む。
これらはすべて、お口に悪いこと。
森先生によると、3個以上当てはまる人は、将来 寝たきりになる危険度が「50%」だという。
(1)(4)(6)は、唾液の分泌量を減らしてしまう行為。
もし、口の中が渇いてきたら、マッサージすればよい。
アゴの下をマッサージすると、唾液腺が刺激され、唾液が分泌されます。

他にも、口の中で 舌を意識して動かしていると、唾液が出てきますよね。
口の中が渇きがちの人は、ちょっと気をつけてみては?
(2)は、歯茎を傷つけてしまうため、あまりよくないそう。
(3)は、寝ている間に口の中で繁殖した雑菌を 体内に取り込んでしまうため、よくありません。
朝起きたら、水を飲む前に、口をゆすぐなどしましょう。
(5)は、無意識に噛み締めるクセがあり、歯を傷める可能性があります。
噛み癖がある人は、時々リラックスすることを心がけましょうね。
意識して、ふ~っと、力を抜くとか。

・歯磨きは毎日、丁寧に。
・ただし、食後すぐはダメ。
・デンタルフロスで、歯の間を掃除。
・歯磨き粉はつけ過ぎないこと。
・歯ブラシは長期間使わず、交換しましょう。
・ポカン口は直す。
・噛み癖がある人は、リラックスを心がける。
・朝起きたら、水を飲む前に、うがいを。
口の中は、自分ではなかなか見えないし、詳細を確認することは困難です。
歯医者さんで検診を受け、チェックしてもらいましょう。
それが虫歯を治療しないで済む、最善の方法です。
歯周病予防にもなる。
[関係する記事]
→ 【沈黙の虫歯】 唾液マッサージ 楔状欠損
→ 「痛くない大人の虫歯&入れ歯の新常識」
→ 「くさび状欠損とは(アブフラクション)」
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【沈黙の虫歯】 唾液マッサージ 楔状欠損/ゲンキの時間
痛みのない大人だからこそ、要注意! 沈黙の虫歯があるかもしれません。
なりやすい人と、なりにくい人の差は、唾液。
量と酸性度、酸緩衝能を測定すれば、分かる。
唾液を増やすには、耳下腺・顎下腺マッサージを。
噛み締めのパターン、3タイプ。
(1) 歯ぎしり。(2) くいしばり。(3) タッピング。
根元が欠ける、くざび状欠損とは?
ドクネット:日本大学歯学部付属 歯科病院 宮崎真至 病院長。
ゲンキスチューデント:IMALU。
ゲンキリサーチャー:ヴェートーベン(久保&青井)。
2017年6月4日放送の「健康カプセル! ゲンキの時間」より、「~ 恐怖…歯を失う!? ~ 沈黙の虫歯」からのメモ書きです。

□ 沈黙の虫歯チェック

放送のあった6月4日は、「虫歯予防デー」。
大人になってから、虫歯なんて できてないから、大丈夫。
そう思ってませんか?
歯医者さんは、こう言ってますよ。
「痛みがないまま進行して、気がついた時、『え? こんな状態に?』と、そういった沈黙の虫歯があるんです」
まずは、恒例の基礎クイズから。
Q)歯磨きの「ゆすぎ」は、何回が良い?
A:1回
B:3回
C:5回
答えは、「A:1回」。
歯磨きに配合されている有効成分は、歯磨き後も口に残っていると、少しずつ唾液と混ざり合って効果を発揮するんです。
なので、ゆすぎ過ぎてしまうと、効果が落ちてしまうのだ。
では、チェックしてみましょうか。
<沈黙の虫歯セルフチェック>
(1) 炭酸飲料・柑橘系の酸っぱい飲み物が好き。
(2) 歯茎が下がってきたような気がする。
(3) 冷たいものが歯にしみる。
(4) 10年前に治療した歯が多い。
1つでも 当てはまれば、注意が必要。
沈黙の虫歯について教えてくれる専門家は、この方。
日本大学歯学部付属 歯科病院の病院長、宮崎真至 先生です。
そもそも、虫歯は、どうやって できるのでしょうか?
「虫歯自体は、虫歯菌が 歯の表面にくっつくと、だんだんと、自分たちの仲間を増やしていくわけですね」
「また、住み心地がいいように、自分たちで、1つの塊を作るんです」
「それを、歯垢(しこう)、あるいは、プラークっていってるんですけど」
「さらに、今度は、人間が食べた糖分を虫歯菌が食べて、酸を出すんです」
「そして、歯がだんだんと溶かされていく」
この画像、よく見ますよね。
でも、これ、子どもの虫歯の話なんだそうです。

大人になってからの虫歯は「沈黙の虫歯」と呼ばれ、気がついたら手遅れというケースも、あるのだそう。
と、宮崎先生から、ヴェートーベンの二人に質問が。
「お二人は、それぞれの歯に、自信はありますか?」
なんと、久保さんは、中学校以来、歯医者に行ってないという。
歯は丈夫だと自負していると、胸を張りました。
そこで、調べてみることに。
<沈黙の虫歯は本当にあるのか? 大検証!!>
参加するのは、虫歯はないと自負する、ゲンキチャレンジャーの3人。
久保さんも、参加します。
Aさん(41歳男性)は、これまで一度も、虫歯はないそう。
ただ、農家で育ったことで、1つだけ歯に問題が。
台風で稲が倒れても、そのまま起こして、精米したそうな。
すると、石が入っていて、そのままガリッとやってしまった。
それで歯が割れちゃったそうです。
なので、虫歯はないけれど、銀歯がある。
Bさん(51歳女性)は、1年前まで定期検診に行っていたので、虫歯はないと思っているという。
歯は強く、硬いものが大好物とのこと。
Cさん(61歳男性)は、最後に歯医者に行ったのが、小学生の時。
約50年間、虫歯知らずだといいます。
さて、思っているのと実際は、同じなのでしょうか?
まずは、久保さんから。
なんと、両サイドの親知らずが、虫歯になっていました。
痛みがないから、気がつかなかったんですね。
<沈黙の虫歯とは?>
子どもの頃とは違って、成長してくると、表面のエナメル質が緻密になります。
結果、虫歯になりにくくなるのだという。
でも、歯茎に近いところは別です。
年齢と共に、歯茎が下がってきて、今まで歯茎に守られていた比較的弱いところ、象牙質が虫歯に。

そして、痛みがないのにも、理由が。
成熟した歯は、外から受けた刺激から、神経を守ろうと、象牙質が内側に膨らみます。
なので、進行しても、なかなか痛みを感じず、沈黙の虫歯になってしまうんです。
痛みを感じた時には、深刻なくらい進行しているケースも。

<沈黙の虫歯の画像>

久保さんは、親知らず2本が、沈黙の虫歯でした。
さらに、右上に1本、虫歯のタネが見つかった。
Bさんは、初期の沈黙の虫歯が、2本。
Cさんは、沈黙の虫歯が、4本。

Aさんは公言通り、虫歯なしでした。
実は、街頭でも調査したのですが、虫歯の自覚がなかった 10人中 6人に、沈黙の虫歯がありました。
□ 唾液検査

沈黙の虫歯になる原因は、何なのでしょう?
また、なりやすいのは、どんな人なのでしょうか?
岡崎先生は、まず、「唾液検査(だえきけんさ)」することを勧めました。
どれだけ唾液が出ているか、量と性質を見る検査です。
唾液によって、虫歯になりやすいか、なりにくいかが、分かるのだそう。
まずは、量を測定します。
味のないガム(パラフィン)を5分間 噛む。
その後、唾液を吐きだします。
基準値は、「7ml」。
ゲンキチャレンジャーの結果は、こうでした。
青井さん:3.5ml
Aさん:7.5ml
Bさん:4.5ml
Cさん:3.8ml
虫歯のないAさん以外は、基準以下です。
唾液が少ないと、口腔内を洗い流す機能が低く、虫歯ができやすいといいます。
続いて、唾液の質を測定。
アークレイの最新検査機器で唾液を見ると、虫歯になりやすいか、なりにくいか、分かるらしい。
まず見るのは、「酸性度」。
口腔内は、そもそも、中性です。
口の中が中性の時は、虫歯菌も活動はしていません。
つまり、そのままでは、虫歯になりにくい状態なんです。
しかし、食事をすると、口の中は一時的に、酸性になります。
これは、虫歯菌が活発に動き出したためだという。
酸性度が高いほど虫歯になりやすいのですが、その状態をリセットするのが、唾液の働きなのだ。
その酸性の状態を中和していく能力として、「酸緩衝能(さんかんしょうのう)」がある。
この数値が高ければ、虫歯菌をおとなしくさせることができるため、虫歯になりにくいんです。
つまり、ここでいう唾液の質とは、口腔内の「酸性度」と、それを中和する「酸緩衝能」のこと。
検査は簡単です。
唾液を測定用紙に垂らし、それを検査機にかけ、5分したら完了。

ゲンキチャレンジャーの結果は、こうなりました。
Bさん:酸性度が若干高く、虫歯ができやすい環境。
Cさん:酸性度が非常に高く、虫歯になりやすいことが判明。
久保さん:酸性度も、酸緩衝能も、平均よりよい。
あれ?
虫歯になりにくい唾液なのに、どうして久保さんは、虫歯が3本もあったのだろうか?
親知らずに関しては、斜めに生えていて、その分、どうしても、唾液の力が及ばなかったようです。
さらに、歯の裏側を見ると、歯石や汚れがビッシリ。
これは、ブラッシングをおろそかにしていた証拠です。
この状態でも虫歯が少なかったのは、唾液のおかげなんですね。
では、唾液を増やすには、どうしたらよいのでしょうか?
唾液腺を刺激すればよいと、宮崎先生。
私たちの口の中には、「三大唾液腺」があります。
それが、「耳下腺(じかせん)」「顎下腺(がっかせん)」「舌下腺(ぜっかせん)」。
<唾液を増やす方法>
[耳下腺]
指3本を使い、耳たぶの下から、口に向かって、刺激する。
[顎下腺]
指3本を使い、アゴの下を前に押して、刺激する。
(耳たぶの下、下アゴの少しくぼんだ場所を刺激)

年齢と共に、唾液腺も弱くなります。
でも、こうやって刺激を加え、活性化させることで、唾液の量は増えるのだそう。
食事の前にやると、効果的。
実は、今回の検査で、もう1つ分かったことがあります。
歯周病の指標の1つ、「白血球」の数値が、久保さんは非常に高かったんです。
歯周病は、歯周病菌によって炎症が起きる病気。
脳梗塞、心筋梗塞、骨粗しょう症、糖尿病など、様々な病につながることも分かっています。
また、歯周病で歯茎が下がることで、歯の根元が虫歯菌に侵され、沈黙の虫歯にもなりやすくなってしまうのだ。
そして、相方の青井さんにも、悲劇が。
沈黙の虫歯の原因は、他にもあったんです。
□ ドクネット
引き続き、日本大学歯学部付属 歯科病院の 宮崎真至 病院長に、教えていただきます。
「沈黙の虫歯セルフチェック」に、「炭酸飲料・柑橘系の酸っぱい飲み物が好き」という項目がありました。
宮崎先生によると、酸性の飲み物には エナメル質を溶かす能力があるとのこと。
なので、ダラダラ飲みは避けた方がよいそうです。
「歯茎が下がってきたような気がする」「冷たいものが歯にしみる」という項目は、弱い象牙質が出て、沈黙の虫歯になりやすくなっている可能性が。
「10年前に治療した歯が多い」という項目にも、理由があります。
歯医者から遠のいていることで、沈黙の虫歯を、気づかないまま、放置している可能性がある。
唾液が大事だと学びましたが、唾液の質を上げることは、できるのでしょうか?
体質的なこともあるので、唾液の質を変えることは難しいとのこと。
それよりは、口腔内を酸性にしないように、きれいにしておくことが大切だと。
歯磨きができない状況だと、口の中をゆすぐだけでも、効果はあるそうです。
満里奈さんからは、こんな質問が。
「噛み合わせを良くする方法は、あるんですか?」
普段の生活で注意すべきこととしては、こんなことが。
・頬杖をつく癖があったら、なるべくしないようにする。
頬杖をつくと、反対側の噛み合わせが悪くなると言われています。
□ 3つの噛み締め

沈黙の虫歯には、他にも原因が。
撮影の空き時間、ついでに歯を診てもらっていた青井さんですが、先生は「う~ん」と。
やがて、電話し、誰かを呼びました。
やって来たのは、アゴ関節の専門家。
日本大学歯学部 歯科補綴学 第1講座の 高津匡樹 准教授(顎関節症科)です。
そう、青井さんは、顎関節症と診断されたことがあるのだ。
改めて診察してもらうと、奥歯が削れて、平らになっていました。
アゴを動かして すり減っているかもしれない、とのこと。
歯の画像を見ると、歯の表面がすり減り、丸みを帯びているのが分かります。

高津先生は、「おそらく、噛み締めるタイプの歯ぎしりをしてるんじゃないかと思います」と。
歯に影響を与える噛み締めのパターンは、大きく3つ。
(1) 歯ぎしり
歯を左右にこするように噛み締めること。
主に、睡眠中に行われます。
(2) くいしばり
上下に「ぎゅ~」と噛み締めること。
日中、無意識に行っている人も多い。
(3) タッピング
睡眠中や無意識のうちに、上下の歯を「カチカチ」と噛み合わせること。
そんな噛み締めが、ある怖い状態を引き起こすことがあるんです。
時には、歯が割れたり、欠けたりすることも。
起きている時、意識して噛み締めると、だいたい 50~100kg の力がかかっているそうです。
かなりの力ですね。
また、夜、無意識のうちに「ぎゅ~」とやったり、「ギシギシ」とやったりすると、さらに強い力で歯ぎしりしていることがあるのだという。
その結果、歯の上面がすり減ったり、割れて中の弱い象牙質の部分が あらわになったりすることも。

また、歯ぎしりでは、その力が歯の根の部分に加わり、楔状(くさびじょう)に はげ落ちてしまうことがあります。
それが、「楔状欠損(くさびじょうけっそん)」。

これらは放っておくと、欠損部分から虫歯菌が入り込み、やがて、気づかぬうちに、沈黙の虫歯に。
原因は、はっきり分かっていないのですが、一般的には、ストレスが原因と言われているそうです。
宮崎先生によれば、朝起きてアゴが疲れている感覚がある人は、食いしばりをしている傾向があるとのこと。
さらに、頭痛や肩こりを伴う場合、歯ぎしりや食いしばりをしている可能性が高い。
歯ぎしりは癖のようなものなので、なかなか直りにくいといいます。
なので、歯科医院を訪れて、マウスピースを作って装着することも、1つの方法。
時々「ああ、噛み締めてるな」と思うことがあるなら、ホッと息を吐いて、力を抜いてください。
パソコンに、「歯を噛み締めてない?」「リラックスして」などと付箋に書いて、貼っておくのも、良いかもしれませんね。


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