尿トラブルには 我慢と筋トレ/健康カプセル! ゲンキの時間
今回のテーマは、「尿トラブル」。
1日に8回以上トイレに行ったら、頻尿。
原因の一つは、前立腺肥大症。
<夜間頻尿改善法>
アルコールとカフェインは、寝る3時間前までに。
<尿漏れ>
男性の尿道括約筋。
<過活動膀胱>
女性の骨盤底筋。
対策は、肛門締め筋トレ。
怖い、<前立腺がん>。
男性は、50歳になったら、PSA検査を。
ドクネット:日本大学医学部付属 板橋病院 副院長 泌尿器科部長 高橋悟 先生の解説。
2015年10月25日放送の「健康カプセル! ゲンキの時間」より、「~ 年だからとあきらめない ~ 尿トラブル大改善」からのメモ書きです。

□ 夜間頻尿

尿トラブルに悩んでいる中高年の数は、約1000万人。
今回は、頻尿や尿漏れの原因と効果的な改善法を、紹介しちゃいます。
訪れたのは、東京都は板橋区の 日本大学医学部付属 板橋病院。
副院長であり泌尿器科部長である、高橋悟 先生に、お話を伺います。
「1日に8回以上トイレに行ったら、頻尿ということになるんですよ」
頻尿の検査には、「尿流量測定装置」を使います。
これは、尿の勢いや時間を測ることができる機械なんです。
正常な場合、排尿最大速度は 15cc 毎秒以上。
排尿時間は 40秒以内。
これが基準となります。
番組で、頻尿に悩む男性が測定したところ、尿の勢いが弱く、排尿時間も長くなっていました。
これは、典型的な「前立腺肥大症」の排尿パターンだという。
前立腺とは、膀胱の下にある男性固有の臓器。精液の一部を作っています。
その前立腺が大きくなってしまうのが、前立腺肥大症。

男性の尿トラブルのほとんどは、これが原因なのだという。
前立腺が肥大すると、膀胱を圧迫。膀胱が刺激されて、頻尿の症状が出てしまう。
エコー検査で、前立腺が肥大しているかどうか、確認できます。
健康な人のものはクルミ大なのに対し、肥大している人は、ゴルフボール大になることも。
<夜間頻尿改善法>
前立腺肥大症の治療法としては、薬や手術もありますが、それほど困っていなければ、生活習慣を変えることから始めるとよい。
高橋先生のアドバイスは、「アルコールとカフェイン断ちをする」。
ただし、全くダメというわけではありません。
寝る3時間前までに飲んで、それ以降は控える。
番組で相談した男性は、この方法で、夜間頻尿が改善しました。
スッキリ眠れたと、笑顔に。
□ 尿漏れ

続いては、尿漏れです。
オシッコをし終わって、しばらくして、あるいは、ズボンにしまった後に、じわっとくる感じ。
これも、前立腺肥大症の可能性が。
尿漏れに悩む男性のエコー検査をしたところ、やはり、前立腺がゴルフボール大になっていました。
肥大した前立腺は、膀胱だけでなく、尿道も圧迫、尿の勢いが弱まり、尿漏れの原因になってしまうのです。
男性の尿道は、膀胱から少し下にカーブし、外につながっています。
尿に勢いがないと、カーブした部分に尿が溜まってしまうため、排尿後、残った尿が 漏れ出てしまうのです。
<尿漏れ改善法>
尿道括約筋(にょうどうかつやくきん)の筋トレをする。
尿道括約筋とは、排尿をコントロールしている筋肉。
尿をためる時は収縮し、排尿の時は緩む。
また、尿道に残った尿を押し出したり、勢いをつける役割も。
筋トレのやり方は、もう少し後で。
□ 尿の回数が多い

3人目のお悩みは、尿の回数が多すぎて困っている女性。
昼間、トイレに行きたくなると我慢するのがつらいなど、強く我慢しがたい尿意があって、そのために頻尿とか尿漏れが起こってしまう状態を、「過活動膀胱(かかつどうぼうこう)」という。
女性の尿トラブルで、多い症状です。
個人差はありますが、膀胱の容量は、400cc 程度。
膀胱に尿がいっぱいになると、脳へ指令が送られ、人は尿意を感じます。
しかし、過活動膀胱の場合、それほど尿がたまっていなくても、膀胱が過剰に反応し、強い尿意に襲われ、我慢できなくなるんです。
過活動膀胱の主な原因は、膀胱と脳を結ぶ神経のトラブル。
神経回路の障害により、膀胱が収縮。尿量に関係なく、尿意を感じさせてしまいます。
<過活動膀胱の対処法>
(かかりつけのお医者さんの指導のもと、行ってください)
(1) 我慢する。
強い尿意切迫感を、グッとこらえる治療法です。
尿意を感じたら、あせらず落ち着いて、5分程度 我慢する。
(自宅などで、無理をしない程度に行ってくださいね)
少しずつ時間を伸ばし、30分程度 我慢できるようになるのが理想。
(2) 骨盤底筋(こつばんていきん)の筋トレ。
骨盤底筋は、文字通り、骨盤の底にあります。
尿道、膣、肛門を、締める働きがある。
この筋肉が衰えると、尿をコントロールできなくなり、尿トラブルを起こしやすいと言われています。
女性の骨盤底筋の鍛え方と、男性の尿道括約筋の鍛え方は、同じ。
<女性の骨盤底筋 男性の尿道括約筋 トレーニング>
名付けて、[肛門締めトレーニング]。
肛門を、オナラをこらえる時の要領で、ギュ~ッと締める。
3秒かけて締めて、2秒かけて緩める。
1回5秒として、1日の合計を5分間行う。
これなら、周りに気づかれずに行えます。
仕事中や家事をしている時など、こまめにやって、毎日続けましょう。
□ ドクネット
日本大学医学部付属 板橋病院 副院長で泌尿器科部長の 高橋悟 先生に、解説していただきます。
なぜ前立腺が大きくなるかについては、正確にはまだ解明されてないそう。
ただ、最近のデータを見てみると、肥満や高血圧、糖尿病など、生活習慣病を持っている患者さんが、なりやすい傾向が。
女性は男性と違って、前立腺がないので、尿道が短い。
あと、出産の後に骨盤底筋が、どうしても緩んでしまうのだそう。
また、閉経期になると、女性ホルモンが下がってしまうので、尿道の支えが弱くなって、尿失禁が増えると言われている。
早い人で、30代から40代ぐらいから、尿漏れ等のトラブルを感じるのですが、骨盤底筋のトレーニングで、6割から7割の人が、かなりよくなるのだそうです。
□ 前立腺がん
尿トラブルだと思っていたら、がんであるケースも。
前立腺に悪性の腫瘍ができる、前立腺がん。
膀胱や尿道を圧迫するため、尿トラブルを起こします。
前立腺がんは、10年後には、がんの中でも、患者数が1位になるのではないかという予想もある。
主な原因は、食生活の欧米化らしい。
比較的 高齢の男性がなる がんで、60代ぐらいから患者さんが増えてくる。
そんなに進行は早くなく、亡くなる人は多くないそう。
ただ、前立腺がんは、骨盤や背骨など、骨に転移しやすいという性質も。
そのため、骨を通じて、全身に広がる可能性もあります。
困ったことに、前立腺がんは、最初の頃は症状が出にくい。
排尿のトラブルが出て、そこで初めて病院に行くと、すでに進行していたり、転移しているということも、少なくないのだという。
高橋先生は、「男性は50歳になったら、PSAという検査を受けてほしい」といいます。
PSAとは、前立腺で作られるタンパク質を調べる血液検査。
早期のがんでも、かなりの確率で、見つけることができます。
地域によって差はありますが、住民健診の中にPSAを取り入れている所は増えているらしい。
尿トラブルが起きる前に、ぜひ、PSA検査を。
[関係する記事]
→ 「尿の色 泡立ち トイレ回数 腎臓病チェックリスト」
→ 「夜だけ頻尿と隠れ心不全」
tag : 健康カプセル!ゲンキの時間 尿トラブル



尿の色 泡立ち トイレ回数 腎臓病チェックリスト/健康カプセル! ゲンキの時間
今回のテーマは、「腎臓病」。
<尿チェックリスト>
(1) トイレの回数。
(2) 尿の色。
(3) 泡立ち。
健康診断結果報告書で分かる、リスクチェック方法。
(a) 尿たんぱく。
(b) 血液検査のクレアチニン。
腎臓病の可能性を上げる、意外な症状とは?
ドクネット:東京慈恵会医科大学附属病院 川村哲也 教授。
2015年3月22日放送の「健康カプセル! ゲンキの時間」より、「~総点検! チェックで分かる!~ 腎臓からのSOS!」からのメモ書きです。

□ 腎臓と尿

今回のテーマは、「腎臓病」。
慢性腎臓病の患者数は、2012年の調べで、推定1300万人。
しかも、その多くは、病気に気づかないまま生活していると言います。
腎臓の別名は、「沈黙の臓器」。
痛みが出にくく、気づいた時には病気が進行していることも多い。
さらに、一度機能を失うと、再生できません。
腎臓を守るには、早期に気づくことが大事。
そこで今回は、チェックリストを紹介します。
さっそく、クイズ。
Q)腎臓病のきっかけになる意外な症状は、次の3つのうち、どれでしょう?
(a) 関節痛
(b) のど痛
(c) 頭痛
正解は、「 (b) のど痛 」。
詳しくは、後半で。
<腎臓病 尿チェック>
(1) 最近、トイレの回数が増えた。
(2) 尿の色が赤い。
(3) 尿の泡立ち。
東京都港区にある、東京慈恵会医科大学附属病院。
川村哲也 教授に、解説していただきます。
腎臓の働きは、ろ過機能。
人工透析機に牛乳を通すと、透明な液体になります。
ただ、味は間違いなく、牛乳。
牛乳を白くしているタンパク質や乳脂肪が、取り除かれたのです。
腎臓には、「糸球体(しきゅうたい)」がある。
これは、毛玉のように丸まった、毛細血管。
糸球体に血液が流れると、粒子が小さい老廃物や余分な水分は通過します。
逆に、粒子が大きい血球やタンパク質などの栄養分は、そのまま。
こうして血液がろ過され、尿が作られるんですね。
<トイレの回数が増える理由>
腎臓は、血液から毒素をろ過して、尿に捨てています。
また、それと同時に、尿を濃くする、濃縮する力を持っている。
腎臓の働きが悪くなると、この濃縮力が低下。
これが、トイレの回数が増える原因に。
腎臓は、1日に1500リットルの血液から、1.5リットルの尿を作っている。
まず、糸球体で血液をろ過し、尿の元ができます。
そして、尿細管(にょうさいかん)という管の中で、必要な成分を再吸収。
尿の元が、濃縮される。
腎臓が病気になると、濃縮する能力が低下し、薄い尿が作られ続けることになります。
その結果、尿の回数が増えてしまう。
健康な人の尿の量は、1日に 1リットルから1.5リットル。
回数にすると、5回程度。
「尿の回数が10回以上」、特に、「夜中に4~5回 トイレに行く人」は、慢性腎不全の可能性が。
病院を受診した方がよいそうです。
<尿の色>
健康な腎臓では、粒子が大きい血球はフィルターを通らず、体内に残ります。
ところが、フィルターの機能が低下すると、血球がフィルターを通過してしまい、尿に混ざって、色が変わってしまう。

左から1番目と2番目の色なら、腎臓は健康だそうです。
3番目の色だと、黄色信号。
4~6番は、血尿の可能性が高い。
<尿の泡立ち>

左は、大丈夫。
真ん中も大きな泡なので、問題なし。
右はきめ細かい泡が混じっているので、危険。
腎臓のフィルター機能がやられてしまうと、ある成分が尿に出るようになり、きめ細かい泡が出る。
泡立ちの正体は、タンパク質。
右のように、細かい泡が立って、3分たっても消えないなら、タンパク質が尿に出ている可能性が。
ぜひ、尿検査を。
腎臓の機能低下は、まず尿に現れやすい。
なので、日頃から、尿の異常を確認することが、大切になります。
<腎臓病 尿チェックリスト>
(1) 1日10回以上(夜間4回以上)尿が出る。
(2) 血尿(赤っぽい色の尿)が出る。
(3) 細かい泡が立ち消えにくい。

腎臓の機能が停止してしまうと、身体の中の老廃物を、排出できなくなります。
そうなると、人工透析をしなくてはならなくなる。
□ 人工透析
人工透析とは、正常に機能しなくなった腎臓の代わりに、血液の老廃物や毒素をろ過するもの。
週に3回は病院に通い、1回に4時間から5時間かけて、治療を受けねばなりません。
主な原因は、生活習慣病の糖尿病や高血圧。
これが腎臓の機能を低下させ、やがて腎不全に。
透析をすると、長時間の治療以外にも、水分や食事の制限など、生活の自由が奪われてしまいます。
そうならないために大事なのは、まずは、食事の管理を。
腹八分が基本だと言います。
暴飲暴食、睡眠不足、不規則な生活に注意。
特に、ずっと続けるのは危険です。
生活を見直しましょう。
あとは、健康診断や定期検診。
甘く見ずに、医師のアドバイスをしっかり聞くこと。
□ ドクネット
引き続き、東京慈恵会医科大学の 川村哲也 教授に、解説していただきます。
食事では、塩分とたんぱく質を摂り過ぎないことも、大事だという。
塩分を摂り過ぎると、腎臓がろ過すべき塩分・水分の量が増えて、負担がかかってしまいます。
(1日の塩分摂取の目安は、8~10g)
(また、医師の指導がある場合は、それに従ってください)
タンパク質の燃えカスである窒素成分が、身体の中に老廃物として溜まるので、これも腎臓の負担になります。
(1日のタンパク質の摂取目安は、60~70g)
(体重や運動量によっても、変わります)
激しい運動をすると、血尿が出ると聞くことがあります。
これは、血尿ではなくて、筋肉の一部の「ミオグロビン」という物質が、尿に漏れている状態。
茶褐色なので、血尿に間違われるのだそうです。
血圧と腎臓は、すごく関係がある。
血圧が高いと、糸球体にすごく負担がかかります。
塩分の摂り過ぎには、要注意です。
□ リスクチェック

健康診断の結果報告書からも、腎臓病のチェックができるそうです。
<健康診断の結果報告書で分かる>
<腎臓病 リスクチェック法>
(1) 尿検査の尿たんぱく
(2) 血液検査のクレアチニン


クレアチニンは、血液の老廃物と言われるもの。
上の2つの結果から、リスクが分かります。
<腎臓病リスク早見表>

クレアチニンを規定する因子として、「筋肉量」があります。
運動している人は筋肉量が多いので、クレアチニンが少し高く出る可能性があるそう。
□ リスクが高まる症状の組み合わせ

血尿は、腎臓病以外にも、膀胱炎など、他の病気でも現れることがあります。
血尿だけだと、腎臓病の可能性は、約20%。
ところが、ここにある症状が加わると、80%にまで跳ね上がる。
それが、冒頭のクイズに出てきた、「のどの痛みや腫れ」。
腎臓とのど、どういう関係があるのでしょう?
のどに菌が入ると、これを排除するために、身体は免疫物質を作ります。
その免疫物質の一部が腎臓にくっついて、炎症を起こして、「腎炎」を起こすことがある。
のどが腫れて痛い時に、血尿が出る場合は、腎炎の可能性が。
続いては、3つの組み合わせ。
1つ目は、尿の泡立ち。
尿の泡立ちだけだと、腎臓病の可能性は 約20%。
ここにある症状が加わると、可能性は50%にまで上昇。
その症状とは、「脚のむくみ」。
腎臓の働きが低下すると、水分の調節ができなくなって、脚がむくむんです。
<むくみチェック>
すねの骨の部分を10秒間押します。
指の跡が残ったら、むくみのサイン。

腎臓病の人は、くっきりと跡が残ります。
3つ目は、下痢。
脚だけでなく、腸もむくむそうなのです。
そうすると、腸から必要な水分が身体の中に吸収されなくなって、下痢になる。
尿の泡立ち+脚のむくみ+下痢で、腎臓病の可能性は、90%に。
この3つの症状が重なったら、腎臓の専門医への受診を。
[感想]

尿の状態を見るのって、大事なんですね。

のどの痛みや脚のむくみが関係するなんて、思ってもみませんでした。
沈黙の臓器だけに、気をつけないと。

チェック項目、覚えておこうっと!
[に関する記事]
→ 「尼崎市の人工透析対策 腎機能はクレアチニンでチェック」
tag : 健康カプセル!ゲンキの時間 腎臓病 尿トラブル



「夜だけ頻尿と隠れ心不全/ためしてガッテン」
3月6日のテーマは、「おしっこ近い症候群」。
心臓が危ない頻尿とは?
普通の頻尿と、夜だけ頻尿。
「おしっこ減らすモン」と「おしっこ作るモン」って、何?
美脚時代が教えてくれる美脚ケアとは?
むくみと頻尿の関係。
心臓のポンプ機能と、隠れ心不全。
夜だけ頻尿の見分け方。
亀山つとむさんが経験した、頻尿と睡眠時無呼吸症候群。
宝水は、どうすればいいの?
2013年3月6日放送の「ためしてガッテン」より、「『おしっこが近い』に潜む危険 なんと心臓がピンチ!?」からのメモ書きです。

□ おしっこと心臓
・おしっこが近くなる
理由って何でしょう?
・街の人に、聞いてみました。
・加齢と老化。
・この2つが、多かったようです。
・ところが、
亀山つとむ選手が
衝撃の告白を!
・トイレに行く回数が多くなって、
夜中に5~6回行くようになった。
・27歳から28歳、
現役を引退する
1~2年前のことでした。
・トイレの回数と
その病気が関係あるなんて
まったく思っていなかったと
当時を振り返ります。
・京都大学 EBM研究センター
笠原正登 准教授は言いました。
・おしっこが近くなってきた人は
心臓が危険な状態である
可能性がある。
・東京医科大学病院
循環器内科の
山科章 教授も言います。
・たかが おしっこと思っていたら、
本当に命が危ないことに
なるんです。
・おしっこが命に関わるとは、
どういうことなんでしょう?
・頻尿(ひんにょう)とは、
おしっこが近くなること。
・山瀬まみさんは、
頻尿ではないようです。
・ロケの日など、
丸一日行かなくても
大丈夫だという。
・さて、今日のテーマは、
「心臓が危ない頻尿」。
・このタイプは、
ヘタに薬を飲むと、
危険らしい。
・心臓が危ない頻尿、
その見分け方は
どんなものなんでしょう?
・また、対策は、
どうすればいいんでしょうか?
□ 心臓が危ない頻尿
・おしっこが近いという
おふたりを、
突撃調査させてもらうことに
なりました。
・さて、どちらが、
危険なタイプなんでしょう。
・Aさんは、61歳の男性。
・電車に乗る際も、
先にトイレを探しておくと
いいます。
・そうしないと、
不安でしょうがない。
・Bさんは、81歳の女性。
・人よりも
トイレの回数が多いという。
・それぞれの1日の様子は、
どんなものでしょうか?
・調査開始から、3時間。
・男性のAさんは3回で、
女性のBさんは1回です。
・開始から7時間後、
午後8時では、どうでしょう?
・Aさんは、10回目。
・Bさんは、ようやく2回目です。
・Aさんは、50歳くらいの時から、
回数が多くなったのだという。
・1回に出る量や勢いも、
違ってきました。
・先におしっこし始めても、
後から来た若い人が
先に終えてしまいます。
・そして、Bさんですが、
たったの2回でした。
・あれ?
・回数が多いって、
言ってたんだけどなあ~。
・さて、どちらが、
心臓が危ない頻尿だと思います?
・正解は、Bさんの方。
・Bさんは、
こう振り返ります。
・呼吸が、ハアハアいう状態。
・心臓が破裂したら、
もうしまいでしょ?
・もう、隣に行くのも
しんどかった。
・回覧板を持っていくのにも、
フウフウ言ってた。
・呼吸が、苦しくなる。
・おしっこと心臓とが
関わっているとは、
誰も知らないんじゃ
ないですか?
・当時のBさんの
心臓の画像を見ると、
直径が正常な人の
1.4倍にまで
肥大していました。
・まるで、
伸びきったゴム風船。
・心不全(心拡大)の
一種らしい。
・こうなると、
全身に血液が
送り出せなくなって、
いずれ命が
危なくなってしまう。
・ただし、
心不全が悪化する前に
発見できれば、
症状を改善できます。
・そして、Aさんですが、
ただの頻尿。
・その原因といえば、
例えば、
過活動膀胱。
・膀胱(ぼうこう)に尿を、
十分ためられなくなります。
・男性の場合に多いものには、
前立腺肥大もある。
・これは、前立腺が肥大して、
膀胱や尿道を圧迫。
・一度にしっかり出し切ることが
できなくなります。
・前立腺がんなどは別にして、
命に関わるものではないのが
特徴ですね。
・突撃調査には、
続きがありました。
・夜の様子は、どうだったでしょうか?
・午後10時半に、
どちらも就寝しました。
・そして2時間後、
Bさんがトイレへ。
・その1時間後には、
Aさんが起きてトイレへ。
・しばらくすると、
Bさんが2回目に。
・夜トイレに行った回数は、
Aさんが計4回、
Bさんも計4回でしたよ。
・あれ?
・同じ?
・いえいえ、
違いがありました。
・Bさんは、
夜になると回数が増えるのです。
・心臓が危ない頻尿は、
夜だけ頻尿。
・でも、なぜ、
心臓が危ない頻尿は、
夜だけそうなるのでしょうか?
□ 夜だけ頻尿になるワケ
・ここは、
かわいくいってみましょう。
・夜にょ体にょ中は、
どうなってる尿(にょう)?
・私たちの体の中には、
夜ぐっすり眠るための
すごい仕組みがあるんです。
・その立役者となるのが、脳。
・寝る時間になると、
尿を減らすように
あるホルモンが出動します。
・名づけて、
「おしっこ減らすモン」。
・この減らすモンが
腎臓に届くと、
作られる おしっこの量が
少なくなります。
・このおかげで、
おしっこに起きることなく、
長時間ぐっすり眠れるのです。
・ところがです、
夜だけ頻尿の人は、
別のホルモンが出てきます。
・そいつが、
おしっこを作っちゃうんですね。
・夜中にトイレに起きるのは、
こいつのため。
・この時、脳は、
おしっこ減らすモンを
出しています。
・でも、腎臓では、
別のやつが活躍。
・減らすモンちゃんは、
圧倒されてますよ。
・そしてさらに、
心臓までイジメている。
・でも、あれ?
・おしっこを作らせているのは、
心臓?
・どうなってるんだ?
・通常、夜は
おしっこ減らすモンの
働きで、
起きている時ほど
トイレに行かなくてすみます。
・では、おしっこを作る
いじめっ子の正体は、
何なのでしょう?
・こいつの正体は、
「おしっこ作るモン」。
・実は、
心臓が出すホルモンなのです。
・ということは、
心臓を危険にしている犯人は、
心臓自身ってこと?
・なぜ心臓は、
おしっこ作るモンを
出すのでしょうか?
・心臓は自分が苦しいから、
おしっこを作ってくれと
悲鳴をあげてるんですね。
・じゃあ、何で、
そうなってるんだろう?
・その理由は、
あるものが多すぎるから
だといいます。
・では、何が多いのか?
・それは、「血液」。
・しかも、夜だけ多すぎる
のだという。
・???
・どういうこと?
・なぜ、心臓は夜だけ、
血液が多すぎると
悲鳴をあげるのでしょうか?
□ 美脚時代のエクササイズ
・2年ほど前から
夜の頻尿に悩んでいるという
Cさん。
・63歳の女性です。
・夜中にトイレに行く回数は、
2回から3回くらい。
・多い時は、
4回から5回行くという。
・夜のおしっこ解消、
そのヒントを探しに
Cさんは出かけました。
・彼女を出迎えてくれたのは、
「美脚時代」。
・彼女たちには、
怖ろしい掟(おきて)が
あるらしいですよ~。
・それは、抜き打ちの、
サイズチェック。
・足の太さが増えすぎると、
メンバー交代させられるそうです。
・実際に今まで、2人脱退している。
・そんな美脚時代のみなさんに、
美脚を維持する方法を
教えてもらいました。
<美脚ウォーキング>
・腰に手を置き、
足を交差するようにして
ウォーキングする。
<美脚ダンス>
・ヒザと腰を、使うみたい。
<ふくらはぎパンパン>
・Nanaさんが、教えてくれました。
・寝っころがった姿勢で、
両足を上げます。
・そして片方のふくらはぎを、
もう片方の足で叩く。
<グリグリふくらはぎ>
・これは、MIWAさんのオススメ。
・足の指の間に、
手の指を押し入れます。
・そして、グリグリする。
・足首を、回しましょう。
・ふくらはぎも、動くでしょ?
<美脚スカイツリー>
・これは、AYANOさん流です。
・壁に足をつけるようにして、
寝っころがります。
・お尻が壁の近くにあって、
壁沿いに足を上げる。
<ゴキブリ体操>
・美脚スカイツリーの格好で、
手と足を上げ、
ブラブラさせます。
・このようにして、
Cさんは1時間の体験を
終了しました。
・って、頻尿はどうなったんだ?
・でも、翌日のこと、
Cさんはスッキリした顔。
・夜トイレに行く回数が、
1回に減っていたという。
・8時間くらい爆睡したと、
笑顔でおっしゃいました。
・でも、なんで、
効果が出たんでしょうね。
・美脚メニューの前後で、
ふくらはぎの太さを
2箇所で測定しました。
・すると、こんな結果が出た。
・ふくらはぎの上部では、
-0.8センチ。
・ふくらはぎの下部では、
-1.3センチ。
・脚のむくみが、
取れていたんですね。
・むくみと心臓と夜の頻尿、
この間には
とても深いつながりがあるんです。
・むくみとは、
体を巡っている血液が
重力の影響で、
下の方にたまりやすいことから
始ります。
・たまった血管が
血管から染み出して、
脚の辺りにたまってくるのが
むくみ。
・むくみがひどい人が
夜寝る時、
横になったらどうなるか?
・下半身にたまっていた
たくさんの水分が
血液を通じて心臓に
ド~っと戻って来るんですね。
・そのおかげで、
心臓に負担がかかってしまうわけ。
・さらにこの時、
心臓が弱っているかどうかが、
運命の分かれ道になるという。
・心臓が弱っていると、
血液が多すぎると悲鳴をあげます。
・そして、おしっこ作るモンを放出。
・せっせと、おしっこを作り出す。
・その結果、夜に目が覚め、
トイレに行くことになってしまう。
・心臓が若くて健康だと、
大丈夫なわけか。
・逆に、心臓がun若くて
(=若くなくて)
弱っていると、
こうなってしまう。
・知らない内に、
ポンプ機能が低下してしまっている人。
・「隠れ心不全」の人は、
推定で4000万人いる。
・夜だけ頻尿は、
隠れ心不全のサインである
可能性があります。
・逆にいえば、
頻尿によって隠れ心不全を
見抜けるチャンスがあるというわけ。
・Cさんの心臓を、
心臓病のスペシャリスト
東京医科大学病院 循環器内科の
山科章 教授に、
診ていただきました。
・心臓と下大静脈が見えます。
・仰向けに寝た姿勢で
両足を上げると、
この下大静脈が太くなりました。
・それだけ血液が、
戻ってきているわけか。
□ 夜だけ頻尿の見分け方
・ここでスタジオに、
専門家の先生が登場。
・夜間頻尿診療ガイドラインの
作成委員で、
北上中央病院 泌尿器科の
菅谷公男 先生。
・このタイプの頻尿が
一般的に知られるように
なったのは、
泌尿器科の中でも、
2009年に
夜間頻尿診療ガイドラインが
できてかららしい。
・夜だけ頻尿かどうか
見分けるには、
尿の量が問題になります。
・夜の間に行った尿量と、
朝一番にした尿量、
その合計を「夜間尿量」という。
・通常、夜間尿量は、
一日の尿量の20%未満。
・でも、心臓が弱ると、
夜の尿量が増えてしまう。
・注意すべきなのは、
夜間尿量が1日の3分の1以上
になる場合。
・これを、「夜間多尿」という。
・計測するには、
排尿日誌をつける。
・トイレに行った時に、
時刻と尿量を記録します。
・また、病院では血液検査で、
おしっこ作るモン=
利尿ホルモンBNPを測定。
・その値が高ければ、心不全の疑いがある。
(高血圧や腎不全など、他に原因がある場合もある)
・頻尿治療剤の中には、
おしっこを作らせないような
薬があります。
・尿を減らす薬は、
心不全を悪化させる場合があるので、
注意が必要。
・心不全の場合、
心臓が血液量が多くて
困っている状態なので、
利尿剤を使うことで
日中の血液量を減らし、
心臓の負担と夜の頻尿を
軽減する方法もある。
・むくみ解消のための
美脚体操は、
夕方以降、
寝る3~4時間ぐらい前に
やるとよい。
・30分以上のウォーキングや
スクワットなど、
下肢の運動は夜間頻尿に
とても効果的。
・夜だけ おしっこが近い人は、
心臓が危ないタイプかもしれない!
・ガッテン、ガッテン!
□ 頻尿と睡眠時無呼吸症候群
・もう一つ、
命に関わる頻尿があると
いいます。
・阪神タイガースの00番を
覚えていますか?
・そう、Mr.ヘッドスライディング、
亀山つとむさんです。
・少年野球では監督として、
枚方リトルを世界一にもしました。
・現役を引退する1~2年前、
27~28歳の頃、
トイレに行く回数が多くなったと
亀山さんは振り返ります。
・夜中に、5~6回行っていた。
・その原因となったのが、
睡眠時無呼吸症候群でした。
・肋骨と横隔膜で囲まれた
胸腔(きょうくう)という
空間の中に、
心臓は入っています。
・正常な場合、息をすると、
胸腔は広くなったり
狭くなったりする。
・睡眠時無呼吸症候群の場合、
気道がふさがってしまいます。
・すると、胸腔内の圧力が低下。
・ちょうど
スナック菓子の袋を持って、
飛行機に乗ったみたいに、
パンパンになってしまう。
・そのように、
心臓がふくらんでしまうのです。
・すると、心臓への血流が増大し、
血液量を減らそうとして、
尿を増やしてしまうんですね。
・夜間頻尿(2回以上)の
患者さんの3割に、
睡眠時無呼吸が見られたという
報告もある。
(九州大学睡眠時無呼吸センター 安藤真一 特任教授調べ)
・今までは、
睡眠時無呼吸症候群の
発見が難しかった。
・けれど、夜だけ頻尿から、
気づける可能性が出てきました。
・亀山つとむさんですが、
CPAP(シーパップ)という
鼻に空気を送り込む治療を
受けたそう。
・それにより、寝ている間も、
気道がふさがらなくなるそうです。
・亀山さんはこの治療で、
夜に行くトイレの回数が
0回になったとのこと。
・睡眠時無呼吸症候群の
疑いがある人は、
呼吸器内科や耳鼻咽喉科、
睡眠外来などを受診してください。
・夜の頻尿は、
睡眠時無呼吸症候群が
原因の場合がある。
・ガッテン、ガッテン!
□ 宝水と頻尿
・まだ、原因があるといいます。
・「宝水」って、
覚えてます?
・山瀬まみさんも、
志の輔さんも、
やってるそうですよ。
・1998年7月放送の
「真夏の水分補給術」。
・そこで紹介されたのが、
宝水(たからみず)でした。
・おやすみ前の
1杯の水のことですね。
・脱水状態の人の場合、
宝水は効果があります。
・脱水状態だと、
熱中症や脳梗塞などの
危険が増す。
・それを防ぐためには、
効果があると。
・でも、頻尿で困っている場合、
水分制限した方がいいという。
・心臓や腎臓が正常な場合、
夜おしっこがよく出る人は、
脱水状態ではない。
・なので、宝水はいらないと。
・そして、夜間頻尿で
困っているのでなければ、
宝水を飲んでも問題ない。
・注意としては、
心臓や腎臓の機能が
低下している場合、
医師の指示に従うこと。
・ノドの乾きを判断しにくい
お年寄りなどは、
むやみに水分を減らさないよう
注意する。


□
今のところ、頻尿ではないようです。
寝る前に行くと、朝起きるまでトイレに行くことは滅多にない。
でも、ヘルニアの時は、近かったなあ。
ビールとか飲んだら、信じられないくらい、近くなってた。
ただそれは、手術したことで解消。
今は、トイレに行く回数は普通です。
とはいえ、これから歳を重ねると、きっと問題になって来るんだと思う。
昼の尿量と、夜の尿量。
心に留めておこうか。
[まとめ]
・心臓が危ない頻尿は、
夜だけ頻尿。
・夜だけ頻尿が、
心臓のポンプ機能が
低下してしまっている
隠れ心不全のサイン
である場合がある。
・夜間尿量が、
1日の3分の1を超えると
注意した方がいい。
・寝る3~4時間前の
ウォーキングや
スクワットは、
夜間頻尿に効果的。
・睡眠時無呼吸症候群でも、
夜間頻尿になる場合がある。
・夜だけ頻尿で悩んでいる人は、
宝水は控えた方がいい。
次回は、「バナナのスゴ技7連発」。


→ 「ためしてガッテン 2012年のアーカイブ 8月~12月」
心臓が危ない頻尿とは?
普通の頻尿と、夜だけ頻尿。
「おしっこ減らすモン」と「おしっこ作るモン」って、何?
美脚時代が教えてくれる美脚ケアとは?
むくみと頻尿の関係。
心臓のポンプ機能と、隠れ心不全。
夜だけ頻尿の見分け方。
亀山つとむさんが経験した、頻尿と睡眠時無呼吸症候群。
宝水は、どうすればいいの?
2013年3月6日放送の「ためしてガッテン」より、「『おしっこが近い』に潜む危険 なんと心臓がピンチ!?」からのメモ書きです。

□ おしっこと心臓
・おしっこが近くなる
理由って何でしょう?
・街の人に、聞いてみました。
・加齢と老化。
・この2つが、多かったようです。
・ところが、
亀山つとむ選手が
衝撃の告白を!
・トイレに行く回数が多くなって、
夜中に5~6回行くようになった。
・27歳から28歳、
現役を引退する
1~2年前のことでした。
・トイレの回数と
その病気が関係あるなんて
まったく思っていなかったと
当時を振り返ります。
・京都大学 EBM研究センター
笠原正登 准教授は言いました。
・おしっこが近くなってきた人は
心臓が危険な状態である
可能性がある。
・東京医科大学病院
循環器内科の
山科章 教授も言います。
・たかが おしっこと思っていたら、
本当に命が危ないことに
なるんです。
・おしっこが命に関わるとは、
どういうことなんでしょう?
・頻尿(ひんにょう)とは、
おしっこが近くなること。
・山瀬まみさんは、
頻尿ではないようです。
・ロケの日など、
丸一日行かなくても
大丈夫だという。
・さて、今日のテーマは、
「心臓が危ない頻尿」。
・このタイプは、
ヘタに薬を飲むと、
危険らしい。
・心臓が危ない頻尿、
その見分け方は
どんなものなんでしょう?
・また、対策は、
どうすればいいんでしょうか?
□ 心臓が危ない頻尿
・おしっこが近いという
おふたりを、
突撃調査させてもらうことに
なりました。
・さて、どちらが、
危険なタイプなんでしょう。
・Aさんは、61歳の男性。
・電車に乗る際も、
先にトイレを探しておくと
いいます。
・そうしないと、
不安でしょうがない。
・Bさんは、81歳の女性。
・人よりも
トイレの回数が多いという。
・それぞれの1日の様子は、
どんなものでしょうか?
・調査開始から、3時間。
・男性のAさんは3回で、
女性のBさんは1回です。
・開始から7時間後、
午後8時では、どうでしょう?
・Aさんは、10回目。
・Bさんは、ようやく2回目です。
・Aさんは、50歳くらいの時から、
回数が多くなったのだという。
・1回に出る量や勢いも、
違ってきました。
・先におしっこし始めても、
後から来た若い人が
先に終えてしまいます。
・そして、Bさんですが、
たったの2回でした。
・あれ?
・回数が多いって、
言ってたんだけどなあ~。
・さて、どちらが、
心臓が危ない頻尿だと思います?
・正解は、Bさんの方。
・Bさんは、
こう振り返ります。
・呼吸が、ハアハアいう状態。
・心臓が破裂したら、
もうしまいでしょ?
・もう、隣に行くのも
しんどかった。
・回覧板を持っていくのにも、
フウフウ言ってた。
・呼吸が、苦しくなる。
・おしっこと心臓とが
関わっているとは、
誰も知らないんじゃ
ないですか?
・当時のBさんの
心臓の画像を見ると、
直径が正常な人の
1.4倍にまで
肥大していました。
・まるで、
伸びきったゴム風船。
・心不全(心拡大)の
一種らしい。
・こうなると、
全身に血液が
送り出せなくなって、
いずれ命が
危なくなってしまう。
・ただし、
心不全が悪化する前に
発見できれば、
症状を改善できます。
・そして、Aさんですが、
ただの頻尿。
・その原因といえば、
例えば、
過活動膀胱。
・膀胱(ぼうこう)に尿を、
十分ためられなくなります。
・男性の場合に多いものには、
前立腺肥大もある。
・これは、前立腺が肥大して、
膀胱や尿道を圧迫。
・一度にしっかり出し切ることが
できなくなります。
・前立腺がんなどは別にして、
命に関わるものではないのが
特徴ですね。
・突撃調査には、
続きがありました。
・夜の様子は、どうだったでしょうか?
・午後10時半に、
どちらも就寝しました。
・そして2時間後、
Bさんがトイレへ。
・その1時間後には、
Aさんが起きてトイレへ。
・しばらくすると、
Bさんが2回目に。
・夜トイレに行った回数は、
Aさんが計4回、
Bさんも計4回でしたよ。
・あれ?
・同じ?
・いえいえ、
違いがありました。
・Bさんは、
夜になると回数が増えるのです。
・心臓が危ない頻尿は、
夜だけ頻尿。
・でも、なぜ、
心臓が危ない頻尿は、
夜だけそうなるのでしょうか?
□ 夜だけ頻尿になるワケ
・ここは、
かわいくいってみましょう。
・夜にょ体にょ中は、
どうなってる尿(にょう)?
・私たちの体の中には、
夜ぐっすり眠るための
すごい仕組みがあるんです。
・その立役者となるのが、脳。
・寝る時間になると、
尿を減らすように
あるホルモンが出動します。
・名づけて、
「おしっこ減らすモン」。
・この減らすモンが
腎臓に届くと、
作られる おしっこの量が
少なくなります。
・このおかげで、
おしっこに起きることなく、
長時間ぐっすり眠れるのです。
・ところがです、
夜だけ頻尿の人は、
別のホルモンが出てきます。
・そいつが、
おしっこを作っちゃうんですね。
・夜中にトイレに起きるのは、
こいつのため。
・この時、脳は、
おしっこ減らすモンを
出しています。
・でも、腎臓では、
別のやつが活躍。
・減らすモンちゃんは、
圧倒されてますよ。
・そしてさらに、
心臓までイジメている。
・でも、あれ?
・おしっこを作らせているのは、
心臓?
・どうなってるんだ?
・通常、夜は
おしっこ減らすモンの
働きで、
起きている時ほど
トイレに行かなくてすみます。
・では、おしっこを作る
いじめっ子の正体は、
何なのでしょう?
・こいつの正体は、
「おしっこ作るモン」。
・実は、
心臓が出すホルモンなのです。
・ということは、
心臓を危険にしている犯人は、
心臓自身ってこと?
・なぜ心臓は、
おしっこ作るモンを
出すのでしょうか?
・心臓は自分が苦しいから、
おしっこを作ってくれと
悲鳴をあげてるんですね。
・じゃあ、何で、
そうなってるんだろう?
・その理由は、
あるものが多すぎるから
だといいます。
・では、何が多いのか?
・それは、「血液」。
・しかも、夜だけ多すぎる
のだという。
・???
・どういうこと?
・なぜ、心臓は夜だけ、
血液が多すぎると
悲鳴をあげるのでしょうか?
□ 美脚時代のエクササイズ
・2年ほど前から
夜の頻尿に悩んでいるという
Cさん。
・63歳の女性です。
・夜中にトイレに行く回数は、
2回から3回くらい。
・多い時は、
4回から5回行くという。
・夜のおしっこ解消、
そのヒントを探しに
Cさんは出かけました。
・彼女を出迎えてくれたのは、
「美脚時代」。
・彼女たちには、
怖ろしい掟(おきて)が
あるらしいですよ~。
・それは、抜き打ちの、
サイズチェック。
・足の太さが増えすぎると、
メンバー交代させられるそうです。
・実際に今まで、2人脱退している。
・そんな美脚時代のみなさんに、
美脚を維持する方法を
教えてもらいました。
<美脚ウォーキング>
・腰に手を置き、
足を交差するようにして
ウォーキングする。
<美脚ダンス>
・ヒザと腰を、使うみたい。
<ふくらはぎパンパン>
・Nanaさんが、教えてくれました。
・寝っころがった姿勢で、
両足を上げます。
・そして片方のふくらはぎを、
もう片方の足で叩く。
<グリグリふくらはぎ>
・これは、MIWAさんのオススメ。
・足の指の間に、
手の指を押し入れます。
・そして、グリグリする。
・足首を、回しましょう。
・ふくらはぎも、動くでしょ?
<美脚スカイツリー>
・これは、AYANOさん流です。
・壁に足をつけるようにして、
寝っころがります。
・お尻が壁の近くにあって、
壁沿いに足を上げる。
<ゴキブリ体操>
・美脚スカイツリーの格好で、
手と足を上げ、
ブラブラさせます。
・このようにして、
Cさんは1時間の体験を
終了しました。
・って、頻尿はどうなったんだ?
・でも、翌日のこと、
Cさんはスッキリした顔。
・夜トイレに行く回数が、
1回に減っていたという。
・8時間くらい爆睡したと、
笑顔でおっしゃいました。
・でも、なんで、
効果が出たんでしょうね。
・美脚メニューの前後で、
ふくらはぎの太さを
2箇所で測定しました。
・すると、こんな結果が出た。
・ふくらはぎの上部では、
-0.8センチ。
・ふくらはぎの下部では、
-1.3センチ。
・脚のむくみが、
取れていたんですね。
・むくみと心臓と夜の頻尿、
この間には
とても深いつながりがあるんです。
・むくみとは、
体を巡っている血液が
重力の影響で、
下の方にたまりやすいことから
始ります。
・たまった血管が
血管から染み出して、
脚の辺りにたまってくるのが
むくみ。
・むくみがひどい人が
夜寝る時、
横になったらどうなるか?
・下半身にたまっていた
たくさんの水分が
血液を通じて心臓に
ド~っと戻って来るんですね。
・そのおかげで、
心臓に負担がかかってしまうわけ。
・さらにこの時、
心臓が弱っているかどうかが、
運命の分かれ道になるという。
・心臓が弱っていると、
血液が多すぎると悲鳴をあげます。
・そして、おしっこ作るモンを放出。
・せっせと、おしっこを作り出す。
・その結果、夜に目が覚め、
トイレに行くことになってしまう。
・心臓が若くて健康だと、
大丈夫なわけか。
・逆に、心臓がun若くて
(=若くなくて)
弱っていると、
こうなってしまう。
・知らない内に、
ポンプ機能が低下してしまっている人。
・「隠れ心不全」の人は、
推定で4000万人いる。
・夜だけ頻尿は、
隠れ心不全のサインである
可能性があります。
・逆にいえば、
頻尿によって隠れ心不全を
見抜けるチャンスがあるというわけ。
・Cさんの心臓を、
心臓病のスペシャリスト
東京医科大学病院 循環器内科の
山科章 教授に、
診ていただきました。
・心臓と下大静脈が見えます。
・仰向けに寝た姿勢で
両足を上げると、
この下大静脈が太くなりました。
・それだけ血液が、
戻ってきているわけか。
□ 夜だけ頻尿の見分け方
・ここでスタジオに、
専門家の先生が登場。
・夜間頻尿診療ガイドラインの
作成委員で、
北上中央病院 泌尿器科の
菅谷公男 先生。
・このタイプの頻尿が
一般的に知られるように
なったのは、
泌尿器科の中でも、
2009年に
夜間頻尿診療ガイドラインが
できてかららしい。
・夜だけ頻尿かどうか
見分けるには、
尿の量が問題になります。
・夜の間に行った尿量と、
朝一番にした尿量、
その合計を「夜間尿量」という。
・通常、夜間尿量は、
一日の尿量の20%未満。
・でも、心臓が弱ると、
夜の尿量が増えてしまう。
・注意すべきなのは、
夜間尿量が1日の3分の1以上
になる場合。
・これを、「夜間多尿」という。
・計測するには、
排尿日誌をつける。
・トイレに行った時に、
時刻と尿量を記録します。
・また、病院では血液検査で、
おしっこ作るモン=
利尿ホルモンBNPを測定。
・その値が高ければ、心不全の疑いがある。
(高血圧や腎不全など、他に原因がある場合もある)
・頻尿治療剤の中には、
おしっこを作らせないような
薬があります。
・尿を減らす薬は、
心不全を悪化させる場合があるので、
注意が必要。
・心不全の場合、
心臓が血液量が多くて
困っている状態なので、
利尿剤を使うことで
日中の血液量を減らし、
心臓の負担と夜の頻尿を
軽減する方法もある。
・むくみ解消のための
美脚体操は、
夕方以降、
寝る3~4時間ぐらい前に
やるとよい。
・30分以上のウォーキングや
スクワットなど、
下肢の運動は夜間頻尿に
とても効果的。
・夜だけ おしっこが近い人は、
心臓が危ないタイプかもしれない!
・ガッテン、ガッテン!
□ 頻尿と睡眠時無呼吸症候群
・もう一つ、
命に関わる頻尿があると
いいます。
・阪神タイガースの00番を
覚えていますか?
・そう、Mr.ヘッドスライディング、
亀山つとむさんです。
・少年野球では監督として、
枚方リトルを世界一にもしました。
・現役を引退する1~2年前、
27~28歳の頃、
トイレに行く回数が多くなったと
亀山さんは振り返ります。
・夜中に、5~6回行っていた。
・その原因となったのが、
睡眠時無呼吸症候群でした。
・肋骨と横隔膜で囲まれた
胸腔(きょうくう)という
空間の中に、
心臓は入っています。
・正常な場合、息をすると、
胸腔は広くなったり
狭くなったりする。
・睡眠時無呼吸症候群の場合、
気道がふさがってしまいます。
・すると、胸腔内の圧力が低下。
・ちょうど
スナック菓子の袋を持って、
飛行機に乗ったみたいに、
パンパンになってしまう。
・そのように、
心臓がふくらんでしまうのです。
・すると、心臓への血流が増大し、
血液量を減らそうとして、
尿を増やしてしまうんですね。
・夜間頻尿(2回以上)の
患者さんの3割に、
睡眠時無呼吸が見られたという
報告もある。
(九州大学睡眠時無呼吸センター 安藤真一 特任教授調べ)
・今までは、
睡眠時無呼吸症候群の
発見が難しかった。
・けれど、夜だけ頻尿から、
気づける可能性が出てきました。
・亀山つとむさんですが、
CPAP(シーパップ)という
鼻に空気を送り込む治療を
受けたそう。
・それにより、寝ている間も、
気道がふさがらなくなるそうです。
・亀山さんはこの治療で、
夜に行くトイレの回数が
0回になったとのこと。
・睡眠時無呼吸症候群の
疑いがある人は、
呼吸器内科や耳鼻咽喉科、
睡眠外来などを受診してください。
・夜の頻尿は、
睡眠時無呼吸症候群が
原因の場合がある。
・ガッテン、ガッテン!
□ 宝水と頻尿
・まだ、原因があるといいます。
・「宝水」って、
覚えてます?
・山瀬まみさんも、
志の輔さんも、
やってるそうですよ。
・1998年7月放送の
「真夏の水分補給術」。
・そこで紹介されたのが、
宝水(たからみず)でした。
・おやすみ前の
1杯の水のことですね。
・脱水状態の人の場合、
宝水は効果があります。
・脱水状態だと、
熱中症や脳梗塞などの
危険が増す。
・それを防ぐためには、
効果があると。
・でも、頻尿で困っている場合、
水分制限した方がいいという。
・心臓や腎臓が正常な場合、
夜おしっこがよく出る人は、
脱水状態ではない。
・なので、宝水はいらないと。
・そして、夜間頻尿で
困っているのでなければ、
宝水を飲んでも問題ない。
・注意としては、
心臓や腎臓の機能が
低下している場合、
医師の指示に従うこと。
・ノドの乾きを判断しにくい
お年寄りなどは、
むやみに水分を減らさないよう
注意する。
□
今のところ、頻尿ではないようです。
寝る前に行くと、朝起きるまでトイレに行くことは滅多にない。
でも、ヘルニアの時は、近かったなあ。
ビールとか飲んだら、信じられないくらい、近くなってた。
ただそれは、手術したことで解消。
今は、トイレに行く回数は普通です。
とはいえ、これから歳を重ねると、きっと問題になって来るんだと思う。
昼の尿量と、夜の尿量。
心に留めておこうか。
[まとめ]
・心臓が危ない頻尿は、
夜だけ頻尿。
・夜だけ頻尿が、
心臓のポンプ機能が
低下してしまっている
隠れ心不全のサイン
である場合がある。
・夜間尿量が、
1日の3分の1を超えると
注意した方がいい。
・寝る3~4時間前の
ウォーキングや
スクワットは、
夜間頻尿に効果的。
・睡眠時無呼吸症候群でも、
夜間頻尿になる場合がある。
・夜だけ頻尿で悩んでいる人は、
宝水は控えた方がいい。
次回は、「バナナのスゴ技7連発」。
→ 「ためしてガッテン 2012年のアーカイブ 8月~12月」


