妄想ではなく幻視 レビー小体型認知症/ためしてガッテン

今週のテーマは、「新型認知症」

小阪憲司博士が発見した、第二の型です。

その名を、「レビー小体型認知症」という。

他の人には見えないものが見える、その症状とは。

家族ができる対応も。



2013年10月02日放送の「ためしてガッテン」より、「気づいて! 新型認知症 見分け方&対策大公開」からのメモ書きです。




ためしてガッテン 幻視が見える レビー小体型認知症




第二の認知症


ササミ
今回のテーマは、「認知症」です。

認知症は、記憶が失われたり、徘徊(はいかい)を繰り返すなど、本人も、家族も、たいへんな病気。

ガッテンでも、何度も取り上げてきたテーマです。

でも、まだ伝えられていない、大切な事実がありました。

それが、アルツハイマーの次に多い、「第二の認知症」

患者数は、80万人に及ぶのだという。

しかも、新たに見つかる患者さんが、急増中。

にもかかわらず、世間での認知度は、ほとんどありません。

街で100人に聞いたところ、93人は見たことも聞いたこともなかった。

しかも、この病気、気づかないと どんどん症状が悪くなり、回復が難しくなるという。



認知症といえば有名なのが、アルツハイマー型。

これを発見したのが、アルツハイマー博士(1864~1915年)です。


今回紹介するのは、日本の博士。

1939年生まれで、存命中です。

長い間、アルツハイマーなどと思われ、間違った薬を投与されたりして、患者さん本人やご家族が、苦しんでおらた、そんなある認知症があります。

それを、この日本人の博士が、発見したんです。

この病気は、2010年に、ガイドラインに治療法が載ったばかり。

それが、第二の認知症。

高齢の認知症患者の、5人に1人が、この第二の認知症ではないかと推定されている。


エノキ
そんなに多いのに、病気自体があまり知られてないわけですか。




ないものが見える?


横浜市に住む、80歳の男性。

この方は、2年前に認知症が悪化。

会話をすることも、立ち上がることも、できなくなりました。

それは、奥さんが、まるで死人みたいだったと振り返るほど。


ところが、です。

第二の認知症と分かり治療を受けたことで、今では、日課の散歩もこなせるようになりました。

趣味のハーモニカも、見事に奏でられます。

何より、をこに笑顔があった。


エノキ
あっ!

ひょっとしたら、この病気、第二の認知症だと分かることで、改善する可能性があるということですか?

ササミ
そうなんです。

この病気は、アルツハイマーや他の病気と間違えられることが、非常に多い。

そして、ずっと気づかないでいると、どんどん悪化してしまうんです。



先ほどの男性ですが、3年ほど前から、症状が出はじめました。

近所を歩いていて、道に迷ってしまう。

物を置き忘れ、あわてて戻ることも、増え始めました。

かかりつけの医師に相談し、記憶力や判断力のテストをしましたが、問題はありませんでした。

よくあることなので、気にしないでいいとのこと。

でも、診察室のドアを閉めて帰る時に、帽子を忘れちゃってた。


そして、二年半前のこと。

奥さんが、ある異変に気づきます。

旦那さんが、トイレに一緒について来てほしいと言い出したのです。

それ以後、家族の付き添いなしではトイレに行けないことが、増え始めました。


それから二か月後。

夜中に、異変が起きました。

旦那さんがいきなり奥さんに、男と寝てただろうと問い詰めだしたのです。

ある日などは、奥さんの布団の中で誰かが寝ていると、強く疑った。


そして、二年前のある日。

旦那さんはついに、警察に通報しました。

家の中に知らない男たちが入り込んでいると。

これに奥さんは、驚きました。

家には、誰もいないのです。

しかし、旦那さんは、奥さんがどこかに匿(かくま)ったのではないかと、疑いました。



この男性の症状は、こうでした。

 ・近所を散歩中、道に迷う。
 ・駅や病院に、帽子や傘を忘れる。
 ・一人でトイレに行けない。
 ・夜中に妻の浮気を疑う。
 ・家の中に不審者がいると通報。


ちなみに、アルツハイマー型の場合は、こちら。

<アルツハイマー型認知症の症状>

 ・物忘れ。
 ・失語。(言葉がうまく出てこない)
 ・失行。(着替えやトイレが、うまく行えなくなる)
 ・興奮。
 ・妄想など。




さて、男性を取材していたスタッフさんたちですが、ある場面に遭遇しました。

男性が急に、ある方向をじっと見だしたのです。

やがて、指さして、こう言った。

「あそこ今、子どもいる?」

5歳か6歳くらいの子どもが、4~5人見えるのだそう。


他の人には、見えません。

でも、男性だけには、見えているようなのです。

ただ、10秒程度で、それは消えてしまったそう。


エノキ
う~ん。

その人にだけ、見えるわけですね。

これは、こういう病気があると知っているのと知ってないのとで、差が出そうだ。


ササミ
実は、こういう症状こそ、第二の認知症の、最大の特徴なんです。

そしてこれは、妄想ではない

妄想とはいわば、現実ではありえないことをかたく信じてしまっている状態。

でも、第二の認知症の場合は、それを見ているんです。




小阪憲司 博士


この第二の認知症を発見したのが、小阪憲司 博士。

発見したのは、今から、35~36年前。


小阪先生は今、横浜市立大学の名誉教授を務めておられます。

現在、73歳。


先生は20代の頃から、認知症の治療をしながら、脳に何が起こっているのかについて研究を続けてきました。

認知症の代表といえば、アルツハイマー型。

その特徴は、記憶をつかさどる「海馬」という部分が縮んでしまうことです。

このため、記憶が徐々に、失われてしまいます。


しかし、診察を重ねるうちに、小阪先生は、まったく違うタイプの患者さんがいることに気づいた。

物忘れが進んでいかない。歩行がうまくいかなくなる。他の人には見えないものが見える。

こういった、アルツハイマー型認知症の患者さんとは違った特徴を持つ人がいたんですね。


そこで小阪先生は、患者さんたちの脳を、詳しく調べてみました。

すると、驚くべきことが分かった。

まず、アルツハイマー型では縮んでしまうはずの海馬が、ほとんど小さくなっていない。

さらに調べてみると、脳に見慣れない物体が見えました。

顕微鏡によって見える、点々と散らばる謎のかたまり。

これこそが、第二の認知症を引き起こす、原因物質だったのです。

その名は、「レビー小体」

不要なタンパク質の、かたまりです。


レビー小体は、フレデリック・レビー氏により発見されたもの。

もともとは、パーキンソン病との関連が指摘されていました。

それを小阪博士は、第二の認知症の原因物質であると、突きとめたんですね。


第二の認知症の名前は、「レビー小体型認知症」


ところで、男性が見たものですが、これを「幻視(げんし)」という。

これは幻覚の一つですが、実際には無いものが あるように見えること。

他の人には見えませんが、男性には見えているのです。



では、男性は、どのようなものを見ているのか?


この男性は、家族と一緒でないと、トイレに行けなくなってしまいました。

いったいトイレで、何を見ていたんでしょう?


そこで、裁判スケッチ(法廷画家)のプロフェッショナル、都倉聖司さんに協力してもらい、男性が見ていたものを絵にしてもらうことにしました。

その絵を見て、スタジオは騒然。

トイレの中に、人がたくさんいます。

真ん中に、口紅が鮮やかな女性。

その後ろにも、5人ほどの人がいる。


なるほど、こんなのが見えたんじゃ、トイレに行けなくなるのも分かります。


さらに、このレビー小体型認知症では、海馬が縮むことが少ないときている。

なので、物忘れがしにくいんですね。

つまり、怖いものを見た記憶は、はっきり残ってしまうんです。



男性は、怪しい人影を、トイレ以外でも見るようになりました。

ある日、目覚めると、部屋いっぱいに人が立っていたことがありました。


人影は、昼間でも、見えるようになります。

こうした経験が積み重なったので、ついに警察に通報したんですね。


居間や食卓では、お箸(はし)をくわえた子どもたちが見えることもあったそう。





エノキ
まるで、霊感とかの世界ですね。

でも、実際に見えているわけだ。

レビー小体があることで、どうしてこういうものが見えるんでしょう?


ササミ
そのメカニズムは、こうなっています。


レビー小体は、大脳全体ではあるんですけども、特に後頭部、それから側頭部に、多くたまると言われています。

その後頭部は、視覚情報を捉える場所。

そして側頭部は、その視覚情報に、意味づけを行う場所なんですね。


これで、何が起こるか?

レビー小体がたまることで、その部分の脳が、正常な働きをしにくくなります。


先ほどの例でいえば、トイレに置いてある容器の赤いラベルが、女の人の口紅に見えてしまった。

ちょっとした刺激があると、それを見間違うということに、つながってしまうそうなのです。


レビー小体型認知症 トイレに幽霊

ガッテン 幻視が見える レビー小体型認知症



エノキ
なるほど~。

これは、こういう病気だと知らないと、分からないですよね。

ご本人も、ご家族も、どっちもつらい思いをしそうだ。

家族は見えないから「ない」と否定せざるを得ないし、本人は見えるから「ある」と主張する。


ササミ
男性のご家族も、これが病気の症状だと分かってからは、すごく楽になったそうです。




レビー小体型認知症


ついにスタジオに、小阪憲司 博士、ご本人が登場。


レビー小体型認知症という概念がない時代、幻視などの症状が出るので、統合失調症(昔でいう精神分裂病)と誤解されたケースも、あったそう。

でも、先生が原因を突き止めたので、適切に診断できるようになりました。


レビー小体型認知症に気づくポイント

(1) 幻視

人や虫がいると訴える。

空中に手を伸ばす。

壁に話しかける。


(2)

症状が急に現れては消える。

(頭がハッキリしている時と、ボ~ッとしている時と、波がある)


(3)

筋肉がこわばって、動きが遅くなる。

(転びやすくなるなど)

(小股で歩くなど、パーキンソン症状が出る)


(4) その他

うつ病、便秘、大汗、大きな寝言など。



怖い夢を見て、「助けてくれ!」と大きな声で寝言を言う。

あるいは、時々、布団で暴れるなど。

こういった場合、「レム睡眠行動障害」の怖れが。

これは、レビー小体型認知症の前兆である場合も。



レビー小体は、脳から取り除けないそう。

なので、現在のところ、完治はできません。

ただ、幻視などの症状を和らげる薬はある。

医療と介護の組み合わせで、より効果が上がります。


また、早期発見と適切な治療が、改善のカギになる。

男性が現在 元気に暮らしているのは、このためです。


ちなみに、統合失調症や うつ病などの向精神薬を使うと、この病気はそういう薬に過敏なので、副作用が出やすいとのこと。

要注意です。


医師への相談ですが、認知症疾患医療センター(全国に200か所)や、地域包括支援センターのサポート医に相談を。



ササミ
認知症には、レビー小体型というのもある。

その場合、他の人に見えないものが見えるので、ご理解を。

エノキ
ガッテン! ガッテン!




家族にできる対応法


とあるご夫妻。

旦那さんが3年前に、レビー小体型認知症と診断されました。

以後、毎日のように現れる幻視に、悩まされています。

食卓の小さなゴミ(ゴマやパンくずなど)が虫に見えてしまい、気持ち悪くて、食事もできない。

母親が虫がいないことを伝えようとすると、男性はムッとします。

それは詭弁(きべん)というもの、何でウソをつくんですか? と反論する。

それもそのはず、男性には、確かに見えているのです。


男性はその時、奥さんを呼びました。

そして、どういう風にしたらいいか、聞いた。


奥さんは、何でもないことのように、笑顔で登場。

まず、虫に見えたことを肯定し、受け入れました。

これが、<ポイント(1) 幻視を否定しないこと>

その上で、お母さんには見えてないことも伝えた。

これが、<ポイント(2) 本人以外には見えないことを伝える>

それにより、「これは幻かもしれない」と思えるきっかけを作ります。

(ただし、強く言わないこと)


食べ物にも、工夫します。

トーストだと焦げたパンくずが落ちやすいので、フレンチトーストにする。


そうした工夫をしても幻視が見えることがありますが、そんな時は、秘密のおまじないをするといいます。

「今の無し、なくなりました」

「きれいに受け取りました」

「スッキリさわやか、元に戻った!」

そう言って、手を叩く。

これで大抵の幻視は、消えてくれるそうです。




<家族ができる! 幻視への対応>

(1) 幻視を否定しない。

  例)「虫が見えるんだね」

(2) 本人以外には見えないことを伝える。

  例)「お母さんには、見えないって」

(3) 幻視を見やすい環境を減らす。

  例)パンくずが出ないように工夫。

(4) 視覚以外へ注意をそらす。

  例)おまじない。手を叩く。



他にも、こんな方法が。

 ・好きな音楽をかける。
 ・猫を抱っこしてもらう。
 ・洗濯物を一緒にたたむ。
 ・散歩に誘い出す。
 ・手や背中を、さすりながら話をする。


みなさん、いろいろ試しているうちに、一番自分に合うものを見つけるのだそう。

ちなみに、最初に紹介した男性がしている方法が、「触ってみること」

これで男性の場合、幻視は消えるそうです。





NHK ためしてガッテン 2013年 11月号 [雑誌]




レビー小体型認知症の介護がわかるガイドブック―こうすればうまくいく、幻視・パーキンソン症状・生活障害のケア


 





エノキ
いや~、今日はビックリするような情報、満載でしたね。

ササミ
これを知ることで、理解が深まるかもしれませんね。

エノキ
実際にないものが、見えることがある。

それは、脳に起こった病気だったんですね。

ササミ
薬と周囲の理解で、改善できそうです。

理由がハッキリすることで、気持ちも楽になりそう。



[まとめ]


・幻視を伴う認知症があって、
 これをレビー小体型認知症という。

・完治はできないけど、
 薬と介護で改善は可能。

・本人には見えているので、
 幻視を否定しないこと。

・ただ、他の人には見えてないことも、
 ちゃんと伝える。

・それぞれにあった工夫を見つけられると、
 暮らしやすそうです。





次回は、「うまっ! 次世代パスタ」。





NHKためしてガッテン増刊 健康プレミアム Vol.05 2013年 09月号 [雑誌]




第二の認知症―増えるレビー小体型認知症の今






 → 「ためしてガッテン 2013年のアーカイブ 4月~6月」




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tag : ためしてガッテン 認知症


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